「大変です織斑先生!織斑君のIS反応が消えました‼︎」
「何⁉︎怪獣は⁉︎」
「怪獣も同時にです!」
オペレーションルームでは、一夏のIS反応が消えたことにより、パニックに陥っていた。
「そこのカメラの映像を出せるか⁉︎」
「やってみます‼︎」
摩耶が学園のカメラの映像を出す。そこには…
「あの時の…巨人?」
「銀色から赤になってます!」
その後、巨人の起こしたオレンジ色のドームの中に一夏が入ったのが確認された。
「無事に帰って来てくれよ…一夏」
家族として、そう思わずにはいれなかった千冬だった。
「ここは…ウルトラマンが作った空間、なのか?」
荒野の様な場所に一夏はいた。
「シェア!」
《キィィィ‼︎》
「ッ⁉︎」
少し離れた場所でジュネッスとなったウルトラマンと、ペドレオンが激闘を繰り広げていた。
「ファッ!」
《キィィィ⁉︎》
ペドレオンに飛び蹴りで怯ませ、タックルを当てる。
「シュッ!」
《キィィィ⁉︎》
続けて前蹴り。更に攻撃を続けようとするウルトラマンだが、ペドレオンは腕のムチを振るった。
「グオッ⁉︎」
一瞬怯むウルトラマンだが、左のジャブ、右ストレートでペドレオンを大きく怯ませる。
《キィィィ‼︎》
「フアァァ、シェア‼︎」
ウルトラマンとペドレオンの激突で、激しい土煙が上がる。
「デェア」
ウルトラマンはペドレオンの両腕を掴むと、メタ・フィールドの岩盤にぶつける様に押し出す。
《キィィィ⁉︎》
その戦いの様子を、固唾を飲んで見守る一夏。ウルトラマンはペドレオンの両腕を離すと1回転し、強烈な右回し蹴りを放つ。
「シェア‼︎」
《キィィィ⁉︎》
続けてヘッドロックの様にペドレオンを抑え込もうとするが、振り払われる。ペドレオンは腕のムチを振るってくるが、ウルトラマンはペドレオンを飛び箱の技の様に使って回避。
「フッ!」
ペドレオンのムチを掴んで捻り、腹部にストレートキック。うずくまるペドレオンに飛び込みチョップと連続で攻める。だがペドレオンもやられっぱなしではない。掴みかかろうとしてきたウルトラマンに強烈な頭突きを喰らわせる。
「グオッ⁉︎」
ウルトラマンは一瞬怯むが、臆せずペドレオンに向かって走る。が___
《キィィィ‼︎》
「グアァァァッ⁉︎」
ペドレオンの身体がスパーク。ウルトラマンを吹き飛ばす。
「グアッ⁉︎」
背中を強打してしまうウルトラマン。ペドレオンは反撃開始と、まずはウルトラマンを投げ飛ばす。
「グアッ⁉︎」
そして、連続でウルトラマンの背中をその腕で殴打する。
「グアッ⁉︎」
だが、ウルトラマンもやられっぱなしではない。ペドレオンのムチを後転で回避し、ペドレオンの腹部に蹴りを入れる。
「ファッ!」
《キィィィ⁉︎》
ペドレオンが怯んでる隙に起き上がり、更に強烈な左ストレート。
《キィィィ⁉︎》
これには流石のペドレオンも効いたのか、数歩下がった。そんなペドレオンを掴むウルトラマンだが、その両腕にペドレオンのムチが絡まった。
「フッ⁉︎」
ウルトラマンの両腕を触手で捕まえたペドレオンは触手越しに電撃を放つ。
「グァァァ!」
だんだん劣勢となっているウルトラマン。しかし、一夏には見ることしか出来なかった。
「フッ、フオォォォォォ…ヘアッ‼︎」
ウルトラマンは気合を入れて、アームドネクサスの刃で触手を斬った。
《キィィィ⁉︎》
「フアァァ…ハッ!」
ムチから開放されたウルトラマンは力強く構えると、ダッシュ。勢いも含めたストレートキックでペドレオンを吹き飛ばす。
《キィィィ⁉︎》
吹き飛ばされ、一際大きな岩盤に激突して止まるペドレオン。
「ハァァァァ…シュアッ‼︎」
ウルトラマンはエネルギーで自らの前に巨大な竜巻を作る。そして、その竜巻をペドレオンに向かって飛ばした。
「デェアッ‼︎」
竜巻はペドレオンの半身をメタ・フィールドの大地に埋め、身動きをとれなくした。
《キィ⁉︎キィィィ⁉︎》
「フッ!シュ‼︎フアァァァァ…フンッ!デェアァァァ‼︎」
左腕を前に突き出して、さらに右腕をそれに重ね、胸の前で開く。腕と腕の間には稲妻状のエネルギーが走った後、両腕を高く上げ、体全体でYの字を作った後、L字形に組んで必殺技『オーバーレイ・シュトローム』を撃つ。オーバーレイ・シュトロームをまともに喰らったペドレオンは青い粒子となった後、完全に消滅した…
「か、勝ったのか?」
ペドレオンが完全に消滅したのを確認すると、ウルトラマンは空間を解除しながら消えていった…
「あ!織斑君のIS反応を確認!
