正邪の一件から数日が過ぎた日の事。博麗神社の居間で霊夢と共に過ごしていたのだが、
霊夢「うぅ寒い‥‥」
少名「ヘックシュン!」
蓮 「大丈夫?」
少名「うん‥‥」
外は突然の猛吹雪となり急激に底冷えしていた。炬燵を出していないため仕方なく自分と霊夢で布団を分け合い布団に足を入れ丹前を着こみ過ごしていた。因に針妙丸は霊夢の丹前の中に潜って暖を取っていて本当に人形みたいだなと常々と思う。
少名「何で今日はこんなに寒いのかな‥‥」
蓮 「確かに‥‥」
針妙丸が言う通り明らかに可笑しい。梅雨入り近くまだ冬は来てはいない筈なのにも関わらずこの異様な寒さは絶対に可笑しい。
霊夢「明らかな異変よね‥‥またあの亡霊やらが何か
起こしたのかしら」
蓮 「それはないと思う‥‥」
幽々子や妖夢の事を言っているのだろうが違う気がする。だってあの一件から懲りて今は普通に過ごしている筈なのだから。
霊夢「でも異常気象なのよね」
蓮 「うん」
あの時みたいに外が雪程度なら可愛いものだろう。
少名「あっ氷精だ」
だが実際は猛吹雪で外では氷の妖精のチルノが楽しそうに飛び回り突風で地面に顔を叩きつけるというそんな事が起こっていた。
蓮 「あちゃ~‥‥」
霊夢「本当にどうなってるのよ」
と、言っていると突然、襖が勢いよく開かれる。何事と思い見るとそこには、
早苗「れっれれれ蓮しゃんにれれ霊夢しゃしゃん」
髪の毛に霜がつき寒そうに体を震わせる早苗が現れる。
霊夢「あんたそれどうしたの!?」
蓮 「お湯を持ってくる!!」
少名「えっえぇと!もっ毛布ってあったかな!?」
針妙丸は霊夢の丹前から飛び出し寝室に向かい自分はすぐに厨房に向かいお茶ために沸かしていたお湯を再度沸かしだす。霊夢はその間に自分達が使っていた布団で早苗をくるみ座らせる。あらかじめ沸かしておいたためかすぐにお湯が沸き上がり桶に入れていると、
少名「れっ蓮さんっ!!?」
蓮 「うわっ大丈夫!?」
重たい毛布をズルズルと引きずりながら針妙丸は毛布を持ってくる。
蓮 「霊夢!」
霊夢「えぇ分かってるわ貸して!」
持ってきた毛布を受け取った霊夢は早苗にくるませた布団の上に毛布をかける。そしてお湯の準備が出来たため早苗の足元に少し熱めのお湯が入った桶を置き早苗の足を突っ込む。
早苗「っ!!!?」
霊夢「我慢しなさい!」
寒さは足からきてやがて全身にと凍傷が起こる。そのため足を最優先に温めかつ体を寒さから防げる毛布などでくるまなければ最悪は凍死してしまう。
蓮 「大丈夫ですか?」
早苗「えっえぇ‥‥すっ少しはマシになってきました
よ…‥‥」
温かいお茶を入れ早苗に渡すと早苗はお茶を飲む。
霊夢「てか貴女は何でここに来たのよ?」
少名「こんな猛吹雪なのに」
それを聞くと早苗は慌てふためき自分達を見て、
早苗「そうだ!どうかどうか!お願いです!私達を
助けて下さい!」
いきなり助けを求めてきた。一体何がどうなっているんだ。
霊夢「ちょっと待ちなさい!色々と略し過ぎよ落
ち着いて訳を話して頂戴」
それを言われた早苗は深呼吸をして下を向き話し始める。
早苗「‥……朝の事です朝は何気ない1日そして何ら
変わりのない晴れやかな陽気で始まり神奈子
様と諏訪子様とで何時もと同じ1日を過ごす
筈でした‥‥」
蓮 「朝?」
言われてみると確かに朝は普通の晴天の天気だったな。急に雲が荒れだして雪が降りやがて今の外みたいな猛吹雪になったんだよな。
早苗「ですが神奈子様と諏訪子様は何か様子が可笑
しかったんです御二方はすぐに裏手の湖に向
かい私も湖に向かいましたそしたら湖が氷っ
ていてしかもそこだけ異様にに寒くてそした
ら湖からそっその‥‥」
霊夢「何よ?」
早苗「りゅっ龍が現れたんです!」
少名「龍!?」
と、言うと針妙丸は驚いた顔をして叫びだす。
霊夢「龍ねぇ」
蓮 「うん」
針妙丸は分からないとは思うが龍に限ってはもう正直な話でもう見慣れてきているんだよな。理久兎といいその母親である龍神といい慣れって怖いなお常々と思う。
早苗「何ですかその反応は!?」
霊夢「だってねぇどこぞの駄神やらで見慣れてるし
ねぇ」
少名「そうなの!?」
蓮 「うんほら前に来た理久兎さんっているでしょ
