東方新記伝   作:黒鉄球

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 どうも黒鉄球です。ひとまずペース配分適当すぎてマジすんません!早すぎだとか遅すぎだとか思う方いると思うのですが気分で書いては投稿を繰り返しているので不定期になっちゃうんですよ(((殴
 まぁそんなこんなで基本は不定期です。はい。






第二十六話 春雪異変第六話 : 妖夢VS皐月【後編】

 

 

 

 

 「春を集めてほしい。」主はそう言っていた。冥界にある西行妖に花を咲かせるために。咲かせて何が起きるのかはお楽しみだとはぐらかされたがそんなことはどうでも良かった。主の為に動くことが出来るのだから。だから…………。

 

 

 

 

 

 

 たとえ目の前にいる敵の命を奪う事になったとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 私のすべてを出し切ってこの人間を斬る。それが私の幽々子様への忠義の象徴になる。だから安らかに眠ってください、人間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 [砂鉄時雨]を難なく受け止め、かわし、体制を立て直す妖夢。だが俺は見つけてしまった。彼女の最大の弱点を。多分この子自身これから立ち向かうものになるだろう弱点を……。強いと自負しているからこそ気付けない弱点を。

 

 俺の左腕を治すためにはほんの少しでいいから隙を作らねばならない。ほんの少しの足止め、それで決着をつけることは可能だ。ならば砂鉄の網を作るしかないな。

 

 妖夢「これで終わりですか?!だとしたら私の勝ちです!奥義[未来永劫斬]!」

 

 妖夢は地面を蹴り、一気に距離を埋めようとした。俺に到達させる前に発動させるしかないな。俺の砂鉄の技で最も傷を負わせやすい技を。

 

 皐月「あんまり出すぎると怪我するぞ![砂鉄開放 : 茨]!」

 

 地面に刺さった砂鉄から次々と新たな刃が出てきて妖夢の進行を止め、飛ぼうとしても上には既に新たな砂鉄の刃で阻まれていた。これが俺の砂鉄を使った確実に相手にダメージを与える事に特化した超広範囲技だ。流石にこれなら足止めできるだろう。今のうちに左腕を治さねぇと。

 

 妖夢「くっ!こんなもので足止めしてもあなたの負けは揺らぎませんよ!往生際が悪いですよ!さっさと斬られてくださいよ!」

 

 よし、治せた!完治とまではいかないけど少なくとも攻撃は受け止められる。そして[こいつ]の衝撃にも耐えられるだろうぜ。つーかいまこいつとんでもねぇ事言ったな。

 

 皐月「恐ろしいこと言うなお前。だったらそこを突破すりゃいいだけだろうが……よ!」

 

 即席で右手と左手に蓄積させた雷を地面に当て、一気に放出した。さてここからだぜ?お前の敗北劇はよぉ……。

 

 妖夢「だったら斬り伏せるまでです![現世斬]!」

 

 砂鉄を全て真っ二つに斬った。まぁでももう足止め用はいらない。もう準備は整ってるからな。首元に電撃を纏わせ、髪は黄色く変色し、逆立っていた。妖夢は俺の変貌に驚きを隠せないと言った顔をしていた。

 

 妖夢「な、なんですか………それ……。さっきまでと雰囲気が……違いすぎませんか?」

 

 皐月「そりゃそうだ。さっきまでの俺じゃあねぇからな。こいつはとっておきの第一段階目だ。俺はこいつを[スパークモード]って呼んでる。それじゃ行くから構えとけ。[ちゃんと目で追えよ?]」

 

 助言をしてやった。こいつは[雷神]になる前の四段回中の一だ。過去に一度魔理沙に使った技でスピードが上がる代わりに攻撃を受けたらその分のダメージを負いやすくなる謂わば背水の術。だが敢えて助言をしてやった。何故なら誰であれこれを初見じゃ捉えきれないからだ。

 

 妖夢「!!」カチャッ

 

 構えたな?んじゃ行きますかね!右肘を立ててなんの変哲の無い肘打ちを鳩尾に打ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 妖夢「な、なんですか………それ……。さっきまでと雰囲気が……違いすぎませんか?」

 

 目の前にいた男の人の雰囲気がガラリと変わった。後頭部から雷が放電され、髪の毛が逆立ち、黄色に変わっていた。さっきの爆風と言い彼の豹変ぶりといい何が起きているんでしょうか……。

 

 皐月「そりゃそうだ。さっきまでの俺じゃあねぇからな。こいつはとっておきの第一段階目だ。俺はこいつを[スパークモード]って呼んでる。それじゃ行くから構えとけ。[ちゃんと目で追えよ?]」

 

 目で追え?この人は私を馬鹿にしすぎです。何をしたかわかりませんが私に斬れないものは無いんですよ?いくら変わっても貴方程度では私には勝てない。その筈です………。なのに何ですか、このプレッシャーは……。

 

 私は剣を構えて迎撃の準備に入った。対応できる筈、基本的な構えな対応出来ない攻撃なんて無い。彼に斬りにかかろうとした直後彼は目の前から消え、鳩尾に激痛が走り、体内にあった空気をすべて吐き出した。

 

 妖夢「がはっ……!!」

 

 皐月「……………。」

 

 な、何が……。考える暇も無く次に左腕に打撃を受けた痛みが走った。私は勢い良く灯籠にぶつかった。右腕にも痛みが走った。

 

 妖夢「ぐっ……!?い、いったぁ………。」

 

 何が起こったのだろうか?理解が追いつかなかった。何故彼がここまでの力を得たのか。何故捉えられないのか。なぜ消えるのか。彼はその考えを嘲笑うかのように私の目の前に立った。私は右手に持つ楼観剣を振るもそれは空を斬り、彼は向かい側の灯籠の上に座っていた。

 

 皐月「だから言ってんだろ?ちゃんと目で追えって。別に光の速度で動いてるわけじゃねぇんだ。捉えようと思えば捉えられるはずだろ。まぁ今のお前じゃ無理だろうけどな。」

 

 言っている意味がわからない。目で追えと言って今の私じゃ無理だと言う。なんの事だろうか?どういう意味で言っているのだろうか?