「繋げてくれ!私が出る‼︎」
『…ちら織斑、応答して下さい。こちら織斑、応答して下さい』
「こちら管制室だ。一夏…無事か?」
『(この話し方は…)ああ…ウルトラマンが助けてくれた』
「ウルトラマン?」
『さっきオレンジ色のドームを作った巨人のことだよ。何故か頭にそのフレーズが浮かんだんだ』
「そうか…詳しい事は後で聞く。ところで、そこに櫻井はいるか?」
『…いや、いない。何でだ?』
「お前がさっき整備室を出た後、1人で森に向かっていたのが学園のカメラに写っていた」
『森⁉︎大丈夫かよ⁉︎」
「…明日にならないと調査のしようが無い。明日になるまで我慢するんだ」
『くっ!了解…』
その後一夏は箒、セシリア、鈴にこってり絞られた。
「あああああづがれだ〜ったく、生きて帰ってこれたから良いじゃねえか」
部屋に戻りながら一夏は愚痴る。
「…貴様、まだ反省が足りない様だな」
「イエイエシテマスヨ?」
「何故喋り方がおかしいんだ?」
「おかしくなんてあらへんよ?こりゃ最近の流行りなんだってばよ」
冷や汗だらだらの状態で言い訳する一夏。そんな一夏に、どこからか取り出した竹刀を振り下ろそうとする箒。
「ッ‼︎」
一瞬だった。一夏の顔が険しくなり、箒の腕を掴んで逆関節を極めていた。
「なっ!」
「…ハッ!悪い箒!大丈夫か⁉︎」
「あ、ああ…」
すぐに戻った一夏だが、箒は一夏の変わりようが気になる。
「なあいち…」
箒は自分の疑問を口に出そうとするが、気の抜けたノックに遮られる。
「織斑君、篠ノ之さん。いますか〜?」
相変わらずおっとりした声の麻耶。止まっている箒に変わり一夏が返事をする。
「はい、います。すぐに開けるんでちょっと待ってて下さい」
一夏が扉を開けると、そこには書類と鍵を持った麻耶がいた。鍵?
「すみません、お待たせしました。部屋の調整が終わったので篠ノ之さんはお引越しです。今日から同居しなくてすみますよ」
「ま、待ってください!それは今ではないとダメですか?」
まさか箒がそう言うとは思っていなかったのか、麻耶は一瞬きょとんとする。
「それはまぁ、そうです。いつまでも同年代の男女が同じ部屋というのは問題もありますし、篠ノ之さんもくつろげないでしょう?」
至極もっともな話だ。学生寮であるとはいえ、オフの時間にのびのび出来なくてはその内疲労で倒れるだろう。
「し、しかし…」
先ほどからチラチラ一夏の方を見る箒。一夏にはそれの意味を____
「箒、そんな気を遣うなよ。俺だってガキじゃないんだ。箒がいなくたってちゃんと起きれるし、歯も磨くぞ」
___理解している訳が無かった。当然…
ブチッ
「…先生、今すぐ部屋を移動します」
箒はブチ切れた。
「は、はい!」
そしてそんな箒にオドオドする麻耶であった…
箒が部屋を出て数十分後、やる事(日課の筋トレ等)を終わらせた一夏は寝ようと布団に入ったが____
コンコン
ノックの音が聞こえた。
「(んあ?もう布団に入っちまったんだけどな…)」
ドンドン!
