東方新記伝   作:黒鉄球

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 おはようございます。黒鉄球です。さて、まずは……お気に入り登録者20人を突破いたしました!いやぁ本当にありがたい事ですね。こんな拙い作品を読んでいただいた上にお気に入りまでしていただいて………感無量であります!

 今回は短めの4400文字です。長すぎると読みづらいと思い区切りました。





第十七話 お礼。続

 

 

 

 

 

 

 

 紫に押し倒され、帰ってきたらなぜか霊夢に怒られた日の翌日。私こと神条皐月は清々しいとは言い切れない朝を迎えていた。起きれば寒いし雪は降ってるしチルノに絡まれるしと散々な目にあった。早く冬越えてくんねぇかな。そんなことを考える余裕がありましたよ、今朝までは。

 

 皐月「…………何故俺はこんな所に連れてこられたのでしょうか咲夜さん?」

 

 お察しの通り俺は今紅魔館にいる。成り行きを説明するならば咲夜がいきなり俺の目の前に現れ、いきなり連れてこられた、以上ですはい。

 

 咲夜「申し訳ありません皐月。これもお嬢様の命だったので………。」

 

 皐月「そんな理由で連れてくんなよ。昨日のことで俺疲れてんだけど。」

 

 ぶっちゃけホントに疲れた。紫さんに押し倒され、五時間ほど動けず、尚且つ自分の理性を保たせるという難題極まりない事をやったのだ。精神がゴリゴリ削られた。しかも帰り際に「甘えたくなったらまたお願いね」とか聞こえたし。しかもそのことを霊夢に話したら二時間ほど説教食らうしほんと………超疲れた。

 

 咲夜「昨日?……あぁ、八雲紫の屋敷に行ったことですね?」

 

 皐月「いやなんで知ってるんだよ。」

 

 咲夜「連れさらわれる瞬間を目撃してましたので。」

 

 皐月「いたのかよ、全然気付かなかったわ。」

 

 気配を消してましたので、と答えられた。何故に消したし。俺結構大変だったんだぞ。主に精神が。つーかそれよりも俺の質問に答えていただきたい。

 

 皐月「つーかなぜに俺は図書館前に連れて来られたんだ?」

 

 そう、ここは紅魔館内にあるパチェの図書館の前なのだ。一瞬で雪景色から木造の扉に変わったから咲夜の仕業なのは容易にわかった。でも理由がわからんのだ。これで暇潰しだったらここを半壊させて帰ってやる。

 

 咲夜「理由は詳しくは聞いていないのですがお嬢様が「皐月をパチェの前に連れてきなさい!」と命ぜられましたので私はそれに従っただけです。」

 

 皐月「いやその理由が一番気になるんだが。つーかパチェのやつ俺に用でもあったのか?なら普通に呼べばいいのに。」

 

 それが出来なかったから拉致なんて方法を使ったのよ、と背後から聞こえた。この野郎よくも拉致ってくれやがったな。

 

 レミリア「ご機嫌よう皐月。手荒な歓迎は詫びるけど目を瞑ってほしいの。」

 

 皐月「ようレミィ。目を瞑るかどうかは理由によりけりだな。これでもしくだらない理由だったら紅魔館を半壊させて帰るからな。」

 

 レミリア「恐ろしいことを言わないで頂戴。と言うか私からしたらくだらなくない理由なのよ。」

 

 いやそんなん知らんわい、と言いたいところだがそんな神妙な顔されたら何も言えないじゃねぇかよ。ま、話くらいなら聞いてやるか。

 

 皐月「んでなに?話してみそ。」

 

 レミリア「切り替えの早いこと……。まぁいいわ。そっちのほうが都合がいいし。」

 

 皐月「いいから言えって。」

 

 レミリア「実はパチェが貴方にはお礼をしたいっていうのよ。ユグドの件で死ぬはずだった自分を助けてくれたからって言っててね。でもあの子いざ呼ぶとなったら話を長引かせようとしちゃってね。だからあなたを目の前に連れてきてしまえという手段に………。」

 

 皐月「なるほど分かった。つまり俺はあいつに会って何かしらのお礼を受けてこい、そういうことだな?」

 

 レミリア「ええそうよ。……あなたの都合が良ければの話よ。私個人としては断ってほしくはないわ。」

 

 さてどうしたものか。昨日のこともあるし何が来るか分からない。まぁでもパチェのことだし変なことにはならないよな。…………なんかちょっと嫌な予感するけど無下にもできんのも事実だしやるしかないか。

