今後の誰かへ
よう。初めましてか?
これを見て読めるって事は俺と同じ日本からやってきた人物って事になるな。
まぁそれと同時に、
これを読んでるって事は多分俺はもう死んでるか、それとも元の世界に戻ってるってわけなんだが、そこんとこ理解して読んでくれたらいい。
いきなりで何が何か理解できないと思うが大丈夫。
俺も最初は理解できなかったからさ。
でも、理解して進むしかないだろうから、参考になればと思い筆をとってみたわけだ。
俺にしては似合わないような事をしているんだがな。
まずは何から書こうか。
そうだな、まずはこの世界についてでも書いておこう。
お前がいた世界。そことは完全に別個体として存在するもう一つ世界と思ってくれていい。
簡単な言葉にするなら【異世界】って事だ。
どうだ?興奮するだろ?
でも勘違いするなよ。
異世界だからと言って何でもありかというとそうじゃない。
これは普通に現実だし、怪我や病気が原因で普通に死ぬ。
それは元の世界と何ら違いはない。
じゃあどう異世界なのかというと、そうだな。
お前が経験したかどうかはわからないが、まず生きている生物や生態系が元の世界と違う。
気になるなら色々と見てみるといい。
一言で表すならファンタジーだ。そこらへんは向こうの常識が一切通用しない。
それに異世界というだけあって、この世界にはレベルやスキル、魔法という存在がある。
他にもあるが気になるなら勝手に調べろ。
全て教えてしまうと楽しみがなくなるだろ?
次はレベルからだな。説明しておこう。
向こうの世界と違ってこっちの世界ではレベルという概念に沿って生活している。
例えば生まれたばかりの人間はレベル1という形だ。
勇者だって例外じゃない。
こちらに召喚されたばかりの時は漏れなく全員レベルは1だ。
ただの一般人より弱い。
それが例えガタイが良いボディビルダーであっても、ポッキーのような小学生くらいの丸メガネ君に単純な力勝負でなら負けるのだ。
ふざけてるだろ?
こういう部分が向こうの常識を元にすると当てはまらないファンタジーだ。
大まかにレベルの詳細を分けると
体力、技力、魔力、攻撃力、防御力、精神力、速さ、賢さ
これらがある。
これらは年月を得て成長するにつれ上昇していく。
でもこれが本筋じゃない。
年齢でも成長するが、モンスターとの闘いでも敵を倒すと経験値を得て成長する。
どちらが本筋かと言うと後者だ。
どうだ?wiki並の攻略知識に感謝しろよ?
ふざけんなというツッコミはまだまだ抑えてもらいたい。
お前が今どれくらいの強さかは頭の中でステータスと念じればいいだろう。
そうすれば今のお前の強さがわかるはずだ。
今の俺達でだいたいレベル250前後だ。
それがどれくらいの強さかと言うと、レベル200程度あればそうだな。
向こうの世界で言えば酸素がきちんとあると仮定して、物理的に素手で攻め入った場合、
アメリカ、ロシア、中国程度なら核を使用されたとしても単騎で全ての軍事力を前にして落とせるぐらいの実力だと考えてくれればいいだろう。
まぁイメージしにくいだろうな。
もっと単純にする。例えばだ。200まで行かなくても途中で体験できるのを羅列していこう。
角材で頭をぶん殴られたとしても、角材の方が勝手に折れる。
ギロチンで首を落とそうとしても、ギロチンの刃が折れる。
ようはそんな感じの現象がレベルが上がると経験できる。
まぁ全部俺の実体験なんだがな。
おっと、何をしたんだ?とか言うヤボな事は言うなよ?
男なら誰もがやる、覗きだ。
ただ、覗いた相手が少し悪かっただけなんだ。
一度目はビンタ、二度目はパンチ、三度目に角材、四度目にギロチンってな具合だ。
流石に覗きでギロチン台に上がるとは予想もしてなかったけどな。
それで、だいたいの目安なんだが
一般人でレベル5
兵士で20
冒険者で25
これくらいだと判断できるかもな。
中には飛びぬけてレベルが高い奴もいるし、逆にレベルが低い奴もいるが、それは極一部の者たちだ。
続いてスキルだ。
これは魔法とは別で、そうだな、居合い斬りや正拳付き
こういう向こうで言うところの技と思えばいい。
なんでこんなのがあるのかって?
