人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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本っっっっ当にお待たせしました!

上手く文字に出来なくて…こんなに間が空いてしまいました。

申し訳ない…


Episode106 運動会-アスレチック・ミート-

「さて、楯無。言い訳を聞こうか」

「楯無さん、私に何の説明もなく実行した言い訳を聞かせてほしいな♪」

「…焼かれる前に早く答えろ」

「ちょ、みんな冷静になって!お願いだから!」

一樹ファミリーに詰め寄られている楯無。

事の発端は今朝、朝礼で楯無が発表した事にあった。

なんと、【1年生対抗一夏争奪代表候補生ヴァーサス・マッチ大運動会】の開催を発表したのだ。

賞品である一夏とルームメイトになる資格を懸けた、乙女たちの仁義なき戦いを開催すると!

…現ルームメイトの雪恵の断りなく。

それを知った一樹と雪恵、セリーが生徒会室に乗り込んだのだ。

「最近はマシになったと思えば…またボコボコにされたいのか?」

「学園祭をきっかけにマシになったと思ったのに…失望しました」

「ねえ、焼かれるのと呼吸困難、どっちが良い?」

「お願いします理由を話すので落ち着いて下さい!後セリーちゃんのはどっちを選んでも死んじゃうわよ!!?」

命の危機を感じた楯無が、必死で説得しようとしてる側では…

「あ、弾君からメールが…」

「あ〜、お茶が美味しい〜」

「おいおいのほほんさん、袖に溢れるぞ…」

最近出来た恋人からのメールを見る虚に、我関せずの本音に…現実からひたすら目を逸らす一夏がいた。

「お願いだから誰か助けてよ!後虚ちゃんに抜け駆けされてた!!?」

「…弾君をお嬢様の様な害悪に近付ける訳には、いきませんから」

「ねえ虚ちゃん、あなた仮にも私の従者よね?」

「うるさいです。このヘタレなんちゃって最強」

「ガハッ!?」

「悔しかったら織斑君や櫻井君に一撃喰らわせて下さいよ…その日がお嬢様の命日になるでしょうけど」

「笑えない冗談はやめて!!?」

「…茶番は終わりか?」

「逃げれると思った?」

虚にツッコミを入れながら、ゆっくり一樹達から離れようとしていた楯無。

だが、その肩を()()()掴む一樹とセリー。

「……」

ダラダラ汗をかく楯無。

「「喋れ」」

「話して下さい」

「…はい」

 

 

「要約すると、代表候補生の面々が一夏のマネージャー的なのになりたいと言い出し、それを黙らせるために今回の案を出した。雪には後で何か土産を持って謝罪するつもりだった…か?」

「大体そんな感じです…」

「オッケ分かった。ちょっと更識さん以外の候補生シバいてくる。セリー手伝ってくれ」

「ラジャー」

袖まくりをしながら生徒会室を出ようとする一樹とセリーを慌てて止める楯無。

「お、落ち着いて櫻井君にセリーちゃん!」

流石に見過ごせなくなったのか、一夏も止めに入る。

「か、一樹!お前のシバくはシャレにならんから!落ち着け!」

 

ブチッ

 

「…ブチッ?」

「そもそも…」

ガシッ、と一夏を掴む一樹。

阿吽の呼吸で窓を開ける雪恵。

「テメエが唐変木だからだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「え、ちょっ!?」

一夏を持ち上げ、窓際に寄ると…

「ウルトラハリケェェェェェェェェェェェェンッ!!!!!!!!」

「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?」

高速回転させながら、窓から放り投げた。

あまりの回転に、竜巻が起こる。

更にセリーから火球を受け取り、大きく腕を引いて…

「ガァルネイトォ…」

熱線に変えて突き出す!!

