人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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今回もサブタイ通り、初代ウルトラマンの敵である方が登場します。バルタン戦より更に拙い戦闘描写ですが、どうぞお楽しみ下さい。


Episode36 三面怪人-ダダ-

「や、やめてくれえェェェ‼︎」

ある研究所で、研究員の悲鳴が上がる。研究員の前には、謎の銃を構えた白い異星人がいた…

《ダァッダァッダァ…》

異星人、ダダは銃から怪光線を撃つ。怪光線を浴びた研究員は小さくなり、カプセルへと閉じ込められた…

 

IS学園は夏休みなのだが、学園に一夏はいた。理由は下手に家にいると、ライフラインの料金がかかり、千冬の負担が増えるからだ。

「(正直、俺の方が稼いでるんだけど…)」

そんな一夏の側にいたくて、家に帰らないのがいつもの面々。今日も皆で昼食を食べていた。そんな時、呼び出しの放送が鳴る。

『織斑は直ぐに管制室に来る様に。繰り返す、織斑は直ぐに管制室に来る様に』

 

「失礼します」

呼び出された一夏が管制室に行くと、管制室には千冬、束の他に一樹がいた。

「来たな織斑。では説明してくれ束」

「あいあいさー。単純に言うとね、ある研究所を調査して欲しいんだ〜。『S.M.S』にね」

「「ッ⁉︎」」

「S.M.S?何だそれは?」

「ちーちゃんは知らなくて良いよ。とりあえずかずくんがS.M.Sの人ってとこだけ理解して貰えれば」

「なら何故織斑を?」

「いっくんはある意味この学園の守護神でしょ?だからだよ」

千冬に説明する束。一夏はとにかく余計な事を言わないでくれと願うしか無い。

「とにかく話を戻すね〜」

束が話した事を要約すると…昨晩、日本のある研究所から防衛府にSOS信号が来たので、防衛府がIS学園に調査を依頼したとのこと。

「てな訳で、2人に調査して来て欲しいんだ。こんな危ない任務、あの子達が行ってくれる訳無いからね」

「「いや条件次第だろ」」

束の言葉に思わずツッコミを入れる一樹と千冬だった。

 

「まさかここでコレに乗る時が来るなんて…」

格納庫には束が既にVF-0Sを用意してくれていた。一樹が前部座席、一夏が後部座席に搭乗する

『進路クリア、発進いつでも良いよ』

「了解。フェニックス、出る‼︎」

フェニックスが出撃してすぐ、ヒロインズがこっそりクロムチェスターに乗ろうとするが千冬に見つかり、ごうも…教育を受けたのは別の話。

 

「ここか…」

研究所に着いた2人、一樹はブラストショットを、一夏はビームマグナム(ガトリングモード)を構え、研究所に近づく。

「一夏、二手に分かれるぞ。俺は左。お前は右だ」

「了解」

建物に入って2人は分かれると、一樹は目を閉じ、光の力で()()。安全を確認。更に研究所を探索して行くと、小さな、本当に小さな声が聞こえた。

「……す……て」

「ッ⁉︎」

声が聞こえた方へ一樹は急いだ。

 

一夏も人がいないか探していた。しかし、白式のセンサーに反応は無い。

「(ハク…ISセンサーのリミッターを解除。広範囲感知モードへ移行)」

『了解です。マスター』

白式のリミッターを外し、少しでも感知精度を上げようとする。すると、壁越しに震えてる人を察知した。

「いた!」

 

バァン!

