人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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うん。いつも通り。


Episode87 告白-コンフェッション-

一樹がIS学園に帰って来た。ということもあってその晩は食堂で【櫻井一樹・田中セリー おかえりなさいパーティ】が行われていた。その中心で行われているのは…

「ウノ!」

「「「「早ッ!!?」」」」

ご存知、テーブルカードゲームである。

メンバーは一樹、雪恵、セリー、一夏、本音、薫子、清香である。

そして平均所持枚数が4枚な時点で、ウノ発言したのは一樹である。相変わらず勝負事は尋常じゃないほど強い。

え?何故専用機持ちが参加してないのかって?

それは…

「5のツーペアだ!」

「でしたら7のペアですわ!」

「ちょ、7はアタシが出そうと思ってたのに!パスよパス!」

「僕はJのペア」

「私はKのペアだ」

一夏のマッサージ権をかけた大貧民を行なっているためだ。

「はい上がり!」

「嘘でしょかーくん!!?」

「いんちきだ〜!いんちきだ〜!」

「「そうだそうだ!」」

雪恵が驚き、本音が言いがかりをつけてくる。それに便乗する黛に清香。

「ほう…布仏に相川、変な言いがかりつけてくるなら今度の実技の時間、覚悟しろよ」

とんでもなく良い笑顔で告げると、慌てて訂正する本音と清香。

「人を疑うのは良くないよね本音」

「そうだね〜」

一樹が実技の相手をする=地獄。

それを理解してる2人はすぐに引いた。

「ふふん、私には何も出来ないでしょう?勝った」

そこそこな胸を張る黛。しかし、甘い。

「ふーん…なら今後新聞部のカメラの整備はやらない方向で」

「ごめんなさい私が悪かったからそれはやめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「…最近、一樹がIS学園を制圧してるのではないかと思う俺」

一樹の勝負事の尋常じゃない強さを昔から知ってる一夏は、そう言うことしか出来なかった。

「カズキ、一緒にやろ?」

今現在、最も手札の多いセリーが一樹の膝に座る。一夏にとって、久々に見る光景だ。

「あ、ズルイよセリーちゃん!かーくんの膝たまには譲ってよ!」

雪恵が見当違いなところに闘志を燃やしていた。

「ユキエ、ここは私の特等席」

「違うもん!私のだもん!」

『違うよ!私のだよ!』

セリー、雪恵、ミオが口論してると、一樹から冷たいオーラが出る。

「…お前ら、俺が黙ってるからっていい気になってるんじゃねえだろうな?」

「ユキエ、早い者勝ちってことでどう?」

「仕方ないからそれで良いよ」

冷や汗を流しながらすぐにルールを決める雪恵とセリー。だが…

『ふふん、それなら私はいつでもオッケーだね。なにせいつでも実体化出来るし』

「「な!!?」」

ミオの発言に、雪恵とセリーが憤慨する。

それも、一樹の一言で収まる。

「心配すんな。ミオは勝手に実体化出来ないから」

「かーくん、ミオちゃんは1年くらい実体化させなくて良いと思う」

『雪恵さん!!?それは酷すぎない!!?』

「そうだよユキエ」

『そうだそうだ!セリーちゃんもっと言ってやって!』

セリーから助け舟が出たと思ったミオが、セリーに同調するが…

「1年じゃ短すぎるよ。そこは10年くらい実体化しなくて良いと思う」

『もっと酷かった!!?』

雪恵以上にセリーは厳しかった。

 

 

「あ、あのさ一樹…」

「あん?何だよ」

俺は、今日1日ずっと気になってた事を一樹に聞くことにした。

「ミオって……誰?」

「「「…あ」」」

 

 

「説明すっかり忘れてたわ…ミオ、出てこい」

『あいあい。今回の格好はなんと!鈴ちゃんと同じ…』

「それはやめてやれ。凰のメンタル的な意味で」

「ちょ!どう言う意味よ櫻井!」

「ごめん鈴ちゃん、私もそう思う」

「だから何で!!?」

鈴が聞き捨てならないとばかりに突っかかってくる。

「とにかく、普通の格好でな」

『普通って何ですか〜?』

ふて腐れたミオが投げやり気味に反論してくる。

 

ブチッ

 