「バス、タァァァァ!!!!!!!!」

「「「嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」」」

ギャグ漫画のノリで撃ち出された熱線は、空中でコマの様に回る一夏に見事命中。一夏は弾けた。

慌てて窓に駆け寄る楯無と布仏姉妹。

「ちょ!?櫻井君!!?そんな事したら一夏くんが!!?!!?」

「心配すんな。5秒待て」

5…

4…

3…

2…

1…

 

ガラッ

 

「あぁ!!死ぬかと思った!!!!」

生徒会室の扉を開けた黒コゲの一夏を見て、楯無と布仏姉妹がずっこけた。

「な、なんなのコレ!?」

「「「『これぞライトノベル主人公(的な男を含む)が持つ【ギャグ漫画属性】だ!!』」」」

「一夏くんは確かにラノベ主人公(二重の意味で)だけども!ギャグ属性は無かったわよね!?」

楯無のツッコミが、悲しく響いた…

 

 

そして、大会当日…

「それでは!これより1年生による代表候補生ヴァーサス・マッチ大運動会を開催します!選手宣誓は織斑一夏!」

「俺ぇぇぇぇ!!?」

ズビシ!と楯無に指名された一夏。

事前に聞いてなかったので、当然反論しようとするが…

「ぐだぐたうるせえさっさと行けやこの唐変木!!!!」

「おわぁぁぁぁ!!?」

例によって大運動会の準備の手伝いをさせられた一樹の、怒りの砲丸ならぬ一夏投げで壇上へとあげられた。

「え、えーと…」

仕方なくやろうと振り返る一夏。

「うっ…」

IS学園の体操着はブルマである。

故に、女子生徒達のすらっとした美脚やヒップラインが目に入ってしまい、流石の一夏も言葉が止まる。

「せ、宣誓!お、俺達は!スポーツマンシップに則って!正々堂々戦う事を誓います!」

それでも…顔を真っ赤にしながらも、何とか選手宣誓を終えた一夏。

ドッ!と拍手が起こり、一夏を讃える声の数々。

そして運営席に戻り、相変わらず黒地の長袖長ズボンのジャージを着た一樹の隣に座る一夏。

「まあ、運動会の宣誓としては充分じゃねえか?」

「他人事だと思いやがって…」

「実際他人事だし…ってか、お前まさかのブルマ好きなの?」

「違う!」

「じゃあ姉系女子が好き?」

ガタッ!と近くで音がした。

「お前の聞き方には悪意を感じるぞ⁉︎否定もしないけどな!」

近くで嬉しそうな息遣いひとつと、ため息ひとつが一樹には聞こえた。

「…じゃあ、妹系女子は?」

ガタタッ!と選手控え場所から物音が聞こえた。

「うーん…俺自身が下の子だからな。相性は悪いんじゃないか?」

ズゥーン…と、何処かのテンションがダダ下がりした。

黒髪ポニーテールと、水髪セミロング辺りが。

「…お前も上の子下の子の相性とか気にするのか?」

「それなりには。まあ…そんな相性とか気にして人を好きになる訳じゃないだろう?」

パアァッと黒髪ポニーテールと水髪セミロングの雰囲気が明るくなった気配を、一樹は感じた。

「…お嬢様系は?」

ガタッ

「…正直、苦手だ」

ドサッ

…どこかで人が倒れ、「衛生兵!衛生兵を呼んで!」と叫ぶ声がした。

「お嬢様系って、バリバリの女尊男卑が多いじゃん?だから苦手だ」

どこかで「AEDを!AEDを誰か持って来て!」と叫び声がする。

「…じゃあ、女尊男卑思考じゃないと仮定したら?」

「うーん…価値観の違いでダメになる様な気がする」

どこかで「レスキュー隊を呼んで!」と阿鼻叫喚になっている声が聞こえる。

「けど、そんな身分を越えて恋愛出来たら、凄えと思うな」

シャキーン!と何かが復活した効果音がした。

「…現段階のお前の好みは?」

「何より暴力を振らないこと!」

ズゥゥゥゥゥンッ!

一気に空気が重くなった。

それを横目に、更に一樹は質問する。

「性格は?」

「気楽に話せる人が良いよな」

「…スタイルは?」

「良いに越した事はないよな」

ズゥゥゥン…

3人程トドメを刺しただろうか?

