ハイスクールD×D 嫉妬の蛇   作:雑魚王

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7話 あなたの隣に立たせてください

「強すぎんだろ」

 

 グラナとカテレアの戦いを間近で見ていた、堕天使総督の感想だった。

 カテレアは確かに魔力を扱いきれていなかった。当人は魔王クラスだの何だのとほざいていたが、その前魔王と戦場にて本気の殺し合いを何度もしたことのあるアザゼルからすれば、魔王クラスの魔力を手に入れただけ(・・)のカテレアは、劣化魔王、魔王(笑)と鼻で笑えてしまいそうなお粗末なものだ。

 戦いに絶対はないが、それでも絶対に勝てると豪語できる。しかし、無傷で勝てるかと問われれば首を傾げるだろう。扱いきれていなくとも、その魔力は紛れもなく魔王クラスなのだから、当たれば危険だ。テクニックの欠落したパワー馬鹿でも、それなりには脅威となり得るのだ。

 しかし、グラナ・レヴィアタンはそれを見傷で制して見せた。彼が使ったものは武技と身体能力、そして弁舌のみ。魔術や魔法といった手札がまだ残されていることを考えると、全力が一体どれほどのものなのか想像することも難しい。

 

 

 カテレアとグラナの戦いの脇で行われていた、魔法使いたちの掃討は既に完了しており、校庭は実に広々としている。一人一人の戦力は大したことがなくても、次から次へと現れて視界を埋め尽くす連中には不快なものを感じていたことは事実。故に、こうして魔法使いたちが消え去った光景はいっそ清々しいほどだ。

 カテレアを焼却処分したこグラナは、地上へと降りて歩き回っていた。視線をあちらこちらへと向けていることから、何かを探していることが察せられる。

 

「っと、あったあった」

 

 喜悦を滲ませながら拾い上げたものは彼の振るっていた刀だ。グラナは刀を月明かりに照らして傷や汚れが付いていないことを確認してから、腰の鞘へと納める。

 

「やっぱ、これがある方が落ち着くな」

 

 そこにあることを確認するように刀の柄に手を置くグラナの近くに、一つの影が落ちる。

 

「なあ、グラナ。俺とも遊んでくれないか?」

 

 影と声の主は白龍皇の鎧を纏ったヴァーリだ。すでに全身からオーラを発し、剣呑な雰囲気から穏やかな考えを持っていないと理解できる。あるいは、理解させるためにわざとオーラを発しているのか。

 

「そりゃあ、どういう意味だ?」

 

「こういうことさ」

 

 パチリと指が鳴らされた瞬間、グラナの足元に巨大な魔方陣が展開され強く輝き出し、巨大な火柱を生んだ。防御と回避を許さぬほどに、魔方陣の展開から魔法の発動までにかかる時間が非常に短い。グラナの総身を呑み込む火柱は直径十メートル、高さは学園の校舎を超すほどで、その巨大さに見合った熱量を周囲にまで撒き散らしていた。

 そこで攻撃の手を緩めないのが、ヴァーリが白龍皇たる所以だろう。彼は、グラナの魔力を感知することで火柱に遮られていても尚、目標の位置を把握し、そこに目掛けて次々と雷撃を撃ち込んでいった。

 

「ヴァーリ! お前、どういうつもりだ!」

 

 アザゼルは怒声を上げて問い質す。つい先ほど無罪が証明された、若手の将来有望かつ純血のグラナに過剰とも言える攻撃を加えるなど冗談にしては性質(たち)が悪すぎる。神の子を見張るもの(グリゴリ)の長として見過ごせる案件ではない。

 

「アザゼルにしてはつまらない質問だな。本当は分かっているんだろう?」

 

 アザゼルはかつての魔王や聖書に記されし神とも争った歴戦の男であり、優秀な研究者でもある。その優れた頭脳は確かにすでに答えを出していた。問い質したのは、否定の言葉を求める淡い希望によるものだ。

 

「ッ裏切ったのか」

 

「ああ、そうだよ。禍の団(こちら)に居るほうが何かと面白そうでね。アース神族と戦ってみないか、なんて言われたら乗らないわけにはいかないだろう」

 

「俺は強くなれとは言ったが、世界を滅ぼす要因は作るなとも言ったはずだ」

 

