第28話 ~涙のクリスマス ダイヤSide~
~ダイヤSide~
「やはりこの時期は普段より活気がありますわね。」
「そうだね。それに皆楽しそう♪」
「そうですわね♪もうすぐクリスマスですから、皆さん自然と楽しい気分になるんでしょうね♪」
クリスマス・イヴを前日に控えた私は今、ルビィと一緒に悠さんとルビィのクリスマスプレゼントと買いに来ました。今までは別々にお互いのプレゼントを買って当日プレゼント交換をしていたのですが、今年は悠さんへのプレゼントを一緒に選んでほしくてルビィに付き合ったもらいました。
「それで、お姉ちゃんは何を買うつもりなの?」
「お財布ですわ。」
「お財布?」
「えぇ。悠さんが今使っていお財布がボロボロでだったので、何で買い変えないのか聞いたところ、『買い変えようとは思ってるんだけど、まだ使えるし、いいのが無いからずるずるとね・・・。』と言う事でしたので。」
「そうなんだ。なんかお兄ちゃんらしいね♪・・・でもルビィが一緒に探してもいいの?」
「えぇ。ルビィはこういった物を選ぶセンスがありますし、意見が欲しくて・・・。」
「それじゃ、お姉ちゃんの為にがんばルビィ♪」
我が妹ながらなんて可愛いのかしら!!
私はルビィの頭を撫でながらお礼を言ってから二人で何店舗か周り、ルビィの勧めで黒色の革の長財布を買いました。デザインはシンプルですが、使いやすさを優先して長く使ってもらえるような物にしました。
「ありがとうルビィ♪おかげさまでいいものが買えましたわ♪」
「気にしないでお姉ちゃん♪・・・あれ?お兄ちゃんだ!」
「え!?あ、ル・ルビィ!!このプレゼントの事は悠さんには内緒ですわよ!!」
「うん♪・・・あれ?果南さんと一緒だ。」
「え!?・・・本当、ですわね・・・。」
私はまたルビィの頭を撫でながらお礼をしていると、ルビィが私越しに悠さんを見つけたようですが、果南さんも一緒に居た様で、私も振り返り悠さんを見つけると、確かに果南さんと楽しそうに歩いている悠さん居ました。
「なぜ悠さんと果南さんが・・・?しかもあんなに楽しそうに・・・。はっ!!ま・まさかこれが世にいう浮気ですか!?」
「えぇ!?ち・違うんじゃないかな・・・?そもそも、お姉ちゃん、明日お兄ちゃんとデートなんでしょ?」
「それはそうなのですが・・・」
「でしょ!!果南さんとは偶然ここで会っただけだよ、きっと!!」
「そ・そうですわよね?」
「うんうん♪」
「でも・・・。はっ!!もしやこれは、どの恋人にも訪れると言う『倦怠期』というものから、気持ちが他の人に向いてしまった結果なのでわないのですか!?」
「そ・それも違うような・・・。てか、なんで戻っちゃうの!?」
「やはり、あのお胸でしょうか!?」
「お、お姉ちゃん!?」
「悔しいですが、果南さんのあのナイスボディには、どんなに努力しても勝てる気がしませんわ・・・。やはり殿方はお胸の大きい方がいいのでしょうか・・・。」
「お・落ち着いてお姉ちゃん!」
「それともあの時以来、その・・・男女のそれがないからでしょうか・・・」
「そんな生々しい話、ルビィ聞きたくなよ!!もう、しっかりしてお姉ちゃん!!」
「ぴっ!?わ・私とした事が、つい取り乱してしまいましたわ。」
私とした事がはしたない。しかし、なぜ悠さんと果南さんが一緒に居るのか、それを調べなくてはいけませんわね。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん行っちゃうよ?声かけなくていいの?」
「ルビィ!後をつけますわよ!!」
「うん!・・・え!?」
「ほら行きますわよっ!!」
「え?ちょ、ま・待ってよ~お姉ちゃ~~ん!!」
こうして私達の悠さんの追跡が始まりました。
悠さんと果南さんは数店のアクセサリーショップを回っては、色々なアクセサリーを果南さんが身につけては外してを繰り返し、果南さんとふざけあったりしながら楽しそうに選んでいまが、やがて気に入ったものがあったのか、可愛らしいハート型のネックレスを購入してお店を出て行きました。
「や、やはりあれは果南さんへのプレゼントの様ですわね・・・。」
「絶対違うと思うんだけど・・・」
「終わりましたわ・・・何もかも・・・。」
「いやいや、お姉ちゃん、なんでいきなり諦めてるの!?」
「だってあんなに楽しそうに二人で選んでいたのですよ?果南さんのあんなに優しい笑顔も久し振りに見ましたわ・・・。きっと私が知らない間に二人の関係は・・・」
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「ねぇ悠君、わたしとダイヤどっちのがいい?」
「そんなの果南に決まっているだろ。ダイヤの物は小さくて物足りなかったんだ。」
「本当に?嬉しいなぁ♪それなら、わたしの物、気が済むまで触っていいよ♪」
「ありがとう果南。愛してるよ。君の瞳に乾杯(キリッ)」
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「ぶっぶ~ですわっ!!!!!!」
「お姉ちゃん!?」
『ん?』
『どうかしたの悠君?』
『いや、今ダイヤの声がしたような・・・。』
『そう?わたしは聞こえなかったけど?』
『なら気のせいかな?』
「ほっ・・・どうにかお兄ちゃん達にはバレなかったみたい・・・。」
突然大声を出した私をルビィが慌てて物陰に隠してくれたおかげで悠さんにバレずにすみました。
「もぉ、お姉ちゃんしっかりして!!てか、今の妄想はなに?あれは誰!?」
「ですから、悠さんと果南さんが・・・」
「全然違うよね?お兄ちゃんあんなこと言わないよ?とゆうか、今どきあんなこと言う人いないよね?」
「そうですか?殿方は意中の女性にはあのようなかっこいいセリフを言うものではないのですか?」
「お姉ちゃんのかっこいいの基準って・・・。」
ルビィがなぜか項垂れてしまいました。私変な事を言ったでしょうか?
「って、この際そのセリフがかっこいいかどうかはいいとして、お兄ちゃんはそんなおかしなこと言わないよね!?」
「私に言わないだけかもしれませんわ・・・」
(ダメだ。お姉ちゃん自分の妄想でショックを受け過ぎて、まともに考える事が出来なくなってる。うゆぅ、ルビィの大好きなお姉ちゃんが・・・ここは、ルビィが頑張らないと!!)
「そうだよ!!あの奥手のお兄ちゃんがこんな大胆な事出来るわけないじゃない!!それに果南さんだってそんなひどい事するわけないじゃない!!」
「ですが、今目の前に広がる光景はどう説明いたしますの?」
アクセサリーショップを出てから暫く歩き、今目の前には、ケーキやグランマさんで美味しそうにケーキを食べているお二人がいました。
「えっと・・・それはそのぉ・・・」
「これはどう見てもデートですわ・・・疑いようがありませんわ・・・。もういいですわ・・・帰りましょうルビィ・・・。」
「え、で・でも・・・。これには絶対理由があると思うよ?」
「いいから!!・・・帰りますわよ・・・」
「ピギッ!!お姉ちゃんそんなフラフラな状態で一人で歩いたら危ないよ~!!」
その後私はルビィに支えられる形で家に帰りました。
この日の夜は、昼間の光景が頭から離れず眠ることができませんでした・・・。
~ダイヤSide END~
悠君視点の方も宜しければどうぞ♪