 

 妖夢「何を……言っているのですか?」

 

 皐月「分からんか?お前は自分の力を過信するあまり俺をよく見てねぇんだよ。ただの人間である俺に負けるはずがないと見下してんだよ。たった一人で修行していただけのガキのくせにな。」

 

 なっ!こ、この人は何を……!私が……ガ、ガガガガガキ!?

 

 妖夢「し、失礼なこと言わないでください!私がガキ!?子供だって言うんですか!?少なくともあなたよりは長生きしていますよ!子供扱いしないでください!」

 

 皐月「それがガキだってんだよ。いいか?お前の戦いぶりは熟練者のそれだ。それは自他共に認めていると俺も認めよう。でもお前は他を知らなさ過ぎている。他を知らないまま成長して自分ならなんでも出来ると思い込んでるガキそのものだ。」

 

 他を知らない。私の胸に酷く突き刺さる一言だった。私は産まれてからずっとお爺様の剣技しか見たことがない。そのお爺様も何処かへと旅立ち、比べる相手がいなかった。唯一一緒にいた幽々子様は剣技なんて使えないし相手を頼めるわけでもない。だから自分一人で腕を磨き、高みに登りつめたとばかり思っていた。けど違った。私の上には彼がいた。でもそれなら……。

 

 妖夢「あ、貴方にはいたんですか?自分を比べられる誰かが。」

 

 私の質問に彼は少し遠い目をした。彼の過去に何かあったのだろうと直感した。そして予想外の言葉を聞いた。

 

 皐月「いたよ。ほぼ毎日が殺し合いみたいなものだった。」

 

 私は愕然とした。普段から殺し合いをしていた人が目の前にいる。それはつまり殺し合いに勝ち続けてきたという証。強いわけですね。私よりも経験が豊富で私よりもきっと努力をしてきたのでしょう。井の中の蛙とはまさにこの事……。外を知らない私ではそもそも勝ち目はなかったと言うことでしょうか……。

 

 妖夢「…………私の負け、ですかね。肉体よりも精神が負けを認めてしまいましたよ……。貴方には到底敵わないと……。」グスッ

 

 皐月「おいおい、何泣いてんだよ。お前は十分強かったぜ?俺に剣術だけで腕を撥ねたのはお前が初めてなんだから。能力が無かったら完全に死んでたからな。次は全力でやらないと俺負けるかもな。」ナデナデ

 

 敵である彼に慰められるなんて……。幽々子様、申し訳ありません。彼を止めるどころか負けてしまいました……。挙句自分の無力さを彼に慰められ、励まされてしまいました。でも……もう少しだけ許してください。ほんの……少しだけ。

 

 妖夢「うえぇぇぇぇん!!!」

 

 皐月「おっと。………やれやれ、敵の本拠地で女の子を慰めることになるとはねぇ……。」ナデナデ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 皐月「………落ち着いた?」

 

 妖夢「ぐすっ……はい。お見苦しいところをお見せしてごめんなさい……。」

 

 妖夢が負けを認め、俺に泣きついてきて10分は経っただろうな。本来ならチンタラしてる暇はないんだが………まぁあいつらだし少しは遅れてもいいだろう。つーかまだ根に持ってるからなあのこと!マジふざけんなよアイツラ!

 

 皐月「謝らんでもいいから取り敢えず左腕見せろ。あの速度でほぼ棒立ちの状態で蹴られたんだ。折れてないにしろヒビは入ったはずだ。」

 

 そう言って左腕を掴んだ。苦悶の表情を浮かべていたので骨逝ったなと確信し、能力を使った。

 

 妖夢「………痛くない。あの、これどうやって……。」

 

 それはだな……と説明しようとした瞬間、ここより少し先、霊夢達が飛んでいった場所から力を感じ取った。恐らくこれが妖力と言うやつなのだろう。でもそれだけじゃない。今までに経験したことが無いほどの禍々しい殺気を感じ取った。嫌な予感がした。今向かわねば取り返しのつかない事になると俺の頭がそう叫んだ。行かなきゃ、手遅れになる前に!

 

 皐月「妖夢、話は後だ。今すぐ向こうへ行くぞ。ついでだからお前も来い。もしかしたらお前の主がなんかやったかもしんねぇしな。」

 

 妖夢「え、あのちょっと……!?」

 

 有無を言わさず妖夢を抱きかかえて急いで飛んだ。その先に待っている禍々しい何かを止めるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢「…………助けて、皐月……このままじゃ……幻想郷が………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 霊夢「次回は少し時間を遡って私達のターンよ!」

 魔理沙「私達の活躍見逃すなよ!」

 幽々子「全ては作者の腕次第ね。」

 作者「おっふ……さ、西行寺……さん。」


 次回 : 第二十七話 春雪異変第七話 : 亡霊VSレイマリ【前編】


 作者「どうでもいいけど俺は百合に興味はない!」

 皐月「いや誰もんなこと聞いてねぇよ。」

 アリス「メニアーック!!!」ブハァッ!!
 ※変態なのは今だけです。ご了承ください。




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