ウルトラマンと進化したシャドウ・デビルは同時に飛び上がり、蹴りの体制に入る。
「デェアァァァァ!!!!」
『デュアァァァァ!!!!』
その蹴りは同時に当たった…筈だった。
「グアァァァァァ!!?」
しかし吹き飛んだのはウルトラマンのみで、シャドウは難なく着地した。
『デュッ!』
背中を強打したことで、動けないウルトラマン目掛けて、拳を振り落とすシャドウ。
「フゥアッ!」
間一髪、右に転がる事で何とかその拳を避けるウルトラマン。
起き上がってすぐ、パーティクルフェザーを放った。
「ハッ!」
シャドウはそれをダークフラッシャーで迎撃、そのままウルトラマンを攻撃した。
『フンッ!』
「グオッ!?」
ダークフラッシャーを喰らい、大きく仰け反るウルトラマンに、シャドウの飛び込み蹴りが来る。
『デュアッ!!』
「グゥッ!!?」
更にシャドウは、ウルトラマンの首を掴んで投げ飛ばした。
『ハァッ!』
「グアッ!?」
バック転でウルトラマンから距離を取ると、シャドウはネオ・ダークラムダスラッシャーを放ってきた。
『デュアァァァァ!!』
「グゥッ!!?」
更には右拳を突き出し、ウルトラマンのゴルドレイ・シュトロームと対になる技…シャドーレイ・シュトロームを撃つシャドウ。
『ハアァァァァ…デュアァァァァァァァァ!!!!!!!!』
「グアァァァァァ!!?!!?」
シャドーレイ・シュトロームはウルトラマンに直撃、ウルトラマンは大地に倒れ、消えていった…
「かーくん!!?」
雪恵がウルトラマンが消えた場所に向かって走ろうとするのを、一夏が止めた。
「ダメだ雪恵!今下手に動いたら!」
「でも!かーくんが!!」
「分かってる!」
何とか雪恵と共に物陰に隠れる一夏。
『フンッ』
シャドウは興味無さげに一夏達を見ると、研究所に向けて右手から波動弾を撃つ。
ドォォォォォンッ!!!!!!!!
研究所は木っ端微塵になる。研究所を破壊するとシャドウは闇に包まれ、空高く飛んでいった。
「一樹!!!!!!!!」
「かーくん!!!!!!!!」
シャドウがいなくなってすぐに、一夏と雪恵は一樹を探しに走り出した。
もう何度目だろうか。病室に運ばれた一樹の体が、包帯に包まれているのを見るのは。人工呼吸機を付けられた、痛々しい姿を見るのは。
「…一樹君はまた無茶をしたの?」
遥香の質問に、一夏は首を振る。
「いや、今回は違う。捨て身の攻撃をした訳じゃないんだ。ただ、相手が強くなってた」
「そう…無茶した訳じゃないんだ…不謹慎かもしれないけど、少し安心した」
「…え?」
一夏の戸惑いに、遥香は苦笑いしながら話す。
「だって…自分の命も大切にしてくれたってことだよね…?」
「…あ」
この間までの一樹なら、あんな状況になったら再び例の自爆技を使っていたことだろう。一樹はそういう男だ。
「ってことは…」
「うん。雪恵ちゃんにセリーちゃんと
「雪…俺、アレは使わなかったぞ…」
「うん…うん…」
弱々しく伸ばされた一樹の手を握りながら、雪恵は一樹の汗を拭っていた。
「研究所の…人は…無事か?」
「うん…誰も死んでないよ…」
「…良かった。なあ、雪」
「何…?」
「お粥…作ってくれないか?卵入りの」
「…うん!待っててね!」
珍しく一樹に頼られた雪恵は、満面の笑みで病室を去っていった。
「……入って良いぞ。一夏」
雪恵が病室を出てからしばらくして、一夏が病室に入ってきた。
「よお…体は大丈夫か?」
「世間一般で言う大怪我状態だが、大丈夫だぜ」
「それは大丈夫とは言わねえ!!!!」
「…いや、痛みには慣れた」
「慣れってなんだよ…まあ、いつものことか。とりあえず報告だ。束さんがソアッグ鉱石のエネルギーを使うらしい。これは人には無害だけど、シャドウの嫌うであろうエネルギーの波長なんだって」
「
「何でも、どんな生物でも得意不得意な物質があって、それぞれが微弱なエネルギーを発してるんだと。で、それには法則があって、それに当てはめた結果、シャドウの嫌うエネルギーはソアッグ鉱石が発してる…らしいぜ」
「聞いた事ねえ法則だな」
「束さんが最近見つけたんだって。まあ、まだ『絶対』とは言えないって事も言ってたな」
「…つまり、ただやられてる訳にも行かないって奴か」
「そういうこと」
一樹はゆっくり起き上がろうとする。
ズキッ!!!!
