「1組のクラス代表は織斑一夏君です。あ、1繋がりで良いですね」
「「「「イェェイ」」」」
翌日、決闘には勝ってしまった一夏がクラス代表となる事になった。
「じゃ、頑張れ一夏」
「…やだよもうめんどくさいよ変わってくれよもう…」
机に突っ伏す一夏を見て苦笑気味の一樹。彼は知っているのだ。一夏のフラグ建築士一級の腕を…騒動が起こる予感がした一樹は、珍しく教室の後ろにいた。それを不思議に思ったある女生徒が話しかけてくる。
「ん〜?かずやんがここにいるって珍しいね〜」
のんびりした話し方の女生徒(一夏曰く、『のほほんさん』らしい)の問いに、一樹は苦笑を浮かべたまま説明する。
「…一夏ってさ、昔からフラグ建築が多いんだよ。だからこういう何かある度に…」
「ありがとうもう大丈夫だから遠くを見ないで!」
普段のキャラがふっとぶのほほんさんであった。
「
セシリアが顔を赤らめて一夏に言うと…
ドゴンッ!
「「「「ヒィィ!」」」」
箒が恐ろしい腕力で机を叩いていた。あまりの威力にISと同じ材質で出来ている筈の机がめり込んでいた…
「あいにくだが、一夏のコーチはもう足りている。私が
直々に、を強調する箒。間に挟まれた一夏がオロオロしてるのを最後列で見てる一樹は
「(あ、いつもの光景だ)」
と思ってたのは別の話…と思ってたら
「お、俺は一樹と練習するから大丈夫だ!」
「何火にガソリン注いでんだよこのクソ馬鹿野郎‼︎」
ゆらり、と箒とセシリアの視線が一樹に向いた。静かに箒は日本刀、セシリアはISの部分展開で一樹を狙う。
「おい一夏。ISの練習にISが使えない俺は向かねえだろうが。そこは昔からISの授業を受けてる女子に聞け。プライドがああだこうだとか言うならこのことわざを思い出せ。【聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥】だ。よってそこの2人のどちらに聞いた方が…」
「練習なんだから似た様なもん使ってる一樹だって出来んじゃねえか」
「人の話を聞けぇぇぇぇ‼︎」
「やはり貴様は…」
「やはり貴方は…」
「「殺す‼︎」」
殺気だった2人が一樹に襲いかかる。
「あぁもう!気絶は許せよ千冬!」
2人の攻撃(斬撃+射撃)を回避しながら許可を求める一樹。教室の生徒達は一樹の身体能力に驚いていた。
「あぁ、構わん。やれ」
許可が下りた。
「まずは1人目!」
生身の箒の刀を両手で白刃取り。一瞬止まった箒の鳩尾に平手を入れて気絶させる。
「はい次…ってのわッ!」
セシリアは完全にISを展開、一樹にビットで容赦なく攻撃する。
「(前から思ってたけど…恋する乙女怖えぇぇぇぇ‼︎)」
生身でありながらビットを回避してく一樹。しかし、一夏がしたのと同じ様に、敢えてビットで追い詰められてる様に見せて、じわじわと接近する。そして…
「獲ったァァァァ‼︎」
ブラストショットをセシリアに撃ち、シールドエネルギーを一撃で消滅させ、驚きに固まってるセシリアの首に当て身を入れて気絶させる。
「ふぅ…恋する乙女怖えぇぇぇぇ‼︎」
大事なことなので2回言いました。
「…ご苦労だった。櫻井」
「まあ、オルコットとの模擬戦の手間省けたと思えば良いかな?」
「…生身で勝ったからな。やりようが無いだろ」
その後、2人は千冬によって地獄を見たとの噂が流れたとか流れなかったとか…真実は当事者3人しか知らない。
一夏達の授業を屋上で見てる一樹。ストライクの再調整をしたかったのだが…
ドックン
「…コイツが鳴ってるのに、動ける訳無いよな…」
今朝からエボルトラスターが鼓動を打ってるのだ。
ドォン!
「ッ⁉︎何だ⁉︎」
いきなり校庭で大きな音がしたので見てみると…
「あの馬鹿…」
一夏が校庭にクレーターを作っていた。
「…後片付け、手伝ってやるか」
ちなみに箒とセシリアは手伝わずにさっさと帰ったそうな。
「一夏の気を引きたいなら手伝えよ…」ポソッ
「何か言ったか?」
「んにゃ何も」
ストライクのバックパックを装備しない状態で土を運ぶ一樹、土をならす一夏。
「にしても…戦闘だと思い通りに動かせれるのに、なんで練習じゃ動かせれないんだよ…」
「言うな!俺が痛感してるわコンチクショウ‼︎」
一夏の叫びに反応したかの様に、校舎なら2つの気配が近づいて来るのを察した一樹。
「一夏、これくらいで大丈夫だ。訓練行ってこい」
「ん。サンキューな」
一夏は素直に近づいて来た2人の方へ行く。一樹はストライクをしまうと、エボルトラスターを見る。
ドックンドックンドックン
「…近いな」
IS学園の危機が、迫っているのを確認した一樹は、あるところに電話を入れる。相手は直ぐに出た。
「…すみません、束さん」
中々ウルトラマン出ない件