「それについては悪いと思っている。しかし戦い(これ)がドラゴンの性なんだよ」

 

 意志は固い。説得、懐柔の類は不可能だとアザゼルは短い時間で悟る。しかし、ヴァーリが組織から抜けることの損失は非常に大きく、そして惜しい。グラナへと攻撃を加えたことの謝罪に関しても加害者のヴァーリが居た方が話を進めやすい。

 説得を諦めきれないアザゼルの思考を、不機嫌そうな声が断ち切った。

 

「ヒト様を焼いて感電させた野郎が何を呑気にくっちゃべってやがる」

 

 数十メートルにもなる火柱が震え、その中から一人の男が出てくる。服には焦げ目や穴がいくつも出来ているが、当の本人の負傷は軽い火傷のみ。あれほどの炎獄と雷撃の中にあっても、軽傷で治めることのできる防御力の持ち主などそうそういるものではない。

 それだけで実力を察するには充分過ぎた。強敵の力の一端を感じ取ったヴァーリは、闘争への誘いの言葉を向けた。

 

「グラナ、それで先ほどの質問の答えはどうかな?」

 

 殴られれば殴り返す。それがグラナ・レヴィアタンという男だ。であるならば、奇襲を仕掛けた男からの誘いを蹴るはずがない。

 その予想を裏切り、首を横に振るグラナは、ヴァーリの背後を指さす。

 

俺の女(エレイン)()る気になってるぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――時を遡ること約十年。

 

 ルーマニアの人里離れた辺境の地には、一年中晴れることのない霧がかかっている。日中でさえ、満足に陽光を通すことのないない濃い霧は、一度迷い込めば二度と出てこられないことから、古より人々から畏怖されてきた。

 曰く、あの世へと繋がっている。

 曰く、脱出不可能の迷宮が隠されている。

 曰く、人間を食らう化物の巣が存在する。

 

 それらの噂話は確証があるわけでも実証されたわけでもないが、真実の一端を掠めている。

 

 濃霧の中には吸血鬼の国があったのだ。

 普通の人間が入れば死ぬような場所であり、あの世に繋がっていると言えなくもない。年中晴れることのない霧の中に入れば、まあ、脱出は困難に決まっている。その国に住まう者は当然の如く吸血鬼であり、その名の通り人の血を吸うのだから、人間を食らう化物という表現で正解だろう。

 

 その吸血鬼の国には二つの派閥があった。一つは女尊主義を掲げるカーミラ派、もう一方は男尊主義を掲げるツェペシュ派である。男女どちらの真祖を尊ぶのかという点を除けば、どちらの派閥もほぼ同一と言って良い。人間を家畜や食料と看做したり、混血の吸血鬼を蔑むなどといった共通点は非常に多いのだ。

 

 

 

 今から語られるのは、一人の混血の吸血鬼の少女の物語。

 

 

 

 ツェペシュ派の治める都市には、混血の吸血鬼を纏めて暮らさせる城があった。混血にも気を遣っているのではなく、純潔の貴族たちが混血の吸血鬼との接触を避けるために作られたものだ。

 そこには何人もの混血の吸血鬼が暮らしていた。差別・迫害を受けることによって暗い瞳をしている者が大半を占める中でも、一際目立つ少女がいた。

 名をエレイン・ツェペシュ。ツェペシュ派の現国王とどこかから攫われてきた人間の女の間に生まれた、混血の吸血鬼である。年齢は今年で十三、容姿に優れる吸血鬼の中でも断トツと言って良いほどの美貌を持っていた。髪は輝かんばかりの金色で、瞳は血のように深い赤。口元から覗く綺麗な歯に、ビスクドールのような肢体。どれを取っても超一級の美であり、まだまだ幼さを残しながらも、将来は絶世の美女となるだろうと断言出来る。

 

 ただし、少女がこの城の中で目立っているのはその美しさ故ではない。むしろその逆に近い。彼女の纏う衣装はボロ布のようなもので、更に頭から泥を被っていることも珍しくなく、土や血の汚れが付いていない日など一日としてない。

 

