血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、怠惰のクソ悪魔です。そして今回はまぁその題名通りです。はいではそんな感じなので本編へどうぞ。


第360話 嫉妬の魔王

身支度を整えた自分達は博麗神社を出て守矢神社へと向かう。外はとんでもないぐらいの猛吹雪となっており視界が猛吹雪でかき消される。だがそれでも進むしかないため空を飛び進む。

 

霊夢「さっ寒い‥‥よくあんたあんな薄着で来れたわ

   よね」

 

早苗「きっ気合いと根性です!」

 

蓮 「もの凄い根性論だな」

 

言うて早苗っておしとやかな雰囲気はあるにはあるが七転八起というか懲りないというか少し天然というか見た目に反して結構なガッツはあるからな。

 

霊夢「ていうか道はこっちで合ってるのかしら?」

 

早苗「ここは彼処だから‥‥そのまま真っ直ぐです」

 

蓮 「よく覚えてますね!?」

 

早苗「えぇ何と‥‥かぁ!!?」

 

突風で早苗が吹き飛ばされそうになるがすぐに霊夢と共に早苗の手を掴む。

 

早苗「あっありがとうございます」

 

霊夢「本当に世話が焼けるわ」

 

蓮 「まぁまぁ‥‥」

 

そんなこんなで何とか守矢神社まで到達する。早苗の話にあった通り裏手の湖にこの異変の原因の龍がいるせいなのか守矢神社は博麗神社だとかよりも遥かに寒い。恐らくマイナス数値の温度になっているのは間違いないだろう。

 

霊夢「ささささ寒い!」

 

早苗「れれれ蓮さんはさっ寒くないんですか!?」

 

蓮 「なりに鍛えてますから」

 

実際は寒いには寒いが地底の灼熱地獄の特訓と比べればまだこんなの可愛い方だ。

 

早苗「そっそうですか!」

 

霊夢「とっとととりあえず行きましょう!」

 

蓮 「そうだね」

 

そうして自分達は少し歩き裏手の湖に来るとすぐそこで目を点にする光景がうつる。それは氷漬けにされた守矢の二神である八坂神奈子に洩矢諏訪子そして諏訪子が操るミシャグジ様までもが氷像のように凍っていた。

 

早苗「神奈子様!諏訪子様!」

 

霊夢「話で聞いたけどとんだ化け物ね」

 

蓮 「うん‥‥っ霊夢!!」

 

霊夢「えぇどうやらおいでなすったわね!」

 

その一言と共に氷が張った湖に亀裂が入る。やがてそれは広がっていき割れそこから長い体を持つ怪物が現れる。

 

? 「懲りずにまた来たんだな小娘それに今度は仲

   間まで連れてきて」

 

霊夢「そんな御託はどうでも良いのよ!あんたよね

   この吹雪の原因は!」

 

? 「そうだね‥‥少し暑かったから冷やしているの

   さ」

 

これで冷やすってイカれてるだろ。こんなの冷やすじゃなくて凍死レベルの寒さだよ。

 

早苗「そんな事よりも神奈子様と諏訪子様を元に戻

   して下さい!そしてここから出ていってくだ

   さい!」

 

? 「それは出来ないなその2人はいきなり文句を

   言ってきて攻撃を仕掛けてきたんだ解凍すれ

   ばまた襲ってくるだろ?それに僕にはやるべ

   き事があるのさ」

 

蓮 「やるべき事‥‥?」

 

それは恐らく博麗神社つまり自分達への報復であるのは間違いない。いや絶対にそうに決まっている。

 

? 「あぁ俺は博麗神社にいるという葛ノ葉蓮とい

   う名で人間にしては腕の良い剣豪がいると友

   人から聞いたからな‥‥そいつに用があるそれ

   が終わるまではここから離れる気もないしこ

   いつらを解凍する気もない」

 

こいつは自分を探していたのか。ならば話は速い。

 

蓮 「僕が博麗神社の葛ノ葉蓮だ!」

 

霊夢「蓮!」

 

警戒をしながら前へと踏み出し怪物の前へと出る。怪物は深い青色の目で自分を見つめる。

 

? 「お前がか?」

 

蓮 「そうです!」

 

? 「‥‥‥その刀の刀身を見せろ」

 

言われるがままに神楽を抜刀し金色に光る刀身を見せる。

 

? 「金色の刀身に整った顔立ち博麗神社の剣豪‥‥

   間違いはないようだな」

 

と、呟くとその怪物の体に亀裂が入っていく。やがてその怪物は氷となって粉々に砕かれると足場の湖から水が上がりその場に水竜巻を作り出す。やがてそれは氷と砕かれ1人の男性が立っていた。

 

霊夢「なっ」

 

? 「驚いたかい?一応は人型にもなれるんだ」

 

その男の腰には神楽よりも少し刀身の幅が広い鞘が見えるが服装がさながら軍人のような服装だ。だが目立つのはそのゆらゆらと動く爬虫類のような尾が先程の怪物を連想させる。

 

