さて、今日はいよいよイベント前日。と言うわけで今から俺はダイヤ達の引率者としてこれから東京に行ってきます。今はここ沼津駅でダイヤ達を待っているんだけど落ち着かない。だってそうだろ?女子高生3人と泊りがけで東京に行くんだぜ?そのうち1人は彼女だし他の二人も美人だしで、何もなくてもそわそわしてしまう。しかもだ、今回はこの三人の引率者と言うか保護者と言うか・・・とにかくこの三人を無事に帰す責任があるわけで、俺を信じて預けてくれた親御さんを裏切らないようにしなくちゃいけないプレッシャーもあるわけで色々な意味でドキドキだ。
「悠さんおまたせしました♪」
「おはよう悠君♪」
「モーニン☆」
「おぉ、三人ともおはよう。」
俺がそわそわして待っていると、少し大きめの荷物を持った三人がバスから降りてきた。
「そんじゃ全員揃ったし東京に行こうか!てな訳でダイヤ!一言頼む♪」
「えぇ!?私ですか!?」
「Aqoursの発起人だしここはやっぱりダイヤかぁと。」
「がんばれダイヤ♪」
「ナイスな一言タノミマス☆」
いきなり挨拶を振られて驚いたダイヤだが、果南とマリーにも見つめられ観念したのか溜息をついた。
「仕方ありませんわね・・・。こほんっ。私たちは学校を救うために今日まで頑張ってきました。明日行われるイベントでしっかり結果をの残せればラブライブが見えてきます。そうすればきっと学校存続も夢ではなくなるはずです。気合を入れていきますわよ!!」
「「おぉ~!!」」
そして俺達は東京へと向かう電車の中でお菓子を食べたり明日のライブの話をしたりしながら楽しい時間を過ごした。ただ、時折ダイヤも果南も寂しそうな、何か悩んでいるようなそんな表情をしていたことが気になったけど、きっと緊張してるんだろうと勝手に納得していた。
そして電車は東京に到着し俺達は東京の地へと降り立った。
「しっかし相変わらずすげー人だなぁ。はぐれない様に注意しないとな。」
「そうだね。いくら携帯があるとはいえ、なれない場所で合流するのは大変そうだもんね。」
「ユウ。」
「なんだマリー?なんかあったか?」
「ダイヤがいないよ?」
「はい!?」
ダイヤがいないですと!?俺は慌てて振り返るがそこにはダイヤの姿はなく周りを見渡してもダイヤを見つける事が出来なかった。
「まじか!?電車を降りるときは居たのにこの短時間でそこに行ったんだ!?」
俺は慌て携帯を取り出すとダイヤに電話をかけみるが電源が切れているようでつながらない。これはまずい!!これは完全に俺の落ち度だ!!東京にトラウマのあるダイヤから目を離した俺のミスだ!!
「と、とにかくダイヤを探そう!!」
「でも、どうやって?みんなでばらばらに探したら、それはそれでまた大変なことになりそうだけど・・・」
「そうだよな・・・とりあえずここは三人で一緒に探そう。二人は俺に着いて来てくれ。」
「OK☆サクッとダイヤを探しましょ☆」
そして俺達はダイヤを探し始めたのだがこの無駄にだだっ広い東京駅で一体どこから探したものやら・・・。取り合えす降りてきたホームへ探しに行ってみたけどやっぱり居ない・・・。次に近くのトイレなど探したけどやっぱり居ない・・・・。そんなこんなでかれこれ一時間近く探したけど見つからず、俺はかなり焦っていた。その間も何度か電話をかけてみたけどやはり繋がらず、そろそろお手上げ状態になってきたときやっとダイヤを見つけた。
「ダイヤ!!」
「あ、悠さん!!」
「よかった無事で・・・・」
「ごめんなさい・・・・」
「本当だよ。携帯も繋がらないし一体どうしたの?」
「と言うより、ダイヤ、ソノコ誰?ユウとの隠し子?」
マリーがそう言うと、俺達はダイヤから少し視線を落とすとダイヤと手を繋いだ小学1年生くらいの男の子がいた。・・・・誰?俺にはまったくもって身に覚えはないのだが・・・。
「違いますわよ!!そもそも悠さんとは隠さなきゃいけない関係じゃありませんわ!!と言うよりこんな大きな子がいるほど年とってませんわ!!それ以前に私と悠さんはまだキスだってした事のない清い関係ですわ!!」
おい待てダイヤ!!こいつらの前でさらっと何爆弾発言してくれちゃってるんだ!?あ、ほら二人がなんか、まだなの!?信じられない!!、的な視線を向けて来るじゃないか!!やめろ!そんな目で見ないでくれ!!
「おねいちゃん?」
「あぁ、急に大きな声を出してしまってすみません。」
「で、本当に誰なのこの子?」
「実はですね、ホームで迷子になってるこの子を見つけたのですが、少し目を離した隙に悠さんに悠さん達の姿がなくて・・・それで連絡を取ろうとしたら携帯の電池が切れてしまって連絡が取れず・・・」
「しかし、それならそうと駅員室にでも行ったらよかったのに。」
「そう思ったのですが、場所がわからなくて・・・」
はい?つまり迷子の面倒を見ながらダイヤも迷子になっていたと?マジで?