 彼女がそのような身なりをしているのは、純血の吸血鬼からの迫害、嫌がらせが原因だった。

 この混血の吸血鬼が寄せ集められた城に近づく純血の吸血鬼などそうそういない。当たり前だ、この城は純血の吸血鬼が混血と遭遇しないために建てられたものなのだから。故に、この城に住まう他の吸血鬼たちはそれなりに整った身なりをしているし、純血の吸血鬼たちから直接的な攻撃を受けることも少ない。

 では何故エレインのみが、酷い格好なのか? そこには当然理由があった。実に下らなく、そして加害者にとっては見過ごせない理由があったのだ。

 

 一言で言ってしまえば、エレイン・ツェペシュは天才過ぎたのである。

 吸血鬼は多彩な異能を持つ強力な種族として有名だが、純血の吸血鬼の中でもその全ての能力を十全に操ることの出来る者はほとんどいない。誰にだって適正や得意・不得意といったものがあり、それは吸血鬼の貴族たちも変わらない。

 しかし、エレインは違った。彼女は数多の異能全てに史上最高レベルの才能を有していたのだ。無数の眷属を創り出し、影を支配し、霧と化す。魔眼を以って他者を魅了し、怪力で叩き潰す。その実力は十代前半にありながら、すでに成熟した吸血鬼のそれを軽々と上回る。

 また、吸血鬼は弱点の多い種族としても知られているが、エレインにその常識は当て嵌まらない。混血であるがゆえに、種族由来の弱点の大半が消滅・軽減されているからだ。

 更に言うならば、その美貌や知力までもが突出し、凡そ備えていないものがないとさえ言える麒麟児。それがエレイン・ツェペシュだ。

 

 それだけの才覚を有していれば、疎まれ、恐れられ、嫉妬されるのは当然のことだった。彼女の場合、王族の血を引いているとはいえ、男尊主義を掲げるツェペシュ派の中で女であり、しかも人間とのハーフである。その出自がが彼女へ向けられる悪感情を増大させる。

 特にエレインと同じツェペシュ王家の者は、混血に劣る自分が許せず、しかし劣るということを認められないがゆえに、その鬱憤は強い暴力衝動へと繋がった。

 毎日毎日、使いの者が城にやってきては呼び出され、血を分けた兄弟姉妹から暴行されるエレインだが、その状況下にあっても尚、精神が屈することはない。才覚に見合うだけの精神的な強さまで生まれ持っていたのである。それが余計に純血の吸血鬼を刺激する要因の一つでもあるのだが。

 

 

 そんな稀代の吸血鬼となり得る才能を有した少女ではあっても、年相応らしい部分もある。例えば、ヒトの温もりを求め、他者との交流を願うなど、ありふれた幸福を求めていた。

 

「……ヴァレリー」

 

 最早、日課のようになっている親族からの暴行から帰ったエレインは、城の中で一人の少女を見つけ、声を掛ける。名をヴァレリー・ツェペシュ。ツェペシュの王家に生まれた混血の女吸血鬼という、エレインとも共通項の多い少女だ。腹違いの妹でもある。

 エレインのように頻繁に暴行を受けるなどの直接的な危害を純血の吸血鬼から加えられているわけでもないが、混血と女という出自故に肩身の狭い思いをしている。差別や迫害に苦しむという意味では境遇を同じくすると言える妹ならばあるいは、そんなか細い希望は容易く打ち砕かれた。

 

「ひっ……ね、姉さま。ごめんなさい! 私、これから用事があるので失礼します!」

 

 妹の顔に浮かんだものは紛れもない恐怖だった。鼻歌を歌いながらゆらりと廊下を歩いていた彼女に用事があるとは思えないし、脱兎のごとく逃げ出すことからもその言葉がただの言い訳であることは明白だ。

 

 伸ばされた手が何かを掴むことは無い。人形のように形の整った、白い腕が力なく下ろされた。爪が食い込むほどに握られた拳から何滴もの血が滴り落ちる。孤独な吸血鬼の少女は、虚空を見上げて自嘲した。

 

「ふ、はは……。分かっていたことじゃないか。私は何を期待しているのやら」

 

 混血の吸血鬼たちは純血の吸血鬼を恐れている。差別や迫害をしてくるのだから好意的に思えるはずもない。暴力で訴えようにも加害者側のほうが強いし権力まで持っているため、結局は泣き寝入りする他ないという厳しい現実もある。