普通に正拳突きを打ったとしても、それはただの突きだ。
まぁそれでも俺達レベルになれば適当なパンチで壁をブチ抜く程度なら簡単だけどな。
本題に戻ろう。例えば木があると思ってくれ。
スキルに対してEPという物を消費して同様に突きを行うとしよう。
すると、最初はただの正拳突きでは木を揺らすこともままならないはずだ。
それがEPを消費してきちんと打った場合、木を殴り倒すことができる。
どうだ?凄いだろ?
ぶっちゃけ山田が数日前に≪千手の破壊≫というのを使っているのを見たが、まぁまぁエグかった。
殺しても殺しても再生するモンスターが居たんだが、あまりにしつこい再生能力のため、山田がキレたんだ。
そいつを空間のような物に閉じ込めたあと山田がスキルを放った。
まぁただのパンチなら意味がないだろうが、EPを消費しているんだ。
ただのパンチじゃない。どうなったと思う?
「いい加減死ね!つか消えろ!再生するならそれ以上に引き千切ってバラバラにして、苦痛を与えてやる。
殺してくださいって頼みたくなるような地獄を見せてやるよ!」
こんな事を言いながら、山田の周囲に現れた金色の千手が、再生するモンスターへと襲い掛かった。
まぁそれでも再生するんだが、片っ端から触れる拳部分、そこから相手を肉片に変えていったんだ。
勿論再生すると言ってもモンスターは苦痛を受けるわけだ。
最終的には生きる意志というのが消えて、生きているのに全く動かなくなった。
あまりにも可哀想だったので、最終的には俺が肉体の欠片も残さずに魔法で魂の浄化をして殺してやったんだがな。
せめてもの慈悲って奴だ、勇者なのに悪魔の所業だなんて言うなよ?
まぁそんな事ができるのがスキルってやつだ。
続いて魔法だ。
まぁ向こうの世界で言えば超能力の類と思えばいいだろう。
テレキネシスやパイロキネシスだ。
それがこちらでは魔法という名前と形を取って、任意で具現化できるという意味だ。
どうだ?魔法なんて夢みたいな話だろ?
俺も最初はテンションが上がったが、修得時に夢ならよかったと後悔した。
ぶっちゃけ死ぬかと思ったくらいだ。
それは追々自身で経験してくれ。楽しみにしている。
一応一緒にやってきたバカな連れ共は「弱い!弱すぎるぞ!」とか「俺最強!」とか黒歴史満載な事を言いながら今はモンスター共に向かって魔法をぶっ放してるんだがな。
そうそう。
この魔法とスキルの違いなんだが、言葉にするならこれだな。
スキルは自分の内側のエネルギーを使用して形にする。
魔法は周囲のエネルギーを使用する。
魔法についてもうちょっと書くと、周囲から力を借りて制御に対してエネルギーを使用というのがわかりやすいだろう。
魔法以外にも上に書いたようにモンスターという敵が存在する。
正直モンスターの理屈なんて理解できないし、しなくていい。
単純に言えば野生動物と思えばいいんじゃないか?
俺はそう考えてる。
それにパッシブモンスターもいれば、アクティブモンスターも居る。
パッシブというのは、こちらからアクションを起こさない限り手を出してこない。
それに愛玩用モンスターもそうだ。
アクティブモンスターに関しては、見つかれば本能赴くままに攻撃してくる。
まぁパッシブモンスターも攻撃しようとすれば勿論反撃してくるがな。
とりあえず俺らが呼ばれたのは世界の危機が訪れるという事で召喚されたわけなんだが、何か倒せって指示があるからモンスターを殺してるわけ。
こっちの世界の住人は俺達の事を勇者だの勇者の欠陥品だのと言うが、簡単にするなら身入りが良いハンターだと認識した方が早いな。
ただ、正直気分が良い物じゃない。
だってそうだろ?
平和に過ごしてる動物に向かっていきなり攻撃を仕掛けて仕留めるんだぜ?
