黒髪の禍々しい力を持った人形は粉々に砕け散った。それと同時にアリスが操っていた数々の人形は1つまた1つと地面へと落ちていく。
霧雨「勝ったぜえぇ!!」
聖 「ふぅ………」
と、言っていると人形が持っていた黒い水晶は砕け黒い翼を生やした少女へと変わった。それはさとりのペットの1人であるお空だ。
霧雨「今回の水晶になってたのは鳥頭だったか」
聖 「みたいですね………」
パチ「魔理沙それよりもアリスは?」
霧雨「あっ」
パチュリーに言われ振り向くと倒れているアリスを見つける。すぐに箒で移動して駆けつけアリスの顔を覗き込む。先程の光のない目ではなく目をつむり眠っていた。
霧雨「おい起きろアリス!しかも誰だよこんなボロ
ボロにした奴は!」
起こそうとするがまったく起きる気配がない。それよりも何故にこんなボロボロになっているのだ。
パチ「ツッコミしたら負けよ?」
聖 「はっはぁ?」
パチ「………それよりも魔理沙いっそのことで王子様
からキスでもすれば?」
霧雨「はぁ!!!?」
何を言ってるんだこいつは。だが確かにもし目覚めないとなるとと考える。そうなるとやった方が良いのだろうか。
霧雨「なっなら………」
女同士なら減るものでもないし大丈夫だろうと思いつつ近づける。
聖 「はわわわわ!」
パチ「あれ本当にやるの冗談のつもりだったけど」
魔理沙の唇が触れそうになる数ミリの所で、
アリ「んん‥‥あれ?」
アリスが目を開け自分の目と合う。そしてこの時に悟った。
アリ「!!!!?」
「ぶっ飛ばされる」とそしてそれは的中することとなった。
ゴスッ!
霧雨「ぐふっ!!?」
赤面したアリスから見事な右フックが入り数メートル吹っ飛ばされた。
アリ「魔理沙あんた何を考えてるのよ!!?」
霧雨「イテテテ………違うぜ!パチュリーがやれって
言ったんだ!!」
パチ「私はしろだなんて一言も言ってないわよ?」
聖 「その………ひっ卑猥です!」
霧雨「これが蓮の気持ちか!!?」
何時も蓮が受ける仕打ちを少し味わえた気分だった。そして冷静になったアリスは辺りを見回す。
アリ「所でここ何処よ?それに何?この痛々しい服
は?何で私こんなの着てるの?」
霧雨「そうだ!彼奴は!」
存在をすっかり忘れていた。この異変を引き起こしたいや引き起こすにあたって今も利用されている黒のことを。
黒 「ギャハハハハハハハいるぜ♪俺はよ」
ぬぅっと部屋の隅の影から出てきた。アリスも危険と思ったのか身構えた。
黒 「これが百合ってやつか?」
アリ「違うわよ!こんなのと誰が!」
霧雨「私だってごめんだぜ!」
復帰して早々でこの憎まれ口が言えるのなら大丈夫だろう。本当に心配して損した気分だ。
霧雨「残るのはお前だけだな黒‥‥チェックメイトだ
ぜ!」
アリ「えっ黒ってまさかえぇ!?」
パチ「事情はあとで話すわ今は彼奴を抑えるわよ」
聖 「黒さん覚悟してください!」
黒 「ギャハハハハハ‥‥チェックメイトに覚悟ね?
