ニューダンガンロンパV3 本当の真実 【完結】   作:フィル

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―――絶望が始まるよ♪











8話 絶望の少女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマが笑い。僕は涙した。

 

みんなは状況についていけずにいた。

 

「最原……どういうこと?」

 

春川の質問に最原は答えた。

 

「そもそも僕たちは自分の意思でコロシアイゲームに参加したと白銀さんは言ったけど、それはおかしいんだ。いくらコロシアイゲームが娯楽になっていても実際に人の記憶を操作して殺し合わせ、視聴者が見るなんて国が許すわけがないし、いくら何でも実際に参加したいと僕たちが思うわけがない。だって死ぬんだよ?」

 

僕の疑問に皆はうなずいた。

 

「春川さん。新世界プログラムは絶望の残党を更生させるシステムだったよね?」

 

「……えぇ」

 

「そしてこの世界も新世界プログラムと同じ、もしくは似た世界だ」

 

「……」

 

「じゃあ、なんで視聴者なんて存在するんだ?」

 

「それは……」

 

春川さんが言い淀む。僕は構わずに続ける。

 

「僕たちはなんでここにいるんだ?」

 

僕の問いに誰も答える人はいない。

 

だから、僕は答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕たちは―――刑罰を受けているんじゃないか?」

 

みんなは目を見開いた。

 

「刑……罰?」

 

「そうだよ。春川さん」

 

僕は俯きながら言った。

 

「僕たちは大なり小なり、罪を犯しているのかもしれない。僕たちは絶望の残党で、希望から刑罰を受けている―――かもしれない」

 

「なんですって?」

 

「なんじゃとう!?」

 

全員が驚愕する。

 

「全員がどういった経緯なのかわからない。けれども、心当たりがある人はいる」

 

「―――ッ」

 

そう言って僕は春川さんと入間さんを見た。

 

「入間さんは人に恨まれそうな性格をしている。真宮寺くんは人を殺していた。そして春川さん…君は―――」

 

「―――超高校級の殺し屋」

 

春川さんを爪を噛んだ。

 

「…そう、僕たちは絶望の残党で、希望側から刑罰を受けている。そうじゃなければ視聴者がいるわけがない。どうなんだモノクマ……答えろ!」

 

僕は強く叫んだ。

 

「僕たちは53回も同じコロシアイゲームをして、終わるたびに生き返らせては記憶を操作しているんじゃないか! 答えろ」

 

「……」

 

少しの間があった。

 

「うぷぷぷぷぷぷ」

 

モノクマは笑い出し、

 

「はーはっはっはっはっはっは」

 

景色が歪んだ。

 

絶望が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に―――江ノ島盾子がいた。

 

「まさか真実にたどり着く勇者がいるなんて…考えもしなかったわ」

 

「―――江ノ島―――盾子ッ!」

 

「そんな――死んだはず」

 

「ん? 死んでいるわよ?」

 

江ノ島は事もなげに言った。

 

「現実に存在していた私も、絶望の残党を絶望させようとした私もいない。私はそのコピーね」

 

「コピー?」

 

「そう。貴方たち絶望の残党を罰するためだけの存在、そういうプログラム」

 

「なッ!?」

 

「まぁ、私的には絶望させれば誰でもいいって感じだし、結局のところ貴方たちが二人になったら復活させて記憶消して54回目のコロシアイゲームするつもりだしぃ」

 

「私たちがコロシアイゲームをすると思っているの?」

 

春川さんが殺気を籠める。

 

「別にぃ、強制的にやめることは可能だし、私的にはもう54回目に移行してもいいんだぁ」

 

「―――ッ」

 

春川さんが悔しそうにする。

 

「いやぁ、まさか真実にたどり着くとはね」

 

江ノ島は呟いた。

 

「春川はクロとして死ぬことが多いんだよね。そして最原とキーボは最初に殺されやすいんだ。最原は探偵だからさっさと殺した方が良いと判断されやすいし、キーボは罪悪感がでにくいから殺される。夢野も途中で死にやすいんだよなぁ。だいたい最後に生き残りやすいのって獄原と百田、天海、茶柱なんだよねー。特に最原が最後まで生き残ったのは今回が初めてだよ。頑張ったね。偉い偉い」

 

江ノ島は笑顔で言った。

 

僕たちは絶望するほかなかった。

 

たどり着いた真実。それはとても残酷で、知らない方が良かった真実。

 

こんな真実に立ち向かえるわけないよ……赤松さん。

 

「じゃ、今回はここまでということで54回目に行きましょうか!」

 

江ノ島は元気よく片手をあげた。

 

あぁ、もう一度―――始まってしまうのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――大丈夫。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






残り7日7話

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