鈴仙「………なめてるんですかあれ」
一時撤退してすぐに追ってきたかと思ったけどまさかたった一人で来るなんて
一歩、また一歩と近づいてきた。そして地雷の真上に桃色の人が来た!さぁ、大爆発……。
幽々子「~♪」
鈴仙「………は?」
爆発は……しなかった。確かに地雷の真上を通った。なのになぜか爆発が起きない。鼻歌を混じりに着実に私に迫ってきていた。なんで!?なんで爆発が起きないの!?まさか不発弾……なんてことはないしセンサーもちゃんと起動してる。手元のリモコンでそれも確認済み。なのに……。
鈴仙「なんで……」
声を漏らした。意味が解らず……しかしまだ罠はあるわ!この先はワイヤーが足元と頭上に横一線に仕掛けてある。飛んで逃げても大丈夫なように二重トラップにしてあるんだから今度こそ……!
幽々子「~♪」
鈴仙「なんで引っかかんないんですか!?」
またしても罠は発動しなかった。しかも触れた形跡がない。
幽々子「あ、みぃつけた♪」
鈴仙「あ」
さっき声を上げたせいで桃色の人に見つかってしまった。彼女はすぐに弾幕を展開して私に撃ってきた。突然のことで判断が追い付かず後ろに跳ぶことしか考えてなかった。でも
妖夢「流石幽々子様です、これで……私たちの勝ちですね![冥想斬]!」
鈴仙「………っぐ…申し訳ありません……し…しょ……」
背中に刃を受け、そのまま意識を手放した。最後に聞こえたのは「安心してください、みねうちですから」だった。
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どうにかこうにかうまいこと事が運んで無事うさ耳を捕獲した。幽々子と妖夢の連携には圧巻だったし作戦通り終わってよかった。私は気絶した鈴仙をふん縛って起こして異変の張本人のところへと案内させた。ん、なんで名前を知ってるかって?さっき聞いたからな。
幽々子「ふぅ、これで皐月の手間を減らせるわ。恩返しになったかしら?」
横にいる幽々子がふわふわ浮きながら恩返しについて話し出した。恩返し、西行妖と対峙した時に受けた恩の事だが多分皐月は「気にすんなよ、俺が好きでやったことだからな」とか言い出しそう。てか絶対言う。
魔理沙「まだ解決してないぜ。コイツに首謀者のとこに案内させてこのふざけた異変を終わらせるんだ。それで恩返しってことにしとけ」
幽々子「ええ、そうね」
私たちにとっては他愛のない雑談だった。だが鈴仙にとっては違ったらしい。驚いた顔をしてこっちを向いた。
鈴仙「ど、どうしてあなたたちの口から皐月さんの名前が出るんですか?」
魔理沙「ん?なんでってそりゃ私たちの友達だからな。それよりなんでお前が皐月を知ってんだ?」
どうやら先日人里でばったり会って迷子の親を探したらしい。皐月め、また女の知り合い増やしたんだな。隅に置けないなぁあいつも。しかしこいつと皐月が知り合いだとしたらこんな姿を見せたら……。
皐月『魔理沙お前何してんだ?ウサギ鍋でも作るのか?』
ぶふっ!絶対言うな!いじりに走るよな!なんなら「俺も手伝うか?」とか続けそうだな!とか考えてるうちに整えられた道に出た。整えられているってことは人がいるという事だから……ここが最終決戦の場所か!
鈴仙「この先が永遠亭よ。さぁ!案内したんだからもう離してよ!」
魔理沙「ギャーギャー騒ぐなよ。今解放して……」
やるからと言いかけた瞬間爆発音が聞こえた。しかも私たちの進行方向から。まさか誰かがもう戦ってるのか?
アリス「この妖力……尋常じゃないくらい高いわね。みんな、構えて。迎撃準備よ」
アリスの言葉で一斉に攻撃を構える。そして砂埃から出てきたのは意外な人物だった。
レミリア「あっぶないわね!下手したら死ぬとこだったじゃない!」
咲夜「お嬢様落ち着いてください。ここで私情に身を任せれば相手の思うツボです……って魔理沙?」
…………また人が増えたぜ。
レミィ「ようやくね」
咲夜「ああ、おぜう様の雄姿がとうとう……!」
次回 : 第四十四話 永夜異変第六話: 気高い吸血鬼のカリチュマブレイク
パチェ「雄姿どころかカリチュマブレイクじゃないの」
レミィ「ちょっと作者ぶっとばしてくるわ!」