霊夢「あんたも悪魔よね?」

 

? 「あぁそうだ僕は嫉妬と呼ばれている者であり

   名はレヴィアタンまたはリヴァイアサンとも

   呼ばれている」

 

早苗「リヴァイアサンって海の悪魔って呼ばれてい

   るあの怪物の?」

 

? 「どう思ってるかは知らぬがそうだ」

 

嫉妬って何処かで‥‥そうだ確か怠惰が帰り際に知り合いの剣士に話をしておくとか言っていたな。つまりオセだとかの仲間じゃなくて怠惰の仲間か。

 

蓮 「一応は確認しておきますが先程に述べた知り

   合いって怠惰さんですよね?」

 

嫉妬「あぁ別名キチガ医のクズの中のクズ医者」

 

合っているやっぱり怠惰が紹介すると言っていた嫉妬で間違いないだろう。

 

霊夢「ちょっとなら何であんたは私達に危害を加え

   るのよ!」

 

嫉妬「勘違いするなよ?俺いや怠惰以外の俺を含め

   た6人はあの娘と何の契約もしてはいない故

   に殺そうと思えば貴様ら全員を即刻今この場

   で殺ったって構わないんだからな?」

 

蓮 「っ!」

 

2人に何かがあっても良いように前へ出て構える。

 

嫉妬「だがお前らをやると怠惰に俺が殺られかねな

   いのさ‥‥」

 

霊夢「あんた達って天狗と同じで上下関係でもある

   の?」

 

嫉妬「いいやそんなのはない‥‥ただ怒らせてはなら

   ない奴の1人だから言っているのさ奴を怒ら

   すと何をされるか分かったものじゃないから

   な‥‥」

 

嫉妬の顔が青くなる。これは絶対に怠惰と昔に何かあったな。だが今はそんなのよりも神奈子と諏訪子を助けなければ。

 

嫉妬「この氷漬けになった2人を見ているが気にな

   るのか?」

 

早苗「蓮さんを見たなら早く御二人を解放して下さ

   い!」

 

霊夢「そんで天気を戻しなさいよ!」

 

嫉妬「まだ俺の用件は終わってないぞ小娘共」

 

一瞬だったが鋭い殺気が全身に刺さり冷や汗が流れる。霊夢に早苗も流石に相手が悪いのか下がった。

 

嫉妬「俺は葛ノ葉蓮お前にこれを渡すためだ」

 

そう言うと右手の手袋を外し投げ渡してくる。それをキャッチすると早苗は驚いた顔をする。

 

早苗「れっ蓮さんその意味を分かってますか!?」

 

蓮 「えっ?‥‥…あっ!!?」

 

そうだ確か昔に世界の歴史だとかで見たことがある。確かこれは、

 

霊夢「はぁどういう意味よそれ?」

 

蓮 「決闘だよ」

 

それは決闘を申し込んだという証だ。しかも手袋を受け取ればその決闘を受けるという意味になるからつまり嫉妬の魔王と呼ばれた男の決闘を受けてしまった。

 

嫉妬「ふっ‥‥」

 

抜刀し先が緩やかに湾曲している剣を構えると猛吹雪の天気は朝のような快晴に変わる。そして一瞬で神奈川子と諏訪子も解凍されその場に倒れる。

 

早苗「諏訪子様!神奈子様!」

 

早苗は倒れた2人に近寄る。嫉妬は自分を見て、

 

嫉妬「解凍はしてやったし天気も戻した‥‥翌日に貴

   様等の神社に向かう逃げても良いがそうなれ

   ばどうなるか‥‥分かるよな?」

 

蓮 「っ!」

 

恐らく逃げればこいつは今度こそこの幻想郷全土を氷漬けにするもしくは皆殺しにするのだろう。

 

嫉妬「では翌日の真昼の正午にな」

 

そう言うと嫉妬は湖の中へと入り姿を消した。

 

早苗「れっ蓮さんどうするんですか!」

 

蓮 「やるしかないよ」

 

霊夢「蓮……‥」

 

そうして魔王に決闘を挑まれた自分は命がけになるだろう決闘への覚悟を固めるのだった。




狗神「そんじゃ今回もありがとうな」

鈴蘭「あっ姐御大変な事になってるよ!?」

神楽「たっ怠惰さんのご友人がまさかの決闘相手で
   すか!?」

狗神「決闘て殺し合いだよな?」

神楽「えっえぇ基本的には」

鈴蘭「これ紛れもなく蓮くんの物語史上もっとも危
   険な相手だよね?」

神楽「怠惰さんの実力そして昔に言っていた自分よ
   りも格上という言葉的に恐らくは‥‥」

狗神「小僧の奴マジで死ぬんじゃないか?」

鈴蘭「止めて物騒だから!?」

神楽「怠惰さん早く帰ってきてください!」

狗神「あの野郎は本当に‥‥はぁ仕方ないとりあえず
   今回は終わるぞ」

鈴蘭「うっうんそれじゃまた次回ね」

神楽「それではありがとうございました‥‥」

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