ハイスクールD×D~魔王候補の行く道~   作:姫香

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この小説に目を通していただきありがとうございます。亀投稿ですが連載していくのでお気に入りに入れなくても見ていただければ幸いです。


プロローグ

~魔道学園のグラウンド~

 

 

「・・・なんだこれ?」

 

今、魔道の特訓を終えたばかりのアラタの前には人と同じくらいの大きさの黒い歪みが広がっていた。

 

「なぁソラよ。この黒い歪みは何だと思う?」

 

『さぁな。これに関しては私でも解りかねるぜ』

 

その問いに魔道書であるソラが答えを返す。

 

「なんだ。伝説の魔道書でも解らないことがあるのか」

 

『伝説の魔道書って言っても何でも解る万能な本じゃ無いんで』

 

「イリアはどう思うよ?」

 

『すみません。私にも解りません』

 

アラタは所持しているもう一つの魔導書のイリアにも聴いてみるが先程と答えは一緒だ。

 

「ソラにもイリアにも解らないのか・・・ジュデッカはどうだ?」

 

右腕でブレスレットになっている剣にも問う。

 

『申し訳ありませんマスター。先程から解析(アナライズ)しているのですが不明です』

 

「なるほど。誰にも解らないと・・・」

 

『何を考えてるんですか?』

 

「いや、試しに触ってみようかなーと」

 

『絶対に駄目ですからね!』

 

アラタは右手を伸ばしかけたがイリアに止められたことにより手を元の位置に戻した

 

『何だ、触らないのか?』

 

「うむ、イリアに止められた」

 

『当たり前です!』

 

「しかたないからリリスでも呼んでくるか」

 

アラタが振り向き学園の方に歩き出した時、黒い歪みが周りの空間を吸い込み始めた

 

「うお!」

 

『マスター!』

 

『アラタさん!』

 

アラタは黒い歪みに吸い込まれてしまい、後には誰もいないグラウンドだけが残る・・・

 

 

~夜の廃墟~

 

 

アラタは上から地面に落とされた。

 

ドスッ

 

「いっつつ」

 

『大丈夫ですかアラタさん?』

 

『ああ。大丈夫だ』

 

心配するイリアに答えを返してからアラタは立ち上がるりあたりを見回す。

 

「どこだここ?」

 

『どこかの廃墟って感じだな』

 

「なるほど。あの黒い歪みといい廃墟といい冒険心をくすぐられるな!」

 

『呑気なことをいわないでください!』

 

ソラと話をしているとイリアに叱られてしまったので話を切り替える

 

「まぁとりあえずジュデッカ」

 

『はい。何でしょうかマスター』

 

「この廃墟の解析を頼む」

 

『了解しました』

 

「しかしどうしたものか」

 

しばらくアラタがどうしようかと悩んでいるとジュデッカの解析が終了した

 

『マスター。この廃墟の解析が完了しました』

 

「おう、サンキューな。でどうだった?」

 

『はい。マスターの他に生命反応が一つあります』

 

「それはそこに隠れている奴だけでいいのか?」

 

そういうとアラタは一本の柱を指さす

 

『はい。問題ありません』

 

「よくわかったわね」

 

その言葉と共に人間の女性が姿を現す・・・・・・そう、上半身だけ見れば。その化け物全体で6mはあるそして裸の女性の上半身を持ち、下半身はもう一つ女性の体をくっつけているようだった。

 

「う~ん。おっぱいを見れたのは眼福なんだが」

 

『珍しく反応に困ってるなマスター』

 

『言ってる場合ですか!』

 

「私の名はバイサーっていうの。まあ、すぐにお別れになっちゃうけど冥土の土産ってやつよ」

 

「ソラ、聴いたか。今どき冥土の土産なんて聴けるものじゃないぞ」

 

『あぁレアだぜ、マスター』

 

『本当にこの二人は・・・』

 

少しからかったところでアラタがバイサーに質問する。

 

「てことは今から俺たちはお前に殺されるって事か?」

 

「そう言ったはずだけど」

 

「そうか。でもただで食われる気はないぜ!」

 

「ふふ、人間に何が出来るというのかしら」

 

「やってみなくちゃわからないだろ。でも、正直お前みたいな奴と戦った事がないから困ってるとこだ」

 

「ならおとなしく食われなさい!」

 

次の瞬間バイサーの下半身の右手がアラタを襲う。

 

