東方新記伝   作:黒鉄球

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どうも!いつでもどこでも黒鉄球です!お気に入り登録者がなんと10人を突破しました!ほんっっっっっっとうにありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!

それでは本編を始めます!タイトルには書いてませんが前後編で分けます!





第十話 季節変わって、秋に。

 

 

 

 

 

 

 

 皐月「秋になったな。紅葉が中々に良い。外の世界じゃこういった景色を見ることってあんま無かったからちょっと新鮮だなぁ。」

 

 季節は変わって秋。皐月が幻想入りをしてあの紅霧異変から二ヶ月が経ち、すっかり緑の景気が赤や黄色に変化していた。皐月も紅魔館の面々もすっかり幻想郷に馴染み、各々が自分たちの生活を満喫していた。

 そんな中、紅霧異変解決に貢献をし、更には皐月の居候先である博麗神社の巫女である博麗霊夢は少しだけ複雑そうな顔をしていた。

 

 霊夢「そうかしら?秋になったってことはそれだけ寒さに近づいてるって事でしょ?嫌よそんなの。私寒いの嫌いだし。」

 

 皐月「そんなこと言うなよ。風情のへったくれもねぇじゃん。つか、なんでそんな不機嫌なんだよ。」

 

皐月の質問に霊夢は目線を左に反らし、そこにいる人達を見た。

 

 霊夢「アレのせいよ、寝てたところを起こされ、更には茶を出せと威張り散らすアレよ。」

 

 その言葉を聞いた押し掛け人の一人が声を上げた。

 

 魔理沙「おいおい、人を迷惑みたいに言うなよ。それに来客にはお茶を出すのが常識だろ?」

 

 皐月「お前にとっては押し掛けが常識なのか?それを客として扱えと?って霊夢が目で語ってるぞ。いやまぁ俺は起きて境内を掃除してたからあれだけど流石に叩き起こすのはどうかと思うぞ?」

 

 そう言うと魔理沙は悪びれる様子もなく言った。それも堂々と。

 

 魔理沙「私と霊夢の仲なんだから問題ないだろ?」

 

 霊夢「それじゃあ私はあんたが寝てる所を叩き起こしても怒られないわけね?」

 

 そう言いながら懐から札を出して魔理沙に向けた。

 

 魔理沙「いやおまえそれで起こしに来るなよ?!逆に寝ちゃうだろ!永遠に!」

 

 二人が騒いでる隣で頭を抱える皐月ともう一人の来客。

 

 アリス「だから止めとこうって言ったのに魔理沙ったら………。」

 

 皐月「霊夢の眠りを無理に妨げるとあとが怖いからな。俺も一度やって[陰陽玉]飛ばされたわ。」

 

 アリス「皐月も大変なのね………。」

 

 そう言うと二人は大きな溜息をついた。ムリもないだろう。魔理沙と仲のいいアリスは魔理沙のお守役みたいなもので、皐月は霊夢と一緒にいるため霊夢が何かやらかしたら止めるよう紫に言われているのだ。完全にお守りである。二人は大きな赤子を抱えていた。

 

 霊夢「もう怒ったわ!弾幕勝負でケリをつけましょう!」

 

 魔理沙「臨むところだぜ!今度こそ勝つからな!」

 

二人のその声を聞き止めに入る皐月。

 

 皐月「待て待て待て待て。どうなったら弾幕勝負にまで発展すんだよ。お前ら好戦的すぎるだろ。もうちょい平和的にだな………。」

 

 そう言った矢先魔理沙が弾幕を容赦なく発射し、霊夢がそれを躱して…………皐月の額に当たった。

 

 魔霊ア「あ………。」

 

 流石に堪忍袋の緒が切れたのか皐月は二人に対し殺気を放った。

 

 皐月「………テメェ等。……………覚悟は出来てんだろぉな?」

 

 そう言うと皐月は親指と人差し指を立て、何かを挟む仕草をした。すると急に魔理沙と霊夢が苦しみだした。

 

 魔理沙「!!?な、なんだ………これ。……い、息……が………。」

 

 霊夢「さ、さつ……き?」

 

 皐月「お前ら騒ぎ過ぎだし迷惑かけすぎ。………はぁ。少しは反省して寝てろ。」

 

 そう言うと魔理沙と霊夢は倒れた。アリスはその事に驚きを隠せず皐月に何をしたのかを聞いた。

 

 アリス「さ、皐月?あなた一体何をしたの………?」

 

 皐月「アイツ等の周りにある酸素を薄めた。そんで呼吸困難になって気絶。それくらいなら操れるしこれで静かになったろ。さて、あとは酸素をこいつらの体に送り込めばあとは起きるのを待つだけっと。」

 

 そう言いながら酸素を送り込み呼吸をさせ、部屋から布団を被せた。

 

 アリス「あなたって意外と容赦ないのね。」

 

 皐月「そうでもねぇよ。俺に弾幕さえ当てなけりゃこうはならなかったんだからな。当然の報いだ。」

 

 アリス「でもこれであなたの仕事は増えたゃったわね?」

 

