東方新記伝   作:黒鉄球

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こんちわーっす。黒鉄球でーす!!いやぁ戦闘シーンを文字にするのって難しいっすねぇ。書きながら自分もまだまだだなーって痛感しましたよ。そしたらいつの間にかものすごい文字数に…………。

ちょっと疲れるかもしれませんが本編第6話をどうぞ!


第六話 紅魔郷後編 : 狂気との戦い、そして

 

皐月は美鈴を助け、案内役を頼み紅魔館の中へと入っていった。内装は皐月の思った以上に広く、圧巻物だった。大きな窓、二手に分かれる階段、そして………。

 

皐月「ん?誰か倒れてんな。…………女の子?」

 

美鈴「え?…………さ、咲夜さん!!?」

 

皐月と美鈴の先には銀髪で短髪、そしてメイド服を着た傍からどう見ても美女の部類に入るであろう女性が倒れていた。美鈴は急いでその場に駆けつけて生存の確認を取った。

 

美鈴「さ、咲夜さん!大丈夫ですか!!?」

 

慌てる美鈴を見て皐月は冷静に状況を整理し、すぐに理解した。

 

皐月「……………霊夢がやったっぽいな。魔理沙だったらもうちょいここが荒れてるはずだからな。うん、やっぱそうとしか考えられん。」

 

というような状況整理をブツブツと呟いている中美鈴は半泣き状態だった。

 

美鈴「咲夜さん!咲夜さんってば!!」

 

皐月「落ち着け美鈴。この怪我ならすぐ治せる。まったくあいつも中々の威力でやったもんだな。」

 

咲夜の体を揺する美鈴に冷静さを取り戻させ、その上で咲夜に右手を翳した。

 

皐月「……………あんま能力は多用したくないんだけどなぁ。ま、仕方ねぇか。」ボソッ

 

美鈴「皐月さん何か言いましたか?」

 

皐月「いや、なんでもねぇ。さ、始めるぞ」

 

美鈴は少し気になったがそれよりも咲夜の事が心配だったので咲夜を見た。皐月が右手をかざすと翡翠色に包まれて傷が治っていった。

 

咲夜「………………ん。………め、めい、り、ん?どうして……?」

 

美鈴「咲夜さん!!気が付いたんですね!!!」

 

咲夜が目を覚ました事に喜ぶ美鈴と状況がうまく読み込めていない咲夜。そしてそれを見て少し微笑ましく思った皐月。

 

咲夜「わ、私は一体何を………。それにどうして美鈴、貴女がここに?なぜ私の怪我が?そして貴方は?」

 

状況がうまく読み込めていないので皐月は簡単に説明することにした。

 

皐月「質問が多い。えっとだな。俺は神条皐月って名前な。この赤髪の子は俺が連れてきた。そんでここに倒れてるあんたを見つけたってわけだ。」

 

美鈴「咲夜さん、ボロボロだったんですよ?でも、皐月さんが怪我を治してくれたんですよ?」

 

二人の説明を受けた咲夜は「そういう事ですか。」と納得したが皐月は分かっていた。咲夜は俺を警戒していると。それもそうだろう。美鈴が見ず知らずの男と一緒に紅魔館に入ってきて怪我まで治したというのだ。裏があると勘繰るのは当然だ。

 

咲夜「それで?皐月さん、といいましたか。どのようなご用件で私の怪我を?そして何故ここへ?」

 

皐月はまた質問かよ、と右手を額に当てて溜め息をつき、答えた。

 

皐月「俺は異変解決のために来たんだ。うちの家主と友達の後を追ってな。あんたの怪我を治したのは少し情報が欲しかったってのが目的だ。」

 

咲夜「隠さないんですね。」

 

皐月「隠しても無駄だろ?ってなわけであんたの主の情報と居場所を教えてくれ。」

 

普通なら主の敵である人間にくれてやる情報は無いのだが如何せん、美鈴と咲夜の傷を治し、一つ貸しを作ってしまっている。悩んだ末2つだけ情報を挙げることにした。

 

咲夜「……………我が主の名は[レミリア・スカーレット]。夜の支配者たる吸血鬼の一人です。この異変の目的はお嬢様方の弱点である太陽光を遮断し、幻想郷を手中に収めると云うのが計画です。………スミマセン。これ以上は…………。」

 

皐月「それだけ聞けりゃ十分だ。サンキューな咲夜さん。」

 

