人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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お待ちかね?の相棒登場!!!!





Episode83 相棒-インフィニットジャスティス-

ストライクフリーダムが学園に入ると、代表候補生たちがゴーレムIIIに囲まれていた。

「…ミオ、まだ行けるな」

『私を誰だと思ってるの?余裕だよ‼︎』

「よし」

牽制のビームライフルを放つと、ゴーレムIIIたちの狙いがフリーダムに集中する。

次々と放たれる熱戦を避け、ビームサーベルを抜刀。

「フッ!」

ペアを組んでいたゴーレムIIIをすれ違いざまに行動不能にする。

「かーくん!」

雪恵の嬉しそうな声に、応えてやりたいのは山々だが、今は出来ない。

右の順手、左の逆手持ちの二刀流となると、鬼神の如く暴れまわる。

「お前らがあの時より強くなってようが、俺はその何倍も先にいるんだよ、ポンコツども」

ストライクの時には出来なかったマルチロックオンを使って、周囲のゴーレムIIIを一掃する。

『マスター!織斑一夏のところに、有人ISが2機いるよ!!』

「了解、すぐに飛ぶ」

 

アラクネの装甲脚の攻撃を、ひたすらビームサーベルで弾くユニコーン。

「どうしたどうしたどうしたぁ!!?前の勢いはどこに行ったんだぁ!!?」

オータムが狂った叫びをあげるが、一夏はそれを気にしてる余裕はない。確かに、オータムとの一対一なら一夏が勝てるだろう。だが、今一夏が相手しているのはオータムだけではない。エムもいるのだ。

「落ちろやぁぁ!!!!」

装甲脚6本のうち2本を外すと、ビーム刃を展開させて、ブーメランのように投げて来た。

「チッ!」

何とか避ける一夏。ビームマグナムを撃とうとするが、エムのビットに邪魔をされる。

「ふん」

「グゥッ!!?」

何とかシールドで受け止めるが、衝撃が左腕まで響く。

 

グキッ!!!!

 

「(マズイ!捻ったか!!?)」

一樹がいなくなってから、本人も知らないところで疲労が溜まっていたのだろう…一樹がしんどいながらも、IS学園でなるべく一夏とは関わろうとしていたのは、一夏の精神面も関係していたのだ。

「じゃあな!!織斑一夏ぁぁ!!!!」

「死ね」

2機のISの照準が、一夏に合わさる…

が、横から飛んで来たビームに回避を余儀なくされたことにより、一夏は助かった。

 

「その翼…フリーダムか!!?」

ストライクフリーダム…一樹を見たオータムは、激昂して一樹に襲いかかる。

「あの時の借り、返してやるよ!!」

「はっ!んなのいらねえよ!!強いて言うなら今すぐ帰りやがれ!!!!」

「お断りだ!!!!」

 

バヂンバヂンバヂンッ!!!!

 

一樹はビームサーベルの二刀流で、オータムの六刀を見事に捌く。

「へえ!少しはやるじゃねえか!前は不意打ちで落とされたからよお…大した腕じゃないと思ってたぜ!!!!」

「二対一でしか一夏と渡り合えないような奴が、俺に勝てるだなんて甘いんだよ!!!!」

 

「命拾いしたようだが、次はない。確実に殺す」

「物騒な言葉を言えば、俺が怯むとでも思ってるのか!!?」

エムのプラズマブレードをビームサーベルで受け止める。そしてシールドで殴ろうとするが、エムは後ろに瞬時加速する事で回避。

「行け」

ビットを再び射出、一夏を囲むとビームを一斉射。

「ッ!!」

いつものように乗っとるには、左腕の痛みが邪魔をする。止むを得ず回避し、ビームマグナムのライフルモードでビットを破壊しようとするが…

「(くっ…射線上にはみんなが…)」

ビットを貫通してしまうほどの威力なら、絶対防御が発動出来ない以上、仲間達が危険になってしまう。

「やはり甘いな」

それを見越して、エムはビットを展開していた。

「ちくしょう!」

 

