血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、皆様からの投票が多かった晴明の物語をやっていきます。一応は4~7話でやる予定で知っている方はいると思いますが此方は日曜日投稿となりますのでお願いします。では本編へどうぞ。


第零章 陰陽物語
第1話 平安の陰陽少女


これは幻想郷が誕生する前の時代まだ魑魅魍魎(ちみもうりょう)たる妖怪達が人々から畏れられ人が光であれば魑魅魍魎の者達の妖怪が影であり対立をしていた頃…これはそんな時代に生きた1人の少女お話……

 

妖怪「貴様の肉を食らわせろぉ!!

 

夜の都に1ぴきの妖怪が1人の少女を追っていた。その妖怪の姿は月明かりに照らされて真っ赤な肌が見えただ獲物しか見ないその目、悪鬼と呼ばれる部類の妖怪だ。そして少女は走っていき橋の上で止まる。

 

妖怪「何だもう追いかけっこは終わりか?なら

   貴様を食らわせてもらうぞ!」

 

そう言い悪鬼がその少女を掴もうとした瞬間だった。

 

ギンッ!

 

妖怪「なっ何だこれは!!」

 

突然橋の下の水から無数の糸が現れ悪鬼の動きを封じた。そして少女は振り返り、

 

少女「貴方、私にしか目がいってないのだから

   こうなってしまうのよ?」

 

妖怪「何だと貴様!…まさかお前、陰陽師か!」

 

少女「貴方に答える義理はないわ」

 

そう言い少女は1枚の札を妖怪の凸に張り付けると、

 

妖怪「ぎゃががががごがごかがかぎご!!」

 

張り付けたお札から青い電撃が(ほとばし)り妖怪を包み込み苦しませる。すると少女はぶつぶつと呪文を唱え人差し指で何かを描き始める。

 

妖怪「何!何をする気だ!!」

 

少女「臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前(りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん)!」

 

少女が呪文を唱えつつ五芒星を描くと腕で一閃してきる。するとその五芒星は妖怪の凸にまた張り付くと、

 

妖怪「やっやめ!!」

 

少女「害ある妖よこの地から往ね!!」

 

妖怪「ぎゃーーーーーーーー!!!」

 

悪鬼が叫びをあげるとその場から悪鬼は消えて代わりに真っ黒な灰が橋の上に残るが風が吹くと肺は散った。

 

少女「さてとお仕事おしまい♪帰ってお酒で

   1杯ね♪」

 

楽しそうに少女は帰っていく。その少女はやがて伝説となる者その名を……

 

晴明「うぅ~~~~ん♪」

 

安倍晴明と……そして時は過ぎその翌日の朝へと変わる。鳥の囀り声で晴明は起床した。

 

晴明「はぁ……眠い……」

 

呟きつつ布団から出て居間へと向かい居間のテーブルに頬をつける。

 

? 「も~晴明ちゃん起きて」

 

晴明「うん?…あれ何でいるの……?」

 

いつの間にか自分の式神の鈴蘭が立っていてその手にはおぼんが握られておぼんの上には料理が並べられていた。

 

鈴蘭「速く食べないと遅刻しちゃうよ?」

 

晴明「えっ……そうだったわ!!」

 

今日は陰陽寮で大切な会議があることを思い出し料理をダッシュで食べ恥じた。

 

鈴蘭「はぁ…年頃の娘がこんな意地汚いとねぇ」

 

晴明「うるさいわね!仕方ないじゃない!」

 

鈴蘭「はぁ……」

 

と、鈴蘭はため息を吐きながらも晴明は飯を食べ進めて、

 

晴明「ご馳走さま!行くわよ!!」

 

鈴蘭「あっ待ってよ!!」

 

すぐに陰陽師の服を着て晴明は外へと飛び出し鈴蘭は蝶の姿となって声明の後を着いていく。

 

少女移動中……

 

2人は陰陽寮へと着くとすぐさま会議が行われる部屋へと行き晴明が着くと同時に陰陽寮で陰陽師達との会議が始まった。

 

陰陽「いいか4年前の深常理久兎の潜伏から

   妖怪達はこの都に押し入っている!

   しかも年々と増加している始末なんだ

   これは奴の復讐に違いない!」

 

陰陽「しかも奴は何処にいるのかも分からない

   ぬらりひょんと言われるだけあって中々

   尻尾を出さない……彼奴を叩ければ都に

   入る妖怪達は激減する筈なんだがな……」

 

陰陽「うむ…かつて理久兎を退いた晴明殿に

   お話を聞きたいが…何かあるかね?」

 

と、皆は自分の方を向いてくる。それに対しての答えは、

 

晴明「確かに理久兎の復讐説はあるわだけど

   私は違うと思うの」

 

陰陽「というと?」

 

晴明「彼奴は確かに妖怪の主ではあるわだけど

   無益な殺しだけは絶対にしない奴よ必要

   な分しか殺らないもの」

 

それを聞いた陰陽師の1人が晴明に、

 

陰陽「ならその分をやっているんじゃないの

   か?」

 

陰陽「確かにそうだ」

 

陰陽「そこはどうなんだ?」

 