咲夜「[咲夜]で構いませんわ。…………?どうして私の名前を?名乗った覚えがないのですが………。」

 

皐月「美鈴がそう呼んでたからな。それが名前だってのは容易にわかる。」

 

それよりも。と発しようとした瞬間天井が崩れ落ちてきた。咲夜と美鈴は反応が遅れたが皐月は冷静に自分たちの上に落ちてくる瓦礫を電撃で粉砕していった。そして上からは…………。

 

霊夢「あんた!いい加減に退治されなさいよ!!!」

 

???「そう言われて退治される者がいるかしら?博麗の巫女?」

 

皐月「………………やっぱりお前か霊夢。って事はあの羽の生えたやつが[レミリア・スカーレット]か。」

 

ウェーブのかかった紫の髪、赤い瞳、そして[人間]には付いていない蝙蝠のような黒い羽。まんま伝承通りの吸血鬼だった。初めて見た吸血鬼を目で追っているとやかましい声が皐月の耳に届いた。

 

霊夢「って皐月じゃない!なんであんたがここにいんのよ!!ってかなんでそこのメイドと門番と一緒にいるのよ!!説明してもらうわよ!」

 

皐月「情報収集の為だ。ったく、あんなにボコボコにしなくてもいいだろ。お前は加減を知らんのか?」

 

霊夢「したわよ!でも思いの外強くやっちゃっただけよ!」

 

皐月「それを加減知らずっていうんだよバカヤロー。とにかくそういう事だから気にすんな。なぁお前ら?」

 

そう言って二人の方を見ると二人は主に対して頭を下げていた。

 

咲夜&美鈴「申し訳ありませんお嬢様!敵の侵入を許してしまいました!!」

 

レミリア「いいのよ、もう過ぎたことだもの。それより良かったわ。二人共目立った怪我がなくて。」

 

咲夜「あの殿方が私達の怪我を………。申し訳ありません。侵入許し、敵に負け、その上怪我の治療まで…………。」

 

そう言うとレミリアは咲夜に「もういいわよ。二人が無事ならそれで。」と言った。

 

しびれを切らしたのか霊夢が口を開いた。

 

霊夢「そういうのは退治されたあとにしてくれる?私としては早くこの異変を終わらせたいのよ。」

 

だから、と続けて

 

霊夢「博麗の巫女の名のもとにこの異変を止めさせてもらうわ!」

 

皐月「待てよ霊夢。退治するしないは任せるけどその前に理由を聞いとこうぜ。なんでこんな異変を起こしたのかとかな。」

 

そう言うとレミリアは皐月を見ながらさも当然のように理由を説明した。

 

レミリア「私達の天敵を克服しようとして何が悪いのかしら?」

 

皐月「そう返してくると思ったわ。」

 

呆れつつ言った。理由が子供並みだ。見た目小学生なだけあるなと思ったのがバレたのかレミリアは皐月を睨んだ。

 

レミリア「あなたいま失礼なこと考えなかったかしら?」

 

皐月「サテナンノコトヤラオレワカンナイヤ。」

 

霊夢「なんで片言なのよ。………はぁ、なんかシラケちゃったわね。どうすんのよこの空気。さっきまで戦ってたわよね………。」

 

霊夢のため息を見たレミリアは我に返ったのか身構えた。

 

レミリア「そうだったわね。じゃあ続きをやりましょうか?「待った」?」

 

再戦しようとしたところを皐月は止めた。なぜなら皐月にはまだ聞かねばならないことがあったからだ。

 

皐月「なぁ咲夜。お前さっき[お嬢様方]って言ったろ。[方]って事は少なくともあと一人は吸血鬼がいると俺は予測してるんだが?」

 

それの直後、今度は地下から爆発が起き、その中から何かが皐月にめがけて飛んできた。

 

魔理沙「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

皐月「うおっ!!?今度はなんだ……?ま、魔理沙!!?なんでお前が……って止まれ!」

 

懇願虚しく皐月にぶつかり、後ろに飛んでいった。

 

皐月「〜〜〜〜ってぇなゴルァ!箒で突進してくるやつがあるか!先端が命中してメッチャ痛かったわ!!!」

 

魔理沙「わ、悪かったぜ………ってそんな場合じゃないんだ!非常にヤバイことになったんだぜ!!」

 

