血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、成績表が配られた怠惰のクソ悪魔です。見てみた所、赤点は無しでホッとしました。気がねなく春休みを迎えられそうです。それでは本編へどうぞ。


第301話 先祖の記録

天魔様の元で修行すること6日目へと突入する。今日は天魔様の実践修行の後に見せたいものがあるとの事で延長して天魔様の家に来ていた。

 

蓮 「それで何を教えてくれるのですか?」

 

風雅「そう焦るな今日お前に見せるのは理久兎を語

   る偽物を倒した際の映像だ‥‥」

 

文 「あれそんなん見せる必要ってありますか?」

 

風雅「大いにあるそれに若僧にも少なからず関係す

   る話だ‥‥」

 

関係するって一体どういう事だろうか。

 

風雅「お前の先祖は安倍晴明で合ってはいるな?」

 

蓮 「えぇ」

 

何故に晴明さんと自分の事を聞いてくるのだろうか。

 

風雅「これは理久兎と晴明が出会った記憶でもある

   と言ったら?」

 

蓮 「えっ!?」

 

それは凄い気になる。夢であった時も理久兎と共に助けに来てくれてなおかつ理久兎が可笑しくなった時も気にかけていたりとしていて友とまで語るぐらいだ。そんな2人はどんな出会いをしたのかが気になる。

 

風雅「今回は‥‥といっても何時もと何らしら変わり

   はしないがしっかりと見ておくのだぞ?」

 

文 「了解~♪」

 

蓮 「文さんご機嫌ですね」

 

文 「それはそうですよこの時の私はまだ幼かった

   ので同行できてはいませんからね♪」

 

それは意外だ。道理で文の会話は曖昧といった感じと思っていたが本格的には知らなかったのなら良く分かる。

 

風雅「お前等身構えておけよ‥‥」

 

そう言い天魔様は術を唱えた。

 

風雅「鞍馬妖術 立体射影幻術」

 

と、唱えるとこの数日間で慣れてきていた光に包まれたのだった。光が止むとそこは暗い空の元だった。

 

蓮 「ここが?」

 

風雅「あぁそうだ‥‥」

 

天魔様が指で場所を示すとそこから大きな隙間が開いていきそこから鬼子母神の美寿々を筆頭に萃香に勇義そしてその後ろからはぞろぞろと妖怪が出て歩いていく。

 

蓮 「すっ凄い」

 

風雅「この頃は1番の全盛期だったからな」

 

この何日間かは天魔様によって色々な風景を見せてもらったがこれまで見たなかでも一番の光景だ。なにせ見よう見間違いがない文献で見た幻想百鬼夜行の絵そのものなのだから。妖怪達は里の門へと向かうと閉められている門をぶち破り突撃していった。

 

蓮 「あれでもあの集落って人の‥‥まさか」

 

風雅「いいや違う‥‥あの集落は元は人間の物だった

   みたいだが妖怪達によって占拠された場所だ

   それに言ったろ理久兎の偽物を退治すると」

 

と、言うと今度は無数の天狗達が空を飛び交うと一斉に地上へと突撃して行った。

 

文 「やっぱりこれを見ていると私も行きたかった

   なぁ」

 

蓮 「えっ文さんは参加していないんですか?」

 

文 「えぇこの頃はまだまだ幼かったもので♪」

 

これまで知っているような感じとは思ったがそういう事か。文はこれまでの戦争に参加してはいなかったのだな。

 

風雅「さてと場面を移すぞ」

 

そう言い天魔様はぶつぶつと術を唱えると光景が変わり今度は広場の中央になった。そこでは理久兎を筆頭に各々の妖怪達が集まっていた。

 

風雅「さてとこれからが大詰めの戦いになるからな

   しっかりと見ておくのだぞ?」

 

と、言っていると理久兎達は移動を開始する。天魔様はまた術を唱えると今度は薄暗く明かりが灯る仄暗い場所に来た。周りを見渡すと数多くの人間達がぐったりとして牢に入っていった。

 

蓮 「これは‥‥!」

 

文 「あれって」

 

文の指し示す方向を見るとそこには服を引き裂かれ裸となっている少女がいた。しかも腹は丸い赤色になっていて少し青紫色になりつつあった。しかもあの少女は自分の知っている者に近かった。

 

蓮 「せっ晴明さん!?」

 

紛れもなくあれは晴明だ。しかも夢で見たときよりも断然幼い姿だった。しかもその少し先には白い虎が妖怪達に袋叩きにされていた。

 

蓮 「あのこれ間違ってませんよね?」

 

風雅「いや間違ってはいない当時の晴明は弱かった

   からな‥‥あの男に出会うまではな」

 

と、言っているとバキュンという音が洞窟内で鳴り響くと白い虎を袋叩きにしていた妖怪が1匹倒れた。更に続いてまたバキュンと音が聞こえるとまた1匹倒れる。すると入り口からぞろぞろと妖怪達を従えて理久兎が入ってきた。

 