1人の陰陽師の意見で皆からは「確かに」だとか「そうに違いない」という声が聞こえてくる。

 

晴明「そうとも考えられますがそれなら態々

   こんな所を襲うと思いますか?私が

   妖怪だったしたら陰陽師もいない妖怪

   達が縦横無尽に暴れられる近隣の村を

   襲いますよ?それに奴は出来る限りの

   被害が少ない方を選びますよ」

 

晴明の言葉を聞くと皆は黙り混んでしまう。確証がないためというのもあるが相手も知性を持つ妖怪達で何よりも理久兎のせいで仲間意識が異様に高い。そこいらにいる下級妖怪とは訳が違う。

 

陰陽「だがしかしなぁ……」

 

晴明「今、私達に出来るのはどうやって妖怪達

   から被害を防げるのかと防災が出来るか

   だと思いますよ?」

 

陰陽「ふむ……東西南北の門には異常はないある

   ならば晴明殿の式神達が反応している筈 

   まずは妖怪達がどうやって侵入している

   のか調べる必要があるな」

 

晴明「それまでは夜の警護およびに占いによる

   場所の特定をした方が良いかと」

 

その言葉を聞いて座っている者の1人が手を上げて、

 

陰陽「俺は晴明の言葉に賛成するぜ賛成の

   奴は挙手して今回の会議は終わりに

   しようや」

 

命令的なちょっと図々しい陰陽師の名は賀茂(かもの)保憲(やすのり)といい安倍晴明の安部家と同じで名門の陰陽師でここ陰陽寮のトップの陰陽師だ。

 

晴明「また保憲か…まぁ助かるけど

 

ここだけの話だが晴明と保憲は幼なじみだ。晴明の性格が男気というか野武士性格のためか男である保憲とは結構仲が良いのだ。こういう意見の時は大抵賛成してくれる。そして保憲のお陰か、

 

陰陽「なら我も賛同しよう」

 

陰陽「うむ保憲様がそうおっしゃるなら」

 

と、次々に手を上げていく。二大巨頭の意見はやはり強いのだと改めて思うばかりだ。そして全員が手をあげた。

 

保憲「なら決定だなそんじゃこれにて終いだ」

 

保憲の言葉で皆は立ち上がり足早に外へと出ていった。

 

晴明「はぁ……ありがとう保憲」

 

保憲「かっかっか♪良いって事よそれよりも

   晴明、今からお茶でも~」

 

晴明「ごめんね♪書類があるから帰るわ」

 

と、言うが実際は帰って夜まで寝たいというのが本音だ。保憲はちょっと残念そうに、

 

保憲「かぁ~残念だなまぁまたいつか誘うわ」

 

晴明「えぇ♪それじゃ私は行くわね♪」

 

そう言い部屋からでて陰陽寮から出て真っ直ぐ家へと向かい家へと帰り朝と同じようにテーブルに頬をつけてぐーたらの体制になる。

 

晴明「はぁ~堅苦しいのは本当に嫌になっちゃう

   もう勘弁してほしいよ」

 

鈴蘭「そう言わないの…それよりも保憲とお茶

   してくれば良いのに」

 

そう言いながらお茶を晴明の座っている方に置いて鈴蘭も座る。

 

鈴蘭「はぁ…小さい頃から男気のせいか友人

   も少ないんだから少ない友人は大切に

   した方がいいよ?」

 

晴明「分かってるけど私はこうしてダラ~と

   しているのが良いんだもん」

 

鈴蘭「はぁこんな性格になったのは誰のせい

   何だろう……」

 

晴明「多分貴方のせいだと思うけど?」

 

と、鈴蘭に言うと鈴蘭は苦笑いを浮かべて、

 

鈴蘭「母さんが聞いたら呆れるかそれとも

   妖力玉を飛ばしてくるから止めて

   くれない?」

 

晴明「そういう所がだらしないから逃げら

   れたんでしょ?父さん」

 

その発言に鈴蘭は目をつむって首を横に振る。

 

鈴蘭「いやもう私はお父さんじゃないから

   今は蝶化身になって転生したから」

 

蝶化身とは死んだ人間が蝶になって転生する。摩訶不思議な霊現象である。安倍保名もとい晴明の父親は妻である葛の葉から晴明を託され男手1つで晴明を育てていたが病気で早死にしてしまい、まだ10歳になったばかりの晴明1人を残す事や晴明あまりにもがじゃじゃ馬で心配になってしまいそれが仇となったのか「未練」という形で残り、地上に縛られて蝶化身になってしまったのだ。だが何故ロリになってしまったのかがいまだに謎である。

 

晴明「私は夜まで寝るわね」

 

鈴蘭「はいはい寝るなら布団で寝てね」

 

晴明「はぁ~いお休みなさい……」

 

そうして晴明は寝室へと入り夜までの間、短い休息をとるのだった。




はいはい今回から数話程ですが始まった第零章ですけど初っぱなから爆弾台詞が飛び交いましたね。因みにオリキャラは後出ても僅か数人ぐらい?だと思っていてください。そしてアンケートの所で書いた通り玲音の物語はいすれやりますのでご安心してください。では今回もありがとうございましたまた次回にお会いしましょう。それではサラダバー!

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