魔理沙は慌てていた。なぜならさっきまで戦っていたのだ。地下にいる[悪夢]と。魔理沙はそのことについて説明しようとしたその直後、またしても何かが地下から飛んできた。皐月はそれを[人]と視認し、そこに向かった。

 

皐月「魔理沙!取り敢えず其処退け!人が吹き飛んだ!!」

 

魔理沙「!!?ま、まさか[パチュリー]が………って皐月?」

 

さっきまで目の前にいたはずの皐月の姿は忽然と消えていた。皐月はすでに吹き飛んだ何かの元へと走っていた。

 

皐月「おい!大丈夫か?!」

 

???「…………えぇ。へ、平気………よ。ハァ…ハァ…。」

 

その何かとは予想通り人だった。長い紫色の髪に薄いピンクのドレスと帽子。そして三日月形の飾り。そして手元には少しボロくなった分厚い本を持っていた。皐月は直感的に彼女は[魔法使い]と判断した。

 

皐月「取り敢えず飛ぶぞ。」

 

そう言うと皐月はその女性を担いで霊夢たちのいる所に移動した。爆発した穴にいる[悪夢]に気付かず………。

 

レミリア「!パ、パチェ!!?どうしたの!!何があったの?!」

 

パチュリー「レ、レミィ。フ、フランが、[狂気]に目覚めたわ。非常にまずいわ。」

 

レミリア「なんですって!!?」

 

身内同士で慌ててもらっても困るので皐月が説明を求めた。

 

皐月「蚊帳の外にしないで説明してくれるか?さっきの爆発の理由とその[狂気]ってのをな。」

 

レミリアは口籠りをしたが美鈴が説明を始めた。

 

美鈴「狂気というものはお嬢様の妹様に巣食う闇の部分です。おそらくさっきの爆発も妹様がやったものと思われます。」

 

レミリア「ちょっと美鈴!勝手に部外者に話さないで!信用できたものでも無いのよ!!」

 

レミリアは美鈴に対して怒ったが美鈴はレミリアの目を見て言い切った。

 

美鈴「彼なら信用出来ます!だって私や咲夜さんを助けてくれました!」

 

レミリア「さっきコイツは言ったわよね?[情報収集のために治した]って。あの言葉を聞いてどうやって信用したのよ!」

 

美鈴「それなら情報を聞き出したあとに私達を殺していても可笑しくありませんし、そもそも怪我を[完治]させる必要がありません!それにお嬢様もさっき見ましたよね?彼が、皐月さんがパチュリー様を助けたところを。その姿を見ても尚、信用できないんですか?!」

 

美鈴の説得を見た咲夜も「無礼を承知で申しますが」と話しだした。

 

咲夜「私もこの殿方なら信用できると思います。なぜなら彼からは私達に対しての敵意が感じられませんでした。彼は異変解決に来たのにですよ?それに、敵であるパチュリー様を助け出したのが何よりの証拠です。…………これでもまだ信用出来ないでしょうか?」

 

レミリアは二人の説得を聞いて「う〜〜〜〜〜!!!」と声(?)を出し答えを出した。

 

レミリア「……………………はぁ、分かったわよ。あなた達がそこまで言うなら彼を信用しましょう。……………こんな事滅多にないし。ボソッ」

 

このやり取りを見ていた魔理沙は皐月を弄っていた。

 

魔理沙「なんだよ、随分と敵に信頼されてんだなぁ。それに女の子二人…………隅に置けねぇぜ!!」

 

皐月「う、うるせぇ!ったく、本人が目の前にいる事を忘れて色々言いやがって………。」

 

魔理沙「まぁでも信頼されてんだからいいじゃねぇか。………ぶっちゃけアレは全員でかからないという勝てないレベルだぜ。」

 

皐月は聞き逃さなかった。「アレ」という表現、つまり魔理沙は一度見ているという事になる。

 

皐月「[アレ]だと?…………って事はお前はもう見たのか?」

 

魔理沙「あぁ。私とパチュリーが戦ってる最中にな。見た目は吸血鬼だったから[敵]だってのは分かったんだが…………。」

 

皐月「視認した直後に襲われてここまで吹き飛ばされたと。そんな感じか。」

 

そんな感じだ。と魔理沙は言った。言葉こそ軽いが魔理沙の額には冷や汗が出ていた。皐月はその様子を見逃さなかった。

 

皐月(………あの魔理沙がここまで言うんならもしかしたら霊夢より強いのか………?)

