今回は贅沢にゲストウルトラマン使います!
学園を襲ったのは…かつてセブンが地球防衛をしてた頃、彼が最後に戦った敵…
双頭怪獣、パンドン。
《ギャオォォォォ!!》
そして、そのパンドンの頭に乗る藤原。
「あのクズ共…どこまでも僕の邪魔をして…ウワアァァァァ!アァァァァァァァァ!!?」
狂った叫びをあげ、頭を抱える藤原。
次に顔を上げた藤原の目は見開かれ、見たもの全てを恐怖に陥れる色を宿していた。
「もう容赦しない…雪恵さん以外の全てを、潰してやる!!!!やれ!パンドン!!!!!」
《ギャオォォォォ!!》
右腕と左足の無いフリーダムと麒麟は、訓練機のコア達と宇宙空間で呆然と浮いていた。
「(もう意識が…せめて一夏だけでも地球に、学園に戻さねえと…)」
激痛と血を大量に流した事によって、一樹の意識はもう失われる寸前だった。
ドックン
「(マジかよ…この状態の俺に、まだ戦えって言うのかよ…)」
懐のエボルトラスターが、鼓動を打つ。しかし右腕と左足が無い一樹には、そもそも変身が出来ない。
「(【光の力】をサーベルに込めさしてくれたのは感謝してるよ…お陰で、藤原から一夏を助ける事が出来た…)」
かなりぼやけている視界に、麒麟が映る。
サイコフレームの輝きは失われているが…デストロイモード状態は維持出来ているため、搭乗者保護機能は生きている。
「…なあ一夏、そろそろ起きろよ。寝過ごすぞ…?」
声から力が抜けていく一樹。
そして、意識も…
薄れゆく意識の中、緑色の光球が見えた気がした。
「生徒はシェルターに急げ!田中以外の専用機持ちは全機出撃!何としてもヤツの進路を変えろ!私も直ぐに行く!」
一夏はおらず、雪恵も情緒不安定。
こんな状態でチェスターを出撃させたところで、たかが知れている。
それならば、まだ各々が使い慣れているISで出た方がマシ…千冬はそう判断した。
「ブンブン鬱陶しいなあ…」
パンドンを必死に攻撃する専用機持ち達を鬱陶しそうに見る藤原。
「子バエが…ウザいんだよ!!」
ブラックエボルトラスターを引き抜き、シャドウ・デビルに変身。パンドンの周囲の専用機持ちを振り落とそうとする。
「「「「ッ!!?」」」」
パンドンだけでも厄介なのに、シャドウまで現れてしまった…
散開してシャドウの攻撃を避けるが、それによってパンドンとシャドウの進軍を許してしまう…
『フンッ』
《ギャオォォォォ!!》
宇宙空間に漂っている一樹を、緑の光が包む。
すると一樹の前に、マントを羽織った1人のウルトラ戦士が現れた。
一樹君…
「(この声…確か)」
久々の再会を喜びたいのは山々だが…君はそれどころでは無いな。
「(こんな状態ですみません…
一樹が【ケンさん】と呼ぶウルトラ戦士こそ、一樹が今まで会ってきたウルトラ戦士を束ねる戦士。宇宙警備隊の大隊長にして、タロウの実父である彼の名はウルトラマンケン。戦士達には大隊長、もしくは【ウルトラの父】と呼ばれている。
「すまないついでに、ひとつお願いがあるんですけど…)」
…何だね?
「(そこにいるヤツら…一夏と、ISコア達を地球に送ってくれませんか?)」
君は、どうするつもりなんだね?
「(見ての通り…俺はもう戦える体じゃ無いんで…それに、意識もどんどん遠くなっていってる…)」
君の帰りを待っている者がいるのに、かね?
「(帰りたいですよ?そりゃあ。けど、現実的に考えて無理なものは…)」
…君は、私が誰だか忘れたのかね?
