この魔力使いに祝福を!   作:珈琲@微糖

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第六話 - この素晴らしいパーティに新たな仲間を!

「あっ、カズマ」

 

「どこ行ってたのよ、私の華麗な芸も見ないで…って、その人どうしたの?」

 

あの後暫くして、カズマ達が戻ってきた…のだが、スキルを教えていたクリスは泣いており、連れの女性は何故か顔を真っ赤にしていた。

 

「あぁ、実は…「彼女はカズマに盗賊のスキルを教える際に、パンツを剥がた上に有り金全て毟り取られて落ち込んでいるだけだ。」

 

「オイ、あんた何口走ってんだぁ!」

 

「財布返すだけじゃダメだって…グスッ…じゃあいくらでも払うからパンツ返してって頼んだら…自分のパンツの値段は自分で決めろって…」

 

「オイ待てぇ!間違ってないけどホント待てぇ!」

 

「さもないと…もれなくこのパンツは我が家の家宝に奉られることになるって!」

 

段々とギルドの、主に女性冒険者や店員さんのカズマを見る目が冷たくなっていく…当然の反応である。

 

…まぁ、泣いている下でしてやったり、と行った顔でべぇっと舌を出していた。

 

「あの…それと一つ聞きたいんだが、そこの貴方達のパーティーの男性はどうしてそんなに死んだ目をしているんだ?」

 

そんな騒ぎをしている中、金髪の女性が俺の方を見た。

 

「あぁ、アキラですか…その方でしたら「気にしないで大丈夫ですよ、そこのめぐみんに少々傷物にされただけですから…」

 

「そっ、そんな年端もいかない少女に責められるなんて…」

 

「違います!そんな変なことはしていませんから!ちょっと前の事を聞いただけですって!」

 

女性の反応に対して、めぐみんが弁解する。…流石に弄りすぎたかなと少し反省していた所で、めぐみんが話を変えた。

 

「…それで、カズマは無事に盗賊スキルは覚えられたんですか?」

 

「ふふ…まぁ見てろよ。行くぜ!《スティール》ッ!」

 

そう、カズマが叫ぶと握られたカズマの手の中が光り、スティールが成功したと分かる。

光が収まり、少しすると段々とめぐみんの顔が赤く染まっていく。

 

不思議に思っていると、カズマの手から黒い布が出てきた。形からするともしや…

 

「ストォォォォップ!!!」

 

カズマの手から、その黒い布を急いで回収し、そのものを見ないようにめぐみんに渡した。顔を真っ赤にしながらも受け取った。

…その一連の流れから、アクアはカズマが何をしでかしたのかを気づいたようだ。

 

「カズマ…あんた…」

 

「あ、あれぇ?おかしいなぁ、盗れるものはランダムらしいんだけど…」

 

「…ついにカズマさんも変態にジョブチェンジかぁ。この次は容疑者にランクアップかな?」

 

「縁起でもないこと言うなよ!」

 

「こんな幼げな少女の下着を公衆の面前で剥ぎ取るなんて…真の鬼畜だ許せない!」

 

俺たちとカズマの間に女騎士の女性は立ちそう言った。これが真の騎士と言うものか…。

 

「是非とも私を、貴方のパーティに入れてほしい!」

 

…ん?

前後の文と繋がりがないように思える。

 

「要らない」

 

そう、カズマが言うと女騎士の方は顔を真っ赤にして、体をくねらせる。

もしかしてこの人…

 

「ねぇカズマ。もしかしてこの人、昨日言ってた、私たちがお風呂に行ってる間に面接に来たって人?」

 

 

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「ちょっと!この人"クルセイダー"じゃないですか!断る理由なんてないのではないのですか?」

 

そう言うと、めぐみんとアクアの二人が女騎士…ダクネスの冒険者カードを見ながら言う。…カズマが加入に反対したのは恐らく、彼女の内面だろう。

 

「ダクネス。君にどうしても伝えておかなければいけないことがある。」

 

カズマはそう言うと、正面に居るめぐみん、ダクネス、クリスの三人に向かって話し始める。

 

「実はな。俺たち三人は、こう見えてもガチで魔王を倒したいと思っている。」

 

カズマの言葉に、俺とアクアは頷き、三人の方も各々反応をする。

 

「そうなの、凄いでしょ!」

 

「この先、俺たちの冒険はさらに過酷なものになるだろう。…特にダクネス。女騎士のお前なんて、魔王に捕まったら大変な目に遭わされる役どころだ。」

 

…カズマさん、それは悪手ですよ。だってこの人多分…

 

「あぁ、全くその通りだな。昔から、魔王にエロい目に遭わされるのは女騎士の仕事と相場は決まっているからな。…それだけでも、行く価値はある!」

 

「えっ、あれっ?」

 

…だってこの人、恐らく真正のドMですもん。

 

「?私は何かおかしなことを言ったか?」

 

「おかしいと言えばおかしいかな、主に性癖とか…」

 

聞こえないよう、小さな声でつぶやいた。

 

「めぐみんも聞いてくれ!相手は魔王、この世で最強の存在に喧嘩を売ろうっていうんだよ?そんなパーティに無理して残らなくても…」

 

またもやカズマが言ってしまった瞬間、めぐみんが机をバンッ!と叩き立ち上がる。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者!我を差し置き最強を名乗る魔王。そんな存在、我が最強魔法で消し飛ばしてみせましょう!」

 

カズマの肩を叩き、静かに首を振る。

 

そんなことをしていると、なぜか不安そうな顔でアクアはカズマに耳打ちをしている。

 

…きょとんとしている目の前の、主に参加希望の二人には少し弁解をしようかと思った。

 

「あー、そこの方々。ちょっといいかな。」

 

目の前の三人がこっちの方を見る。

 

「特に参加希望の二人にはちゃんと聞いてほしいんだが。俺とカズマは魔王を倒したいとは言え、職業は"冒険者"なんだ。だからこそ、パーティ全員での協力が必要になる。だから、正式に入れるかどうかはクエストで連携を確認してから…」

 

言いかけたところで、ギルドの中を警報が鳴り響く。

 

「緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各員は至急、正門に集まってください。繰り返します――」

 

丁度いいタイミングだな。そう思い、カズマ達と正門に向かった。




例のごとくお久しぶりです。珈琲@微糖です。
いつものことながら、平日が割と忙しいので遅い投稿になっていまいました。
微妙なところで終わっていますがここまでしか書く元気がなかったということで見逃していただければ幸いです。

さて、今回までは割と主人公はそんなに喋っていませんが、あくまでリーダーをカズマと考え、パーティの事に関しては首を突っ込むべきじゃないと考えています。
その為、ここまでは割とアニメなどに準拠した内容になっていますが、ここから先はオリジナル要素が入り混じり、カオスな内容となると思います。

そんなところで、今回はここまでにしておきたいと思います。
また次回以降もまた見ていただければ幸いです。

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