東方新記伝   作:黒鉄球

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 どうも黒歴史豊富な黒鉄球です笑笑つい先日外食をしたのですがその時に親から「髭を生やす受験生があるか!」と怒られてしまいました笑そんなに髭って駄目ですかね?とまぁ雑談もここまでにして本編行きましょうか!







第三十七話 呼ばれて行ったら地獄でした

 

 

 

 

 皐月「ハッ!俺は一体……!」

 

 霊夢「あ、起きた……。」

 

 うむ……記憶が………無いこともない。何かを食べてポックリ逝きかけたのは覚えてるんだよなぁ……。でもそれが何なのか思い出せない。

 

 美鈴「咲夜さんも起きましたよ。10分だけとはいえ気を失うなんて………魔理沙さん一体何入れたんですか。」

 

 魔理沙「だから大したもの入れてないって。」

 

 皐月「あぁ!思い出した!魔理沙てめぇあの中に調味料入れまくっただろ!幻想郷じゃバリエーションないから珍しくてテキトーにぶち込んだろ!」

 

 美鈴「まさかそんなわけないじゃないですか皐月さん。幾ら魔法使いでもそんな人体実験するわけ……。」

 

 魔理沙「そ、そそそそうだぜ!そんなことするわけないんだぜ!」

 

 目が泳いでた。やりやがったなこいつ。本当にジャイアンシチュー作ってやがった。こうなりゃこいつにも食わせてやる……。

 

 皐月「お前食え。これを食え今すぐに。ちょっとは俺らの気持ちが分かるだろ。」

 

 魔理沙「人が気絶したものを食えっておまえは鬼か!」

 

 皐月「鬼はお前だよ魔理沙。いいから食え。」

 

 スプーンを持ち、適当な量掬って魔理沙の口に入れた。これでわかるだろう俺らの気持ちが!

 

 魔理沙「!!?!???!!?!?!」

 

 魔理沙は白目をむいて気絶した。そら見たことか。馬鹿みたいにぶち込んでるからクソまじぃポイズンクッキングが出来上がってんだろうが。

 

 霊夢「魔理沙!?……ほんとにやばいやつだったらしいわね。」

 

 こあ「か、看病しますねぇ………。」

 

 こあが魔理沙を担いで部屋に行った。何かごめんなさいと言いたい。

 

 レミィ「ま、まぁ気を取り直して次行きましょう。」

 

 アリス「じゃあ次私ね。そんな大したものじゃないけど。」

 

 咲夜「これは………ハンバーグ?でもこのソースは……。」

 

 皐月「和風ハンバーグだな。デミグラスソースと違ってあっさり醤油風味のあれだな。」

 

 懐かしいぜ。よくガ◯トで頼んでたのを思い出す。今度自分でも作ろうかな。

 

 咲夜「なるほど和風ですか。美味しそうですね。」

 

 皐月「いただきます!」

 

 箸で一口サイズに切り、ソースと一緒に口に運んだ。

 

 咲夜「これは………美味しいですね。玉ねぎと醤油の風味が効いててそれでいてハンバーグも柔らかい。絶品ですね。」

 

 皐月「めっちゃ美味いわこれ。外の世界を思い出すわ。」

 

 アリス「同じようなものがあるの?」

 

 皐月「まぁね。お食事処に結構置いてあるかな。ガストとかサイゼとかデニーズとかね。」

 

 アリス「?よく分からないけどあるのね。」

 

 皐月「それにしてもよく和食なんて作れたな。」

 

 こう言っちゃ何だがアリスは和食より洋食を作るイメージがある。名前的にもヨーロッパ圏のイメージだ。そんなアリスが和食………アリだな。

 

 アリス「和食くらい作れるわよ。貴方が来る前とかはよく霊夢にご馳走になってたし。」

 

 霊夢「魔理沙もね。あんた等がたかるからお金が………。」

 

 皐月「それは元からだろうが貧乏巫女。何ちゃっかり人のせいにしてんだよ。」

 

 俺は呆れつつアリスの作った和風ハンバーグを口に運んだ。だって美味いんだもん。食べるでしょ普通。

 

 霊夢「人のせいにもしたくなるわよ。誰も賽銭に来ないんだから。」

 

 目に見えて肩を落とす霊夢。どうやらかなり深刻に捉えているらしい。こらこらそんなコトしてたら貧乏神が憑くぞ。いやホントに幻想郷にいそうだからシャレにならん。

 

