人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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UA15000&お気に入り50を突破!!!
本当にありがとうございます!!
期待に応えられるよう頑張って行きますのでよろしくお願いします!!!!


今回はあの宇宙恐竜が登場です!


そして、奴が…


Episode61 宇宙恐竜-ゼットン-

CDが出回って早1週間、生徒達の顔が日に日にだらしなくなっていた…が、小テストや実技では驚く程成長してるので教師達は何も言えないのが現状だった。

「ねえかーくん。あのCD、ドーパミンでも抽出させてるのかな?」

「…かもしれないな」

「…ちなみにCDの内容は?」

一樹は無言で雪恵にパソコンに繋いだイヤホンを渡す。聴き終わった雪恵の反応は…

「かーくん、これかーくんの声で録音して!!!!」

「しねえよ!!!!」

 

その日の夜、一樹は海辺を何気なく歩いていた。IS学園の海辺は、余計な光が無いからか、星がとても綺麗に見えるのだ。

「……」

無言で星を見上げる一樹。星々の優しい光を感じられるこの場所が、一樹は大好きだ。

「…宇宙は、こんなに綺麗なのにな」

地球も宇宙から見れば、青く美しい星である。それゆえに、バルタンを始めとした侵略宇宙人に狙われている。だが、地球は今悲鳴を上げてる。女尊男卑だけでなく、環境面も…

「ッ!?」

背後から殺気を感じた一樹。咄嗟にブラストショットを撃つ。ブラストショットから放たれた波動弾は、何かにぶつかって相殺された。

『貴様相手に奇襲をかける事は無理な様だな』

夜の闇に隠れてるため、敵の姿は見えない。だが、その声だけで充分だ。

「…生きてやがったか、シャドウ!!」

『無論…と言いたいところだが、かろうじてが正しいな。おかげで今は変身が出来ない』

「…だったら今のうちに仕留めてやりてえな」

油断なく辺りを見回す一樹。シャドウが近くにいるのは分かっているが、その薄い気配の数が多すぎる。これが昼間だったなら簡単に本体に攻撃できたのだが、シャドウは闇夜を利用して一樹から攻撃される事を回避していた。だが、先の攻撃で分かる通り一樹に奇襲は通じない…

『フン。人間態で決着をつけようとするほど私は愚かではない。だが、貴様に面白い物を見せてやろう』

「『面白い物』だぁ?『趣味悪いオモチャ』の間違いだろうが」

『それは見てのお楽しみだ』

 

パチンッ!!!!

 

どこからか指を鳴らした音が聞こえた。その時、空間が歪んだ。歪みから現れたのは…

「…()()()()

かつて初代ウルトラマンを倒し、それ以降も様々なウルトラ戦士を苦しめてきた怪獣、『ゼットン』が現れた。だが…

《…?》

目の前に現れたゼットンが見せたのは、戸惑いだった。

「(どういう事だ?)」

一樹がゲンを始めとした()()()()()()()()()()()()()()()()に聞いた話と違う…その疑問に、シャドウが答える。

『あのゼットンは他の個体よりも高い戦闘能力を持ちながら、バット星人に捨てられた。何故だか分かるか?』

「…強すぎて管理出来なくなったから、じゃなさそうだな。バット星人にとって、役に立ちそうになかった…か?」

『そうだ。奴は強い力を持ちながら他の生物を襲う事を躊躇った。侵略に使おうとしたバット星人からしたら、ただの不良品だ。結果、奴は宇宙に捨てられた。それを拾ったのがこの私だ』

