NARUTOの特典を得た男が間違って白兎に憑依した!? 作:▢▢さん
オッタルとの死闘を乗り越えた俺は
とりあえずこの階層にある湖に向けて歩いていると、その途中一人のエルフの少女と出会う。
「貴方は一体誰ですか!?」
俺の姿を見て声を荒げながらそう言って来るエルフの少女の名前はレフィーヤ・ウィリディス、二つ名は【
こいつがいるという事は【ロキ・ファミリア】の遠征の帰りという事なのだろうが俺には関係無いため自分の目的を話す。
「俺の名前はベル・クラネル、この先にある湖で水浴びをしようと向かっているだけだが?」
「あなたの姿を見てその言葉を信じろ、と?」
そう言いながらキッと俺の事を睨み付けているのだろうが全然怖くない。
だが、彼女の言葉通り自分の姿を確認すると・・・。
オッタルとの戦いでボロ布と化している服は俺の流した血によって更に酷いものとなっている。
「・・・この格好じゃダメな訳?」
「ダメに決まってるじゃないですか!?」
レフィーヤは信じられないという顔をしながらそう叫ぶ。
すると、レフィーヤの後ろから三人ほど団員がやって来る。
「どうしたの、レフィーヤそんな大声出して?」
「何かあったの?」
「レフィーヤ?」
そう言いながら現れたのは【ロキ・ファミリア】の
三人の登場にレフィーヤは俺に指さしてこう言って来る。
「アイズさん、ティオネさん、ティオナさん!!不審人物です!!」
この時、俺は軽くイラッとしてしまった。
レフィーヤの言葉を聞いて三人が俺の方を見てくる。
すると、ティオネが俺にこう言って来る。
「アンタ、何者?」
そう言いながらも目を細め観察をしてくるのと同時にいつでも迎撃できるようにしている。
他の三人も同様だ。
それに対して溜息を一つ吐き俺はさっきレフィーヤに言った事を繰り返す。
「俺の名前はベル・クラネル、この先にある湖で水浴びをしようと向かっているだけだが?」
俺がそう言うと、ティオネはこう言ってくる。
「ここで少し待っててもらえるかしら、この事を団長に知らせてくるわ。」
その発言に対してレフィーヤが「ティオネさん!?」と驚愕の声を上げる。
「しょうがないでしょ、このまましておくのも忍びないし。無理やり通られるのも余計な騒ぎを生みかねないわよ。」
そう言って来るティオネの正論に対してレフィーヤは口を閉ざしてしまう。
ティオネは報告をするために拠点に戻っていく。
その間、俺は近くに生えている木を背にして座り込んで鞘から草薙の剣を抜く。
剣身はあの剣戟で刃はボロボロになっていた、これは帰ったら研がないといけねぇな。
そう考えていると、アイズが話しかけてくる。
「ねぇ、君の剣どうしてそんなにボロボロなの?」
「少し、色々あってな。」
アイズの問いかけに俺は素っ気なく答えながら剣を鞘に納める。
すると、次にティオナがこう言って来る。
「そう言えば自己紹介がまだだった!私はティオナ・ヒリュテ、よろしくね!!」
「私はアイズ・ヴァレンシュタイン。」
「・・・レフィーヤ・ウィリディスです。」
ティオナは笑顔で、アイズは普通に、レフィーヤは警戒をしながらに自己紹介をしてくる。
「あぁ、よろしく。改めまして、俺の名前はベル・クラネルというものだ、よろしく。」
俺も自己紹介をしていると、ティオネと共に【ロキ・ファミリア】団長にしてlevel6の第一級冒険者である【
「やぁ、君が湖で水浴びをしたいって言う冒険者かい?初めまして僕は【ロキ・ファミリア】団長のフィン・ディムナだ、よろしく。」
「こちらこそ初めまして、俺は【ヘスティア・ファミリア】団員のベル・クラネルと言います、遠征帰りの休息の最中にお邪魔をして申し訳ない。」
「いやいや、町の方だとアレだしね。」
「えぇ。」
フィンはそう自己紹介をしながら手を差し出してくる、それを見た俺もそれに応えて手を出して握手をする。
街の話はまた今度にしておこう・・・。
「それにしても【ヘスティア・ファミリア】と言ったかい、聞いた事が無いファミリアだね。」
「えぇ、まぁ。」
顎に手を当ててフィンの問いかけに俺は生返事で返して流しながら続けて俺はこう言った。
「それよりも、湖で水浴びをしたいんですけど・・・。」
「あぁ、そうだったね。行って来るといいよ。」
その言葉にフィンがそう言い、俺は湖へと歩いていくのだった。
湖に着くと、俺は草薙の剣を神威の時空間に戻した後血塗れの服を脱ぎ捨てて湖の中にへと飛び込み、ザバンッという音と共に水飛沫が上がるとすぐに水面から顔を出して頭を振って水滴を飛ばす。