あれも元々は龍の神様の1人なんだよ?」
少名「知らなかった‥‥」
無理もない。針妙丸はこれまで他者とはあまり関わらない生活をして来たんだ。知らないのは仕方ない。
早苗「って聞いてください!」
霊夢「聞いてるから話なさいよ」
早苗「……‥それでその龍は言ってきたんですここは
博麗神社かって」
つまりその龍はここ博麗神社と守矢神社を見違えたというのだろうか。
早苗「違うと否定したんですがその龍はここが気に
いったとか暑いだとか言い出してその結果、
神奈子様と諏訪子様を怒らせてしまい戦いに
なったんです」
蓮 「つまり神奈子さんがこの天気にしたんですか
早苗さん?」
確か神奈子は天気を操るぐらいなら造作もない筈だ。戦うにあたってこんな天気になったのだろう。
早苗「いえこの天気を引き起こしたのはその龍です
御二方はその龍と争い結果的に氷漬けにされ
てしまったんです‥‥」
霊夢「あの二神を!?」
つまり実力は理久兎レベルもしくはそれ以上の実力者という事だろうか。
早苗「私それを見ていたら恐くて‥……」
霊夢「もう良いわ‥‥でも何でまたここに?」
蓮 「恐らく考えれるのはオセの仲間による報復だ
と思う」
少名「オセ?仲間?」
蓮 「えっとまたそれは次回話すね」
針妙丸をあまり巻き込みたくはないが事情ぐらいなら話さないとな。しかしあの悪魔が報復するために仲間を使ったとなれば色々と説明がつくな。
霊夢「蓮のその意見には納得ね」
蓮 「‥‥…やるしかないか」
これも因果か。ならばそれを立ち上がり置いてある神楽を手に取る。
早苗「だっ駄目です!行ったら神奈子様や諏訪子様
のように!それに私は助けを求めに来たので
はなく御二方の身に危険が迫ってる事を‥‥」
蓮 「それでも行くんです‥‥友人が困っているのな
らば尚更に!」
霊夢「言うと思った‥‥仕方ないし私も行くわ言って
おくけどあんたや守矢の二神のためじゃない
わよこれも幻想郷のためだから」
早苗「蓮さん‥‥霊夢さん‥‥」
寒さを防ぐためにお互いに防寒着をしっかりと着込む。
蓮 「針妙丸さん留守番をそして早苗さんをお願い
します」
少名「うん分かったよ」
と、言っていると水の滴る音が後ろから聞こえてくる。振り向くと桶から足を出しふらふらと早苗は立ち上がる。
早苗「……‥私も行かせて下さいませんか!」
そして頭を下げて早苗は自分と霊夢に頼み込んでくる。
霊夢「あんたバカなの!?」
蓮 「早苗さん今の貴方が行けばもしかしなくても
死ぬかもしれませんよ!?」
早苗「それでもですよ!蓮さんや霊夢さんが危険だ
と分かっていながらも私達を助けに行ってく
れるんです守矢の巫女として行かない訳には
行かないんです!」
蓮 「ですが」
と、止めようとすると霊夢に静止させられる。
霊夢「分かったわただし途中でバテても私は面倒は
見ないから‥‥」
早苗「霊夢さん」
蓮 「良いの本当に!?」
霊夢「ここまで覚悟があるなら大丈夫でしょう‥‥そ
れに断ってもこいつ絶対についてくるし目で
見えない所でのたれ死にされても困るしね‥‥
それとそんなの身近な人で何度も見てるから
止めようにも無駄なのも知ってるのよね私」
それってどうみても僕だよね。申し訳なくて苦笑いが出てしまう。
蓮 「……‥そこまで言うなら」
早苗「蓮さん御2人方共にありがとうございます!」
霊夢「とりあえず防寒着は貸してあげるから2分で
支度なさい」
早苗「分かりました!」
蓮 「色々と狂ったけど留守番をお願いしますね」
少名「任せて蓮さん♪」
そうして自分達は身支度を整え何かが起きた守矢神社へと急いで向かうのだった。
狗神「そんじゃ今回はここまで」
鈴蘭「あの神様達が氷漬けってやっぱり怠惰がいな
いと何かが起こるよ!?」
神楽「今度の敵もまさか」
狗神「十中八九そうだろうな」
鈴蘭「今度はどんな奴なんだろ」
神楽「不安‥‥ですね」
狗神「私等は何時でも出て小僧を支援する準備をす
るだけだ」
鈴蘭「だね!」
神楽「頑張ってください蓮さん!」
狗神「さて時間も時間だし今回はここまでにするか」
鈴蘭「うん!また次回もよろしくね読者様」
神楽「それでは今回もありがとうございました」
鈴蘭「またねぇ~♪」