東方新記伝   作:黒鉄球

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 こんちくわ黒鉄球でーす。なんとお気に入り登録者様が100人突破しました!な、なんということでしょう。作者のかい猫が泣いているではありませんか!あ、いつもでした。はい、と言うわけでこれからも東方新記伝をよろしくお願いします!






第三十九話 酔っぱらいに絡まれると大体面倒臭い

 

 

 

 

 お酒と言うものを飲んだ事があるだろうか?社会人達が仕事後に飲みたくなるあれだアルコールだ。ある者は飲めば食が進むしある者は手が止まらなくなる。それだけなら迷惑をかけないから良いのだ。だがお酒は回ったときが厄介なのだ。よく聞くのが[上戸]と言うもので簡単に言えば酔ったときに出る人の癖みたいなものだ。[本質]と言ったほうがいいかもしれない。ある者は泣き、ある者は怒り、ある者は意味もなく笑い、ある者は尋常じゃなく甘え、ある者はただ単に潰れる。そう、潰れてくれれば何も被害を被ることは無いのだ。

 

 霊夢「早く酒持ってきなさいよー!」

 

 魔理沙「うへへ〜、飲みすぎたんだじぇ〜」ヒック

 

 妖夢「わぁ……魔理沙が四人いるぅ……あははー」

 

 アリス「魔理沙がかまってくれなーいー!うえーん!!」( ;∀;)

 

 皐月「何故こうなった………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ――――――時を遡ること2時間前――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???「よっすー霊夢。久し振りだねぇ……ってあんた誰だい?」

 

 皐月「いやお前が誰だよ」

 

 霊夢といつも通り夕食を食ってる最中突然現れた少女。頭の両サイドに伸びる長い角。可愛らしい服。髪をまとめているのか赤いリボンをつけていて手首には鎖………分銅という武器をつけていた。そして右手に瓢箪を携えていた。うむ、相変わらずの美少女率だな。だがな少女よ。俺にそんな趣味はない。つーか子鬼か?真面目にガキにしか見えん。

 

 霊夢「あら萃香じゃない。てか勝手に上がらないで」

 

 皐月「なに?霊夢はこのちびっ子の知り合いなんか?」

 

 萃香「ちびっ子とか言うな!アタシは伊吹萃香!少なくともお前さんよりかは年上だ!」

 

 年上には見えんがここは幻想郷、500歳超えの幼女体型がいたりするし多分本当のことなのだろう。てことは本格的に鬼なんだな。びっくらこいた、嘘だけど。

 

 皐月「へいへい分かってるよ。俺は神条皐月だ。よろしくな萃香」

 

 霊夢「気をつけなさいよ。こいつこんななりでも鬼の四天王の一角を担う実力者なんだから」

 

 皐月「え!?まじで!!?」

 

 差し出した右手を引っ込めた。反射的に引っ込めてしまった。ハッハッハー、マジで怖いわ。ついさっきちびっ子扱いしたから潰されることを想像してしまったぜ。何をとは言わない。

 

 萃香「そんな怖がるなよヒーロー。アタシは別にお前さんらに危害を加えに来たんじゃないし」

 

 そう言いながら障子の後ろから酒瓶を取り出した。なに?もしかして持参してきた感じ?つーかそれってつまり………。

 

 萃香「飲もう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 てな訳で三人で飲むことになったのだがどうせならと魔理沙とアリスと妖夢を呼んだ。三人とも喜んで来た上に魔理沙とアリスは萃香とそれなりに仲はいいらしい。ちなみに俺が呼んだわけではなく萃香の能力で萃めたらしい。[密と疎を操る程度の能力]と言うのが彼女の能力。霧状になったり個体になったり出来るとか。普段は霧状になって幻想郷中に散らばってテキトーに眺めているらしい。まぁそこはいいや。つまりは萃香のせいでこうなったという訳だ。

 

 霊夢「いいから酒はどこ!!」

 

 萃香「あははー……なんか……ごめん」

 

 皐月「謝る暇があったら酒と偽って水渡せ」

 

 さっきまで酔っていた萃香だがこの現状に酔いが醒めたらしい。正直助かった。もう時期で面倒臭くなって紅魔館へと逃げるところだった、つーか逃げたい。だって他に三人も居るんだぞめんどくせーのが。

 

 魔理沙「皐月ぃ……にょんでるかぁ…?」

 

 皐月「はいはい飲んでるからお前は少しペースを落とせ」

 

 かなりベロンベロンに酔った魔理沙に絡まれた。肩を組んで来て片手には酒瓶が。このやろーラッパ飲みしやがったな。普段はしねぇくせになんで今日に限ってやっちゃうの?

