ハイスクールD×D~魔王候補の行く道~   作:姫香

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アーサーの性格が違うような気がする・・・


動き出す物語

~禍の団:訓練場~

 

 

アラタがルフェイに魔術を教えてもらって1か月半の時が過ぎた。現在アラタはルフェイと今までに習った魔術の復習を終えたところだ。

 

「ふぅ~・・・こんなところか?」

 

復習を終え、座って一息ついた後にルフェイに確認をとる。

 

「はい!魔術に関しての基礎はこれぐらいです」

 

「意外と早く終わったな」

 

「それはアラタさんが頑張ったからですよ」

 

『マスターはルフェイの嬢ちゃんに教わってない時も自主練してたりしたからな』

 

『本当にアラタさんは頑張り屋さんですね。でも私は体調を崩さないか心配でした』

 

「基礎ぐらいは早く身につけたかったからな。悪いなイリア」

 

『いいえ。アラタさんはそういう人だってわかってますから』

 

魔道書二人との会話を終えルフェイに向き直る。

 

「ここからは自分の力だっけ?」

 

「はいそうです。今までに教えたのは基礎です。ここからどう工夫したり、新しく魔術を作るかで魔術師の質が決められます」

 

「新しい魔術か・・・」

 

「アラタさんはまず新しい魔術よりも工夫の方を優先しましょう。その方が新しい知識も身に着けられて魔術の開発にも役立つはずです」

 

「確かにその方がよさそうだな。正直今の状態で新しい魔術と言われてもピンとこないからな」

 

「私も習い始めはそうでした。アラタさんにはソラさんとイリアさんという心強い仲間もいるんですから大丈夫ですよ!」

 

「そうだな。ソラにイリア、そしてルフェイもいることだしな!」

 

「わ、私ですか!?」

 

「なんで驚いてるんだ?もうルフェイは俺にとって大事な仲間だぜ?」

 

「だ、大事な仲間・・・そ、そうですよね!アラタさんには私もいますよね!」

 

「これからもよろしく頼むぜ」

 

「はい!それと確認なんですがソラさんとイリアさんはこっちの魔術については大丈夫ですよね?」

 

『あぁ、大丈夫だぜ、魔術の系統と魔術を構築する過程くらいは解析(アナライズ)できるようになったぜ』

 

『私も大丈夫です』

 

「さすが伝説の魔道書ですね!」

 

『どんどん褒めてくれ!』

 

『もう、ソラはすぐに調子に乗るんですから』

 

ルフェイはアラタにこの後の用事を聞く。

 

「えーと。アラタさんはこの後用事とかありますか?」

 

「ん?無いけどどうかしたか」

 

「前に遊びに誘ってもらったことがあったじゃないですか?」

 

「あったな。そのときはルフェイに断られたが」

 

「今日はどうかなーと思いまして」

 

「どうかな?」

 

「えーと、その、今日の午後に、そのー」

 

「ん?」

 

『マスターは鈍いなー』

 

『少しはルフェイさんの気持ちも考えてください!』

 

ソラとイリアの言葉でアラタは悟りルフェイに自分から誘いを持ちかける。

 

「あぁ~・・・。ルフェイ」

 

「はい」

 

「午後から俺と一緒に遊ばないか?」

 

「はい!喜んで!」

 

『それじゃぁ私たちはお邪魔だろうから部屋でまってるぜ。ルフェイの嬢ちゃんしっかりな』

 

『ルフェイさん。頑張ってください』

 

「はい!」

 

 

~午後:公園~

 

 

現在アラタとルフェイは何時もの魔術師の恰好ではなく私服で遊びに来ていた。

 

「アラタさんと行って見たいお店があったんですよ」

 

「どんな店なんだ?」

 

「レストランです。そこのランチのパスタがとても美味しいと評判なんですよ!」

 

「それは楽しみだな」

 

アラタはルフェイの案内でそのレストランへ向かい、中へ入った。

 

「いらっしゃいませ」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

中に入ると見覚えのある金髪のイケメンがいた。

 

「お兄様何でいるんですか?」

 

「ん?ルフェイでしたか」

 

「はい私です。じゃなくて何でいるんですか!前に来たときはいなかったじゃないですか!」

 

「実はさっき街を歩いている途中に店員の人数が足りないとかで頼まれてしまいまして。ちょうど暇だったのでバイト代も出るという事で引き受けたんだ」

 

「そうですか・・・・」

 

「おや?後ろにいるのはアラタ君ではないですか?」

 

「おう、昨日ぶりだなアーサー」

 

「はい。今日は二人でデートですか?」

 

「デ、デート///。お兄様は何をいっ・・・」

 

「そんなところだ」

 

ルフェイが否定の言葉を言い終わる前にアラタが答える。

 

