そして1月1日に間に合わなかった・・・
皆さま、あけましておめでとうございます。
今日は元旦・・・新年の始まりだ。それと同時に今日は俺にとって、とても大切な日でもある。何故ならば、今日は俺の可愛い彼女の・・・ダイヤの誕生日だ♪
と言うわけで俺は今、黒澤家の前に来ている。しかしながら、今の俺は手放してダイヤの誕生日を祝えない状況にあった。なぜなら、今日は元旦。と言う事は今、黒澤家には大勢の親戚が集まっているからだ。そんな中でダイヤといイチャつけるわけもなく、しかも親戚から好奇の目にさらされるのは予想が出来る。
なら、なぜこのような場に行くのかと言えば、おじさんから強制召集がかかったからだ。本来であればお袋と親父がこっちに帰ってくる予定だったので、久し振りに親子水入らずの時間を過ごしてからダイヤとデートするつもりだったんだけど、仕事が思いのほか忙しいらしく今年はこっちに帰ってこれないと、俺にではなくおばさんに連絡があったようで、気を利かせてくれたおじさんが『一人寂しく正月を過ごすのならこっちに来い』と言ってれたのでこうなったわけだ。ちなみに『親戚が合わせろとうるさいし・・・』と小声で言っていたのは聞き逃さなかった。
「はぁ・・・気が重い・・・。ダイヤに逢えるのはいいんだけど、俺・・・完全に酒の肴だよな・・・。」
とはいえ、いつまでもこの寒空の下、黒澤家のでかい門の前で佇んでるわけにもいかないよなぁ・・・。正直いじられるのは果南とマリーお腹いっぱいなんだが、いずれは俺の親戚にもなるであろう人たちなわけだし、前向きに行こう!!ここで気に入ってもらえたら、いざって時色々助けてもらえるかもしれないしな。
ピンポーン
「はーい。・・・あら悠さん、いらっしゃい。」
「あ、おばさん。あけましておめでとうございます。」
「あけましておめでとうございます。さぁ、中に入って。ダイヤさんも中で待ってるわよ。」
「お邪魔します」
俺はおばさんに挨拶をすませると皆が集まっている部屋へと案内された。
案内された部屋には親戚が3・40人ほど集まっていた。
家なんかとは比べ物にならないなぁ。家なんて集まったって10人も集まらないだろうし、流石は黒澤家。まさに旧家のお家って感じだな。
「凄いなぁ・・・。」
「あら、悠さん♪」
俺が部屋の前で呆気にとられていると、親戚に甲斐甲斐しくお酌をしていたダイヤが俺に気付きニコニコしながら寄ってきた。
「あけましておめでとうございます、悠さん♪」
「あぁ、あけましておめでとう、ダイヤ♪今日の振り袖姿も綺麗だよ♪」
「まぁ、悠さんったら///」
今日のダイヤはお正月と言う事もあり赤を基調とした色鮮やかな振袖を着ていた。スクールアイドルをしていたときに来ていたような服も似合うが、やはりダイヤには和装が良く似合う。大和撫子というのはダイヤの為にあるような言葉だろう。
「あ、お兄ちゃんだ♪」
「ん?おぉ、ルビィ、あけましておめでとう♪」
「あけましておめでとうございます♪ねぇねぇお兄ちゃん、どう?似合うかな?」
ルビィはくるりと回って桃色の振袖姿を見せてきた。
「似合っているよ♪」
俺はルビィの頭を撫でながら答えると、嬉しそうに目を細めていた。
「それで、おじさんは?」
「えっと、それでしたら・・・」
俺がおじさんにも挨拶をしようとあたりを見渡すとおじさんの姿が見えず、ダイヤに訪ねると言いずらそうに部屋の隅を見たので俺もそちらの方を見ると、おじさんと親戚の方だろうか、数名が畳の上にビール瓶や一升瓶などと共に転がっていた。
「あれ・・・は?」
「毎年の事なのですが、皆さん昨夜からずっとお酒を飲んでいまして・・・」
「それで新年早々に酔いつぶれてるのか・・・」
「特に今年は飲むペースも速く・・・」
なるほど・・・大方親戚の人に『ダイヤに彼氏ができてよかったなぁ』とか『孫の顔が楽しみだな』的な事を言われたんだろ。で、ダイヤが嫁に行くところでも想像してやけ酒でもした、と・・・。
「そんな事よりもどうぞこちらに。今悠さんの分のお節を用意しますので、少し待っていてください。」
「あ、俺も手伝うよ。」
「いいえ、こういうときは殿方はドンと構えて待っていてください。」
「わ・わかった。」
こうして俺はダイヤに言われるまま待っていると、暫くしてお節が運ばれてきた。それと同時に俺はダイヤの親戚にとり囲まれ、あれころと質問攻めにあったのだった。
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「はぁ、疲れた・・・」
「申し訳ありません・・・。」
「いや、ダイヤのせいじゃないから、気にしないで。」
俺とダイヤは親戚の質問攻めからなんとか解放され、今は初詣に向かっている途中だ。いやはや、女性と言うのはいくつになっても恋バナが好きなようで男性人が潰れていくのを尻目に女性人はキャッキャしていた。