一樹には、ケンが苦笑しているように感じた。
ケンがあるアイテムを振るう。フリーダムが解除され、一樹の体を光が包み、右腕と左足が戻った。
「…ありがたいですけど、良いんですか?俺なんかに力を使っちゃって」
もうテレパシーを使わず、直接声に出して話す一樹。
【なんか】では無い。それに、宇宙警備隊の規則の事を言っているのなら…君が気にし過ぎなだけだ。
「…その規則を作った1人がそんな事を言って良いんですか?」
今度は一樹が苦笑する番だった。
私たちだって完璧では無いさ。それに…怪我を治したいと思うのに、規則も何も無いだろ?
「おっしゃる通りですよ…本当に、ありがとうございます」
右腕と左足は治るには治ったが、君の体のダメージ自体が無くなった訳ではない。この戦いが終わったら、ウルトラの星に連れて行く。良いな?
「……期間は?」
程度によるが、大体1週間と言ったところだろう。
「…分かりました。それくらいなら」
ケンの言う通り、一樹の体は治療が必要だ。
だがそれも、やるべき事をやってからの話だ。
懐からエボルトラスターを取り出すと、ケンに挨拶する一樹。
「それじゃあ…行ってきます」
ああ…気をつけて行くんだぞ。
ケンの言葉に頷くと、一樹はエボルトラスターを引き抜く。
赤い光球が、一夏とISコア達を包むと、地球に高速降下していく。
専用機持ち達がパンドンに手間取っている隙に、シャドウは学園に迫っていた。
『ハァァァァァ…』
その両手を高く上げてエネルギーを貯める。
狙いは…ほとんどの生徒が避難しているシェルターだ。
「やめてぇぇぇぇ!!!!」
雪恵が無駄だと分かっていても叫ぶ。そして、シャドウがその両手を振り下ろす…
振り下ろす直前に、赤い光球がシャドウを突き飛ばした。
『グッ!!?』
光が晴れたそこには、膝立ちのウルトラマンがいた。
その右手にはバリアが張られており、一夏やISコア達を保護していた。
「かーくん!!!!」
「カズキ!!!!」
『マスター!!!!』
自らを呼ぶ声に頷くと、一夏とISコアを雪恵達に向かって飛ばす。
「シュッ…」
気絶している一夏が現れると、セリーが直ぐに全員にバリアを貼って保護した。
『またか…またお前かぁぁぁぁ!!』
「フッ!?」
ウルトラマンが現れた事に激昂するシャドウ。上段回し蹴りを連続して放ってくるのを屈んで回避し、大きくバック転。
「フッ!シェアッ‼︎」
ジュネッスにチェンジして、対シャドウ・デビルに備える…
《ギャオォォォォ!!》
「グアァァァァ!!?」
シャドウに集中していたウルトラマンは、パンドンの火球攻撃を背中に喰らってしまう…
『フンッ!』
「グオッ!?」
その隙を逃すシャドウでは無い。
動きが止まっているウルトラマンの腹部に、勢いを乗せた回し蹴りを放つ。
『どうやって腕と脚を治したか知らないが、ダメージまでは消せていないようだな!動きが鈍すぎるぞ!!』
シャドウは勢いよくウルトラマンを蹴り上げると、自らも上昇。動きの鈍いウルトラマンに怒涛の連続蹴りを放つ。
『ハァァァァァ!!!!』
「グッ⁉︎グオッ!?グアァァァァ!!?」
連続蹴りの最後にかかと落としを決め、ウルトラマンを大地に叩きつける。
『デュアッ!!』
「グオッ!!?」
何とか立つウルトラマンを、今度はパンドンがその鋭い嘴でど突く。
《ギャオォォォォ!!》
「グアァァァァ!!?」
『速報です。現在、IS学園が宇宙怪獣と謎の巨人に襲われています』
何気なくニュースをつけたダンの耳に、とんでもないニュースが入ってきた。
『現在、ウルトラマンが奮戦しておりますが…状況は良くありません。付近の住民は、急ぎ避難を…』
そこまで聞いて、ダンは懐にあるアイテムを入れて駆け出した。
…正直、サブタイ変えた方が良いか悩んでいます。
だってほぼパンドン出てないし。
変えるとしたら【大隊長-ケン-】になるんですけど…
どちらが良いですかね?