人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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まさかの、準レギュラー?にあのお方が!



ではどうぞ!


Episode72 特訓-トレーニング-

「セリー、腹減らないか?」

「ん…少し」

「朝飯時に食いそびれたもんな…ちょっと寄り道するか。あと何人か呼んで車で帰ろう」

メールを送った後、セリーを連れて一樹が向かったのは、ハワイアンな雰囲気のレストランだ。

 

カランカラン

 

「いらっしゃ…おお、一樹君じゃないか!久しぶりだな」

「お久しぶりです。ダンさん」

親しげに話しかけてきたのは【モロボシ・ダン】

このハワイアンレストランの店長にして、なんとゲンの師匠でもある。

「後からもう1人来るので、4人がけの席をお願い出来ますか?」

「分かった」

ダンの案内に従い、席に着く2人。

「…カズキ、あの人はもしかして()()()?」

セリーの疑問に、一樹は苦笑しながら返す。

「思っても、すぐに口に出しちゃダメだぞ、セリー」

「あ…ごめんなさい」

「何の話をしてるんだ?」

お冷を持ってきたダンに、一樹は苦笑するしかない。

「いえ…」

「そうか?」

すると、セリーが周りを確認してから踏み込んだ。

「あなたは…セブン?」

「ぶっ⁉︎」

念を押して安心しきっていた一樹は、口に含んでいた水を派手に吹き出す。すぐさまお手拭きを持ってきたダン。礼を言ってから、セリーを軽く睨む一樹。

「おいセリー」

「周りに人がいないのは確認した」

「だからって…すみません、ダンさん。汚しちゃって…」

「いや、そっちは別に構わないのだが…どこでそれを知ったのだ?」

もう諦めた一樹は、ダンに説明する。

「ダンさんの目の前にいる女の子、セリーの正体はゼットンです」

「なっ…⁉︎」

「…うん、私はゼットン」

「バット星人に捨てられ、操られてたのを助けたら、懐かれて…」

「なるほど…君は、暴れるのが好きではないのだな?」

セリーの目をじっと見るダン。セリーは、目を逸らさずに肯定する。

「ん。暴れるより、カズキ達といた方が何倍も楽しい」

「そうか…一樹君は知っての通り、無茶をする。支えてやってくれ」

「ん、任せて」

「(無茶って、滝を切れとかジープで追いかけたりとかさせてた人には言われたくねえ…)」

一樹が心の中で反論していると…

 

カランカラン

 

「どうも〜」

仲間が来た。

「お、来た来た。宗介、ここだ」

「いらっしゃい」

ダンがお冷を取りに行ってる間に、IS学園を追い出された件を話す一樹。話が進んでいくにつれて、宗介の顔がみるみる険しくなる。

「…ちょっとIS学園行って来る」

「落ち着け宗介。もう関係ないんだから。IS学園の仕事が無くても充分やっていけるしな」

「いや、そうでもない」

「…あん?」

「俺が本部を出る直前に、メールが来たんだ。『護衛役を寄越せ』って内容のな」

「「はぁ⁉︎」」

一樹とセリーも、呆れるしかない。どの口が言ってるのだろうか。

「わざわざご丁寧に、お前以外を希望してる。まだその話は知らなかったから、てっきり増員希望かと思ったんだけど…そういうことかよ」

「正直、一夏に追加パッケージ渡すだけで充分な気はするけど、上手くいかねえなぁ…」

「追加パッケージって、【フルアーマープラン】か?一夏とだ…五反田がノリと勢いで作ったけど、整備要項は満たしてるっていうアレ?」

近くにダンがいるために、弾の事を苗字で呼ぶ宗介。

「見た本人達が1番驚いてるアレな…」

「お待ちどう。セリーちゃんはグァバジュース。2人はハワイアンコーヒーだな。あとはお任せと」

「「「ありがとうございます」」」

 

「ダンさん、ひとつ聞きたいんですけど…」

「ん?」

食後、ダンに話しかける一樹。

「____」

「…本気で言ってるのか?」

「今の俺に、『切り札』といえるものがないんで…」

「…理論だけ教える。後は自分でなんとかしてみろ」

「…ありがとうございます。ダンさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっつう……」

S.M.S本社のある部屋で、一樹は灼熱地獄の中にいた。

鉄が溶ける温度まで熱せられた部屋で…

「セリー、頼む」

「カズキ、やめようよこんなの…」

「悪いが、これからの事を考えるとやっておく必要があるんだ」

「……いつか、ユキエにも話してよね」

「ああ、分かってる」

説得を諦めたセリーは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。一樹はそれをエボルトラスターから放たれた光で受け止めると、その炎を全身に纏う。

「行っくぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

そもそも、鉄が溶ける温度はおよそ1500度以上。室内をその温度にする技術があることも驚きだが、その中に一樹は、半袖短パンの状態でいるのだ。どういう理屈で生きて、どういう仕組みで作られた服なことやら…

ともかく、炎を纏うと、人型にされたタングステン目掛けて突っ込む。ちなみにタングステンとは、地球上で最も融点が高い金属で、その温度はなんと3422度。沸点は5555度にまでなる。一樹は纏った炎をエネルギーでその5555度まで上げ、目の前の人形に体当たり。

 

ドォォォォォン!!!!

 

急に沸点に達した金属は大爆発を起こす。

「ゴッ!!?」

「カズキ!!?」

心配気に駆け寄るセリー。セリーは元々一兆度の炎を吐く宇宙恐竜だ。自らがその温度でやられては元も子もない。それに今は例のS.M.S制服を着ているために、快適な状況だ。しかし一樹はそうではない。以前、ウルトラマンの姿でその攻撃を受けたが、光の力で回復力を高めていたがためになんとか生きていたにすぎない。

「…はあ、はあ、はあ!まだだ!頼むセリー!協力してくれ!」

「…うん」

何かに没頭しなければ、流石の一樹も辛いのか、修行に全神経を働かせる。結局、午前中一杯を一樹はその修行をして過ごすのだった。




全身を炎で包む…

この意味は、分かるかな?



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