『…ブチッ?』

一樹は無言で空中投影キーボードを出すと、ミオのデータを弄ろうとする。

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!許してマスター!!!!』

意識空間の中で土下座しているであろうミオ。実際、一樹の脳裏に土下座しているミオが映っている。

「…普通の格好で来い」

『…あい。雪恵さんと同じで良い?』

「おう、それが妥当だろ」

一樹の許可を得て、ミオが実体化する。それを見た鈴は…

「う……そ……」

両手両膝をついたのだった。無理もない。自分より女性らしい体つきなのだから。

『マスター…櫻井一樹がいつもお世話になってます。私の名はミオ、よろしくお願いします』

「「「「あ、ご丁寧にどうも」」」」

一周回って冷静になった面々。

一樹なら何があっても不思議じゃない、と言ったところか。

『マスターに敵対する人物は、今後コアネットワークを使って社会的に抹殺しますので、よろしくお願いします』

「「「「は、はいぃぃぃぃ!!」」」」

()()()()で告げるミオに怯えるパーティ参加者。

『ふふん、マスター褒めて褒めて♪』

今度は小動物の様に一樹に駆け寄るミオ。そのギャップに、更に恐怖を覚える1組生徒たち。

『マスターマスター♪』

「……」

ちょいちょい、とミオを呼び寄せる一樹。嬉しそうに小走りで一樹に近づくミオ…

 

ぐーりぐり…

 

『痛い痛い!!?マスターそれ痛い痛い痛い!!?』

「なぁ〜に皆を怯えさせてくれちゃってんの?お前そんなドMなの?そんな仕置き喰らいたいの?」

『マスター限定だよ♪って圧縮ぅぅぅぅぅ!!?』

地雷を踏み抜くミオに、一樹のぐりぐり攻撃が…

「次余計な事をしてみろ。2度と実体化させねえぞ」

『ごめんなさーーーーい!!!!』

こうして、賑やかにパーティは進むのだった。

 

 

「いやあ、盛り上がったな…」

「うん…やっぱり、櫻井君がいると楽しい」

「お、簪もそう言ってくれるのか?」

「私のヒーロー談義についてきてくれる人は、そうそういない」

「…さ、流石だな」

簪、ヒーローの話をする時は目がキラキラしてるんだよな。

「あ、そういえば楯無さんの具合はどうだ?」

「お姉ちゃんは、しばらく医務室で経過観察…」

つまりは入院って事か。何か差し入れ持って行ってやろうかな。

「楯無さんって、趣味は何だ?」

「えっと…将棋、かな?」

「渋いなオイ」

まあ、俺も一樹とたまにやるけど。

十何年間か一緒に過ごしてて、一度も勝ててないんだよな…いつかは勝ちたいぜ。

「き、気になるの?」

心なしか、簪が緊張してる気がする。何でだろ」

「いや、差し入れにどうしよっかな〜って思ってさ」

「あ、そういう…けん玉で良いと思う。お姉ちゃん、昔からそればっかりやってるから」

「なるほど…あれ?両手骨折してなかったか?」

今更ながら、楯無さんの容体を思い出す。

「骨折自体はナノマシンで治したから…今はリハビリがてら、良いと思う」

「…ナノマシンって、すごいな。じゃあ後は編み物セットでも…」

「お姉ちゃん、編み物下手。私よりも」

「…ほほう。それは良い事聞いた」

いつも遊ばれてるお礼に、編み物セットを持って行ってやろう。

「一夏、悪い顔してる」

「簪もな」

お互い、悪い顔で笑っていると、急にもじもじしだした簪。

「い、一夏!これ…」

「ん?コレって…アニメのBlu-ray?」

「私のオススメ…見て?」

「おう!楽しみだ」

相変わらずヒーロー物だな…

そうだ、ちょっと聞いてみよう。

「(ヒーロー物が)好きなのか?」

「ッ!!?……うん、好き、大好き!!!!」

 

 

「かーくんとセリーちゃん落ち着いて!今行ったら簪ちゃん恥ずかしさで死んじゃう!」

「離せ雪!今回ばかりはアイツにトドメをさす!」

「離してユキエ!アイツを焼かなきゃいけないの!」

少し離れたところでは、雪恵が必死に2人を止めていたのだった…




頑張れ雪恵!

死者を出さないために!

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