普通の良心があれば抵抗感満載なアクティビティだよ。
それに一応モンスター達は殺せば減るし絶滅する。
ただ、この世界の言い分も説明しておく。
なぜ殺すのか疑問に思うだろうが、生態系のバランスだな。
向こうの世界でどの時代から召喚されたかは不明だが、こちらは文明が遅れている部分があったり、魔法のように進んでいたりする。
ここまで書けば理解したと思うが、モンスターを隔離するような技術の発展が行われていないんだ。
だから殺すという手段を用いて調整している。
増えすぎた動物は他の種を絶滅に追い込む可能性があるからな。
ただ、モンスターの中でも殺しても絶滅しないのが存在する。
まるでゴキブリみたいな存在だ。
危機をもたらしているのはこいつらだな。
殺さなければどうなるかという疑問が出ると思うが、殺さない場合は単純明快。
人間だけじゃなく、他の種族やモンスター共もこいつらが殺す。
それを防ぐ為に俺達が居る。
まぁ中には殺しても死なない奴もいるんだけどな。梶本って奴みたいに。
一回佐藤がキレて梶本を魔法で蒸発させたんだが、蒸気のように霧散したくせに
翌日しれっと戻ってきて隣で朝飯を食っていた。流石に俺も少し驚いたぜ。
お前の体はどうなってんだと。
お前が言うなと突っ込まれそうだが、釈明をしたい。
一言で表すなら
【勇者だから。】
不思議な言葉だろ?何かあれば基本これで済む。
でだ、この特殊なモンスターの根本を叩く為に【次元の狭間】という場所を探しているが、それがどこかは未だに不明だ。
早く見つかるといいんだが……
まぁ辛気臭い事は置いといて、この特殊モンスターが沸いたら俺らが召喚される。
要するにゴキブリ退治のバル○ンみたいな役目だと思えばいい。
伏せているのは商標とか色々あると思うんだ。
だから察してくれ。
最後に書いておくが、さっき書いた連れについてだ。
この記録を書いた原因の一つでもある。
俺はきちんと勇者召喚の儀で召喚された。
だから補正のような物が自身に掛かっていて自動的にこの世界の言葉や文字が理解できる。
しかし、連れ達は召喚の儀に失敗して中途半端に召喚されたんだ。
さっき書いた勇者の欠陥品と呼ばれる奴らだな。
勝手に向こうの世界から拉致ってきたくせによく言うぜ。
一回佐藤に対して限度を超えた扱いをした時に、マジでキレて王都の城の一角を消し炭に変えてやったのはいい思い出だ。
ついでに書くと、その時に中村がノリノリで王都から見えるヴェノム山脈一帯を自称≪トールハンマー≫って魔法で丸ごと吹き飛ばした。
一応伝説の魔法に分類されてしまったが、何の事は無い。
ネタを明かせば、≪サンダーボルト≫って魔法に馬鹿みたいにMPを突っ込んだだけのものだ。
本来≪トールハンマー≫はもっと威力が小さいし、俺達が使えば派手さは無いがシャレにならない威力が出る。
要するに魔法使いじゃないのに魔法使いを目指すそうとするバカだ。
だから自称≪トールハンマー≫ってわけ。
それを考え無しの脳筋スタイルってどう思うよ?
これで大魔導士様とか呼ばれてるんだぜ。
魔法使いって普通は古の知識とかどうたらがあるだろ?
そんなもんなくてただのゴリ押し。
やろうと思えばこれを書きながらでも俺ら全員できるっての。
俺は……まぁ全員脳筋になるのはある程度は基本的に仕方ないと思っている。
だって、次元の狭間の敵以外、弱すぎて話になんねぇもん。
脱線しすぎたな。話を戻そう。
王都から見える山脈が変に繰り抜かれているのはそういう理由がある。
その時の王の顔は引き攣っていたと記憶してるがな。
今のお前がどうかわからないが、ぶっちゃけ異世界から来た俺達が本気を出すと、この世界、俺らの中の誰か一人の力で死の星に変えるぐらいは簡単だ。
ただ、こんな力をもってしても次元の狭間から生まれる特殊モンスターとは良い勝負だ。
それだけヤバイ連中って事が理解できたか?