 

 魔理沙「うひょふふはよぉ、おあえあっいあらえんえんのんえええあおうあ」

 

 皐月「ごめん何言ってんのかわかんねーわ」

 

 妖夢「魔理沙全然呂律回ってなーいアハハハハー」

 

 皐月「お前も飲み過ぎだぞ妖夢。はぁ、完全に笑い上戸に入ってるよ」

 

 魔理沙「zzz」

 

 俺がツッコミを入れながら妖夢に構っていると俺の膝を枕代わりにして眠る魔理沙。よっしゃ!これで負担が減ったぜ!このままみんな寝ろ!そして俺は紅魔館へと逃げる!

 

 アリス「魔理沙ぁ、しんじゃやーだー!!」

 

 泣き上戸に入っているアリスが泣き出した。魔理沙を揺すり起こしながら。待て待て待て待て今寝たとこなんだぞ起こすなよ負担が減るどころか更にめんどくせーことになるだろーが。

 

 皐月「お、落ち着けアリス。魔理沙は死んでるんじゃなくて寝てるだけだ。飲み疲れたんだよだから寝かせてやってくれ頼むから!」

 

 アリス「じゃあ皐月が構って」

 

 はっはっはー何を言ってるんだこの子は。右に妖夢がいて左に魔理沙がいて前にお前が来んの?うん無理☆俺が死んじゃう(-д☆)キラッ………気持ち悪っ!

 

 霊夢「早く酒持ってきなさいよ!あと皐月もデレデレすんな!」

 

 理不尽にも怒られた。つーかデレデレなんてしてねぇし!別に俺のオレが元気になんてなってねぇし!いやこれはホントだよ?そんな状況でもないし。

 

 萃香「おーい霊夢。お酒持ってきたぞー!」

 

 パタパタと台所から走ってくる萃香。でかしたぞ萃香、これで少しは……。

 

 霊夢「水じゃないこれ!萃香!そのひょうたん寄越しなさいよ!」

 

 ダメだ一瞬でバレた。しかも瓢箪寄越せとか……。確かあの瓢箪の中って無限お酒製造機じゃなかったっけ?しかもかなり度数高めの……。

 

 萃香「い、いや、霊夢?アタシもお酒好きだし飲もうって言ったのはアタシだけどこれ以上飲んだら……」

 

 霊夢「いいから寄越しなさいよ!」

 

 肉に飢えた野獣のように瓢箪を獲る霊夢。そしてそれをグビグビと飲んでいく。ダメだもうやばいアイツ絶対明日二日酔いだしまためんどくさいことになりそう……。つーか間接キスしてるし。ま、いいけど。

 

 皐月「あーあーあーあー飲みやがったよこのバカ……ってあれ?妖夢は?」

 

 妖夢「………ぷはぁ、おいひいれすねぇ……」

 

 の、飲んでやがったぁぁぁぁ!俺が目を離したスキに霊夢から瓢箪を奪って飲んでやがったぁぁぁぁ!!もうダメだ、お終いだぁ……。あれ?アリスもいねぇぞ……ってまさかあいつ!!

 

 アリス「オロロロロロロロ!!!」

 

 序盤に飲み過ぎたせいで吐いてました☆よし、これでちょっとは楽になる……と思う。魔理沙はまだ俺のお膝元で無防備に寝ておられる。

 

 魔理沙「………むにゃあ……」

 

 何これ可愛いんですけどなんて生き物?思わずドキがムネムネして頭撫でちゃったよ。サラサラな髪、毎日手入れしているのだろうか?いや、してないでこのサラサラ感は全女子から妬ましい視線を浴びるな。いつまでも撫でていたいかも知れん。

 

 霊夢「皐月!いつまで撫でてんのよ!私も撫でなさいよ!」

 

 うーん何言ってんのかわかんないなぁ。俺難聴系主人公になったのかなぁあははははー。……すんません全部聞こえてましたでもなんとなく理解したくなくて、反省はしていない。

 

 皐月「お前はどこで怒ってんだよ。つーか今撫でろとか言ったよね?待って霊夢それはまずい。何がまずいって魔理沙を起こしちゃうのがまずい」

 

 霊夢「なによ!あんたは私より魔理沙の方が大事なの!?」

 

 えぇ……何これ。どこの昼ドラ?つーかそんなんじゃないし俺はただ負担を減らしたいだけだし別に魔理沙の髪を撫でていたいとかいう願望に従ったとかそんなんじゃないし。

 

 皐月「いやいやなんでそうなるんですか霊夢さん?酔いすぎだぞ霊夢お前らしくもない」

 

 萃香「そうだぞ霊夢。ほら、水飲めって。アタシも不用意に飲ませて悪かったから、な?」

 

 萃香は水の入った湯呑みを霊夢に差し出した。霊夢はその湯呑みをジーッと見つめていた。なに?その湯呑みなんかあるの?それとも焦点合ってないからなんなのかわからないの?