「料理は?」

「出来てくれた方が嬉しい。一緒に作ったりとかな」

「…聞けば聞くほどさ」

「ああ」

「姉って部分以外だと、佐々木が当てはまるんだけど?」

視線が一気にある一点に向かった気配がする…

「綾音?まあ、確かにアイツと話してると楽しいけど…恋愛にはならないかな」

「それはそれで失礼な気がする」

どこからか「織斑君のバカー!!」との叫びが聞こえた一樹。

「(まあ、これから頑張れ。スタイルの件は…すまなかった)」

「「「謝るな!惨めになる!」」」

 

 

第1競技、短距離走。

「どきなさーい!」

持ち前の運動神経で他の走者をぶっちぎった鈴。

「おおっと!いきなり凰鈴音率いる桃組がポイント先取!」

「相変わらず身軽ですね、アイツは」

実況は新聞部エースの黛薫子と、何故か座らされた一樹が担当している。

「さて、一夏感想言ってやれ」

「え?えーと…鈴は身軽だし、いいんじゃないでしょうか?」

「それじゃ櫻井君と同じじゃん!もっと熱いの頼むよー、主役なんだから!」

そんなこと言われても…と一夏は項垂れる。

「(とりあえず褒めとけ。でないと今日は話にならないっぽいし)」

マイクに拾われないよう、小声で話す一樹。そんな男子2人の距離感を見て、一部の女子の鼻息が荒くなったが、モード発動の雪恵のO☆HA☆NA☆SHIを喰らい、セリーに焼かれていた。

「えっと…可愛くて良いと思います」

何とか捻り出した言葉に、女子達のテンションは100上がり、スーパーハイテンション状態となった。

…ちなみに褒められた当の本人は、ボフンッ!と煙を出して赤くなっていた。

「…よし!紅組の2番手は私自ら行こう!」

紅組団長の箒がハチマキを強く締めながらスタート位置に移動しようとする。

「あー!篠ノ之さん、自分も褒められようとしてるでしょー?」

「なっ…!?わ、私は点差を広げないためにだな…!」

「またまた〜!」

数人の友人にツンツンされている箒の側では、蒼組団長のセシリアが入念なストレッチをしていた。

「わたくしには勝利こそが華、わたくしという華には勝利こそがふさわしいのですわ!」

それを見て、一樹ファミリーがうわあ…と顔を引きつかせていたのは目に入っていない。恋する乙女は、いつだってただ一点しか見ていないのだ。

…成就してない者は、と注釈が付くが。

「僕だって負けないよ!」

そのまた隣では、金組団長のシャルロットが大きく手を伸ばして背筋をほぐしていた。

「ぷはっ」

息を吐いた所で、形の良い胸がぷるんと震えた。

「おおっと!金組団長シャルロット・デュノア!いきなり色仕掛けか⁉︎」

それを目ざとく見つけた黛が囃し立てる。

「え⁉︎ち、違う!僕は…!」

「抜け目ない!流石抜け目ない!元フランス代表候補生であり現企業代表候補生のシャルロット・デュノア!」

「違うのに〜!」

必死で否定しながらシャルロットが一夏を見ると…

 

「「スピー、ド!!」」

 

中々競技が進まなくて退屈していたのか、同じく退屈していた一樹とスピードをしていた。

見てないのは見てないのでむっとくるのが乙女心である。

「ちょっ!男子2人揃って何やってんの!?ちゃっかりマイクの電源切ってスピードやらないで!!?」

漸く2人の様子に気付いた黛がツッコミを入れる。

「すみません今話しかけないでください!接戦なんです!」シュバババ!

「中々競技が始まらないのが悪い!それに安心しろ…すぐに」シュババババ!

目にも止まらぬ速さでカードを置いていく2人…いや、若干一樹の方が速い。

「あがるから!」バンッ!

「ああ!?また負けた!!?」

二重の意味でスピード決着した。

「ああもう!始めるわよ!オン・ユア・マーク…セット、ゴー!!」

ヤケクソ気味に開始宣言をする黛。

ジッとその時を待っていた箒とセシリアは猛ダッシュ。

「は?え?ちょっ!」

完全に出遅れたシャルロットが慌てて走りだそうとするも、足が絡まって転んでしまう…

 

ビタンッ!!!!