「ッ!!?」
腕に力を入れた途端、激痛が走った。
「無理すんなよ…」
一夏の手を借りて、ゆっくり起き上がる一樹。
「…全治何週間だ?」
「普通の人なら3ヶ月、お前なら2週間ってところだそうだ」
「2週間…長いな」
こうしてる間も、いつシャドウが来るか分からないのだ。全治とは行かなくとも、動けれる様にはなっておきたい。
「…雪が作ってくれてるお粥を食ったら、アレ呼ぼうかな」
「普段なら止めるところだけど、今回ばかりは賛成だ」
どういう風の吹きまわしか、ストーンフリューゲルを呼ぶのに賛成の一夏。
「…どういう風の吹きまわしだ?」
「…正直なこと言うとな。今の俺たちは束さんの研究次第なんだ。だから、シャドウを倒すには圧倒的に力が足りない。けど、お前1人でもシャドウを倒すのは難しい…なら、答えは簡単だろ?」
「…俺が少しでも早く回復するのと、束さんの研究をお前が手伝う…か?」
「ご名答…ま、俺が束さんにしてやれることなんて限られてるけどな」
「…無理させなきゃ良いさ」
「お前が言っても説得力が全然ねえ」
違いない、と一樹は苦笑する。
丁度そこに、雪恵とセリーがお粥を持ってやって来た。
鍋はセリーが
「「鍋つかみ使えぇぇぇぇ!!」」
一樹と一夏のツッコミがシンクロした瞬間だった。当のセリーはキョトンとしているが。
「…え?だって熱くないし」
「いやいやいや!メッチャぐつぐつって音してる!」
「火傷しちゃうだろ!?取り敢えずこの鍋敷きに…」
慌てる男子2人に、雪恵が苦笑しながら諭す。
「ねえ、2人とも」
「「何だ!?」」
「セリーちゃんがゼットンだって…忘れた?」
「「………あ」」
普通の女の子だと思っていた一樹と一夏。一樹に関しては完全に舞達義妹と同じ接し方だ…それもかなり幼い方の。
「…私を普通の女の子として扱ってくれるのは、正直嬉しい。けど、私はこんな姿をしてても宇宙恐竜、だから…」
「いや、セリーは俺の妹分だ。異論は認めん」
「かーくん…病院着でそんな真面目な顔しても、あまり響かないよ…」
セリーの言葉を途中で止める一樹。顔と言葉だけなら立派なのだが、いかんせん格好が…
「ふふ…ありがと、カズキ」
それでも、セリーは笑ってくれたのだった。
「ほんと、2人は仲良いな〜」
鍋を置いてから一樹に引っ付くセリーを見て、雪恵は微笑む。
「あの…すごく無粋な事を聞くけど、雪恵は心配じゃないのか?」
「何が?」
一夏の問いに、雪恵は首を傾げる。
「いや、一樹とセリーがくっついてるのに…」
「うーん…もう私たちにとってセリーちゃんは家族だから。家族が仲良いのは良い事じゃない?」
雪恵にとって、セリーは大切な家族。だから一樹とセリーがいくら引っ付いていおうと、微笑ましく思うのだ。
「こ、これが…正妻の余裕、なのか…!」
雪恵の大人な対応に、軽く感動すら覚える一夏。
「…ねえ織斑君」
だからだろうか。雪恵の声が少し低くなったことに気付かなかったのは。
「なんだい雪恵」
「正妻って、どういう意味?」
「そりゃ一樹の正妻が雪恵って…」
流石の一夏も気付いた。雪恵が
「私が正妻ってことは…側室がいるってことかなかな?かーくんはそういう人じゃないよ〜?」
「ゆ、雪恵さん!落ち着いて!そういう意味じゃ…あ、アレは嫌だぁぁぁ!?助けて一樹ぃぃぃ!!?」
必死に一樹に助けを求める一夏だが、一樹はと言うと…
「お、卵が良い感じに混ざってる。流石だな雪。美味い美味い」