「…あのゼットンは無差別に他の生物を襲おうとはしない」

『そうだな。だが、これならどうだ?』

突如、紫の光がゼットンの中へと入った。その瞬間…

《!?》

数秒、ゼットンは苦しむ…が__

《ゼェットォン》

雰囲気が変わり、学園に向けて進み始めた。

「何をした!?」

ゼットンの変わり様に、一樹の顔に驚愕が映る。そして、一樹の疑問に淡々と答えるシャドウ。

『何、あのゼットンにビースト細胞を送っただけだ。ビースト細胞によって奴の思考はビーストと同じになった…この意味、分かるか?』

「ッ!!?」

人間(エサ)を求めて、行動を開始する…

『ここにいていいのか?ウルトラマン』

「…ちくしょうが!!!!」

一樹はゼットンを追うために走り出した。

 

《ゼェットォォン…》

ゼットンは火球を連続で吐き、学園を攻撃しようとする。

「シェアッ!!」

だが、光の柱がゼットンの火球を受け止める。光が晴れたそこには、ウルトラマンがいた。

「フッ!シェアッ!!」

ゼットンの危険性を理解しているウルトラマンは急ぎジュネッスにチェンジすると、メタ・フィールドを展開する。

「シュウ!ファァァァァ…フッ!デェアァァ!!」

 

《ゼェェットォン…》

「グアッ!?」

メタ・フィールド内であってもその能力は凶悪なゼットン。自らに有利な筈のメタ・フィールドで、ウルトラマンは手も足も出ない…

「フッ!ハッ!!」

距離を取って放ったセービングビュートを、ゼットンはテレポートで避けると、ウルトラマンの背後に現れた。

「フッ!?グァァァァ!?」

零距離から放たれた火球に吹き飛ばされるウルトラマン。

《ゼェェットォン…》

ゼットンはウルトラマンにゆっくり近くと、その手でウルトラマンの首を掴んだ。

「グッ!?グアッ!?」

そのままウルトラマンを持ち上げるゼットン。

ピコン、ピコン、ピコン…

コアゲージが鳴り響く…そして、その点滅を見たゼットンが…

《!?ゼェッ!?》

突如苦しみだした。実はウルトラマンに、最初からゼットンを倒すつもりはなかった。メタ・フィールドの相手を弱体化する効果に、目の前のゼットンの優しさが目覚めるのを賭けたのだ。

「(頼む!目を覚ませ!!ビースト細胞なんかに負けんな!!)」

《!?!!!?》

しばらく苦しむゼットン…そして。

《(ウルトラマン…私を、殺して…)》

「フッ!?」

《(私は…他の生き物を、殺したくない…でも、今の私は、この空間のおかげで何とか心を保ってるだけ…だから、私が私であるうちに…)》

ゼットンの願いを聞いたウルトラマン。

「…シュウッ!」

右腕にエネルギーを集中させて突き出す。ゼットンに向けて金色の光線、『ゴルドレイ・シュトローム』を放つ。

「ハアァァァァァァ…デェアァァァァ!!!!」

ゴルドレイ・シュトロームを受けたゼットン…そして_______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼットンの体からビースト細胞が抜かれ、倒れた。

《ゼェェットォン…》

ゼットンから離れたビースト細胞は新たな姿へと変わった…禍々しい光を発するゼットンに…名を『マガゼットン』。

「シェアッ!」

マガゼットンに向かって走るウルトラマン。マガゼットンはテレポートでウルトラマンの背後に現れるが…

「デェアッ!!」

《!!?》

ウルトラマンは肘打ちでマガゼットンを怯ませる。

「シュウッ!」

更に連続で回し蹴りを放ち、マガゼットンを追い詰めていく。

「ハッ!!」

全体重を乗せたウルトラマンの手刀は、マガゼットンの角を叩き切った。負けてられるかと振り下ろされたマガゼットンの腕を掴むと、背負い投げを決める。

「デェアッ!!」

起き上がったマガゼットンに、強烈な回し蹴りで蹴り飛ばす。

《ゼェェットォン…》

マガゼットンはウルトラマンの猛攻撃に、動きが鈍くなっている。その隙を逃すウルトラマンではない。

「フッ!シュウッ‼︎フアァァァァ…フンッ‼︎デェアァァァァ!!!!」

オーバーレイ・シュトロームを放ち、マガゼットンを倒したウルトラマン。倒れているゼットンに近づくと、優しく頭を撫でる。

「……」

ウルトラマンはゼットンに優しい光を浴びせてからメタ・フィールドを解除した。

 

海辺で変身を解いた一樹に、()()が抱きついた。

「おっと…上手く小さくでき…た…」

言葉の途中で止まる一樹。何故なら…

「…助けてくれて…ありがとう、ウルトラマン」

ゼットンが可愛らしい女の子へとなっていたのだ!?

