~ルフェイと黒歌の部屋~
アラタとルフェイがお互いの魔術を教え合って三週間が過ぎた。
「今日はここまでにしておきましょうか」
「もういいのか?」
「はい。勉強ばかりしていても疲れるだけなので今日の午後は休んでください」
「それならお言葉に甘えて休むか。そうだ、ルフェイもこの後一緒に出掛けないか?」
「すみませんアラタさん。この後用事が入っていて」
「そうなのか?すまんな無理言って」
「い、いえ。誘ってもらってとても嬉しかったです」
「なら今日は俺たちだけで行くか」
そう言ってアラタは魔道書状態のソラとイリアに話しかける。
『私は大丈夫だぜどうせ暇だったしな』
『私も大丈夫ですよ』
「なら行くか」
行くメンバーが決まったのでアラタ達は外に向かって歩き始める。
~ロンドン:トラファルガー広場~
「今日は何をするんだマスター」
「買い物ですか?」
人間の状態になったソラとイリアが話しかけてくる。
「ロンドンに来てから街をじっくり見たことがなかったからな。今日は街を散策しようと思う」
「たしかにな。じゃぁ今日は街を見て回るんだな?よかったなイリア、マスターとデートが出来るぞ」
「え!?そんなデートなんて///」
「イリアはマスターとデートするのが嫌なのか?」
「嫌な訳がありません!」
「なんだ、デートがしたかったのか?デートぐらい何時でもしてやるぞ」
「はっはっは。よかったなイリア」
「からかわないでくださいソラ!」
「さてと、二人は行きたい場所はあるか?」
「私は特にないからイリアが決めていいぜ」
「じゃぁ。イリアはどこか行きたい場所はあるか?」
「この前ルフェイさんが言っていたおいしいクレープを食べてみたいです!」
「ならルフェイに教えてもらった屋台に行くか」
「はい」
~公園~
クレープを買い終えたアラタ達は公園のベンチで食べていた。
「このクレープ本当に美味しいです!」
「よかったなイリア」
「はい」
「私のを一口食べてみないか?マスター」
「いいのか?」
「あぁいいぜ。その代りそっちのクレープも一口くれよ」
「もちろんだ」
ソラはクレープをソラとアラタは互いの口元へ持っていく。
「あーーん」
「あっ」
横で見ていたイリアはアラタがソラのクレープを食べさせる姿を見て羨ましさのあまり声を漏らしてしまった。
「どうだ?」
「あぁ。そっちのクレープもうまいな」
「・・・」
イリアの羨ましそうな目線に気づいたアラタは・・・
「イリアも一口食べるか?」
そう言いながら自分のクレープをイリアの前までもっていく。
「はい!あーーん」
喜びながらイリアはアラタのクレープを一口食べる
「とてもおいしいです!」
口の端にクリームをつけたイリアがアラタに満面の笑みで言う。
「イリア少しじっとしてろ」
「なんでですか?」
クイッ
アラタはイリアの口の端についたクリームをぬぐい自分の口へ持って行く。
ペロッ
「クリームが付いてたぞ」
「あ、ありがとうございます///」
付いていたクリームを指でぬぐい、口持っていって舐めたアラタを見た後状況を理解したイリアは顔を真っ赤にする。
「よかったなイリア」
「うぅ・・・」
クレープを食べたその後も街の散策を続ける。しばらく歩いているとアラタは教会の前で立ち止まる。
「どうしたんだマスター」
「いや、こんなところに教会が在ったんだなって思ってな」
「普段は周りを細かく見てませんからね。新しい発見もあるでしょう」
「入ってみるか」
歩いて教会に向かい扉を開ける。
「教会は初めて見るな」
「そうなんですか?」
「日本では神社や寺だけだったし。ビブリア学園にいた時も街には在ったのかもしれないが俺が行ってたのは大きな市場だけで教会は見なかったしな」
「そういえばそうだったなマスターは事件に巻き込まれすぎてほとんど学園で過してたもんな」
「あぁ。魔道の勉強をして早く
「アラタさんは頑張り屋さんですもんね」
「おう!しかし教会にきて皆何をしてるんだ?」
「お祈りをしたり、懺悔をしたりしてるのよ」
二人と会話をしていると後ろから答えが返ってきた
「ん?誰だ?」
アラタが後ろを振り返ると明るい茶色の髪をツインテールにして束ねている女の子がいた
「あ、ごめんなさいね私も一人の信者として迷える子羊をほっとけなかったのよ」
「いや、別に悩んでないぞ?」
「大丈夫よ隠さなくても!神は全てのものに加護をくれるわ!」