完全スルーして雪恵作のお粥を食べていた。セリーはその隣で一樹の肩に寄りかかり、音楽を聞きながら寝入っていた。
「慈悲が無い!!?」
「サアオリムラクン、O☆HA☆NA☆SHI☆シヨウネ」
「ちょ、雪恵落ち着い…ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?」
雪恵に誤解を招く様な台詞は厳禁です。良い子は真似するなよ?俺、織斑一夏との約束だ。トホホ…
「ふぅ…食った食った。雪、ありがとな…って、どうして一夏は真っ白になってるんだ?」
お粥を食べ終えた一樹の視界に映った一夏は、某ボクシング漫画最終回の様に真っ白になっていた。
「かーくんは気にしなくて良いよ♪」
太陽の様な笑みを見せる雪恵に、一樹は不思議そうな顔をするが、特に追求することはなかった。
「あ、そうだ雪」
「ん?なぁに?」
「俺、しばらくストーンフリューゲルに籠る「ダメ」…何故に?あっちの方が回復早いのに?」
「私がかーくんに会えないからです」
「わお。予想しなかった訳では無いけど、まさか大穴の理由が来るとは」
「それに、ストーンフリューゲルに入ったらかーくんすぐ変身して、あの自爆技使いそう」
「俺はコンボを覚えたばかりの子供かい」
「何より遥香ちゃんにかーくんは静養を命じられてます」
「静養なんてここ何年も命じられてるよ。今更だ」
「それはそれで聞き捨てならないけど、とにかくストーンフリューゲルに籠るのはダメです」
「うーん…じゃあ、今晩だけ。少なくとも傷口は塞ぎたい」
「むぅ…」
このままでは平行線だ。一樹の最大限の譲歩に、雪恵は悩む。
確かに、傷口を塞ぐくらいは早く済ませた方が良いだろう。包帯の消費量を考えても。
「…じゃあ、夕飯時まで」
「了解。近づいたら
「うん、分かった」
雪恵の許可を得た一樹は、そっとセリーを寝かせると、病室の窓からブラストショットを撃ってストーンフリューゲルを呼んだ。
IS学園のある部屋で、束はソアッグ鉱石のエネルギーを解析していた。
「上手くいけば…かずくんの手助けになるかもしれない。頑張らないと」
夏の時の様に、一樹が1人で戦う事がないように、束はキーボードを叩き続けるのだった。
それから数日、学園は平和だった。
取り敢えず傷口は塞がった一樹は、病室でゆっくり本を読んでいた。
『もう護衛役だからだとか気にしなくていい。怪我を治す事に集中してくれ』
あの教頭がいなくなった今、千冬と摩耶の計らいにより、一樹はIS学園でもそこまで気張る必要は無くなった。元々一夏自身が強いのもあるが、何より1年1組の生徒全員が一樹の…ウルトラマンの正体を知っているのもあるだろう。
『マスター、傷口は大丈夫?』
雪恵や一夏が授業中の今、一樹の話し相手を出来る人物は限られる。ミオとセリーだけが、この時間、一樹が気楽に会話出来る相手だった。そしてセリーは一樹の隣でぐっすりと寝ている。自動的に、一樹と話せれるのはミオだけとなった。
「取り敢えずは塞がった状態だ」
『って事は、ちょっと飛んでみたとしたら…』
「多分また開くな」
『…開けないでね?』
「こればかりは俺の意思ではどうしようもない」
流石の一樹も、自分の回復力を自由に上下させることはできないようだ。
「…ミオ、今何時だ?」
『11時55分』
「あと少しでアイツらは昼休みか…そろそろセリー起こさないと」
『チャイムが鳴るまでは寝かせてあげよう?こんなに気持ち良さそうだもの』