「よっと」

 

アラタは横へ跳び回避する

 

ズドンッ

 

バイサーの右腕が空振り地面にひびを入れる。

 

「くらったら痛そうだな」

 

「痛いだけで済めばいいけどね!」

 

バイサーの手に魔法陣が出される。

 

「あれは?」

 

『何かの魔法陣のようですけど・・・見たことありませんね』

 

イリアとしゃべっていると魔法陣から光線が発射される

 

「うおっ」

 

跳んで回避し、光線が当たったところを見ると溶けていた

 

「あれは当たったらやばいな」

 

「ええい!ちょこまかと!」

 

「こっちも攻撃したいんだが相手が女じゃなぁ」

 

『その心配はいらないぜマスター』

 

「どうしてだ?ソラ」

 

『あいつを解析してみたが人間ではなさそうだぜ』

 

「そうなのか?」

 

『おうよ、それにあの下半身も最初っからああなっていた訳じゃなさそうだぜ』

 

「それなら・・・」

 

今度はバイサーの左手が振り下ろされる。

 

「やられてばかりじゃいられないしな。ソラたのむぜ」

 

『おう!』

 

アラタが右手を開くと手の平に銃が錬成される。そしてバイサーの左手を回避し銃口をバイサーに向ける。

 

「メテオパニッシャー!」

 

銃の引き金を引くと同時にそういうと銃口から白く光り輝く光弾が発射される。

 

「な、なんだこれわあぁぁぁぁ」

 

光が収まると普通の女性の姿になったバイサーがいた。

 

「貴様!私に何をした!」

 

「何って、お前が化け物になった原因の魔力だけ消滅させただけだが?」

 

「しかし何故私を殺さない」

 

「俺は女性を傷つけたくはないからな」

 

「つくづく甘い奴だな」

 

「後は、ソラよ錬金術(アウター・アルケミック)で服は作れるか?」

 

『一応作れるぜ』

 

ソラはそう言うと人間の姿になり、手の平に簡単な服をつくりだした。

 

「バイサーって言ったよな?」

 

「あぁ」

 

「寒いだろうからこの服を着ろよ」

 

「いいのか?」

 

「そうじゃないと俺が目のやり場に困る」

 

「わかった」

 

数分後バイサーが着替え終わる

 

「おぉ~中々似合ってるじゃないか」

 

「ありがとう」

 

「私から一つ質問いいか?」

 

「なんだ?」

 

「さっきお前が使っていた魔術はなんだ?それと、この町の名前を教えてくれ」

 

「そんなことか。いいだろう」

 

バイサーから聴いたのは魔術の事、悪魔と天使そして堕天使が存在しその他の生物が存在している事、知らない街の名前、色々な事がわかった。

 

「・・・マスターよ、にわかには信じがたいが私たちは異世界に来てしまったようだぜ?」

 

「まじか、ソラよ」

 

「あぁ。大マジだぜ」

 

「帰り方も解らないと?」

 

「そうだな」

 

「まぁなんとかなるか」

 

『アラタさんはどうしてそうマイペースなんですか・・・』

 

「イリアか、しばらく静かだったが何かあったか?」

 

『いえ、私たちの今後について考えていました』

 

「おう、イリアの考えを聴かせてくれ」

 

『はい』

 

イリヤは話をするために人の姿になる

 

「やはり私たちはこの世界の魔道について知るべきだと思うんです」

 

「ほうほう」

 

「アラタさんの体質的にトラブルがなくなるという事はないと思います」

 

「マスターはトラブルに巻き込まれやすい体質だからな」

 

「そこで一番厄介なのは悪魔や天使、堕天使とのトラブルです。もし、戦闘になるような事があれば知識がないのは弱点になります。そしてもう一つが元の世界に帰る方法が解るかもしれないからです」

 

「だからこの世界の魔道について学ぶと」

 

「はい」

 

「なるほど・・・よし!イリアの考えを採用しよう」

 

「今後の行動は決まりだな。で、この女はどうするマスター?またひん剥いて悪戯でもするか?」

 

「それも悪くないが。バイサー、行く当てはあるのか?」

 

「あるにはあるけど」

 

「そうか俺達はここから離れるがお前はどうする?また人間を襲うか?」

 

「もうそれはしないわ。あなたたちを見てたらバカバカしくなったわ」

 

「そうか」

 