「話をする前に名前を聞いていいか?」
「私の名前は紫藤イリナよ」
「イリナは日本人なのか?」
「そうよ。あなた達は?」
「俺の名前は春日アラタだ。よろしくな」
「私の名前はソラだぜ。よろしくな嬢ちゃん」
「イリアって言います。よろしくお願いします」
「アラタ君にソラちゃんにイリアちゃんね!それでアラタ君たちはここに何をしにきたのかしら?」
「あぁ。教会っていうものを初めて見たんでな。気になって入ってみたんだ」
「そうなの。存分に見て行ってちょうだい!よかったら案内するわよ」
「いいのか?じゃあよろしく頼む」
「じゃぁ早速行きましょう」
この後イリナに教会の施設についていろいろと説明を受けた。そしてイリナと行動して一時間位の時が過ぎたがまだ話は続いる。
「それで教会の利用者って言うのは結構いるのか?」
「残念ながらあまりいないわ。時代が進むにつれて教会で祈ったり懺悔したりする風習自体が無くなってきたのよ」
「へぇ~。でも教会って結構綺麗だよな」
「当たり前よ!何時でも天使様達をお迎え出来るように綺麗にしているのよ!」
「まるで天使と会っているような言い方だな嬢ちゃん?」
「あっ・・・えーと・・・例えよ!比喩よ比喩!」
「それは少し無理があると思います」
無理矢理な誤魔化し方に突っ込むイリア。
「・・・」
「どうする嬢ちゃん?このままだと私たちの嬢ちゃんへの認識が痛い女の子になるぜ?」
「少し場所を移してもいい?」
「いいぞ」
~教会:イリナの部屋~
「実は私は実際に天使と会った事があるのよ!」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「何か反応が薄いわね。天使が実際にいるのよ?」
「まぁそれは知ってたしな」
「え?ていう事はあなたもこっち側の人間?」
「こっちっていうのが何処の事を言うのかわからないが一応俺は魔道士だぞ」
「魔道士?」
「あ、えーと。魔術師みたいなもんだ」
「そうなんだ。誤魔化そうと焦って損しちゃった」
「イリナはおっちょこちょいだな」
「いつもは友達が居てカバーしてくれるんだけど今は買い物に行ってて」
「なるほど」
「友達はねゼノヴィアっていってちょっと常識外れのところもあるけど頼りになるのよ」
「なるほど。持ちつ持たれつってことだな」
「まぁそういう事」
アラタは時間が気になり時計を見る。すると18時をまわっていた。
「さてと、俺はそろそろ帰るかな」
「もう帰っちゃうの?」
「もう18時だしな」
「わっ!本当だ」
「じゃぁまたな」
「うん、またね。私はいつでも教会にいるから」
「わかったまた遊びに来るから。その時には友達にも会わせてくれよ」
「まかせなさい!」
そう言って教会を出てアラタはルフェイの家に向かう
~‐数分後‐イリナの部屋~
アラタが出て行った後イリナが本を読んでいると扉が開き、青髪に緑のメッシュが入った女の人が入ってくる
「イリナ帰ったぞ」
「もう!遅いわよゼノヴィア」
「すまない、いつもの店で買ってる物が売れ切れだったから少し遠くまで行ってきた」
「それなら連絡ぐらいしなさいよ」
「今度から気を付けよう。それより変わった事は無かったか?」
「うーん。新しい友達が出来たわ」
「イリナに友達とは珍しいな。私以外に作れたのか?」
「私だって友達ぐらい作れるよ!」
「どんな奴なんだ?」
「えーとね。私と同じ日本人で魔術師なの」
イリナはアラタに魔道士と言われたがゼノヴィアにもわかるように魔術師に変えて言いった。
「魔術師!?大丈夫だったのか?」
「うん。優しくてカッコよかったよ?」
「カッコよかった?」
「ち、違うの今のは忘れて!」
「イリナにも春が来たのか」
「もう忘れてってば!」
「はははっ。悪かったよ」
~帰宅中の道~
「・・・」
アラタが考え事をしているとソラが話しかけてくる。
「何を考えてるんだマスター」
「いや、さっきのイリナって子」
「イリナさんがどうしました?」
「結構胸が在ったなって」
「何でアラタさんはそっち方面でしかみてないんですか!」
「イリアよ。顔と胸の大きさは大事なことだぞ?」
「はっはっは。マスターらしいな!」
ヒロインイリナの登場です。後4、5話ぐらい後で原作介入にさせるかな?
後、戦闘シーンを書く上でアドバイスとかありますか?