「…だな」
自分の隣で気持ち良さそうに寝るセリーの頭を優しく撫でる一樹。
セリーの顔は、とても嬉しそうだ。
「…ミオ、ちょっと来てくれるか?」
『ん?良いよー』
久しぶりに実体化したミオ、今日の服装は医務室という事もあるのか、女医の服装だった。
「…ツッコまんぞ?」
『え〜。少しは意識してよ〜』
「そんなに置いていかれたいか。困ったドMだ」
『嘘ですごめんなさい!』
もう置いてけぼりは嫌なのか、ミオが直角に腰を折る。
『…で、何で私を実体化させたの?』
「普通に顔見ながら話したかっただけ」
『あ、なるほど』
チャイムが鳴るまでの間、ミオとのんびり話すつもりでいた一樹。
だが…
ドックン
「ッ!?」
奴が、来た。
『…マスター』
一樹の表情が固まったのを、ミオは見逃さなかった。
「…カズキ?」
セリーも、眠たげに目を擦りながら一樹に話しかけて来た。
「…セリー。俺、行かなくちゃ」
「……そう」
それだけで、察するセリー。
「なら、ミオを連れて行って?そうすれば、もしもの時にユキエが見つけやすいから」
どうせ言っても一樹は止められない。なら、『もしも』の時のために備えてもらうしかない…
「ああ、分かった…ミオ、行こう」
『…うん』
首飾りに戻ったミオ。一樹はそれをちゃんと付けてから、エボルトラスターを持って駆け出した。
『さて…そろそろトドメを刺してやるとするかな…』
学園敷地内に現れたシャドウ・デビル。
迎撃に現れたチェスター達の攻撃を物ともせずに、その歩を進める。
「これ以上…アイツの負担を増やしてたまるか」
δ機の操縦桿を握る一夏の目には、強い意思が映っていた。
『人間が出しゃばるな』
そんな一夏の決意を鼻で笑うシャドウ。遊ぶ様にダーククラスターを打ち出した。
『フンッ!』
チェスター達は必死にそれを避けるが、シャドウの回し蹴りによって全て叩き落とされてしまう。
「「「「くっ!!?」」」」
昇降口にたどり着いた一樹。チェスター達のピンチに、気合いを入れてエボルトラスターを引き抜いた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「シェアッ!!!!」
『グオッ!!?』
変身の勢いを利用した突進に、流石のシャドウも吹っ飛ぶ。着地したウルトラマンは、その隙にジュネッスにチェンジした。
「フゥッ!シェアッ‼︎」
ウルトラマンがジュネッスにチェンジすると同時に、シャドウは跳び蹴りを放って来た。
『デュアァァァ!!』
ウルトラマンはそれを側転で回避し、シャドウの着地の硬直を狙ってパーティクルフェザーを放った。
「ハッ!」
だが、シャドウはそれをマッハムーブで避けると、ウルトラマンの背後に回り、ハイキック。
『フンッ!』
「グアッ!?」
ガードが間に合わなかったウルトラマンは、シャドウのハイキックをまともに喰らってしまう。
数歩下がったウルトラマンに、シャドウのボレーキックが決まる。
『デュオッ!』
「グッ!?」
一撃一撃が重く、ウルトラマンはガードを崩されがちだ。
『そんなものか?貴様の力は…』
倒れているウルトラマンの肩を掴んで強引に立たせると、クルリと回転。勢いのあるエルボーをウルトラマンの腹部に決めるシャドウ。
『ハァッ!』
「グゥオッ!?」
更にストレートキックでウルトラマンを蹴り飛ばす。
『デュアァァァァ!!』
「グアァァァァァ!?」
背中を強打するウルトラマン。だが、何とか立ち上がり、構える。