 咲夜「皐月、そろそろ次に……って完食してるし。」

 

 皐月「ごち。いやぁ懐かしかったからつい。」

 

 ほんと今度作ろうかな。なんならミ◯ノ風ドリアとかも作ってみようかな。ドリアとか作ったことないけどどうにかなるだろ。

 

 美鈴「つ、次は私です!どうぞ!」

 

 皐月「んな緊張しなくても……ってこれは胡麻団子か?」

 

 美鈴の作ったものは胡麻団子。そういえば中華なら作れるとか言ってたな。それにしてもロングの巨乳美女が胡麻団子………うっ、頭が。

 

 皐月「い、いただきます。」

 

 咲夜「?何を覚悟したんですか?」

 

 何言ってんだ胡麻団子と言えば外はゴリゴリで中はネバネバ、甘すぎず辛すぎる味わいがとっても死ねる一品だぞ。食品サンプルとしては一流じゃないかなって思える。後に常夏コンビが食べてジャーマン決められるまで目に見えてる。あれ?これって俺か咲夜がジャーマン決められちゃうんじゃね?

 

 皐月「…………」ソシャクチュウ

 

 美鈴「ど、どうですか……?」

 

 皐月「そんな心配そうな顔すんな。美味いよ。多分今ままで食べてきた胡麻団子の中で一番好きだわこれ。」

 

 美鈴「よ、良かったぁ……。」

 

 どんだけ緊張してたんだこいつ。でもホント美味いわ。何が良いってモチモチしてて甘すぎないところだよね。俺甘すぎるのは食べられないから。チョコレートとかココアとかは本当に無理。マックスコーヒーは大丈夫。

 

 咲夜「それにお茶も欲しくなりますね。わたし淹れてきますね。」

 

 そう言ってものの数秒で紅茶を持ってきた。時間停止か。やっぱりいいよねその能力。かなり便利だしイタズラにも………ってのは冗談ですから心を読んだように睨まないで咲夜さん。

 

 皐月「ん、この紅茶美味いな。やっぱりコーヒーみたいに淹れ方ってのが関係してんのかな。」

 

 咲夜「そうね。入れ方もあるけど普通に茶葉も良いものを使ってるのよ。今度教えましょうか?」

 

 皐月「ん〜、まぁいつかね。」

 

 お茶を嗜みながら休憩をし、すぐに次の料理を食べる事にした。あとは……フランと霊夢か。一体何作ったんだか楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ……………その頃魔理沙は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙「う、う〜ん………ゆ、幽々子………妖夢……連れてかないでくれぇ………。」

 

 こあ「死にませんよね!?しっかりしてください魔理沙さん!!」

 

 自分で作ったきのこスープによって死線を彷徨っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皐月「さて次はどっち?」

 

 霊夢「私よ。フランがどうしても最後に食べてほしいって聞かなかったからね。」

 

 咲夜「わがままな妹様……ありです。」

 

 皐月「レミィ、こいつ休ませたほうがいいと思う。と言うか推奨する。」

 

 レミィ「言ってもいつも手を焼いてるのは咲夜だから気にしないで。」

 

 霊夢「ちょっと。私の食べなさいよ。」

 

 おっとすまんすまん。ちょっと会話を楽しみすぎてしまった。てか咲夜ってロリコンなのかな?知らなかったぜ。是非とも14歳から500歳くらいまでの層は保ってほしいね。ネット上で英雄視されること間違いなし。別にM◯Sの元校長の話はしてない。

 

 皐月「んで………これなに?」

 

 霊夢「見ればわかるでしょ。オムライスよ。」

 

 うん、見ればわかるよ。確かにこれはオムライスだよ。この卵のかけ方といいちょっと見えてるチキンライスといい紛うことなきオムライスだよ?だが俺が聞いてるのはそこじゃない。その上にかかってるケチャップだ。その上にはただかけられているのではなく俺の名前が入っており最後にハートが………マジデナニコレ珍百景。オレコンナレイムシラナイ。

 

 皐月「上にかかってるこれは?」

 

 霊夢「ケチャップ?」

 

 皐月「なんて書いてある?」

 

 霊夢「」プイッ

 

 皐月「なんでそこでそっぽ向く!?恥ずかしいのは俺だよ!?いやお前も恥ずかしいんだろうけど………いやならなぜやった!?」

 