 

霊夢「話してるとこ悪いけど来たわよ。[狂気]って奴が。」

 

その言葉を聞いて全員が土埃の立つ方を見た。その中から短い金髪に宝石のようなものが付けてある羽、そしてレミリアと同じような帽子を被った少女が現れた。

 

???「ヤット、デラレタ。」

 

見た目の可愛さとは裏腹に狂気を孕んだ声を発していた。皐月は感じ取った。こいつはやばい………と。

 

???「アハ♪アナタガ遊ンデクレルノ?」

 

皐月「………………早々にケリをつけないとヤバイな。」

 

そういいながら皐月は両手に雷を溜め、地面に叩きつけた。

 

皐月「最終決戦だ………。」

 

能力を発動した皐月は[敵]めがけて走り出した。

 

美鈴「気を付けてください!妹様、フランドール・スカーレットは[ありとあらゆる物を破壊する程度の能力]を持っています!まともに触れられれば大変な事に……!」

 

皐月はその説明を聞いた瞬間、更に自分のスピードを上げ、フランを囲うようにして走った。

 

皐月「要は触れられる前にケリをつけりゃいいだけだろ?それなら………!!」

 

皐月は右手に雷を溜め、右手を振り切った。その右手から槍のようなものが出て来てフランめがけて飛んでいった。だが

 

フラン「……………レーヴァテイン。」

 

フランの右手から炎の剣が出現し、皐月の雷の槍はいとも容易く斬られた。

 

皐月「げっ!?ま、マジかよ………。加減したとは言ってもあれを切れるっつーかこの速度で移動してんのに反応出来んのかよ………。目が良すぎるだろアイツ。なら、これでどうだ!」

 

皐月はポケットの中からスーパーボール程度の大きさの鉄の玉を2つ取り出し、雷を纏わせて投げ付けた。

 

皐月(こいつぁ音速の三倍で飛ばしてる。吸血鬼ならこれくらいの怪我、勘弁してくれよ………!)

 

時間差で投げられた2つの鉄球はフランの目の前で、フランに届く前に消え去った。それも、爆発四散したかのように。

 

皐月「……………なるほどね。これがこの子の能力って奴か。なかなかに厄介だわこれ。突破口が見つからんぜぃ。」

 

皐月は次の手を考えているとフランがニヤリと笑った。

 

フラン「オニイサン、オモシロイネ。モットオモシロイコトシテヨ。ソノウエデコワシテアゲル。」

 

狂気を孕んだその一言は皐月は疎か、その場にいる全員が恐怖した。

 

レミリア「…………フラン。もう、止めて。お願いだから、帰って来て………。」

 

咲夜「お嬢様…………。」

 

レミリアは自分の妹の豹変ぶりに涙を流し、咲夜は主に寄り添う事しか出来なかった。

 

霊夢「…………魔理沙。ちょっとあんたに話があるんだけど。」

 

魔理沙「奇遇だな霊夢。私もちょうど話をしたかったところだぜ。」

 

二人の眼差しは真剣そのもので戦う二人を見ながらこう言った。

 

霊夢&魔理沙「あいつの為に陽動を仕掛け(よう)るわよ!!」

 

その直後、二人は弾幕を展開、フランめがけて放った。突然の事でフランは一瞬、皐月から目を離し、弾幕を警戒した。だがそれが仇となり、皐月に一撃を決められた。

 

皐月「ナイスタイミングだぜ二人共!オラァ!」

 

フラン「グッ!!」

 

皐月からの蹴りをモロにくらい壁に叩きつけられるフラン。だが皐月はしまったと言わんばかりの顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その先には紅魔館の面々がいたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月「ちっ!俺とした事がこんな簡単なミスをするなんて!」

 