 そしてエレインは、純血の吸血鬼をも超える才能を有している。混血たちが恐れる純血さえ越える才能を宿している。自分たちと同じ境遇にありながら、それほどの力を有する少女を恐れないはずが無かった。混血の吸血鬼たちからすれば、エレインは『境遇を同じくする同胞』ではなく『得体の知れない化物』なのだ。

 

 妹に拒絶されたことで、過去にエレインを拒絶した一人の女の姿が脳裏に蘇る。

 

『あ、ああ、あああああああああ!』

 

 女の住居は混血の吸血鬼が住む城、つまりエレインと同じだった。女の種族は人間だが、正気を失い扱いに困ったためにこの城の地下牢へと放り込まれたという経緯があった。

 

『お前お前お前が、お前はどうして産まれたぁああ!?』

 

 女の容姿は醜く、そして哀れだった。まだ三十代前半だというのに、髪は全て白く染まり、頬は痩せこけている。骨と皮しかないようなやせ細った体躯は不吉で不気味だ。

 普段は牢屋の奥で蹲っているだけの女だが、エレインが姿を見せると、凄まじい速度で鉄格子に這い寄る。無論、その原動力は友情や愛情によるものではない。

 

『その赤い目が、金色の髪が、鋭い歯が忌々しいぃぃいいいいいいいいい!! あの男を思い出させる! 死ね死ね死ね死ね! 死んでしまえ、お前たち吸血鬼は皆死んでしまえぇええええええええええ!!』

 

 落ち窪んだ両目をぎょろぎょろと動かし、髪を振り乱しながら呪詛を吐き続ける。何の異能も持たない女の叫びに宿る力は皆無。しかし、叫ばずにはいられないのだと、天にまで届けとばかりに女は狂気を滲ませて呪い続ける。

 

『どうして私から産まれた!? どうして私に産ませた!?』

 

 女はエレインの母だった。

 ある日突然日常が終わりを告げ、何処とも知れぬ国に攫われ、そして攫った張本人に孕まされた望まぬ子を出産する。そのストレスは、吸血鬼に見初められる美貌が現在では見る影もないことから容易に理解できる。囚われの女を白馬の王子様が助けに来るようなご都合主義が起きることもなく、最期の時まで暗く冷たい地下牢で独り苦しみ狂い続けた。

 

 女の遺骸は娘のエレインさえ知らぬ間に、どこかへ捨てられたらしい。火葬したわけでも土葬したわけでもなく、野晒しにされたのならば鳥獣の餌と化したことだろう。

 罵詈雑言を吐き掛けられようとも、エレインが彼女の元へ通い続けていたのは『家族』が欲しかったからだ。女は娘を産み、娘は女の腹から産まれてきた。血も繋がっている。ならばきっと分かり合えるはず。そんな幼い少女の夢は終ぞ結実することは無く幻想のままに終わってしまった。

 

 亡き母と塵と消えたかつての夢を思い出したエレインは自身を嗤う。

 血の繋がった母に拒絶された娘は、血の繋がった妹にも拒絶される姉だったというわけだ。血の繋がりだとか、苦境を共にしているとか、同性だとか、そんなことで分かり合えたら苦労しないと分かっていたはずなのに、妹と絆を育めると僅かにでも希望を抱いてしまったのだ。最早、愚かな自分を嗤うしかない。

 

「くく、はははは! あぁ、うん、ここまで来ると吹っ切れるな。いい加減、夢から覚めなければいけないか」

 

 止めどなく涙が流れていく。明るい口調は無理に出したもので、実際には少女は泣いていた。不条理を嘆いていた。現実に悲しんでいた。世界に絶望していた。

 大切な何かが涙とともに流失していく。そして空いた容量を埋めるかのように紅蓮の業火が胸中を満たしていった。

 

 この僅か数日後、ツェペシュ王家に生まれた純血の女吸血鬼が惨殺され、一人の少女が吸血の国から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エレインは己の祈りを歌う。渇望を叫ぶ。

 この想いだけは否定させてなるものかと、力の入った声が夜空の下に響いていく。

 

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」

 

 その出生は誰にも望まれていなかった。祝福などされていなかった。

 父は混血であることを理由に差別と迫害を行い、母からは恨み言をぶつけられるばかり。純血の吸血鬼からは酷く蔑まれ、同じ境遇にあるはずの混血の吸血鬼からさえも排斥される。