 

 皐月「分かった。レミィがそこまで言うのなら行こうじゃないか。どうせ今日は暇だったんだ。お礼があると言うのならありがたく頂戴する。」

 

 そういうと表情が明るくなった。そんな嬉しかったのかねぇ……。まぁんなことはいいや。早くいこう。

 

 レミリア「有難う皐月。それじゃあ私達は自分の部屋にもどるわ。くれぐれもここは半壊させないでね?」

 

 皐月「それはフリかな?」

 

 咲夜「やめてくださいよ?直すの私なんですから。」

 

 皐月「やんない、やんないからそんな絶望した顔しないでくれ。やってないのに罪悪感半端ないから。」

 

 とまぁ適当な絡みを交え終え、いざパチェの居る部屋へ入りますか。

 

 レミリア「皐月!」

 

 皐月「なんだよ出鼻挫くなよ。」

 

 レミリア「………ありがとうね、色々。あとレミィって呼んでくれて。」

 

 ここ最近俺はレミリアからレミィへと呼び名を変えている。まぁ理由はシンプルに[親友]だからだ。レミィからそう呼んでくれと言われてたし減るもんでも無いから別にいいかなとかなりゆるーく応じた。

 

 皐月「あいよ。んじゃ行ってくるわ。」

 

 こうしてレミィと咲夜は姿を消し、俺は図書館の扉を開けた。さてこの先何があるのか分からんが頼むから変なことだけは起きないでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入ってすぐに俺は真っ直ぐに進み、パチェがいるであろう机に向かった。

 

 コア「……………え?」//////

 

 皐月「……………はい?」

 

 そこにはパチェはおらず、その代わりコアちゃん絶賛お着替え中でした。………ふっ、さすが俺だ。一瞬でフラグを回収しちまったぜ。そしてオマケのビンタもバッチリ食らっちまうぜ。

 

 コア「きゃあああああああああああ!!!!」//////

 

 皐月「あべしっ!」

 

 ビンタされながら思った。着替えなら自室でしろよ………。

 

 

 

―――――少年復帰中

 

 

 

 

 コア「ごめんなさい!いきなり叩いたりして!」

 

 皐月「いや気にしないでくれ、俺にも非があるから。」

 

 いやぶっちゃけ部屋で着替えろよとか思ったよ?思ったけどそもそもここは女子部屋と言っても過言ではない。だからここで着替えててもおかしくは無いのだ。くそ、先にノックするべきだったぜ。そしてご馳走様でした。

 

 コア「あの、それでどうしてここに?」

 

 あ、もう核心つくんすね。さてどうしたものか。本当のことを言ってもいいんだけど言ったら言ったでパチェが気を使うよな。仕方あるまい、ここは少し嘘をつくか。

 

 皐月「レミィからパチェが何か悩んでるようだから解決してほしいと頼まれた。」

 

 コア「ダウトです皐月さん。」

 

 一瞬でバレた。え、俺の嘘ってそんな見破りやすいの?チョロいの?これが一億円を奪い合うゲームだったら俺もう負け確定だな。お前の負けだとか言われちゃいそう。

 

 皐月「……なんで嘘だと思ったんだ?」

 

 コア「あ、適当に言ったのに当たりました!」

 

 この野郎俺を引っ掛けやがったな。流石に悪魔の名前は伊達じゃねぇってことか。あとピョンピョン跳ねるのやめろ。何がとは言わないけど揺れてるしスカートも危ない。目のやり場に困る。

 

 皐月「はぁ……。ほんとやられたぜ。」

 

 コア「はい!悪魔の名前は伊達ではありませんから!」

 

 皐月「いや偶然だったよね?そんな得意げな顔されても全然誇れてないからね?」

 

 コア「そんなことより理由を話してくださいよ。大方パチュリー様がいつまで経っても皐月さんを呼ばないからお嬢お節介をかけて連れてきたと言ったとこでしょうけど。」

 

 分かってんじゃん。じゃあもう俺の嘘完全にバレてましたよね?わかった上で適当とかぬかしましたよね?こいつが女の子じゃなけりゃここを全壊させて帰ってたとこだぞ。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 レミリア「!!!」ゾクッ

 

 咲夜「どうなさいましたかお嬢様?もしかして風邪ですか?」

 

 レミリア「いえ、今紅魔館が崩壊しかけた気がしたから。」

 

 咲夜「???」

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 皐月「ほんでそのパチェはどこにいんだよ。まさかまだ寝てんのか?」

 

 コア「そのまさかで奥のお部屋で就寝してますよ。なにやら作業をしていて夜遅くまで起きてらして……。4時頃に「もうムリ」と言い残して部屋に戻られましたから……。」

 

 もうムリて……。一瞬ドロドロな昼ドラが頭に流れてきたぞ。大方図書館の本を読み漁ってたとかそんなとこだろう。………ん?4時頃に部屋に戻られた?