一樹は両手のライフルを連結させ、ロングライフルとしてオータムに向かって撃つ。

「チッ!」

装甲脚からビームシールドを張ってその攻撃に対応するオータム。

「グゥッ⁉︎」

しかし、その威力によって吹き飛ばされ、体制が崩れる。一樹は追撃しようと、オータムに向かってブーストを蒸す。

「この野郎!!」

オータムは体制が崩れているのを逆に利用し、全装甲脚を収束させてビームを放つ。

「……」

一樹はその極太ビームを、胸部ビーム砲、【スキュラ】を撃つことで対応。ふたつの極太ビームがぶつかり、爆発を起こした。

 

「痛…」

先ほどからビットの攻撃を受け止めるたびに、一夏の左腕が軋む。あまりの痛みに、脂汗が止まらない。

『マスター!これ以上は危険です!下がりましょう!』

ハクの制止も耳に入らないほど、一夏の意識は朦朧としていた。このままでは本当に危ないと判断したハクは、最終手段を使う事にした。

 

『マスター!白式から緊急連絡が来たよ!』

「…簡潔に説明しろ」

アラクネから放たれる無数のビームを舞うように回避しながら、一樹は先を促す。

『織斑一夏の意識が朦朧としてて、このままじゃ危ないって!』

ミオの報告を聞いた一樹は、即行動した。アラクネのビームをシールドで受け止めると、両手のビームライフルをサイレント・ゼフィルスに向かって撃つ。

「ッ⁉︎」

すぐに勘付かれ、避けられてしまう。そもそも当たると思ってないので、そこは問題ではない。重要なのは、アラクネとサイレント・ゼフィルスの意識をこちらに向けさせ続けることだ。

「…ついてこいよ」

2機に牽制の射撃を繰り返しながら、学園から離れるストライクフリーダム。

 

 