そして、すぐに岸に上がって熔遁チャクラモードになって体に付いている水分を蒸発させ、上の服はもう着られないため熔遁チャクラモードのまま触れて燃やした。
その後、ズボンだけを穿いてから印を結んで術を発動させる。
『忍法・迷彩隠れの術』
術が発動し、俺はスゥーッと姿を完全に消した。
それを確認した俺は地上に向かって走り出すと、十七階層に入るとさっき素通りした大広間〈嘆きの大壁〉の壁が崩壊し、
「ゴアアアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
巨人の雄叫びが大広間に響く、俺は姿を消した状態のままその雄叫びに耳を貸す事は無い。
俺はある事を階層主に試そうとしている、その為には自分の中にいるもの達と話をしなくてはならないので、自分中心に透明な結界を張ってその中に座り込む。
そして、精神世界にへと意識を沈める。
次に、俺が目を開くとそこには九匹の尾獣がいた。
「小僧、貴様が儂らの宿主という事か。」
九尾こと九喇嘛が最初に口を開き、そう聞いてくる。
「あぁ、そうだ。」
その問いかけに俺は正直に答える。
すると、九喇嘛の隣にいた八尾こと牛鬼がこう言って来る。
「なら、お前は俺達の人柱力って事になるのか?」
「あぁ、そうだ。」
牛鬼の問いかけに俺は即答する。
すると、二尾こと又旅がこう問いかけてくる。
「あなたは私達を宿して何をしようというのですか?」
目的は何かと聞いてくる又旅に対して俺はこう答える。
「俺の友達になってくれないか?」
手を差し伸べながらそう言った俺に対して尾獣達は驚愕する。
すると、一尾こと守鶴がこう言って来る。
「ヒャーッハッハッハッハッハ、コイツは面白れぇな!!オイ、九尾アイツ等と同じこと言ってやがるぜ!!」
守鶴は俺の事を指さしながらそう言っているのに対して九喇嘛がこう口を開いた。
「フン、確かに友達になってくれなんて馬鹿みてぇなことを言うのはアイツ位と思っていたんだがな・・・。」
そう鼻を鳴らしながら言って来る九喇嘛に対して六尾こと犀犬がこう言って来る。
「オレはコイツの考えは嫌いじゃねぇからいいぜ。」
犀犬がそう言うと、七尾こと重明・三尾こと磯撫・四尾こと孫悟空もこう言って来る。
「オレも賛成だ。」
「ボ、ボクも。」
「俺もだ、ウキー!!」
その言葉を聞いていた俺は拳を尾獣達の前に突き出すと、尾獣達は手を重ねて拳に触れた。
その時、尾獣達のチャクラを分けて貰ったのが分かる。
「ありがとう、皆。」
俺が礼を言うと、尾獣達はこう言って来る。
「礼なんぞイラネェよ」
「どういたしまして」
「気にしなくていいんだよ」
「まぁ、悪くねぇ気分だ。」
「そうですね。」
「アァ。」
「ソウダナ。」
「にしても、俺達がこうして一人の人間の中にいるとはな・・・。」
「ケッ、終わったならさっさと行け。儂らの力を慣らして行きたいのだろう。」
全員の言葉を聞いた俺はこう言った。
「あぁ、皆ありがとう。」
そう言ってから俺は精神世界から現実世界にへと戻っていった。
現実世界に意識を戻すと、そこにはゴライアスだけが立っていた。
俺は結界を消して術を解いた。
いきなり現れた俺に対してゴライアスは雄叫びを上げながら拳を放ってくる。
俺はそれを真正面から受け止め、目的だった事を始める。
皮膚が剥がれ血のごとき「朱いチャクラ」が表面化、俺の体表を赤黒く覆い九尾の肉体を形成し始める。
尾獣の尾を象るチャクラの「尾」は六、つまり犀犬のバージョン2となった。
バージョン2となった俺は跳躍してゴライアスの腕に巻き付き、体表は青紫に変える。
『蛭間』
その瞬間、身体から強アルカリ性の液体が分泌されてゴライアスの腕を溶かして行く。
その際、激痛に苦しむゴライアスが振りほどこうと腕を振るが、巻き付いているため剥がれない。
腕を振るうのを止めた瞬間、俺は巻き付くのを止めて一直線に頭にへと向かった。
そして、頭の近くまで行くと口に+の青と-の赤のチャクラを混ぜ合わせ黒い球にして放つ。
『尾獣玉』
こうしてゴライアスの頭に放たれた尾獣玉は見事に頭を消し飛ばすとゴライアスは魔石と化し、俺はそれを神威の時空間に収納した後に尾獣化を解除した。
そして、迷彩隠れの術を発動させて姿を隠した状態で地上に上がっていくのだった。
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