一樹は声が聞こえた部屋に突入した。ブラストショットを構えるも、そこには誰もいなかった。

「…おかしい、確かにここから聞こえたんだが…」

もう一度()()一樹。

「たす…て……け…て…」

さっきよりはっきり聞こえる救助を求める声。確かにこの部屋だ。

「どこだ…」

部屋を見渡す一樹の目に信じられない物が映る。

「…カプセルの中に、人間?」

恐怖で歪む顔がカプセルの中にあった。一樹は手前にあったひとつを手に取り開ける。すると…

ポンっ

「た、助かりました!」

研究員が出て来た。

「…事情は後で。他の人達も助けますので手伝って下さい」

「わ、分かりました」

 

「誰か居るか?」

白式が察知した部屋に入った一夏。誰か居るなら救出しなければ…

「お、にいさん?」

「ッ⁉︎」

部屋の隅に、小学校低学年くらいの女の子が隠れていた。

「君、名前は?」

「ユミ」

「ユミちゃんか…ここから出よう」

「パパは?わたし、パパにおきがえとどけにきたら…」

思い出したのか、少女が泣きそうになる一夏は頭を撫でて落ち着かせる。

「大丈夫。ユミちゃんのパパも…パパのお友達もお兄ちゃん達が助けるから」

「おにいちゃん、たち?」

「そう、お兄ちゃん達。もう1人、ここに来てるから。さ、行こう」

ユミの手を引き、部屋から出ようとする一夏。

《ダァッ、ダァッ、ダァッ》

その一夏達の目の前にダダが光線銃を構えた状態で現れた。

「ッ⁉︎ユミちゃん伏せて‼︎」

咄嗟にユミを抱えて横に飛ぶ一夏。光線銃から撃たれた光線は、一夏の後ろにあったパソコンを小さくさせた。

「このッ!」

ガトリングをダダに向かって撃つ一夏。攻撃は見事命中。ダダは消えて行った。

「なるほど…ここの研究員達にこの光線を当てて小さくしたのか。けど、何のために?」

「恐らく、自分の星に持ち帰って標本にするつもりだったんだろう」

部屋の扉から一樹が入って来た。その後ろには研究員達もいた。

「パパ!」

「ユミ!良かった…本当に良かった‼︎」

お互い無事を確認した親子。一樹はそれを微笑ましく見ると、すぐに表情を引き締める。

「一夏、この人達を安全な場所へ」

「了解」

瞬間、気配を感じた一樹がブラストショットのバレルをスライド。普段より強力な波動弾を撃った。

《ダァッ⁉︎》

波動弾は背後にいたダダの光線銃に見事命中。光線銃を破壊した。

「これでもう縮小光線は撃てない…お前の負けだ」

再度バレルをスライド。ダダに砲口を向ける。しかし、ダダは…

《人間如きが…ほざくな‼︎》

ブラストショットを近くにあったパソコンを盾にして回避すると、ユミに向かって走り出す。ユミに触れようとした瞬間…

「させるかよ!」

麒麟の両手を展開した一夏に掴まれ、窓から放り出される。

「よし一夏!早く皆を避難させるぞ‼︎」

「おう!」

急ぎ部屋から出た一行。先頭は一夏で最後尾は一樹。

「邪魔‼︎」

先ほどとは違う顔のダダが一夏の眼前に現れる。一夏は飛び蹴りした後、腕を掴んで一樹の方へ投げる。一樹はすぐにブラストショットのバレルをスライド。波動弾を撃ち、ダダに命中。ダダは消えて行った。

「これで2体目…気ぃ抜くなよ一夏!」

「おうともさ!」

階段を全員が駆け下り、出口に向かって走る。出口の寸前で…

《ダァッ、ダァッ、ダァッ》

「「だから邪魔だっつうの‼︎」

《ダァッ⁉︎》

3体目と思われるダダが現れるが先に()()いた一樹と一夏のダブル蹴りがダダに命中。扉のガラスを突き破った。あれ?敵なのに何故か目から汗が…

「「もう一丁‼︎」」

更に一樹のブラストショット、一夏のマグナムを受け、飛距離が伸びたダダ。おお!世界記録だ!