 

 霊夢「皐月ぃ、それあんたが飲みらさいよぉ」

 

 皐月「いやなんで俺だよ俺酔ってねぇしおまえが飲んだ方がいいに決まってんだろ」

 

 冷静にツッコミを入れてみることにした。俺が飲まにゃいかん理由が分からんし……まさかこいつ[水]って単語聞いてなくて酒だと思って飲ませに来てるんじゃね?やだそれ飲みたくない。

 

 霊夢「あんらが先に飲みらさいよぉ!そのあろあらしがろむからぁ!」

 

 とうとう呂律も回らなくなった博麗の巫女様。酔ってるせいで気付いてないだろうけどお前いま服はだけてるからね?脇がっつり出てるからね?あ、いつもの事でした。あと肩出てるから、そんな顔ではだけんな今目覚めちゃいけないものが目覚めちゃうでしょうが。

 

 皐月「じゃあ飲むけど……お前絶対飲めよ」

 

 萃香から水入り湯呑みを受け取って3口くらい口に含み、飲み込んだ。うむ、水だ。さて、霊夢に湯呑みを渡そう。

 

 霊夢「……………」

 

 何故だろう。霊夢がぷっくり膨れて「むぅ」とか言ってるんですけど。涙目でこっち見てくるんですけど!なに俺なんかやった?

 

 皐月「なに?どしたの?膨れてないで飲めって」

 

 霊夢「あんらなにのんれんのよ!!」

 

 萃香「いや飲めって言ったの霊夢じゃ……」

 

 皐月「理不尽すぎる……。ここまで酔った霊夢初めて見た」

 

 理不尽に怒られたぞ。俺は一体何をすれば良かったんだろう。もう疲れちゃったよパトラッシュ。今そっち逝くよ……。

 

 霊夢「口移ししなさいよ!」

 

 皐月「はぁ!?」

 

 霊夢の口からあまり聞かない言葉が聞こえてきた。「口移し」と。口移しとは誰かの口に含まれたものを他の人の口の中に入れ込む高難易度な行動である。うん、無理。何が無理って下手したら霊夢のやつキス魔になりかねん。そして俺の理性が飛びかけん。ムリ、オレデキナイ。

 

 皐月「お前何言ってんの!?馬鹿なの?いや確かに俺は役得だけどお前はいいのかよ酔った勢いでそんな真似して」

 

 霊夢「いいからしなさいよ!」

 

 皐月「もうダメだ誰かヘルプ」

 

 アリス「とう!」

 

 霊夢の背後からさっきまで外でゲロってたアリスが手刀を首に当てた。そして操り人形の糸が切れたみたいに力と意識を失い、倒れ、それを萃香が支えた。おっかねぇあともうちょいで変な一線越えるとこだった。

 

 皐月「ナイスタイミングだったぜアリス。つーか大丈夫か?」

 

 アリス「うん平気。吐いたら楽になったし……ごめんね。なんだか変なとこ見せたみたいで……」

 

 いや気にしてないよ?別に明日の掃除が面倒臭くなったとか気にしてないからね!よし、霊夢に押し付けてやる。

 

 皐月「いいよ見なかったことにするから。それよりこいつらどうしようか」

 

 俺は霊夢達を見ながら言った。別に霊夢と妖夢はこのままでいいんだよ?でも魔理沙は流石に起こさんと俺が眠れん。疲れたし俺は寝たいのだ。

 

 アリス「いいじゃないこのままほっといて。それとも夜這いでもかけてみる?」

 

 皐月「………!や、やるかそんなこと!第一こいつらにバレた時点でチリにされる」

 

 萃香「なんだよしろよ面白くない」

 

 おいこらちびっ子が何言ってやがんだゴルァ。寝っ転がりやがって……俺も寝っ転がりたいんじゃ!なのに魔理沙が俺の膝使って寝てるし動こうにも動けん。それを楽しむかの様にアリスも寝っ転がった。おいこらそこの金髪美少女お前までなに誇らしげに寝っ転がってんだ……あぁこら寝るな!せめて魔理沙をどうにかしてから寝てくださいお願いしますから!

 

 萃香「zzz」

 

 アリス「……むにゃあ……」

 

 どうやら即落ちしたらしい。俺は全てを諦めるかのように夜空を見上げた。変わらずほんの少しだけ欠けている月を眺め、次の満月はいつだろうと思いながら俺は声を出した。

 

 皐月「誰かこの状況を何とかしてください俺様神様仏様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???「そろそろこの[異変]にもケリをつけないとね。その為には………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新たな物語が動き出す……!!

 

 

 

 

 

 




 皐月「とうとう始まる感じか」
 作者「まぁね。ホント一ヶ月前くらいから書きたくてウズウズしてた」
 霊夢「それってただ書きたくなっただけじゃないの?」
 作者「そうともいう!」


 次回 : 第四十話 永夜異変第一話 : 明けない夜


 紫「とうとう私の出番ね!」
 皐月「そうだねそうですねー」
 紫「酷いわ皐月!扱いが雑すぎて!」




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