皐月は急いでそっちに駆けつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私は閉じ込められていた。約五百年もの間、この力のせいで恐れられ、そして自分自身が恐れた。過去に一度だけ誰かを殺めた。その誰かが誰かは覚えていない。ただ、感覚だけは覚えていた。酷く後悔したことを、恐怖した事を。お姉様は私を閉じ込めて、狂気が消えるのを待った。私もそれが一番だと思った。けど、狂気は日に日に膨れ上がり[何かを壊したい]という衝動に駆られるようになった。狂気と一体化しつつある自分が、そこにはいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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皐月はレミリア達のもとへ駆けつける最中ある疑問が浮かんでいた。フランという少女は誰かを殺めたことがあるのかと。そして今の性格が前々からあったのならとっくに部屋を破壊して破壊の限りを尽くしているのではないか、と。そんな事が頭をよぎったところで皐月は目を見開いた。フランが……………誰かに目掛けて右手を伸ばしているところを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私はずっと考えていた。仕事をしている最中も、食事をしている時も、そして今日も。妹様が約五百年間もの間閉じ込められていて、誰も近づかず、誰も近づけず、孤独のまま五百年を過ごしてきた。どうすれば良いのか考えていた。けど、そんな時「彼」が現れた。最初は侵入者だと思って接しようとしていた。けれど彼は私の怪我を治してくれた。敵なのか味方なのかよく分からなかったけどこの人は信用出来るかもしれない、もしかしたら助けてくれるのかもしれない。そう思って紅魔館へと招き入れ、ついにその時が…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「妹様!」

 

レミリア「駄目よ美鈴!!今駆け寄っては!!!!」

 

美鈴「え………?」

 

直後妹様の右手が私に伸びてくるのが見え、そして……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「……………?わ、私、いき、てる?」

 

(無傷?妹様に手に触れられて死んだと思った。なのに生きてる。状況が読み込めませんよ。一体何が………。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ったく、今近づいたら殺られるに決まってんだろ…………。死にてぇのか、お前…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴(皐月さん?そっか、皐月さんが私を助けてくれたんですか………。………………どうやって?)

 

そうして美鈴は目を開いた。そしてそこには………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月「俺がいなきゃ死んでたぞコノヤローが…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭を半分失い、左腕を吹き飛ばされた皐月の姿がそこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「さ、さつ、皐月………さ………ん?」

 

皐月「わりぃけど話しかけんな。意識保つので精一杯なんだ……………。(……………左半分が見えねぇな…………。吹き飛んだのか?まったく、どこのアンパ◯マンだ、俺は。いや、白◯げか?まぁこの際どうでもいいや…………。どうせ……………。それに女の子[二人]の命に比べりゃ儲け物だな。)」

 

魔理沙「さ、皐月!!!」

 

霊夢「嘘………で………しょ……?」

 

レミリア「アイツ…………なんで?………私達とは……関係ないの……に。」

 

咲夜「……………皐月…………さん。」

 

パチュリー「でも、彼のお陰で決着がつきそうよ?」

 

フラン「え…………?あ…………、あの…………えっと…………あ」

 

皐月「(こいつが最後のチャンスだな………。)」

 

そう頭によぎった皐月は力でなく言葉で制することを考え、発言した。

 

皐月「……………どうだ?………[人]を……………ぶっ壊した感想はよぉ………。」

 

その言葉にフランは首を横に振った。だが、皐月の視界は既にフランを捉えておらず見えていなかった。だから皐月は最後の力を振り絞ってこう言った。

 

皐月「これがお前の望んだことか!こんな事をして楽しいか!!楽しかったのか!!!答えろ!!」

 

そう言い放ち、皐月は思っきり、そしてあり得ない量の血を吐き出した。

 

皐月「……………!!!ごふぁ!!!…………はぁ…………はぁ…………。どうなんだ?答えはよぉ…………。」

 

その一言でフランからは涙が流れ、嗚咽が聞こえた。

 

フラン「楽しくないよ!!……ヒック。こんな………こんなの、臨んで、ないよぉ…………。」

 

皐月「……………なら、その力、制さないと………な?」

 

そしてこれが、フランを救った一言になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月「その力、その重み、お前の抱えたもの、全部を受け入れろ。俺は、そんなお前を、受け止めてやる。俺が、お前を肯定してやる。だからもう、閉じこもるのは辞めにしようぜ。」

 

そう言って皐月は意識を失い、フランは泣きじゃくった。

 

 

 

 




皐月「……………知らない天井だ。」

みんな「起きたのね(のか)(んですね)!」

レミリア「あなたに話があるのよ。」

霊夢「あんた、一体何者なのよ。」

皐月「お前らには俺の能力とここに居座る理由を話すよ。あれは………。」


次回 : 皐月の秘密と宴


皐月「だから俺はこの力が嫌いだ。」

美鈴「でも、その力のお陰で私達は救われました。だから私は………。」



作者「長くなってすみません。感想、お気に入り登録など気が向いたらしてください。それでは次回お会いしましょう。」

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