ハイスクールD×D~魔王候補の行く道~   作:姫香

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他のSSが1ページ何文字で書いているのかわかりませんが自分的には今回の話は少し短いと思いました。

では、どうぞ!


無限の龍と支配の魔王

~禍の団:訓練場~

 

 

「へぇ~。この建物に訓練場なんて施設があったんだな」

 

「誰かが提案して作ったらしいですよ?」

 

現在アラタはルフェイに転移魔術を教えてもらうために広々とした場所に呼ばれていた。

 

「それで転移魔術ってどうやるんだ?」

 

「それはですね。自分の決めた転移魔術の魔法陣を転移したい場所に固定しなくてはいけません」

 

「つまり転移したい場所へは一度は行っていなければいけないってことか?」

 

「はい!その通りです」

 

「それにしても転移魔術がこんなにも簡単にできるとはな」

 

「アラタさんのいた世界には転移魔術がなかったんですか?」

 

「いや、短い距離を移動する転移魔術はあったが、長距離の移動は専門家の魔道士が数人で行うような儀式だったんだ」

 

「それは何というか面倒ですね」

 

「あぁ。やっぱりこっちの魔術を学んで正解だったな」

 

「それでは。魔法陣を決めるところから始めましょうか」

 

「わかった」

 

 

‐数分後‐

 

 

「こんなもんか?」

 

「はい、大丈夫です。ちゃんと書かれています」

 

「こうして自分の力だけでやってみると達成感があるな」

 

「アラタさんは頑張ってますもんね」

 

「まぁな!」

 

「まずは短い距離をその魔法陣を使って転移してみましょう」

 

「どこに移動すればいいんだ?」

 

「そうですね・・・ではここに魔法陣を固定して少し離れた場所から試してみましょうか」

 

「ここでいいんだな?」

 

そう言ってアラタは床手をつけ魔法陣を展開し固定する。

 

「じゃぁ少し離れましょうか。私はここにいますので転移して来てください」

 

「どのくらい離れればいいんだ?」

 

「そうですね10mくらいで試してみましょう」

 

それを聞くとアラタはルフェイから10mくらいの距離をとる。

 

「それじゃあ行くぞ!」

 

「はーい!」

 

遠くのルフェイに向けて大声で呼びかけ合図を送る。

 

「すぅ~~~ふぅ~~~」

 

アラタは深呼吸すると転移魔術を発動させる」

 

「転移!」

 

シュンッ

 

次の瞬間アラタの体は光に飲み込まれ消える。そしてアラタはルフェイのもとに現れる・・・・・そう、ルフェイの頭上へ。

 

「ふぇ?」

 

「え?」

 

ドスンッ

 

ルフェイとアラタは驚きの声を上げぶつかる。

 

「すまんルフェイ!大丈夫か?」

 

「はい。大丈夫・・・」

 

ムニュッ

 

心配をしたアラタの右手の中には柔らかいものが握られていた。

 

「ん?この柔らかさは・・・」

 

「う・・うぅ~・・・」

 

「前より大きくなったか?」

 

「いやあぁぁぁぁ!」

 

パシンッ

 

 

~禍の団:通路~

 

ルフェイに平手打ちをくらった後、アラタはルフェイ達の部屋に戻るために廊下を歩いていた。

 

『相変わらずラッキースケベだなマスター』

 

「とっても柔らかかった」

 

『その体質どうにかできませんか?』

 

顔に赤い紅葉マークを付けたアラタにソラとイリアが話しかける。

 

「こればっかりはどうにもな。ん?」

 

アラタがソラとイリアと会話していると目の前に長い黒髪のゴスロリの幼い少女が立ちはだかる。

 

「お前、誰?」

 

「俺か?俺は春日アラタだけど」

 

「アラタ?」

 

「よろしくな。ってお前は?」

 

「我、オーフィス」

 

「オーフィスか。改めてよろしくな!」

 

挨拶をするのと同時に手をオーフィスに差し出す。

 

「これは?」

 

「握手だけど?」

 

「握手?」

 

アラタの行動にオーフィスは首を傾ける。

 

「知らないのか?」

 

「我、知らない。必要がないから」

 

「握手ってのはこうやって・・・」

 

立っているままのオーフィスの手をとり握り、上下に振る。

 

「手と手を握って仲良くなるための動作だ。まぁ別の理由もあるが」

 

「これをやったらどうなる?」

 

「誰でもと言うわけではないけど仲良くなれる」

 