《おのれ…人間如きがァァァ‼︎》

ダダを白い光が包み、巨大化していく。

「やべ!」

「早くみんな逃げて‼︎」

一行が走り出すが、一樹は集団から離れ、研究所の裏に回る。そしてエボルトラスターを引き抜き、天空へ掲げてウルトラマンに変身した。

 

《ダァッ、ダァッ、ダァッ》

ダダはゆっくりと歩き出す。その目は必死で逃げている研究員達を見据えていた。そんなダダと研究員の間に眩い光の柱が現れた。

《ダァッ⁉︎》

光が晴れたそこには、ウルトラマンが力強く立っていた。

 

「ウルトラマン!」

ウルトラマンの名を叫ぶ一夏。周りの研究員達は初めて見たウルトラマンに、どこか神々しさを感じていた。

「あれが…ウルトラマン」

 

「シェア‼︎」

ダダに向かって走り出すウルトラマン。起き上がったダダにラリアット。

「ヘェア!」

《ダァッ⁉︎》

素早く起き上がり、ダダを持ち上げて投げ飛ばす。

「フウゥゥゥ…デェアァァァ‼︎」

《ダァッ⁉︎》

「フッ!」

ダダに向かって走り出すウルトラマン。しかしダダは笑いながら姿を消した。

《ダァッ、ダァッ、ダァッ…》

「ファッ⁉︎」

辺りを見回すウルトラマン。そんなウルトラマンの背後に2体目のダダが現れ、ウルトラマンを蹴飛ばす。

《ダァッ!》

「グォッ⁉︎」

ウルトラマンはすぐに背後を向くが、そこには既にダダはいなかった。更に3体目のダダが現れたと思ったらウルトラマンを攻撃、すぐに消えてまた別のダダが攻撃を繰り返した。

《ダァッ!》

「グァッ⁉︎」

 

ダダがウルトラマンを攻撃しているのを見ていた一夏はある疑問が浮かんだ。

「あれ?何で一体ずつ出てくるんだ?」

あるダダが消えたらまた別のダダが現れる…しかし、一度も同時に現れた事が無いのだ。

「もしかしたら…」

一夏は研究員達にここから離れるよう言うと、麒麟を展開。ウルトラマンに接近する。

「ウルトラマン。あの星人はきっと1体のみだ!」

「フッ⁉︎」

「タイミング良く顔を変えて3体に見せてただけなんだ!だから姿を消すのを封じれれば…」

ウルトラマンは頷くと、ゆっくり立ち上がる。そんなウルトラマンの背後にダダが現れる。

「そこだ‼︎」

ビームマグナム(マグナムモード)をダダに向かって撃った一夏。見事ダダに命中。ダダが怯んでいる間にウルトラマンはアンファンスからジュネッスにチェンジする。

「フッ!ヘェア‼︎」

続いてメタ・フィールドを展開する。

「シュウ!フアァァァァ…フッ!デェア‼︎」

一夏はあえてメタ・フィールド対応範囲から出て、研究員の避難を優先させた。

 

《ダァッ⁉︎》

一夏の予想通り、ダダは1体のみだった。メタ・フィールドの効果で姿が消しにくくなっているダダは驚きの声をあげる。姿を消す前に決める…

「フッ!シェア‼︎」

ダダに強烈な右回し蹴り。ダダが怯んだ所に更に飛び込みチョップ。

「シュウ!」

『ダァッ⁉︎』

倒れたダダの脚を掴むと大回転。遠くに投げ飛ばす。

「ヘェア!」

『ダァッ⁉︎』

ダダが地面に激突したのを確認すると腕を十字に組み、クロスレイ・シュトロームを放った。

「ハァァァ…デェアッ‼︎」

《ダァッ!?》

クロスレイ・シュトロームをまともに喰らったダダは爆散した。ウルトラマンはそれを確認すると、メタ・フィールドを解除しながら消えていった。

 

「ふう…割と早く倒せたな。良かった良かった」

「一樹!」

変身を解いた一樹の元へ一夏が駆けつけた。

「一夏…研究員達は?」

「もう安全な所に避難させといた。お前がここにいるってことは…」

「ああ、仕留めたぜ」

「なら研究員達に報告して帰ろうぜ」

数日後、その研究所から2人にお礼が届いた。そのお礼は…

「「遊園地のチケット4枚?」」




ダダって実は初代さんの戦闘シーンが最も短い相手なんですね。なのにウルフェス等に出てるのはやっぱりあの見た目のインパクトですかね?

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