 

「いったぁ…」

はるか前方では既に箒とセシリアがゴールしていた。

しかも、膝に擦り傷を作ってしまった。

そんなこんなで気持ちが沈んでいるシャルロットに、一夏が近付いた。

「シャル、大丈夫か?凄い音したけど…怪我はしてないか?」

「え、えっと…」

「あー、擦りむいてるなこりゃ。救護室まで運ぶから背中に乗ってくれ」

そう言ってしゃがみ、シャルロットに背中を見せる一夏。

「え?乗っていいの?」

「おう。その怪我じゃ、足が痛むだろ?」

「じ、じゃあ…お言葉に甘えて」

ドキドキしながら一夏の背に乗るシャルロット。

「(えへへ…結果オーライだね♪)」

1位を取ったのに褒められなかった箒は地団駄を踏み、華を失ったセシリアは濁った目でシャルロットを睨んでいた。

「ふむ…アレが効果的なのか」

「…アレは、是非やってもらいたい…ジーっとしてても、ドーにもならねえ」

簪、君がそれを言うのは色々マズイ。

何か思案顔でスタートラインに並んだ。

『ゴー!』

ピストルの破裂音と同時に飛び出す女子一同。

しかし…ラウラと簪はわざと転んだ。

「衛生兵!衛生兵はどこだ!?」

「いたいよー」

一夏に運んでもらおうと必死でアピールする2人。

だが、一夏は動かない。何故なら…

「…そんなに怪我したいなら、手伝ってあげる」

顔を怒りに歪ませたセリーの念力によって、2人があちこちに投げられているからだ。

「セリー、しつけをするのは大事だけど、投げる場所は考えてやれよ?」

隣で冷や汗を流しながらセリーに言う一樹。

「…本当はあの木に投げてやろうと思ったんだけど、カズキがそう言うならやめる」

「(あっぶね⁉︎間に合って良かった!)」

セリーが指す木は、とても鋭利だ。

そんな木に投げられたら、一樹はともかく2人は…考えるだけで恐ろしい。

「(ちょっと雪とセリーの育て方を相談するべきだな…ミオ、連絡よろ)」

『さ、流石にコレは危ないからね…冗談であってほしいけど…セリーちゃんのことだから、きっと本気だよね…』

緊急会議を行う事を決めた一樹とミオ。

結局、第1競技である短距離走は鈴の桃組が1位をマークした。

 

以下、大雑把な流れを…

 

第2競技、玉撃ち落とし。

自動射出機から撃ち出される玉をひたすらISで撃ち抜く競技だ。

尚、小さければ小さい程点数が良い模様。

しばらくは雪恵を除く代表候補生’sで競っていた。そして、点数がほぼ平坦になった所で…

『はい!ここで妨害入ります!機体を展開した櫻井君が攻撃した玉の点数分、全チームの獲得点数が減っていきます!もちろん!マイナスになる事もあるから、ひたすら玉を撃ちまくれ!』

と楯無が言った瞬間、フルバーストで舞っていた全ての玉が撃ち落とされた。

…今まで貯めてきた点数が一気にマイナスになったことで、代表候補生’sが発狂しかけた。

『…ちなみに、櫻井君を倒せたら、今まで奪われた点数が纏まって1チームに行くわよ?』

楯無がそう言った瞬間、フリーダム目掛けて射線が集中する。

無論あっさり避けられ、代表候補生’sは一樹のストレス発散のために振るわれたビームサーベルで全滅した。

結果、全チームの持ち点数はとんでもないマイナス数値まで落ちる事になった。

 

 