「仲良くなったらいい事ある?」

 

「いい事か・・・そうだな、相手と友達になれる」

 

「友達?」

 

「オーフィスにも友達ぐらいいるだろ?」

 

「我、友達いない」

 

「いないのか?」

 

「・・・・(コクッ)」

 

アラタの問にオーフィスは黙って首を振り、肯定する。

 

「なら俺が最初の友達だ!」

 

「アラタが友達?」

 

「そう、友達だ!」

 

「友達はなにする?」

 

「一緒に外に出かけたり、部屋でゲームしたりして遊んだり。困った時に助けたり、助けてもらったりするな」

 

「わかった。我、アラタの友達になる」

 

「そうか。じゃぁこれからよろしくな」

 

そう言ってアラタは再び手を差し出す

 

「よろしく」

 

今度はオーフィスも手を差し出し握手を交わす。

 

『あのーアラタさん私たちも紹介してもらえると嬉しいんですけど?』

 

『私たちの事も忘れないでくれよマスター』

 

「おっと。すまんイリア、ソラ」

 

互いの自己紹介を終えたところでイリアが話かけてくる。

 

「本がしゃべった?」

 

「こいつらはソラとイリアっていうんだ。すまんが人の状態になれるか?」

 

『わかりました』

 

『了解』

 

魔道書状態だった二人は人間の姿になる。

 

「本が、変わった」

 

「改めまして。私がイリアです」

 

「私がソラだ。よろしくな」

 

「二人も友達?」

 

「はい!友達になりましょう」

 

「いいぜ」

 

オーフィスは二人とも握手を交わす。

 

「それでオーフィスはここでなにしてるんだ?」

 

「我、グレートレッドを倒すため、ここにいる」

 

「グレートレッド?」

 

「そう、グレートレッド、我の住処、奪った」

 

「住処。家の事か?」

 

「そう、我、そこで静寂を手に入れる」

 

「でも、静寂って寂しいですね」

 

「なんで?」

 

アラタとオーフィス、二人の会話にイリアが言葉を挟む。

 

「静寂っていうのは誰とも関わらず一人でいるってことですよね?」

 

「そう」

 

「それはやっぱり寂しいです」

 

「なんで?」

 

「私も前に友達の元を離れて一人でいた時があります」

 

イリアが話しているのは聖がいなくなった後の王立リベル魔道学園に一人でいた時の話だろう。あの時のイリアはアラタ達が行くまで一人だった。

 

「その時は一人でいるのはとても寂しかったです。誰とも関わらず、一人で過ごすのは・・・」

 

少し寂しそうな表情をするイリアを見てイリアのような寂しい思いはさせまいと、アラタはオーフィスに提案する。

 

「なぁ、オーフィス」

 

「何?」

 

「しばらく俺と一緒に過ごさないか?」

 

「何で?」

 

「俺がこの世界にどれだけ楽しいことがあるかを教えてやる。それこそ、静寂手に入れるって言っていた頃の自分が馬鹿馬鹿しくなるぐらいに」

 

「静寂以上の事?」

 

「そうだ。お前に人と関わることの楽しさ、一人でいるより大勢でいる時の楽しさ、友達と過ごす時の楽しさ。色々な楽しさを教えてやる」

 

「色々な楽しい事・・・」

 

「色々な楽しさを知った上で静寂の方がいいって言うんなら俺は止めない。だけど、静寂以外の世界を知りたいって思わないか?」

 

「我、知りたい、静寂より良いこと。アラタ達は教えてくれる?」

 

「いくらでも教えてやるぞ」

 

「はい。私も教えます」

 

「私もだ。マスターの近くにいるだけでも楽しい事だらけだぜ?」

 

「確かに。アラタさんの近くにいれば飽きませんね」

 

アラタが出した提案にオーフィスは一瞬考え、答えを出す

 

「我、しばらくアラタと一緒にいる、楽しい事教えて」

 

「じゃぁまずは外で遊ぶことからだな。行くぞオーフィス」

 

アラタはオーフィスの手を取り、ソラとイリアと共に遊びに出掛ける。

 

その後の買い物をしている時にアラタは思った・・・

 

(あれ?でも何でこんな小さい子どもが禍の団にいるんだ?)

 

だが、その事実を知るのはしばらく後になる。




と、いうわけでオーフィスの登場です。
アラタがオーフィスを肩車して行動している姿を想像して少し、にやけてしまいました。
今後もよろしくお願いします。

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