文 「おぉ凄いですねぇしかしこうして見るとゲン

   ガイさんや美寿々様も随分と若く見えますよ

   ねぇ」

 

風雅「自分だせが若いみたいな言い方をするな」

 

蓮 「しかしこれを見ていると理久兎さんはある意

   味で僕達の一族を救ってくれたんですよね」

 

もしもこの時に理久兎達が来なければ自分達の一族はいなかったのかもしれない。そう思うと因果とは面白いものでもあるし怖いものと思えた。すると晴明と晴明を押さえつけていた妖怪は隙間へと落ちていった。何処にと思っていると押さえていた妖怪は奥の木箱へと落っことされ晴明は理久兎の腕に抱き抱えられると理久兎は自身のコートを着せる。

 

文 「こう見るとイケメンですが中身が残念なんで

   すよねぇ理久兎さんって」

 

風雅「まぁ彼奴の良いところでもあるがな」

 

そんな事を言っていると理久兎達は偽物達との軍団と交戦を始めた。

 

風雅「まぁともかく見ておけ小僧‥‥今回の理久兎は

   少々だが偽者共にキレているからな」

 

と、言われ理久兎を中心に戦う風雅や美寿々を見る。風雅は見事なまでに素早く隙のない動きで偽物を圧倒し美寿々は巧みなフットワークと鬼ならではの力で偽物を圧倒する。そして肝心の理久兎は目に見えぬ速度で偽物の腕を切り落とした。

 

風雅「今の動き見たか?」

 

蓮 「えぇ目に見えぬ一閃による切り払いで切り落

   としましたね‥‥それに相手はまるで腕を切り

   落とされた事に全く気づいてはいませんね」

 

風雅「あぁ彼奴はまだ自分の腕があると思っている

   からな‥‥だが」

 

と、言いかけると理久兎の偽物は自身の腕が切り落とされた事に気づき絶叫した。

 

風雅「あぁいった強者を演じる弱者は何かしらの事

   があればすぐに威勢は崩れるものだ」

 

もうそこからは理久兎のなすままに斬られ続け偽物は泣き叫びながら謝罪と懇願をしたが理久兎は許すことなく最後は空紅の炎で包まれ偽物は灰となって辺りに散っていった。

 

風雅「さてと」

 

目映い光が包み込むと自分達は元の場所へと戻った。

 

風雅「こういった事件から理久兎と晴明は友になっ

   た訳だな

 

蓮 「しかし何故に晴明さんは彼処に?」

 

風雅「後から聞いた話だがどうやら晴明よりも身分

   が高い者から理久兎達偽物‥‥まぁ本物の我等

   もそうだが退治の依頼があったみたいだ侵入

   に成功したのは良いものの結果はご覧のあり

   さまだ‥‥当時から最強とは言ってもそんなも

   の所詮は人間相手の式神勝負はたまた都に出

   た下級妖怪を相手にしていればそう言われる

   のも致し方がないのかもしれないがな」

 

文 「だけど彼女は理久兎さんに出会った事で自身

   の愚かさを知った‥‥そして後に正真正銘妖怪

   達からも恐れられる本物の陰陽師として活躍

   したんですよ♪その手の情報は度々と流れて

   きましたからね♪」

 

こうして見ると自分の一族は理久兎に世話になりっぱなしなのだなと思った。もし理久兎が何かに困ったら助けたいなと思った。

 

風雅「さてそれじゃ学問は終わったし次は実技に入

   るぞ小僧準備しておけよ」

 

蓮 「はい!」

 

文 「頑張って下さいねぇ♪」

 

そうして自分は天魔の指示の元に修行を始めるのだった。




怠惰「ではでは今回はここまででそうろう‥‥」

狗神「何だその言い方は?」

怠惰「気にしないで」

鈴蘭「はぁ‥‥この頃の晴明ちゃんは見てらんない」

神楽「そういえば鈴蘭さんは出てませんね?」

鈴蘭「それね!晴明ちゃんったら酷いんだよ!より
   にもよって私の式神札を部屋に忘れていくし
   殆ど家事してたからこの頃は出番ないし!」

狗神「それが準レギュラーか‥‥」

怠惰「あの頃は鈴蘭の事は考えていたけれど正確に
   出すかは悩んでいたらしいよ?出さなかった
   なら伝言役の蝶々止まりで出番なかったし」

鈴蘭「ちょっと中の人を蹴り飛ばしてくるよ!」

神楽「えぇ!?」

怠惰「止めろそしたら俺にも影響が出るんだぞ!」

鈴蘭「好都合!」

狗神「やって来い鈴蘭!」

怠惰「マジで止めないと麻酔なしでロボトミー手術
   するぞ!」

鈴蘭「これ脅迫だよ!?」

怠惰「たく‥‥やれやれさてとそれじゃそろそろ今回
   は終わりますか」

狗神「ちっ‥‥そんじゃ今回はここまでな」

神楽「今の舌打ちって‥‥えっとそれでは読者様」

鈴蘭「また次回もよろしく」

怠惰「そんじゃサラバ♪」

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