「(って今度はノックってレベルじゃねえ!分かりましたよ、出ればいいんでしょ出れば…)」
若干げんなりしながら一夏は扉を開ける。
「はい、どちら様___」
「…遅かったな」
来客は先ほど部屋移動をした箒だった。
「何だよ箒。忘れ物か?」
「いや…」
それっきり黙ってしまう箒。
「…何か用があるなら部屋入るか?」
「いや、大丈夫だ」
「そうなのか?」
「うむ」
「…………」
「…………」
待てオイ。
「…箒、用がないなら俺もう寝たいんだけど…」
「よ、用はある!」
焦った様子で箒は言う。2、3回深呼吸をする。
「ら、来月の、学年別トーナメントで…」
「学年別トーナメントで?」
「わ、私が優勝したら付き合ってもらう‼︎」
「…はい?」
枕を持った状態できょとんとする一夏だった。
「ハァ、ハァ、ハァ…なんとか、倒せた…」
一樹は皆が寝静まった頃、ようやく整備室に戻ってこれた。両腕が焼ける様に痛む。
「
相変わらず硬い床の上に一樹は倒れこんだ。
翌日…
「ふわぁよく寝た。今朝はとりあえず整備室に行って一樹がいるかどつか見に行っとくか…」
一夏が一樹がいるか確認しに整備室にやってくると…
「ウグッ!」
一樹が激痛が走っている両腕を抑えて蹲っていた。
「おい一樹‼︎大丈夫か⁉︎待ってろ、すぐに保健室に連れてってやるから‼︎」
千冬は、一夏が白式に保存していたウルトラマンとペドレオンの戦闘を録画したものを見ていた。
「…奴は一体、何者なんだ…」
一方摩耶は、白式に一夏が取らせていた空間のデータを見ていた。すると、ある文字が頭の中に浮かんだ。
「
言った後、摩耶本人が驚いた。なぜなら何処かでその言葉を聞いた訳でも無いのだから。しかし、何故かしっくり来る言葉だった。
「織斑先生、この空間のデータです。空間の物質自体は、ウルトラマンの体と同じ物質で出来ているのが確認されました」
「…という事は、奴は自らの身を削って、我々を助けてくれたと言う事か?」
「現段階ではそういう事になります」
そこに1通のメールが来た。そこには一樹が整備室にいたが、何やら苦しそうだったので、保健室で検査したとの事。そして、怪我の場所のカルテが届けられていた。
「(な、なんだコレは⁉︎)」
千冬はそれを見て驚く。それもそうだ。なぜなら…
「(なぜ…ウルトラマンが攻撃を受けた場所と櫻井の怪我の場所が一緒なんだ⁉︎)」
そう…一樹の怪我してるとこと、さっき映像で見たウルトラマンの攻撃を受けた場所が一致しているのだ。
「教室へ行きましょう織斑先生。今日は転校生も来てることですし」
「…そうですな。こっちはこっちで、また厄介なことになりそうだ…」
「シャルル・デュノアです。ここには僕と同じ境遇の人がいると聞きました。仲良くしてくれると嬉しいです」
今は朝のSHR。そして今のは、転校生が挨拶をしたことだ。それは良い。それは良いんだが…
「「「「男⁉︎」」」」
そう、男なのである。その後すぐに1組の教室に黄色い声が上がったのは言うまでも無い。そして、もう1人…
「ラウラ、挨拶しろ」
「はっ!教官!」
「織斑先生だ。私はもう、お前の教官では無いし、ここでは私は教師、お前は生徒だ」
「はい!ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
シーン…
「あの、以上ですか?」
「以上だ」
無愛想過ぎる…
「ッ⁉︎貴様は!」
一夏を見つけ、ずんずん近づいてくる。そして、一夏に平手打ちを放つが…
ガシッ、ブンッ!
「カハッ!」
いつの間にか間に一樹が入り、ラウラの手を受け止め、教卓に向かって投げた。ラウラは一樹の素人とは思えない動きに受身が取れず、モロにダメージが入った。しかし…
「ゲホッゲホッゲホッグボア!」
まだ完治していない身で大技を出したので、一樹自身が一番ダメージを受けていた。一夏が一樹の背中をさすりながらラウラに言う。
「…俺を攻撃したのは…第2回モンドグロッソの件か?」
「そうだ!貴様さえいなければ教官が2連覇したのは確実だった。私はお前を認めない!認めるものか‼︎」
なんかネクサスよりIS部分の方が濃ゆいですね。まあ、ネクサスのある部分からほぼネクサスだから許してください。