俺はこいつらを必ず皆殺しにする。
平山と斎藤の敵討ちだ。あいつらは俺らを逃がす為に死んだ。
次は俺らの番だ。一匹たりとも逃がすつもりはない。
世界中から探し出して絶対に絶滅させてやる。
勇者が私情で動くなと言われるだろう。言いたい事も理解できる。
ただ、勇者であっても人間だ。そこに感情はある。
こいつらを絶滅させるのは普段ふざけている奴ら達も含め、総意だ。
だから俺達は次元の狭間を探している。
お前が一人なのか複数人なのかは俺にはわからない。
ただ、次元の狭間から来るモンスターをなめるな。
そして許すな。
もし、俺達が死んで、代わりに召喚されたなら頼む。
あいつらを殺してくれ。
一応元の世界へと帰れる術を見つけたら書いていこうと思うが、今はまだ不明だ。
帰りたい気持ちもわからなくもないが、まずは言語を覚えながら強くなれ。
じゃなければ生き残れない。
話を戻すが、一応俺と出会った事によって不便さはある程度は無くなっているが、こいつらはこちらの世界の文字が読めないし、何を言われているか理解できなかった。
でも安心しろ。
一応このバカ共にも真面目に教えて読み書き修得させた。
山本は何度も城から脱走して手を煩わせてくれたがな。
その都度毎回探し出して半殺しにして城に連れ帰った。
やりすぎかと思うだろ?
でも安心してくれ、半殺しと言っても両手足を斬り飛ばして大人しくさせるだけだ。
中途半端に体力がある分、すぐに手足は再生魔法で治療すれば問題ない。
体を切り刻んでも体力が残っていたら何とかなる。
こういう部分がファンタジー感満載な部分だな。
まぁ、やはり文字が読めない、言葉がわからないというのは日常生活にさえ支障が出るレベルだと思う。
だから魔法なんかより、優先度は高い。
勿論途中で死んでしまったら意味がないから、言語だけをやれという意味じゃないがな。
これを読んでいるお前が儀に成功しているなら上の事は無視してくれていい。
ただ、連れ達のように儀に失敗して召喚されたなら何かしらの欠陥があるはずだから一通り調べておいた方がいいと思うぜ。
一応連れ達の欠陥を箇条書きしておく
・読み書きと聞き取りが最初は全くできなかった全員(修得済み
・成長が止まる不老(未解決
・死なない不死(未解決
・力の暴走制御不能(未解決 具体例→国一つを魔法で消し飛ばした
・性別逆転(未解決
・モンスターに異常に好かれる(好戦的モンスター含む
まぁ軽く思い浮かべただけでこんなもんだ。
お前に何の欠陥や能力があるかは俺にはわからないが、参考になれば書いた甲斐があるってもんだな。
もう一度書くが、お前はこの世界の人間じゃない。そしてこの世界は現実だ。
遊びじゃないし、HPが無くなれば死ぬ。
死ねば命は失われる。
そこだけわかっていれば何とかなると思う。
いきなりぶっ飛んだ事を書いたと理解しているが、
例えそれを認めようと認めなかろうと今のお前にはどうにもできない。
だからこそ自身の頭で考え、力と行動を持って最善を尽くせ。
ここまできちんと読んだならツッコんでいいぞ。
ふざけんじゃねぇぇぇ!!
はい!プリーズアフタミー。
大丈夫。みんな通った道だ。安心しろ。
んじゃな。どこの誰かはわからないが元気でやれよ。
P.S
次元の狭間はこの手記を書き出してから封印した。
だから消せる部分は消してある。
ただ、この手記は廃棄せずに残しておく。
この世界の権力者達は元の世界の政治家と何ら変わりはない。
俺自身が下手に権力を持っているから尚更わかる。
正直クソな奴ばかりだ。
そんなクソな人間達によって勝手に召喚された被害者の事を考えることにした。
万が一次の奴らの為に少しでも参考になればと思い廃棄しないほうがいいだろうとの判断だ。
あと、この日記は俺の嫁に預けている。
という事で手を出したら死んでも殺しに行くから手を出すなよ。