 

 皐月「まさかコアは徹夜なのか?」

 

 コア「え?あ、はいそうですよ。本の片付けが長引いていつの間にか夜明けに。どうせだから浴びそびれたシャワーを浴びようと思って浴びたんですけど着替えを持っていくのを忘れてて………。」

 

 皐月「着替えを取りに行って着替えてた時に俺が来てしまったと。」

 

 こくん、と頬を赤らめながら頷くコア。言っててこっちもあの光景を思い出してしまった。あん時のコアはパン一と言っても過言ではないというかパンイチでした。ちなみに色は白だった。

 

 皐月「タイミング悪かったな。パチェは寝てるしコアのあられもない姿を見てしまうしビンタは食らうし。本当今日の占い最下位じゃね?」

 

 コア「あ、あの部屋に赴いてはいかがですか?そばに座ってるくらいならパチュリー様も夢くらいにしか思わないでしょうし。」

 

 いきなりとんでもないこと言ってきたなこいつ。いや女の子が寝てる部屋に男子を招くのはアカンだろ。疚しい事考えてるやつがいたらどうすんねんこいつ。

 

 皐月「いや不味いだろ。女子が寝てる部屋に男子である俺が入るのは。」

 

 自分を下げてるような感じになったが事実上俺は男だ。勧められてはいそうですかと入れるわけがない。つーか入ったら霊夢達に白い目で見られる。生憎俺にはそんな趣味はない。

 

 コア「大丈夫ですよ。私達は皐月さんのこと信用してるんですから。」ニコッ

 

 皐月「!!」

 

 頬を赤らめながらそんな笑顔を浮かべんといてほしい。可愛すぎんだろうが。外見だけでうっかり惚れそうになる。

 

 皐月「お、俺自身が駄目だと思ってるから駄目だ。まぁとは言え退屈になるのには変わんないから………ここの本読んでいい?」

 

 ふっ、ナイスな判断やな俺。いい逃げ道を作った。これで入らずに済む。

 

 コア「ヘタレですね。」

 

 皐月「ほっとけ。」

 

 コア「まぁでも本に興味を持っていただけるのなら是非読んでください。あ、でも魔導書以外でお願いしますね。下手したら悪魔落ちしちゃいますから。」

 

 皐月「わーってるよ。無知である俺ですら分かるんだから無闇やたらと読むかっての。」

 

 そういいつつ部屋にあるパチェの椅子に腰掛け、コアの持ってきた俺でも読める本を読み始めた。因みに内容は歴史の書物である。うむ、なんだかこの椅子と机にいると偉い人になった気分になるな。別に俺は学識ってわけではないがなんだか頭が良さそうに見える………と思いたい。

 

 コア「何かあったら呼んでください。お茶なり本なり持ってきますから。」

 

 皐月「いや、コアは寝てないんだろ?だったら寝ろよ。身体を休めるのも司書の勤めだろ?だから今はゆっくり休め。」

 

 コア「………わかりました。お言葉に甘えて少しばかり寝ますね。皐月さん、何かありましたら咲夜さんを呼んでください。一瞬で来ますから。」

 

 皐月「ほいよ。おやすみ。」

 

 お休みなさいと一言入れてコアの部屋らしき所へと戻るコア。さて、俺はこの書物を読みますかな。つーか本来の目的が達成されないまま帰るとかないよな?

 

 コア「それフラグですよ。」

 

 皐月「いいから寝ろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 皐月「おいこら何区切ってんだよ。またさらに続ける気か?」

 作者「読者のことを考えて短めに書いたんだよ。長すぎると疲れると思ったから。」

 パチェ「いいから早く出しなさいよ。」


 次回 : 第十八話 お礼。続の続


 作者「お礼は次で終わります。」

 皐月「言ったな?記録したかんな!」

 霊夢「あんた必死すぎでしょ……。」

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