「わたしは知り合いをあたるわ。今からでも私にできる生き方を探してみる」

 

「わかった、後一つ聴いてもいいか?」

 

「なに?」

 

「魔術に詳しい奴って知ってるか?」

 

「そうねー・・・北欧の方にルフェイっていう優秀な魔法使いがいるのを耳にしたわ。」

 

「そうか、まずそのルフェイってやつにあってみるか」

 

「居場所わかるの?」

 

「知らん」

 

「だろうと思ったわ。何か紙とペンある?」

 

「あるぞ」

 

「貸しなさい」

 

バイサーは紙とペンを受け取り何かを書いている

 

「はい、これ」

 

「これは?」

 

「大体の場所よ」

 

「そうかサンキューな」

 

「お礼を言うのはこっちの方よ」

 

「じゃぁ元気でな!」

 

「あなたもね」

 

 

 

~廃墟の外~

 

 

「すっかり朝だな」

 

「じゃぁそのルフェイってやつのところに行くか」

 

「あぁ」

 

アラタ達は歩き出した

 

「あっ」

 

「どうしたんだマスター」

 

「海を渡るときどうしよう」

 

「「・・・」」

 

しばらく3人の間に無言が続いた

 

 

~その日の夜~

 

 

「本当にここなの?」

 

紅髪の女性が横にいる黒髪のポニーテールの女性に話しかける

 

「はい、報告ではここにはぐれ悪魔のバイサーがいると」

 

「そう」

 

「部長。はぐれ悪魔は何処にも見当たりません」

 

次に紅髪の女性に話しかけたのは金髪の美少年だ

 

「こっちにも確認できません」

 

次は小さい白髪の女の子

 

「いなくなったんですかね?」

 

次に茶髪の少年

 

「そうね・・・もう少し探してから一旦部室に戻りましょう」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャラクター説明

 

春日(かすが)アラタ

性別:男 年齢:17歳 身長:175cm

書庫:傲慢(スペルビア) 研究:支配(インぺル)

階位:魔王候補

持ち物:アスティルの写本、イーリアス断章、黒皇剣ジュデッカ

説明:”魔王因子”を持ちいずれは世界を滅ぼすといわれている魔王候補。

   普通の魔道士では比較にならない程の桁違いの魔力を持ち世界を構築

   する魔術や全てを飲み込む崩壊現象など様々な事象を引き起こしてき

   た。魔術との出会いをきっかけに魔道士を歩み始めた

※(トリニティセブンの漫画を読んでいる皆様へ)

このSSに登場するアラタは魔王因子を持っていますがスペックは最新刊のもので書いて行くので

そういった魔改造が無理な方は無理をせず回れ右をしてください。

 

 

ソラ(アスティルの写本)

性別:女 年齢:不明 身長:145cm

書庫:所持者に応じる

階位:伝説の魔道書

説明:異世界の知識が宿るとされている魔道書。伝説の魔導書と呼ばれるだ

   けあり魔道書単体でも膨大な魔力と威力を誇っている。アラタがマス

   ターになってからは他人の魔術のコピーなどができるようになる。基

   本は本の状態だが人の姿になることも可能。

 

イリア(イーリアス断章)

性別:女 年齢:不明 身長157cm

書庫:所有者に応じる

階位:伝説の魔導書

説明:サポート系の魔導書でサポート系の魔術を得意としている。アラタが

   自身の魔力に耐えられないような魔術を使用する際はアラタの魔力を

   安定させることが可能で治癒魔法などの回復系の魔法も得意としてい

   る。こちらも基本は本だがソラと同じように人の姿になることも可能。

 

ジュデッカ(黒皇剣ジェデッカ)

階位:魔王兵器

説明:強大な力を秘めている魔王兵器で剣そのものが支配という力を持って

   いる。この剣を所持できるのは全ての世界においてアラタ一人。こ

   の剣自体も全ての世界においてこのたった一振りのみ。

 

 

 

”必読”

文章ではカッコで魔道書が本になっているか人の姿になるかを分けたいと思います。

「」の場合は人の状態

『』の場合は魔道書や武器の状態

です。ご理解のほどよろしくお願いします。




どうでしたか?基本はアラタ視点で書いて行くので原作介入はまだ少し先になります。
次回はルフェイの登場!・・・とまではいかなくてもルフェイの元までたどりつければいいなー

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