 アリスの発言にはてなマークを浮かべていた。仕事とはなんだ?と。それ読んだのかアリスは答えた。

 

 アリス「霊夢が寝ちゃってるんだから神社内の掃除、洗濯、ご飯もあなたの仕事になっちゃったわねって言ってるの。」

 

 皐月「……………しまったやっちまった。」

 

 こうして皐月は境内からの紅葉狩りから全家事に追われるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      〜一方その頃紅魔館では〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レミリア「涼しい風、美しい紅葉、紅茶を一服するのにぴったりね。」

 

 咲夜「そうですねお嬢様。もう秋ですからあの日から2ヶ月経った事になりますね。」

 

 咲夜とレミリアはラウンジにて秋の風景を楽しみながらお茶を楽しんでいた。そこにはパチュリーも同席しており、本を読んでいた。

 

 レミリア「そうね。それに二ヶ月前はこんな光景が見られるとは思わなかったわ。」

 

 レミリアの目には秋の風景と低空飛行で庭を飛ぶフランとそのフランに日傘をさして走る美鈴がいた。

 

 美鈴「ちょ、ちょっと妹様!傘!日傘忘れてますって!!」

 

 フラン「美鈴がさしてるからいいもーん!」

 

 美鈴「私にも体力の限界がありますよ!?」

 

そう言いながら少し息が上がっている美鈴とそんなことを全く気にせず飛ぶフラン。そこにパチュリーの司書である小悪魔が飛んできた。

 

 こあ「私が代わりますから美鈴さんは休んでてください!い、妹様〜!ちょっとー!」

 

 美鈴「た、助かりました………。」ゼェ....ハァ.....

 

本気で息があがっていた。それを見兼ねたレミリアは咲夜にフランを止めるよう命令した。

 

 レミリア「咲夜、フランを止めて頂戴。元気なのは結構だけどそろそろ美鈴が可哀想に思えてきたわ。」

 

 そう言うと咲夜は「かしこまりしたお嬢様。」と一言言った次の瞬間、フランを捕まえており、本人は暴れていた。

 

 フラン「んにゃ!?さ、咲夜!?放してよ!もっと遊びたいの!」

 

 咲夜「妹様?遊ぶのは結構なのですがお嬢様は吸血鬼なのですよ?日が当たるだけでダメージを負ってしまいます。少しは自重してくださいませ。」

 

 フラン「だから美鈴達が傘を………。」

 

 レミリア「その美鈴は息切れしてるわ。飛ぶより走るほうが体力の消費は激しいんだからこうなるのは当然だわ。」

 

 そう言われてフランは少し反省をし、日陰に入った。

 

 レミリア「咲夜、フランにケーキと紅茶を。」

 

 そう言われて咲夜は直ぐに持ってきた。フランを止めたとき同様時間を止めて持ってきたのだ。

 

 咲夜「はい、妹様もお食べになってください。」

 

 フラン「わーい!ケーキだー!いっただっきまーす!」

 

 そんなフランを見てレミリアはニコッと微笑んでいた。ほんの二ヶ月前まではこうしてフランと一緒に紅茶を嗜む事など夢にも思っていなかったのだ。あの少年、神条皐月が紅魔館に現れる前までは。彼が現れ、命を懸けてくれたお陰でフランに宿っていた狂気は消え、こうして「家族」と笑い合えている。その幸せをレミリアは微笑ましく、そして皐月に感謝をしていた。そんな顔をしていたのが見ていたのかパチュリーが本を読みながら口を開いた。

 

 パチュリー「どうしたのかしらレミィ?彼の事でも考えていたのかしら?大方「借りを作ってしまった、どうすれば返せるのかしら?」とでも考えてたんでしょ?」

 

 図星をつかれたが顔色一つ変えず淡々と喋った。

 

 レミリア「まぁ、ね。皐月がフランを、私の「家族」を体を張って守ってくれたんだもの。皐月が居なければもしかしたらあの場に居た全員が死んでたかもしれないもの。感謝しかないわ。」

 

 その会話を聞いたのかこあは美鈴に皐月について質問をした。

 

 こあ「そんなにすごい人だったんですか?その皐月さんって人は。私はあの時図書館の奥にずっと隠れてて見てないんですよね。」

 

 美鈴「はい!……皐月さんが居なかったら妹様がこうして外に出られる事は多分なかったと思います。それに私と咲夜さん、パチュリー様の事を助けてくれました。命をかけて………。」

 

 そう言いつつ美鈴は暗い顔になった。彼女は思い出していたのだ。自分の軽率な行動のせいで皐月の左腕と頭部の半分が破壊された事を。皐月は「治ったんだし気にすんなよ。」と言っていたがやはり当の本人はずっと引きずっていた。いくら死なないとは言っても痛みは伴うのだ。その痛みを負わせたことに美鈴は自分を責めていた。

 

 こあ「パチュリー様も仰ってましたね。危険を犯して自分達を助けてくれたと。」

 