「デートなんですか?」

 

アラタの言葉にルフェイが確認に入る。

 

「違ったか?俺はてっきりデートだと思ってたんだがな」

 

「そうですね!デートです!」

 

「アラタ君ならばルフェイをまかせられますね。今後ともルフェイを頼みますよ」

 

「おう、頼まれた!」

 

「それではお席にご案内します」

 

二人はアーサーの案内で席に着く。

 

「やったなルフェイ。兄貴公認だぞ?」

 

「アラタさんはいいんですか?」

 

「何がだ?」

 

「その~。私なんかが相手で」

 

「ルフェイだからいいんだよ。ルフェイは可愛いんだからもっと自信を持った方がいいぞ」

 

「んっー///。はい!」

 

その後もルフェイとの会話が続き、ランチを終えて外に出る。

 

「すみません。私が誘ったのにお金を払ってもらって」

 

「大丈夫だって。これでも魔術の練習がてらはぐれ悪魔っていうのを倒して稼いでるしな」

 

「え、そうなんですか?」

 

「前に美猴に誘われて一回言ってみたら後で賞金が貰えたんだ。丁度お金も必要だったしちょくちょく狩ってた」

 

「そ、そうなんですか。でも、怪我だけはしないでくださいね」

 

「わかってっるよ」

 

「そ、それよりこれからどこにいきますか?」

 

「食べたばかりだしな。少し街を歩かないか?」

 

「そうですね。アラタさんともっとお話がしたいですし」

 

二人は食後の運動に散歩をしながら街を歩き回りクレープを食べたり、公園の芝生で昼寝をしたりして過ごした。そして楽しい時間は過ぎ夕暮れ時になった。

 

「そろそろ時間ですし帰りましょうか」

 

「そうだな」

 

禍の団の拠点に向かい歩き出すとアラタは見知った女性がベンチに座っているのが目にとまった。

 

「悪いルフェイ用事を思い出した。先に帰ってくれるか?」

 

「大丈夫ですけど。一人で平気ですか?」

 

「あぁ大丈夫だ」

 

アラタはルフェイが見えなくなるまで見送るとベンチに座っている女性のところまで歩いて行き、話しかける。

 

「何を悩んでるんだイリナ」

 

「ん?アラタ君!?何でここに?」

 

「散歩中にイリナが見えたから少しだけ様子を見て話しかけたんだ」

 

「そう・・・」

 

「どうしたんだ?」

 

「な、何でもないわ。この通り元気よ!」

 

「嘘つけ。さっきから一人で暗い顔をしてたじゃないか」

 

「わかるの?」

 

「最初から言ってるだろ?イリナを見てたって」

 

「///」

 

アラタの言葉を聞き、イリナは顔を赤らめる。

 

「それとも俺に話せないことか?」

 

「・・・・・・わかった。アラタ君になら話すわ」

 

イリナは少し迷った後、アラタに悩んでいる事を話す。

 

「実はね。教会は三つの派閥に分かれていてそれぞれがエクスカリバーっていう武器を6本管理しているの。だけれどその内の3本が堕天使の手によって奪われたの」

 

「エクスカリバー?」

 

「そう、聖なる力が宿る強力な武器の事よ」

 

「盗まれたことに落ち込んでいたのか?」

 

「違うわよ問題はこの後、そのエクスカリバーの奪還のために私とゼノヴィアが日本へ行くことになったのよ」

 

「奪還って。堕天使からか?」

 

「そうよ」

 

「ならパパッと倒せばいいじゃないか。イリナとゼノヴィアは強いから派遣されたんだろ?」

 

「そうなんだけど・・・そうもいかないのよ。その盗んだ堕天使っていうのがねコカビエルっていう超強い堕天使なの!」

 

「そんなに強いのか?」

 

「えぇ・・・多分戦ったら私とゼノヴィアは死ぬわ」

 

「死ぬ?」

 

「でも、刺し違えてでも・・・」

 

「おい、イリナ」

 

「え?あ、ごめんなさいね。アラタ君に話してもどうにもならないのに。でも大丈夫よ!絶対に取り戻してアラタ君の元へ戻ってくるから!」

 

イリナは落ち込んだ後にアラタに心配させまいと元気に振る舞う。

 

「それじゃあねアラタ君。帰ってきたらどこかへ遊びに出かけましょう!」

 

そう言い残しイリナは教会へ戻っていく。

 

「イリナ・・・」

 

 

~ルフェイと黒歌の部屋~

 

 

ギイィィ

 

「お帰りなさいアラタさん」

 

「お帰りにゃ」

 

「おかえり。マスター」

 

「お帰りなさい。大丈夫でしたか?」

 