「シュウッ」
立ち上がるウルトラマンを見て、シャドウな満足げに笑う。
『それで良い…まだまだ楽しませてくれよ』
かかってこいとばかりに、手のひらを見せるシャドウに向かって、ウルトラマンは駆け出す。回し蹴り、前蹴りを連続で放つが、シャドウはそれをバック転で避け続ける。
「シェアッ!!」
ウルトラマンの踏み込みストレートキックも、シャドウは飛び上がる事で難なく躱す。
『フンッ!ハァッ!』
「グッ⁉︎グオッ!?」
ウルトラマンの首を左手で掴みながら、ウルトラマンの腹部を連続で殴る。
『デュアァァァァ!!!!』
「グアァァァァァ!!?」
そしてウルトラマンを投げ飛ばすと、ウルトラマンに向かって連続でバック転。何とか立ち上がったウルトラマンの首に両脚を巻きつける。
「グゥッ!?」
『フンッ!!』
そして、ウルトラマンの首を脚で掴んだ状態で今度は前転する。
「グアッ!!?」
ウルトラマンは、背中を強打してしまう…
ピコン、ピコン、ピコン…
ウルトラマンのコアゲージが鳴り響くと、シャドウはウルトラマンの右腕と首を掴んで強引に立たせると、連続で一本背負いを決める。
『フンッ!デュアッ!!』
「グッ⁉︎グアッ!!?」
ウルトラマンのピンチに何も出来ない自分に、一夏は歯ぎしりする。
「ちくしょう!」
それは、他の専用機持ちもそうだ。全員が悔しげに拳を握っていた。
「いっくん!箒ちゃん!ゆきちゃん!」
そんな専用機持ちのところへ、束が駆け込んでくる。
「束さん!?何故ここに!!?」
「出来たの!ソアッグ鉱石のエネルギーを凝縮させたエネルギー弾の試作型が!!」
「「「「なっ!!?」」」」
「ただ…出来たのはこの1発だけ」
「つまり…」
「チャンスは1度っきり…」
束は、エネルギー弾を込めたスナイパーライフルを一夏に手渡す。
「これを外したら、私たちの勝利は離れる…お願いいっくん!絶対に当てて!」
「……」
シャドウはウルトラマンの首を両手で絞めると、地面に叩きつける。
『フンッ!!』
「グオッ!!?」
地面に叩きつけられ、蹲るウルトラマンを、シャドウは容赦なく蹴飛ばした。
『デュッ!!』
「グアァァァァァァァ!!?」
「…任せて下さい。絶対に当てます」
スナイパーライフルを構える一夏。狙うのは、こちらの存在を忘れてるシャドウだ。
『織斑、準備は良いか?』
「…ええ」
『よし…撃て!!!!』
「喰らえ!!!!」
スナイパーライフルから放たれたエネルギー弾は…見事シャドウに命中した。
『グゥッ!!?グゥオォォォォォォォォ!!!!?』
エネルギー弾を喰らったシャドウは、凝縮されたソアッグ鉱石のエネルギーに苦しむ。
「シュウゥゥゥゥ……」
その隙に、何とか立ち上がったウルトラマン。両手に、エネルギーを溜める。
「フッ!シュウッ!フアァァァァァァァ…フンッ!デェアァァァァ!!!!」
オーバーレイ・シュトロームがシャドウに命中。
『グアァァァァァァァァァァァ!!?』
シャドウは弾ける様に消えたのだった。
「ファッ、フッ、フッ…」
だが、ウルトラマンも力尽きた様に消えていった…
数十分後、一夏の肩を借りながら歩く一樹の姿があった。
「今回は何とか退けられたけど…アイツはまた来るぞ」
「…分かってる」
一樹の言葉に頷く一夏。
「だから…俺たちは強くならなきゃいけないんだ…」
「…頼むぜ」
ここからは、一樹イコールウルトラマンと一夏達が協力しなければ、奴に勝つことは出来ない…