「しかし、本当にダイヤは着物がよく似合うよなぁ♪クリスマスの時みたいな恰好もいいけど、着物はあの時とはまた違った色気というか気品みたいなものがあるよな♪」
「そ、そうですか?///」
「おう。逢うのが俺の部屋じゃなくてダイヤの家でよかったって思うくらいによく似合ってるよ♪」
「??それはどういう意味ですの?」
「いやだって、こんな色っぽい格好をしたダイヤと部屋で二人っきりになんてなったら、俺たぶん押し倒しちゃうと思うし///」
「ピッ!?////」
「だから、ダイヤの家でよかったなと///」
「ぶっぶ~ですわっ!!そ・そそそ、そんな破廉恥な////」
顔を真っ赤にさせて可愛いなぁ♪しかし流石はダイヤ・・・その名に恥じぬ硬度10っぷり。一応これでも一線は越えたんだけどなぁ・・・。結局そのとき以来全然無いし・・・。まぁ、あの時はダイヤも精神的に弱っていてそこに付け込んでしまったというかなんというかで、後悔は勿論していないけど、真面目なダイヤからしたら本当なら結婚するまでは・・・とか恥ずかしさやらがあって2度目がないのだろう。まぁ、ダイヤがその気になってくれないと意味ないし、あれ以降もキスはできてるからいいんだけどね♪しかし・・・
「破廉恥とは心外だなぁ。俺はこんなにもダイヤを思っていると言うのに・・・。」
「そう言われましても・・・。って、そんなことよりも、悠さんなんだかキャラがおかしくありませんか?」
「そうかな?」
「そうですよ!!以前はこんなに軽薄な感じではなかったじゃないですか!!」
「あぁ、まぁそうなんだけど、クリスマスのときにちゃんと言えなくてあんなことになったし、ダイヤへの気持ちはちゃんと出して行こうかなと♪」
「それは嬉しいですが・・・///」
「それにさ、照れたり、ダイヤへ遠慮し過ぎるのも改めようかなぁってさ。これからもずっと一緒にいるんだし、気にしなさ過ぎるのも駄目だけど、気にし過ぎるのも疲れちゃうからさ。」
(ずっと・・・一緒///)
「だから、ダイヤも遠慮しないで良いものは良い、嫌なものは嫌と言ってくれよな?」
「わかりました♪確かに私もあの時、変な遠慮をせずにちゃんと悠さんに聞いていたら、あんなにもやもやせずにいられたわけですしね・・・」
「だからってわけじゃないけど、改めてよろしくなダイヤ♪」
「はい♪こちらこそ、不束者ですが改めてよろしくお願い致します♪」
俺とダイヤは改めて想いを確認しあい、手を繋いで目的地の神社へと向かった。
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「やっぱり凄いなぁ・・・」
「さすがはお正月ですわね。」
神社へついた俺たちは、視界を埋め尽くす人に圧倒されていた。
「まぁ、ここにいても邪魔になるし、はぐれない様にちゃんと手を繋いで並ぼうか♪」
「そうですね♪」
人の流れに沿って歩くこと30分・・・俺たちはようやくお賽銭箱の前に到着し、俺とダイヤはそれぞれお願いをして人ごみを後にした。
「悠さんは何をお願いしたんですか?」
「そんなの決まってるじゃん♪ダイヤとずっといられますように、ってね♪ダイヤは?」
「それは・・・秘密ですわ♪」
「お約束だなぁ・・・。」
「冗談です♪私も悠さんと同じですわ♪」
「そっか、ならよった♪さて、それならお参りも終わったし、屋台でも覗いて帰るか?」
「そうですわね。ルビィにもなにか買っていってあげましょう♪」
「あっとその前に・・・」
「?」
いけないいけない、色々ありすぎて渡しそびれるところだった。
俺はダイヤを人の少ないところへ引っ張って行き、今日のために用意したプレゼントを鞄から取り出してダイヤに見せた。
「誕生日おめでとう、ダイヤ♪色々あってちゃんと言うタイミング逃して今頃になって申し訳ないけど・・・これ、誕生日プレゼント♪」
「貰ってもよろしいんですか?」
「当然だろ?というか貰ってくれないと困るな。」
「これは!!」
ダイヤが箱の中から取り出したものを見て嬉しそうな顔を見せてくれた。
「髪留め♪」
そう、俺が誕生日プレゼントに選んだのは可愛らしい小さな白色の花がついた髪留めだ。今回はちゃんと(?)一人で選んだものだ。
「どう・・かな?ダイヤに似合うかなぁと思って選んだんだけど・・・」
「凄く気に入りましたわ!!今つけてもいいですか?」
「うん♪」
「・・・・似合いますか?」
「うん♪よく似合ってるよ♪」
「ありがとうございます♪」
「誕生日おめでとう、ダイヤ♪」
この後俺たちはルビィのお土産を買って黒澤家に帰り、酔いつぶれていたおじさん達に絡まれながらダイヤの誕生日を過ごしましたとさ。
改めてダイヤちゃん誕生日おめでとう!!
忙しくて誕生日に上げれなかったのが悔やまれますが、気を取り直して・・・
アニメ二期最終回お疲れ様でした。ならびに映画化おめでとうございます♪
今から楽しみですね♪
後1話ほど間幕を書いたら二部目に入ろうと思います。
では、次回もよろしければ読んでやってください♪