「いやいやいやちょっと待て!!俺ただ小さくしただけだぞ!?何で人間の姿に!?」

しかも鈴が見たらort状態になるのは確実であろう程スタイルが良い。出るとこは出てて、引っ込む所は引っ込む。弾に言わせれば『男の理想形』とでも言いそうだ。

…ちなみに雪恵はこれに、女子にしては高身長というハイスペックを誇っている。目覚めて一樹も驚いていたのは内緒だ。弾の様に騒いだりではなく、純粋に寝たきりなのに女性らしくなってることに、だ。

「な、なあ。理由が分かってるなら教えてくれるか?」

そんな女性らしい体の少女に抱きつかれているのに、一樹はその点に関しては動じていない。まるで子供に抱きつかれた親のようだ。

「私…元々変身できるから」

「あ、納得」

宇宙人理屈で納得した一樹。ゲンも元々は『ウルトラマンレオ』が地球人の姿に変身しているのを知ってるからだ。

「…私、あなたと一緒にいたい。一緒にいても、良い?」

「うーん…確かに下手なところ行けないだろうからな…とりあえず今夜は整備室に行こうか」

 

翌朝

「で、ゼットンって宇宙怪獣を助けたらこういう可愛い子になってたって事?」

ゼットンの人間態の頭を撫でながら雪恵が聞いてくる。

「ああ。宇宙に離す訳にもいかないし、ウチで面倒を見ようと思ってる」

…これが一夏ならば、可愛い子を連れてくることで専用機持ちに追いかけ回される事になっていただろう。一樹を全面に信頼してる雪恵だからこそ、冷静に会話が成立しているのだ。

「私…ウルトラマンと一緒にいたい」

少女は上目遣いで一樹を見てくる。一樹と雪恵は微笑ましく思い、優しく少女の頭を撫でる。

「あまり他の人に、俺がウルトラマンだって言わないでくれよ?なんだかんだこの学園で知ってるのは30人くらいいるけど。俺の名前は櫻井一樹だ。よろしくな」

「私は田中雪恵。よろしくね」

「カズキ、ユキエ…うん、覚えた。私はゼットン」

少女の名を聞いて、ピシリと一樹と雪恵が固まった。

「…かーくん。この子の名前、どうしよう…?」

「うーん…」

まさか他の人がいるところで『ゼットン』と呼ぶ訳にもいかない。2人は頭を悩ます。

「…単純で悪いけど、『セリー』ってのはどうだ?」

「セリー…うん、私はセリー」

一樹の付けた名を気に入ったらしく、ニコニコと笑うセリー。こうして、一樹と雪恵の頼もしい仲間に、セリーが加わったのだった。




ネクサスは必ず敵怪獣を倒すと誰が決めた?
嘘ですごめんなさい。既にガルバスを助けてました。

はい、まさかのゼットンが味方になりました。
リアルの友人に『ウルトラ擬人化計画』の事を聞き、あまり興味はなかったのですが、ゼットンの擬人化だけは惚れました。見た目しか知らないのでほぼオリキャラ状態ですので、漫画の方を知ってる方には違和感しかないと思いますが、どうかよろしくお願いします。
セリーのデザインは大熊先生を参考にお願いします。

シャドウ…やはり生きていたか。
次回からIS6巻に行きます。中々内容に入らないかも知れませんけど。
またしばらくウルトラマンはお休みかな?








その前に一夏達とセリーの対面か…

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