「…おし、コレで終わり!」

ようやく設定が終了した宗介。

「…ソースケ。カズキを、お願い」

セリーの目に移るのは、純粋に一樹を心配する【家族】の目だった。

「ああ、任せろ。セリーは安全な場所へ行っててくれ」

「…うん」

セリーがテレポートで移動したのを見届けると、宗介は腕時計の盤面を叩くように押す。それによって、宗介の体が一瞬光る。

「…おし、問題無し」

光が晴れたそこには、ストライクフリーダムの相棒と言える機体があった。

その名は、【インフィニットジャスティス】…装甲の色はマゼンタに変わり、バックパックの【ファトゥム-01】が目立つ。

「櫻井宗介、ジャスティス出る!!」

一気に急浮上し、苦戦する雪恵の周りのゴーレムIIIを腰から抜刀したビームサーベルで斬り刻む。

「だ、誰?」

雪恵の戸惑いの声が聞こえる。

そういえば今は全身装甲状態だったなと、宗介は呑気に考える。

「驚かせてごめん雪恵さん、櫻井宗介だよ」

「そ、宗介君⁉︎来てくれてたの⁉︎」

そんな嬉しそうな声を出してもらうと、援護に来た甲斐がある。

とりあえず雪恵だけに説明すれば良いかと宗介は判断すると、他の専用機持ちを無視してゴーレムIIIと対峙する。

そんな宗介の視界の端に、四肢をだらりと下げた状態で宙に浮いている麒麟の姿が見えた。

「ッ!!?」

進路上にあるゴーレムIIIを斬り捨てると、急ぎ麒麟へと近づく。

「おい一夏!しっかりしろ!!!!」

麒麟の肩を掴み、軽く揺する。

「う、うぅ…」

苦しそうな呻き声が聞こえた。とりあえず生きてる事が分かり、ホッとする宗介。

「ってことは…!」

一夏が相手していた機体は、一樹が相手してるはずだ。その証拠に、離れたところではビームが飛び交っているのが見える。

「無人機は…全部片付いたみたいだな」

一樹が鬼神の如く暴れたからか、宗介が斬り捨てたあとは雪恵たちで倒し切ったようだ。

「…雪恵さん、一夏を頼む」

「え!織斑君どうしたの!!?」

「…気を失ってる。無茶し過ぎたんだろ…俺は一樹の援護に行く」

「…かーくんを、お願いね」

セリー以上に、一樹を想う雪恵。本当は自分が行きたいのだろうが、却って足手まといになってしまうのが分かっているから…

「ああ、俺に任せてくれ」

雪恵に対して優しい声で告げると、飛び出そうとする宗介。

「待て!」

それを、箒が止めた。

「お前は…私たちの味方なのか?」

その問いに、宗介は雪恵にかけた時には考えられない殺気を放ちながら答える。

「…学園の味方ではあるが、テメエらの味方じゃねえよ」

「…どういう事ですの?」

宗介にビットの照準を合わせて、セシリアが聞く。

「あーあ、何でこんな奴らを一樹は庇うのかね…俺には理解出来ん」

「「「「ッ!!?」」」」

一樹の名が出たところで、雪恵以外の専用機持ちの体が震える。

「どれだけ命を助けられたかも忘れられ、勝手なワガママに振り回され続けるのって、どんな気分だろぉなぁ。振り回してる自覚はあんのかねえ…」

宗介の一言一言が、鋭いナイフのように刺さっているはずだ。専用機持ちが黙ると、宗介は警告する。

「…一樹が何も言わないからって、良い気になってんじゃねえぞ。一樹に仲間がいないとでも思ってたのか?ふざけんな。テメエらの安っぽい友情よりも深い絆が、アイツにはいっぱいあるんだよ」

「「「「……」」」」

「お前らが今、何の罪にも問われてないのは、一樹が俺たちに頼み込んで来たからだ。でなきゃ…お前らとっくに消えてるよ」

ガタガタ震えだす専用機持ち。とりあえず警告はした。

「…ごめん雪恵さん、怖がらせちゃって」

雪恵に謝ると、今度こそ宗介は飛び出した。

 

「チィッ!さっさと落ちろや!」

アラクネとサイレント・ゼフィルスの2機を相手している一樹のストライクフリーダム。

ビームを撃っては離れ、ビームを撃っては離れを繰り返す。アラクネがビームを連射してくるが、軌道を変えることで避ける。

「終わりだ」

「ッ…⁉︎」

そんなストライクフリーダムの背後を、サイレント・ゼフィルスがビットで狙う。

バック転でその攻撃を避けると、正面からレーザーを撃ってくる。それを上昇して躱すと、三度ビットからレーザーを撃ってきた。それを針を縫うような繊細なブーストで避ける。

『マスター!新たな敵影が!』

ミオの悲痛な叫びが脳に響く。それと同時に殺気を感じた一樹は、背後にビームシールドを張る。

 

バヂィィィンッ!!!!

 

そこに、黄色いビームが飛んできた。

「相変わらず良い勘してんじゃねえかクソガキ!!!!」

「サーシェス…もう戻ってきやがったか」

憎々しげに呟く一樹。ここまで補給が早く終わるとは…

「そういうわけだ…だからさっさと死にな!!!!」

ビームアックスを抜刀、ストライクフリーダムに斬りかかってくる。

「ッ…」

今のストライクフリーダムに、武装を持ち替えてる暇は無い。ひらすら避けるしかなく、徐々に追い詰められていく。

「オラァ!!」

アラクネが6本のビームサーベルを構えて、接近してくる。それを急浮上して躱すが、それをサイレント・ゼフィルスに狙われていた。

「死ね」

全てのビットを集中させ、収束したビームを放ってくる。更にアラクネ、シナンジュのビームまで加わる。

「ッ…」

回避は間に合わないと判断した一樹は、その攻撃をビームシールドで受け止めた。

「ウッ、グゥゥ…」

しかし、そのあまりの威力に弾かれ、姿勢制御を奪われた。

「手柄はくれてやる、オータム」

「礼は言わねえぞ!!!!」

アラクネのビーム砲が、ストライクフリーダムに向けられる。

「させるかぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ッ!!?」

突如飛んでくるビームブーメラン。オータムはそれをビームシールドで受け止めるが、あまりの反動に腕を振り切られる。そこに、インフィニットジャスティスが突進してきた。

「だりゃあ!」

「チッ!」

その隙に、姿勢制御を取り戻すストライクフリーダム。

「宗介、助かったわ…」

「いや、遅くなって悪かったな」

「なら、これからの動きで挽回してくれ」

「チャンスくれてありがとうよ!」

S.M.S最強タッグが、現れた。




まだまだ引っ張る戦闘回!

ここでみんなにお知らせ!

雪恵「私がパーソナリティを務める後書き雑談会!メタネタ大歓迎のこのコーナー!ゲストのリクエストや、質問をどしどし送ってね!」



まあ、第一回はあの人です。
質問、どしどし下さいね。

ちなみに、来なかったらコーナー自体が無くなります。
メタネタは大歓迎ですが、ネタバレはご遠慮ください。

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