第3競技、軍事障害物走。

『読んで字の如く!まずは櫻井君にお手本を見せてもらいましょう!』

『おいコラ待て。せめて大雑把に説明してくれないと見本を見せようにも出来ねえよ』

『あ…アナウンスに合わせて走ってくれると助かるわ』

『へいへい』

そんな声がスピーカーから聞こえると、本部テントから気だるげに一樹が出てきた。

『まずは分解されたアサルトライフルを組み立て「終わったぞ」って早すぎよ⁉︎せめて説明が終わるまで待って!?』

一瞬でライフルの組み立てを終えた一樹にツッコミを入れる楯無。

一樹はため息を吐くとテクテクと次の場所に向かった。

『く、組み立てが終わったらそのライフルを持ちながら3メートルのはしごを登ります。櫻井君?』

「ほい」

ライフルを左手に持ち、右手ではしごの1段を掴んだと思ったら…ひと飛びではしごを登りきった。

1組の生徒はもっと凄いものを見ていたために、平静を保てられたが、初めて見た楯無は無理だった。

『……つ、次はバランスを取りながら5メートルの鉄骨を歩きます!』

「よっと」

特に助走も付けずに鉄骨を飛び越えた一樹。

『…もうお手本もへったくれも無いけど!ポールで落下します!』

これは特にアクションをする事も無く、一応右手をポールに添えると、そのまま飛び降りた一樹。

『着地したら匍匐前進で網を抜けます!勿論ライフルは両手で抱えてね!』

普通なら数十秒かかるものを、僅か数秒で終わらせた一樹。

『さ、最後に実弾射撃です。弾は1発だけ!外すとまた取りに行かなくてはなりません!』

「…」

拳銃と同じように構えて、的の中心を撃ち抜いた一樹。

『後は…ゴールまで走るだけです…』

スタスタとゴールまで歩くと、麻耶にライフルを返し、本部テントに戻った一樹。

『…以上がこの競技の流れです。みなさん分かったわね?お願いだから櫻井君の真似はしないでね?怪我するから』

「「「「出来るか!!」」」」

 

 

第4競技、騎馬戦。

確かに運動会の定番競技だが、女子がやるものではない。

「ふっふっふ…見てろよ一夏!私の軍隊仕込みの連携で…」

「おいアホ兎。その手に握ってるナイフは没収だ」

不敵な笑みを浮かべるラウラの手から、一樹はナイフを回収した。

「ああっ⁉︎私の武器が⁉︎」

「ふふん!ざまあないわねラウラ!

「お前もだアホ。騎馬役の子の影に隠してる青龍刀は没収だ」

ラウラが武器を取られたのを鼻で笑う鈴から、青龍刀を回収する一樹。

「ああっ⁉︎見つからないと思ったのに!」

「ふんっ!汚い手で勝とうとするからだ!」

「その言葉はまんまブーメランだよ馬鹿」

これまた騎馬役の女子に隠していた日本刀を回収する一樹。

「き、貴様!武士の魂を…」

箒の言葉は最後まで続かなかった。満面の笑みを浮かべるセリーの掌が、眼前にあったから。

「…カズキに、何か用?」

ブンブン首を振る箒。

そのまま反発したら、魂どころか命が奪われかねない。

「もう!みんなダメだよ!」

「……」

「…ごめんなさい」

シャルロットに関しては、一樹の無言の圧を受け、自分から隠し持っていた円月輪(チャクラム)を渡した。

「さて…おいオルコット。いい加減隠し持ってる狙撃銃を渡せ」

ギクッ

…始まる前から、騎馬戦は一樹の胃を痛めるのだった。

 

 

昼休みは、謎の胸騒ぎがしたために一樹は一夏の誘いを断り、雪恵とセリーと平和に「ぎゃあぁぁぁ!!?」…平和に過ごした。

 

 

午後の部、コスプレ競争。

『言葉のままよ!けどコース内容を見てもらいたいからある人にコスプレをしてもらって走ってもらいたいのだけど…』

チラリ、と楯無が本部テントを見る。

「セリー…そっとだぞ、そっと」

「もう、少し…」

「ああ!それ取ったら崩れちゃう⁉︎」

…一樹ファミリーはジェンガをしていた。

それはもう、楯無がかつて見た事が無い程高く積まれている。もはやどこまで高く行くかを協力して目指している程だ。

『なんかコスプレ競争よりこっちの方が気になる!』

「「「阿保言ってないで早く競技始めろ!」」」

 

 

最終結果…

『えー…非常に白熱した本大会、優勝したのは…』

ドクンドクン、と生徒たちの心臓の音が響く。

楯無の発表は…

『…いません』

「「「「…は?」」」」

『だから、優勝したチームはありません。どのチームも点数がマイナスのままなので…しかも同点』

…まるで一樹が玉撃ち落としの時、こうなるのが分かっていたかと思うほど、点数は綺麗に並んでいた。

『だから…同じクラスに、ルームメイトになる資格も、全部無しです…まあ、みんな平等ってことで、ね?』

「「「「そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?」」」」




じ、次回はなるべく早く上げたいなぁ…

頑張ります、はい。

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