 咲夜「私のところも似たようなものですよ……。」

 

 咲夜のオムライスにも「さくや♡」と書いてあった。ほんとなにやってんのこのバカ巫女。メイド喫茶ならぬ巫女さん喫茶か?秋葉原に進出する気か?キャラ崩壊しすぎだぞこいつほんと何やってんだ(大事なことなので二回言いました)。

 

 皐月「…………お前馬鹿だろ。」

 

 霊夢「え!?だ、だってこうすれば美味しくなるって………。」

 

 皐月「それ間違ってる!つーか元々料理は出来るだろ!?一体何の本読んだんだよ!」

 

 怒涛の質問攻めをしているところにトントンと肩を叩く者が。パチェだ。そして手元には……。

 

 皐月「………ナニコレ。」

 

 パチェ「えっと……ごほん………。【ご飯が美味しくなる100の方法♡これであなたも料理じょ・う・ず♡】」

 

 皐月「もうわけわからんわ。あとかわいいなおい。」

 

 咲夜「どさくさに紛れてナンパですか。」

 

 皐月「いや今そこツッコむなよ違うとこツッコめよ。」

 

 パチェ「か、かわ………。」//////

 

 多分……というか十中八九外の世界の本だな。しかもクソ需要のないガセネタの宝庫……基書庫だな。マジやらかしてんな。これをまともに受けたのかあいつ………。あいつこそ病院行った方がいいわ。つーかこれって普通メイド喫茶かバカップルがやるやつだよね。

 

 霊夢「そんな……間違った知識だったなんて………。なんて汚い!」

 

 皐月「いやお前の金への執着心とほとんど変わんねぇよ馬鹿なの死ぬの。」

 

 パチェ「ち、因みに最後にはこんなことが書いてあるわよ。【好きな人にやったら思いが伝わるかも】ですって。良かったわね皐月。霊夢はあなたのこと好きみたいよ。」

 

 皐月「アホか。んなこと書いてあるわけ………あったわ。」

 

 パチェからその頭の悪そうな本を取り上げ読んでみたら普通に堂々と書いてあった。え、マジですか?いつからそんな事に?いや待て落ち着け俺。それなら咲夜に書く必要はない。従って俺をそういう目では見てない。万事OKだ。つーかパチェ回復早いなおい。

 

 霊夢「そんなこと書いてあったの!?ち、違うからね皐月!勘違いすんじゃないわよ!」//////

 

 皐月「生ツンデレとか初めてだわ。分かってるからそんな殺気出さないでお願いだから。」

 

 美鈴「と、とにかく食べたらどうですか?す、好きか嫌いかはともかくとして……ね?」

 

 なんでちょっと落ち込んでんのこの子。……まぁいいや。いただくとしますか。

 

 皐月「………普通にオムライスだわ。」

 

 霊夢「普通で悪かったわね!」

 

 咲夜「さ、さっきのインパクトが強すぎましたから………ね、お嬢様。」

 

 レミィ「いきなり振らないでよ反応に困るから。」

 

 美鈴「これ以上イジるのはやめましょうよ……。霊夢さんの傷口にタバスコふりかけてどうするんですか。」

 

 はい、と言うわけで霊夢の黒歴史が更新されましたと。これはもうあれだわ。末代まで語り継げるレベル。まぁ今口に出すとただでさえ真っ赤な霊夢の顔が更に赤くなって血が吹き出しかねんから言わないけどね。

 

 フラン「ふふん、次は私だよ!」

 

 一同「!!?」

 

 あっれぇ〜オカシイなぁ。一気に部屋の空気が重くなったぞぉ?いや、言わなくてもわかるぞ美鈴。フランは……料理下手なんだろ!!でなきゃお前もレミィも真っ青にならないもんな!頼むから姫路さんルートは勘弁して!

 

 フラン「さぁ、私の作ったクッキーだよ!」

 

 それもう何入ってるかわからないよね!美鈴なんか食べる側でもないのに絶望した顔してるよ!魂抜けかかってるよ!戻ってこーい!