扉を開けて部屋に入るとルフェイと黒歌そして魔道書から人間の姿になったソラとイリアが出迎えてくれる。

 

「ソラ、イリア急いで準備しろ。日本に行くぜ!」

 

「いきなりどうしたんだマスター?」

 

「何かあったんですか?」

 

アラタのいきなりの発言にソラとイリアは戸惑う。

 

「そうですよアラタさん。まずは何があったか説明してください!」

 

「じゃぁ手短に話すぞ」

 

アラタは四人にイリナと話したことを話した。

 

「俺はイリナを助けに行く」

 

「仕方のないマスターだな」

 

「まぁそれがアラタさんですもんね」

 

魔道書の二人はアラタの説明が終わると同時に準備を始める。

 

「そういうことだルフェイ。少しの間待っていてくれ」

 

「いやです!」

 

「ルフェイ?」

 

「私も行きます!」

 

「危ないんだぞ?」

 

「承知の上です!」

 

「本当にいいのか?」

 

「しつこいです!」

 

「どうするんだマスター?」

 

「どうするっていってもなー」

 

アラタは困り、黒歌を見る。黒歌がその視線に気付き口を開く。

 

「当たり前だけど私も行くにゃん」

 

「黒歌もか?」

 

「絶対ついて行くにゃん」

 

「うーむ」

 

困っているアラタを見てルフェイが交渉に入る。

 

「アラタさん」

 

「ん?」

 

「私は以前日本に行った事があります。そこで転移魔法陣を固定してきました。この意味、解りますね?」

 

「うっ!」

 

ルフェイの交渉にしばらく考え、アラタは決断する!

 

「わかった!ルフェイと黒歌も一緒にこい!」

 

「やりました!」

 

「すぐに準備するにゃ」

 

ルフェイは交渉の成功に嬉しくなりガッツポーズをして黒歌と一緒に準備を始める。

 

「やられたなマスター?」

 

「あぁ。まぁルフェイも黒歌も強いから大丈夫だろ」

 

バタンッ

 

そこへ部屋のドアが大きな音を立てて開かれる。

 

「話は聞いた。アラタ、我も、行く!」

 

扉を開け現れたのは我らが龍神様だ。

 

「オーフィスもか!?」

 

「アラタの周りは、退屈しないって、イリアが言ってた」

 

「まぁ否定はしないが」

 

「駄目?」

 

「ええい!三人も四人も同じだ!」

 

するとそこへ・・・

 

「話は聞かせて貰いました」

 

アラタの承諾の後に一人の人物が入ってくる。

 

「アーサー。バイトは終わったのか?てか、お前もついてくるって言う訳じゃないよな?」

 

「違いますよ。オーフィス様が聞き耳をたてていたので私も気になって聞かせて貰いました」

 

「それでどうしたんだよ?」

 

「アラタくんは日本での拠点をお持ちで?」

 

「拠点?」

 

「住む場所です。アラタ君の話を聞くと長期戦になるのはまず間違いない」

 

「確かに。まぁあっちでマンションの一室を借りればいいんじゃないか?」

 

「その住まいを僭越ながら私が手配いたしましょう」

 

「手配してくれるのか?助かる」

 

「いえいえ。コカビエルのおおよその場所も解っています」

 

「マジか」

 

「えぇ。組織としても情報が重要なのでどのような情報でも集めているのです」

 

「一応聞くがコカビエルってどこにいるんだ?」

 

「駒王町と言う場所に潜んでいるらしいです」

 

「それってマスターと私たちが最初に飛ばされてきた場所じゃないか?」

 

「そうだな」

 

「では。手配に1時間ほどかかるので少々お待ちを」

 

 

‐一時間後‐

 

 

「お待たせしました」

 

アーサーは住所を書いた紙と鍵をアラタに渡す。

 

「ありがとな。アーサー」

 

「妹の事を頼みますよ」

 

「まかせとけ」

 

アラタは自分の胸をたたいた。

 

『マスター準備はできたか?』

 

魔道書状態になったソラがアラタに確認を取る。

 

「大丈夫だ。ソラとイリアはどうだ?」

 

『私たちは大丈夫です』

 

『問題ないぜ』

 

「ルフェイと黒歌はどうだ?」

 

「大丈夫です!」

 

「問題ないにゃ」

 

「オーフィスは・・・大丈夫そうだな」

 

「ぶいっ!」

 

オーフィスを確認すると手でピースサインをしていた。

 

「じゃぁルフェイ頼む」

 

「わかりました。では転移行きます!」

 

次の瞬間ルフェイが魔法を発動させ、アラタ達は光と共に消える。




次回から原作介入です。
オーフィスも連れて行きたかったので連れて行かせてもらいました!
気に入りませんでしたかね?

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