 幸福、愛情、希望、そういった綺麗なものから縁遠く、陽の光に迎え入れられることはない。まさに日陰者だ。けれど、その日陰者を愛してくれる男がいた。彼と出会ってからは真の意味で『友人』や『家族』、『仲間』と呼べる者が出来、その大切さと愛しさを知った。

 

「あなたは素晴らしい。掛け値なしに素晴らしい。しかしそれは誰も知らず、また誰も気づかない」

 

 日陰者には日陰者なりの矜持がある。意地がある。

 彼から与えられた幸福に、恩に報いたい。

 陽の光がこの身を拒むというのであれば、夜に生きてみせよう。夜の支配者として君臨してみせよう。この身は矮小だけれど、隣で支えさせてほしい。

 

「幼い私は、まだあなたを知らなかった。いったい私は誰なのだろう。いったいどうして、私はあなたの許に来たのだろう」

 

 どん底の生まれの身が、天を目指すことの無謀など理解している。星と並び立つ資格を持っていないことも悟っている。抱いた渇望が、かつての夢よりも遥かに荒唐無稽な無理難題だと分かっている。

 しかし、だからと言って、この気持ちを捨てる事など出来ない。諦めることなど出来るはずが無いだろう?

 

「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい。何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても、決して忘れはしないだろうから」

 

 貴方に恋をした。貴方を愛してしまった。その気持ちに嘘はつけない。

 

「故に恋人よ、枯れ落ちろ」

 

 貴方に守られ続ける自分を許せない。貴方を守りたいと願っている。

 

「死骸を晒せ」

 

 貴方の重荷を共に背負わせてほしい。その道程をともに歩んでいきたいと願っている。

 貴方の夢の果てを見たい。貴方の夢の実現の一助となりたい。

 

「何かが訪れ、何かが起こった。私はあなたに問いを投げたい。本当にこれでよいのか、私は何か過ちを犯していないか。恋人よ、私はあなただけを見、あなただけを感じよう。私の愛で朽ちるあなたを私だけが知っているから」

 

 貴方を支えることが出来たなら、それはどんなに幸福なことだろうか。そのためならば何でも出来る。

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

 ――どうかお願いします。

 

 しかし貴方の隣に立つには持っていないものが多すぎる。これでは相応しくない。

 ならば奪えばいい。

 共に戦う力を、天に至る翼を、資格を手に入れる(奪う)

 殺し、喰らい、奪って新生し続ける、夜空を飛翔する不死鳥となりたい。

 

死森の薔薇騎士(ローゼン・カヴァリエ・シュバルツヴァルド)

 

 ――エレイン・ツェペシュ()グラナ・レヴィアタン(あなた)の隣に立たせてください。

 

 

 

 




名前:エレイン・ツェペシュ
性別:女
年齢:23
属性:極悪
駒:僧侶
性癖:ナニからナニまでオーケーなハイスペックバイ
称号:夜の支配者、究極の吸血鬼、変態淑女、貴腐人(BL好き)、闇の不死鳥

 金色の髪と宝石のように赤い目が特徴の吸血鬼。グラナに忠誠を誓っているわけではなく、信頼と愛情によって尽くしている。
 純血を上回る才能を持ちながらも混血であるがゆえに種族由来の弱点のほぼすべてが消滅・軽減されている。その特異性から家族に愛されることは無く、常に白い眼で見られる生活を送っていた。家族からの嫌がらせは毎日のように受けていたが、あることを切っ掛けに実の姉を殺害、そのまま吸血鬼の国を脱走する。
 以降は教会の吸血鬼狩りと戦ったりしているうちに、同じく各地を放浪するグラナと出会い、初めて自身と同等以上の才覚を持つ相手だったこともあり、グラナと旅をともにすることにした。数々の冒険をともに潜り抜けるうちに興味以上の感情をグラナに寄せるようになり、そのまま眷属入りを果たす。
 ちなみに過去には主義・主張の違いからグラナと全力での戦いを行ったこともあり、『単騎でグラナを追い込むことに成功した』数少ない英傑の一人でもある。
 使用された駒は『僧侶』を二駒。

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