てめぇらどいつもこいつも俺様を舐めすぎな
んだよ!下等種族どもが!」
黒から凄まじい魔力の流れを感じると共に鋭く尖った殺気が伝わってくる。4人は何時でも相手できるように身構えると、
黒 「さぁ饗宴を………」
と、黒が言おうとした瞬間、
? 「あらあらそれだと負け犬の遠吠えよ」
黒 「あんっ?てめぇ何でいるんだよ!」
背後を見るとそこには着物を着こなす女性が立っていた。だが頭には獣の耳があり後ろにはふわふわな尾も生えておりその姿は獣人と言っても過言ではないだろう。
? 「黒‥主からの命令よ帰ってこいと」
黒 「あん?帰って来い?ふざけるな!今から楽し
い所なんだろうがよ耶狛!!」
霧雨「耶狛!?」
アリ「あれがあの耶狛!?」
あんな子供ぽっかた耶狛がここまで激変していて大人のような雰囲気が醸し出しているのに驚いてしまう。
耶狛「来ないとまたお仕置きをくらいますよ?」
黒 「ちっ!了解した………けっ!興ざめだ悪いが今
回は退場させてもらう」
霧雨「てめぇ逃げるのか!」
黒 「逃げるんじゃねぇあくまでお預けだ次こそは
決着だと思えそれとここの領地は返してやる
もう必要もなくなったからな‥‥じゃあな」
耶狛「ふふっごきげんよう♪」
そう言い黒は影へと潜み同時に耶狛も影へと入っていき一瞬で何処かへと消えていった。
霧雨「クソっ!あの野郎共逃げやがった!」
パチ「でも良かったでしょう魔理沙こっちも大分魔
力を消費したもし黒と耶狛と同時に戦うとし
たら負けてたのはこっちかもしれなかったわ
よ?」
パチュリーの言う通りだ。刈り取る者やアリスとの戦いで大分魔力を消費してしまった。もし戦っていたらこっちが負けてたかもしれない。
聖 「とりあえずは一旦は帰りましょう報告のため
もありますがこの障気ではこの子も危険です
しね」
そう言い聖は倒れているお空をおんぶした。
パチ「そうねだけど南組はどうなったのかしら討伐
対象の耶狛がいたって事は最悪全滅も」
霧雨「それはねぇだろあっちには不老不死達がいる
んだからよ‥‥とりあえずは聖の提案通り退散
しようぜ」
アリ「それと色々と聞かせてくれない?」
霧雨「なら道中で話すぜそれじゃ博麗神社に戻ろう
ぜ!」
そうして4人は博麗神社へと戻るのだった。そしてこれが行われる数時間前に遡り南の方角の者達へと話は変わる。太陽の畑へと向かう道中では、
輝夜「こっちよ!」
妹紅「いいやこっちだ!」
永琳達は右と左へと別れる分かれ道の前へと来ていた。そして妹紅は右と言い張り輝夜は左と言い張っていた。
永琳「はぁ………うどんげどっちが近いのかしら?」
呆れながら鈴仙に聞くと困った顔をして、
鈴仙「えっと………姫様に申し訳ないんですがその
右ですかね?」
妹紅「ほらみろこの方向音痴ずっと屋敷に籠って
るから方向感覚が鈍るんだよ!」
輝夜「何よ!たかが道が合ってたぐらいで調子に
のらない事ね妹紅!」
この2人は相変わらずで喧嘩だ。この光景を見て流石の天子も呆れ顔だ。
天子「本当に不安になってきたわ」
衣玖「そうですね……」
萃香「アハハハハ♪ほら行くよ」
萃香は妹紅と輝夜の服の襟を掴みぐいぐい引っ張っていく。
輝夜「ちょっちょっと!」
妹紅「引っ張るなぁ!」
永琳「こういう時に彼女がいてくれると助かるわ」
そう言い永琳は萃香に着いていく。こうして見ると心配と言えば心配だが天子は少しだけ羨ましいと思った。
天子「はぁ………行くわよ衣玖」
衣玖「分かりました総領娘様♪」
そうして天子と衣玖も萃香達に着いていくのだった。
怠惰「ではでは今回はここまで!」
狗神「南組はどうなったんだよ………」
鈴蘭「逃げられたってのが答えかな?」
神楽「そうなりますよね耶狛様がいたってことは」
怠惰「さてさてどうかな?まぁそこは次回をお楽し
みにって事で♪」
狗神「まぁネタバレは良くねぇしな」
鈴蘭「そうだねぇ」
神楽「速く北組をやって欲しいですね」
狗神「あっあぁ‥‥」
怠惰「まぁやるから安心してよって事で今回はここ
まで!」
鈴蘭「また次回もよろしく~♪」
狗神「そんじゃあな」
神楽「それでは♪」