ドワーフの酒蔵   作:爆焔特攻ドワーフ

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閃の軌跡×GOD EATER 10

「ギリギリセーフ」

昏倒した魔獣の前に姿を現したのは白髪の少女。

魔獣がアリサを殺そうとする直前に閃光弾を投げ入れアリサを間一髪で救い出した。

その姿にリィンたちは一瞬唖然としていたが、白髪の少女に向かって礼を言う。

「あ、ありがとう」

「ん。」

白髪の少女は簡潔に答えると昏倒しているアリサをリィンに渡すとこう言った。

「目くらましをしただけだから、この魔獣もそのうち回復するかもしれないから、今のうちに安全な処まで逃げるよ。」

そう言うと白髪の少女は走り出す。

それを見たリィンたちは協力して、負傷者を運びながら慌ててついていく。

 

 

その数分後魔獣は頭を揺らしながら起き上り、自分の獲物が逃げてしまったことを悟ると耳障りな音を挙げながら獲物を探し出そうとする。

その瞬間何を感じたのか、魔獣はその場所を離脱しようとする。

そんな魔獣の上から影が落ちてきて避け損ねた魔獣の脚を引き裂きながら降り立った。

「…なんで、ここに高位魔獣が湧いてるんだろうね。」

落ちてきたのは巨大な武器を携えた青髪の青年。

「まぁ、倒しますか。」

クリス・レディアが。

 

現在、クリスの頭の中では様々な会話がなされていた。

(なぜ、ドレッドパイクがここにいる?)

【? ドレッドパイクって何?】

(俺たちのほうだと、こいつはドレッドパイクって呼び名だったんだよ。ところで高位魔獣って何?)

【簡単に言うと、七耀石による補助を持たない魔獣かな。一説では普通の動物が魔獣に対抗するために進化したのではないかとも言われてるけど。】

(こっちだと、特異な生物が各地の生物を喰らってその姿を模した奴が出ていたがな…)

【その話、後で聞かせてね。高位魔獣についての研究もそこまで進んでいるわけではないから、いい刺激になるかもしれないし。】

(ああ、わかった)

 

 

「さて、お前の相手はこの僕だ。ちょうど腕試しがしたかったんだ。すぐに死ぬんじゃ、楽しくないよね?」

クリスが武器を構えると、戦術オーブメントが黄金色の光を放ち始める。

その光は戦術オーブメントを離れクリスに纏わりついていく。

瞬間。

クリスから黄金色の粒子が湧き始め、武器も光を纏う。

「へぇ、これが疑似解放状態(デミ・バーストモード)か……いい感じだね。」

その力の奔流を見て逃げることは出来ないと悟ったのか、魔獣も臨戦態勢に入り――――――――

「さぁ楽しいパーティの始まりだァァッ!」

――――激突した。

 

 

 

迷宮の終点まで逃げてきたリィンたちの耳は轟音をとらえる。

「ッ!?なんだッ!?」

「たぶん、誰かがあの魔獣を戦っているのかも。」

「た、助けに行かないと!」

「そうしたほうが、いいけど。そうも言ってられないみたいだよ。」

フィーがそういって指をさす。

「何……?」

フィーの言葉にラウラがフィーが指差す方を見つめると終点の壁にある石像が動き出そうとしていた。

「せ、石像が動き出しただと……!」

マキアスがその事実に驚愕する。

石像の外皮が剥がれその中から青色の鱗を持つ魔獣が飛び出てくる。そして、魔獣はリィンたちに向かって咆哮すると魔獣の周囲に新たなる魔獣が産み落とされる。

 

「マキアスとガイウスとエマは俺と一緒に来てくれ!ラウラとフィーはエリオットとアリサを頼む!」

リィンは石像が変化した魔獣とその取り巻きを迎え撃つため即座に体勢を整え指示を出す。

「「「「「了解!」」」」」

 

こうして迷宮から脱出するための最後の戦いが幕を開けた。

 

 


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