 そんな話をしていた時、ふいに門を叩く音が聞こえた。この紅魔館にノックをしてくる人物はそう多くない。霊夢はそもそもノックをしないし魔理沙は本を盗むために忍び込んでくるためやはりしない。考えうるのはアリスくらいだった。そもそもの話、門前に美鈴が居るためする必要がないのだ。

 

 レミリア「誰かしら?霊夢はノックなんかしないし、魔理沙は………忍び込むからしないわね。アリスかしら?美鈴、行ってきてくれるかしら?」

 

 美鈴「…………あ、はい。行ってきます。」

 

 レミリア「……………まだ引きずってるのかしらあの子は。」

 

 命を受けた美鈴は門を開け誰が訪ねてきたのかを確認した。

 

 美鈴「はいはいただいまーっと。………え?」

 

 皐月「よ、よっすー美鈴。ちょっといいか?」

 

 紅魔館を訪ねてきたのはさっきまで話の渦中にいた人物である皐月であった。突然の訪問に驚きを隠せない美鈴だった。

 

 美鈴「さ、皐月さん?!お、お久しぶりです!どうしたんですか急に…………。」

 

 皐月「ちょっとレミリアに用がな………。案内してくれるか?」

 

 美鈴「は、はい!こちらにどうぞ!!」

 

 皐月が紅魔館に訪れたことは異変時を除けば初めてなので少しテンションが上がっていた美鈴。さっきまで暗い顔をしていたのが嘘のように。

 

 美鈴(さ、皐月さんが来た。さっきまでモヤモヤしてたのに元気な皐月さんを見たらなんかもやもやが晴れました。………なんででしょう?)

 

 考え事しているとレミリアの居るところについた。

 

 美鈴「お嬢様、皐月さんがお見えになりました。なにやら用があるみたいでして……。」

 

 レミリア「あら皐月?久しぶりね。どうしたのかしら?」

 

 要件を聞いたら皐月はかなり暗い顔になった。なにやら訳有なのだとすぐに理解したレミリア。

 

 レミリア「ど、どうしたのよ………。」

 

 皐月「……………家事が全く終わんねぇんだよ……………。」

 

 レミリア「…………は?」

 

 一瞬理解が遅れたレミリア。そして皐月は話を続けた。

 

 皐月「実は今日霊夢と魔理沙が喧嘩してな。弾幕勝負にまで発展したもんだから止めようとしたら魔理沙の弾幕に被弾しちまってな。ついカッとなって二人を気絶させちまったんだよ。」

 

 レミリア「それで家事を全部やるハメになり全然終わらないと?」

 

 皐月「………そういうことッス。その場に居合わせたアリスにも応援を頼んだんだが二人に付きっきりだし結局俺がやる事に………。だから助けてくれ。」

 

 しばらくレミリアは考えて一つの答えを出した。

 

 レミリア「それなら美鈴を連れていきなさい。」

 

 美鈴「へ!?わ、私ですか!?」

 

 突然のご指名に驚き、皐月は涙を流した。

 

 皐月「い、いいのか!?俺なんも用意してないけどいいのか!!?」

 

 レミリア「見返りなんて要らないわよ。カリスマのする事じゃないわ。それに貴方には大恩があるもの。これくらいならいくらでも手を貸すわよ。美鈴が。」

 

その一言で涙が引き、真顔になった。

 

 皐月「そこで自分が動かない辺りお嬢様なんだなお前………。」

 

 そこで待ったの声がかかった。

 

 美鈴「ちょ、ちょっと待ってください!門番は?!」

 

 レミリア「門番ならパチェに代理させるわよ。それに………。」

 

 そう言ったあと美鈴の耳元にまで顔を近づけ、皐月に聞こえない声で美鈴に耳打ちした。

 

 レミリア「皐月にアピールするチャンスよ?」

 

 美鈴「ふぇ!!?」/////

 

 突然の一言に変な声を出した美鈴に何があったのかを聞く皐月。

 

 皐月「おーい、なんの話を………。」

 

 美鈴「なんでもありません!!!」

 

 そういうと美鈴は拳を握りしめそのまま皐月の腹部に叩き込んだ。

 

 皐月「ごふっ!!!」

 

 美鈴「あ、皐月さん!ごめんなさい!!!私ったらまたやっちゃった………。」

 

 美鈴のボディブローをもろに食らったがなんとか耐えていた皐月。

 

 皐月「だ、大丈夫だ…………。多分俺が悪いんだろうし…………気にして………ねぇ……よ。」

 

 皐月はこうしてダメージを負いながらもヘルパーを一人獲得し、美鈴は博麗神社に向かう準備を始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 







 美鈴「前回の話で書いていたセリフが一つも出てませんよ?」

 皐月「作者がなんかいちいち予告してると覚えるのが大変だからそれにちょっとだけ関係することをあとがきに書くって言ってたぞ。」

 レミリア「いつかそうなるとは思ってたわ。」


次回 : 家事と進展


 アリス「そんな事どうでもいいから早く二人共起きてよ!」

 魔理沙&霊夢「…………………。」←気絶中


作者「…………………ほんとそのセリフをどこに入れようか考えるの大変なんすよ。無理やり入れたりしたら変になるし。だから止めました。」

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