人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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お待たせしました!

今回は贅沢にゲストウルトラマン使います!


Episode116 双頭怪獣-パンドン-

学園を襲ったのは…かつてセブンが地球防衛をしてた頃、彼が最後に戦った敵…

 

双頭怪獣、パンドン。

 

《ギャオォォォォ!!》

そして、そのパンドンの頭に乗る藤原。

「あのクズ共…どこまでも僕の邪魔をして…ウワアァァァァ!アァァァァァァァァ!!?」

狂った叫びをあげ、頭を抱える藤原。

次に顔を上げた藤原の目は見開かれ、見たもの全てを恐怖に陥れる色を宿していた。

「もう容赦しない…雪恵さん以外の全てを、潰してやる!!!!やれ!パンドン!!!!!」

《ギャオォォォォ!!》

 

 

右腕と左足の無いフリーダムと麒麟は、訓練機のコア達と宇宙空間で呆然と浮いていた。

「(もう意識が…せめて一夏だけでも地球に、学園に戻さねえと…)」

激痛と血を大量に流した事によって、一樹の意識はもう失われる寸前だった。

 

ドックン

 

「(マジかよ…この状態の俺に、まだ戦えって言うのかよ…)」

懐のエボルトラスターが、鼓動を打つ。しかし右腕と左足が無い一樹には、そもそも変身が出来ない。

「(【光の力】をサーベルに込めさしてくれたのは感謝してるよ…お陰で、藤原から一夏を助ける事が出来た…)」

かなりぼやけている視界に、麒麟が映る。

サイコフレームの輝きは失われているが…デストロイモード状態は維持出来ているため、搭乗者保護機能は生きている。

「…なあ一夏、そろそろ起きろよ。寝過ごすぞ…?」

声から力が抜けていく一樹。

そして、意識も…

薄れゆく意識の中、緑色の光球が見えた気がした。

 

 

「生徒はシェルターに急げ!田中以外の専用機持ちは全機出撃!何としてもヤツの進路を変えろ!私も直ぐに行く!」

一夏はおらず、雪恵も情緒不安定。

こんな状態でチェスターを出撃させたところで、たかが知れている。

それならば、まだ各々が使い慣れているISで出た方がマシ…千冬はそう判断した。

 

 

「ブンブン鬱陶しいなあ…」

パンドンを必死に攻撃する専用機持ち達を鬱陶しそうに見る藤原。

「子バエが…ウザいんだよ!!」

ブラックエボルトラスターを引き抜き、シャドウ・デビルに変身。パンドンの周囲の専用機持ちを振り落とそうとする。

「「「「ッ!!?」」」」

パンドンだけでも厄介なのに、シャドウまで現れてしまった…

散開してシャドウの攻撃を避けるが、それによってパンドンとシャドウの進軍を許してしまう…

『フンッ』

《ギャオォォォォ!!》

 

 

宇宙空間に漂っている一樹を、緑の光が包む。

すると一樹の前に、マントを羽織った1人のウルトラ戦士が現れた。

 

一樹君…

 

「(この声…確か)」

 

久々の再会を喜びたいのは山々だが…君はそれどころでは無いな。

 

「(こんな状態ですみません…()()()())」

一樹が【ケンさん】と呼ぶウルトラ戦士こそ、一樹が今まで会ってきたウルトラ戦士を束ねる戦士。宇宙警備隊の大隊長にして、タロウの実父である彼の名はウルトラマンケン。戦士達には大隊長、もしくは【ウルトラの父】と呼ばれている。

 

「すまないついでに、ひとつお願いがあるんですけど…)」

 

…何だね?

 

「(そこにいるヤツら…一夏と、ISコア達を地球に送ってくれませんか?)」

 

君は、どうするつもりなんだね?

 

「(見ての通り…俺はもう戦える体じゃ無いんで…それに、意識もどんどん遠くなっていってる…)」

 

君の帰りを待っている者がいるのに、かね?

 

「(帰りたいですよ?そりゃあ。けど、現実的に考えて無理なものは…)」

 

…君は、私が誰だか忘れたのかね?