 

 皐月「み、見た目は普通……だよな。」

 咲夜「そうですよ。みんな過剰反応しすぎなんですよ……多分。」

 

 フラン「?さっきから何ボソボソ話してるの?」

 

 皐月「なんでもないぞ!さぁ食べようかー!」

 

 疑われる前に食ってしまえ!などと考えクッキーを口に運んだ。

 

 皐月「…………」

 

 咲夜「…………」

 

 フラン「ど、どう……かな?」

 

 レミィ「さ、皐月?咲夜?どうなの?」

 

 皐月「………」

 

 レミィ「いや無言で口に運ばないで……ってもう無くなってる!?」

 

 霊夢「さ、咲夜のも食べたわよ……。」

 

 皐月「俺ちょっと食べ疲れたから風にあたってくるわ。」

 

 咲夜「私もいきます……。妹様、美味しゅうございましたよ。」

 

 フラン「やったー!!」

 

 霊夢「で、出ていったわね……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皐月「ぐはっ!!なんじゃありゃ………噛んだ瞬間に広がった謎の苦味と酸味………。ネチョネチョしてたし……何入れたらあれができるんだ……。」

 

 咲夜「美鈴とお嬢様が畏怖されたのもわかる……気がするわ……。」

 

 俺たちは外へは行かず別室へと移動していた。なぜなら……もう……限界だからだ。

 

 咲夜「ごめんなさい……皐月………あなたに……背負わせて…。」

 

 皐月「き、気にすんな……よ。誰かが食べなきゃ………だめ…だっ……たん………だ。」

 

 意識が途切れかけていた。魔理沙のポイズンクッキングとフランのポイズンクッキングを食べたのだ。限界にもなる。もうアカン死ぬ。

 

 咲夜「手を……握って…ください……。」

 

 皐月「あんし……ん………しろ…よ……俺が……そば………に……あぁ………。」

 

 そこで俺の意識は途切れた。寸前に咲夜が寄っかかってきた気がしたがその事を確認する前に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢「マズイわね……。」

 

 第一声はそれだった。皐月たちを追いかけて外に行ってみたのだけど二人はいなかった。後に美鈴が別室で二人が意識を失っている状態で倒れているのを発見した。クッキーでこんな事になるなんて…………何入れたのよ。

 

 レミィ「安らかな顔ね……。フランが事実を知ったら死んだと思っちゃうレベルよ。」

 

 パチェ「そんなに危ないものなの?そのフランの料理って。」

 

 美鈴「あれ下手したら兵器になりかねませんよ。偶に食べさせられてましたからわかります……。」

 

 よく生きていられるわね。実は美鈴ってかなり丈夫……というか耐性がついたのかしら?多分そうね。ひとまず二人はこのまま寝かせた方がいいわね。

 

 魔理沙「二人が倒れたって本当か!!」

 

 部屋の扉を勢い良く開ける私の幼馴染ことバカ………じゃなかった魔理沙。と言うか起きたのね。復活が遅いことで。

 

 霊夢「こあに聞いたんでしょ。というか遅かったわね。」

 

 魔理沙「危うく幽々子達に冥界送りにされるとこだったぜ。」

 

 どんな夢見てんのよこいつ。

 

 魔理沙「それよりも……やっぱりフランの飯か?」

 

 心配そうな顔をしている魔理沙。当たらずとも遠からずって感じね。正確にはお菓子だし。

 

 パチェ「ええそうよ。フランの作ったクッキーが殺人的な味になったらしくて今は昏睡状態。フラン本人は満足して部屋で寝てるわ。」

 

 霊夢「咲夜が美味しかったなんて言うから……。ある意味いい機転だったとは思うけど。」

 

 あそこで咲夜が美味しかったって言わなかったら多分またフランが暴走して戦う羽目になってた……多分。

 

 魔理沙「ど、どんまい……皐月。」

 

 

 

 

 

 

 二時間後に二人は起きた。生きて帰ってきた事を称えるように抱き合ってた。「生きてるって素晴らしい!」とか言いながら。まぁその後咲夜が素に戻って皐月を串刺し、また死線を彷徨ってたけどね。ほんと皐月が来てからというもの騒がしい日が続いて……でも悪くないわ。皐月が死にかけるのは悪いけど。当分クッキーは食べられないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皐月「いや……ほんと……死にかけたわ………。」

 

 

 

 

 

 

 




 皐月「死にかけたわ。」
 霊夢「お疲れ様でした。」
 紫「霊夢もね♡」
 霊夢「うっさい!」


 次回 : 第三十八話 珍しい二人


 皐月「どういう事だろうか?」
 魔理沙「あまり見ない組み合わせってことじゃないのかぜ?」
 霊夢「て事は最近登場してない人ってことかしら?」




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