 

一樹には、ケンが苦笑しているように感じた。

ケンがあるアイテムを振るう。フリーダムが解除され、一樹の体を光が包み、右腕と左足が戻った。

「…ありがたいですけど、良いんですか?俺なんかに力を使っちゃって」

もうテレパシーを使わず、直接声に出して話す一樹。

 

【なんか】では無い。それに、宇宙警備隊の規則の事を言っているのなら…君が気にし過ぎなだけだ。

 

「…その規則を作った1人がそんな事を言って良いんですか?」

今度は一樹が苦笑する番だった。

 

私たちだって完璧では無いさ。それに…怪我を治したいと思うのに、規則も何も無いだろ?

 

「おっしゃる通りですよ…本当に、ありがとうございます」

 

右腕と左足は治るには治ったが、君の体のダメージ自体が無くなった訳ではない。この戦いが終わったら、ウルトラの星に連れて行く。良いな?

 

「……期間は?」

 

程度によるが、大体1週間と言ったところだろう。

 

「…分かりました。それくらいなら」

ケンの言う通り、一樹の体は治療が必要だ。

だがそれも、やるべき事をやってからの話だ。

懐からエボルトラスターを取り出すと、ケンに挨拶する一樹。

「それじゃあ…行ってきます」

 

ああ…気をつけて行くんだぞ。

 

ケンの言葉に頷くと、一樹はエボルトラスターを引き抜く。

赤い光球が、一夏とISコア達を包むと、地球に高速降下していく。

 

 

専用機持ち達がパンドンに手間取っている隙に、シャドウは学園に迫っていた。

『ハァァァァァ…』

その両手を高く上げてエネルギーを貯める。

狙いは…ほとんどの生徒が避難しているシェルターだ。

「やめてぇぇぇぇ!!!!」

雪恵が無駄だと分かっていても叫ぶ。そして、シャドウがその両手を振り下ろす…

 

振り下ろす直前に、赤い光球がシャドウを突き飛ばした。

 

『グッ!!?』

光が晴れたそこには、膝立ちのウルトラマンがいた。

その右手にはバリアが張られており、一夏やISコア達を保護していた。

「かーくん!!!!」

「カズキ!!!!」

『マスター!!!!』

自らを呼ぶ声に頷くと、一夏とISコアを雪恵達に向かって飛ばす。

「シュッ…」

気絶している一夏が現れると、セリーが直ぐに全員にバリアを貼って保護した。

『またか…またお前かぁぁぁぁ!!』

「フッ!?」

ウルトラマンが現れた事に激昂するシャドウ。上段回し蹴りを連続して放ってくるのを屈んで回避し、大きくバック転。

「フッ!シェアッ‼︎」

ジュネッスにチェンジして、対シャドウ・デビルに備える…

《ギャオォォォォ!!》

「グアァァァァ!!?」

シャドウに集中していたウルトラマンは、パンドンの火球攻撃を背中に喰らってしまう…

『フンッ!』

「グオッ!?」

その隙を逃すシャドウでは無い。

動きが止まっているウルトラマンの腹部に、勢いを乗せた回し蹴りを放つ。

『どうやって腕と脚を治したか知らないが、ダメージまでは消せていないようだな!動きが鈍すぎるぞ!!』

シャドウは勢いよくウルトラマンを蹴り上げると、自らも上昇。動きの鈍いウルトラマンに怒涛の連続蹴りを放つ。

『ハァァァァァ!!!!』

「グッ⁉︎グオッ!?グアァァァァ!!?」

連続蹴りの最後にかかと落としを決め、ウルトラマンを大地に叩きつける。

『デュアッ!!』

「グオッ!!?」

何とか立つウルトラマンを、今度はパンドンがその鋭い嘴でど突く。

《ギャオォォォォ!!》

「グアァァァァ!!?」

 

 

『速報です。現在、IS学園が宇宙怪獣と謎の巨人に襲われています』

何気なくニュースをつけたダンの耳に、とんでもないニュースが入ってきた。

『現在、ウルトラマンが奮戦しておりますが…状況は良くありません。付近の住民は、急ぎ避難を…』

そこまで聞いて、ダンは懐にあるアイテムを入れて駆け出した。




…正直、サブタイ変えた方が良いか悩んでいます。
だってほぼパンドン出てないし。
変えるとしたら【大隊長-ケン-】になるんですけど…
どちらが良いですかね?

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