「あ、そんな目で見ないでください!!私だって恥ずかしいんですから!!」
「分からないも何も駅員室なら改札のところにあるじゃない。もしかしてダイヤ気付いてなかった?」
「あ///」
ほんとテンパるととことんポンコツになるんだから俺の彼女は可愛いわぁ。
「なんてなごんでる場合じゃないか。えっと、名前はなんて言うのかな?」
俺は男の子の前でしゃがんで目線を合わせると男の子の名前を聞いた。いきなり知らない人に名前を聞かれて怖くなったのかダイヤの後ろにさっと隠れられてしまったが顔をちょこんと出して名前を教えてくれた。
「・・・・・・さとる・・・」
「さとる君かぁ。かっこいい名前だね♪お兄ちゃんは悠っていうんだ。」
「ゆう?」
「そ。で、さとる君は誰とここまで来たの?」
「おかあさん・・・」
「そっか。それなら今からお母さんを駅の人に探してもらいけど、それまでいい子で待ってられるかな?」
「・・・いだ・・・おねいちゃんとがいい・・・」
「まぁ////」
いや、ダイヤさんキュンとしてないでよ。探してあげたいのは山々だけど、このだだっ広い東京駅しかもこんなごった返した人の中で人一人探すのは至難の業だぞ?しかも俺らさとる君のお母さんの顔知らないし・・・。
「ねぇ悠君、駅の人に聞いてきたんだけど子供を探しに来たお母さんが待ってるみたいだよ。」
「お!本当か?」
流石果南、行動が早い。こっちが子供の相手をしてる間に情報収集してきてくれるとは♪
「ただ、ここから反対の改札らしいノヨネ。」
「そうか・・・そこまでいってもいいけどもしかしたらこっちに向かってるかもしてないし入れ、違いになったら嫌だしここで待つか。」
「お母さんに早く会いたい・・・・」
俺がここで待とうと提案すると、さとる君は急に涙目になってお母さん早く会いたいと言い出した。まぁ、こんなだだっ広い駅で母親と離れて1時間ちょいも経っていればそりゃ心細くて早く会いたいよな。
「まいりましたわね・・・。ここを離れてまたしばらく会えなくなっても困りますし・・・」
「なら、わたしと鞠莉はここで待ってるよ。それたしい人きたら引きとめておくから、ダイヤと悠君はさとる君を連れてその改札まで行ってきて。」
「そうか?ならお願いしてもいいか?」
「うん、任せてよ♪」
「なら悪いけどここで待っていてくれ。向こうの改札に行ってくるから。」
「OK☆」
俺とダイヤはさとる君を連れて反対側の改札へと向かった。
「おにいちゃん・・・」
「ん?どうした?」
「肩車して。」
「肩車?まぁ、別にいいけど・・・」
少し歩いたところでさとる君が肩車をせがむので少し端によけてからさとる君を肩車してあげた。
「ふふふっ、なんだかこうしていると親子みたいですね♪」
「そうだな♪いつか本当にこんな風に歩けたらいいなぁ♪」
「ねぇ、おねいちゃんとおにいちゃんは結婚してるの?」
「!!////い・いえ、私と悠さんはまだ学生ですし、もちろんいずれそうなればいいなぁとは思いますが、まずはお互いちゃんと社会に出てお金を貯めてから~・・・そうですわね、結婚たらしばらく二人でのんびりしてから子供が欲しいですわね♪子供は2・3人は欲しいですわ~♪それでそれで~・・・」
「お・おいダイヤ?子供に何言ってるの!?てか、そうなったら俺も嬉しいけどダイヤの将来設計ダダ漏れだよ?」
「はっ!!申し訳ありません・・・・私とした事が//////」
「?よくわからないけど、おねいちゃんとおにいちゃんが結婚してないなら僕がおねいちゃんをお嫁さんにする~!!」
「まぁ////」
「ふっふっふっ、悪いなさとる君。君がダイヤに惹かれる気持ちは分かるが既にダイ・・・むぐっ!?」
「ちょ、悠さん!?こんな小さい子に張り合わないでください!!」
俺はさとる君にダイヤは俺のものだと言おうとしたらダイヤに止められてしまった。まぁ、こんな小さい子に張り合うのは大人げないよな。しかし、この子は見る目がある。ダイヤに惚れるとは・・・。というか、無邪気ってスゲー。さらっとプロポーズできるんだもんな・・・。少なくとも今の俺には無理だ・・・。でも、その時が来たら尻込みせず言えるだろうか?
「さとちゃん!!」
「あ!!おかあさんっ!!」
俺が子供の無邪気さに感心していると遠くの方から一人の女性が駆け寄ってきた。さとる君の母親らしいその女性を見かけてさとる君が嬉しそうに俺から降りて駆け寄って行った。
「さとちゃん!!無事でよかった!!」
「あのね、このおねいちゃん達が一緒におかあさんを探してくれたんだよ♪」
「そうだったんですね。ありがとうございます!!何とお礼を言っていいか・・・」
「お気になさらないでください。こうして無事再会できたのですからよかったですわ♪」
この後何かお礼をと言う母親に何とか断りを入れて、俺達はさとる君とその母親に別れを告げ果南とマリー待つ場所へと向かった。たまたま、さとる君を肩車していたおかげで人ごみから頭一つ飛びでていたため、さとる君の母親がさとる君を見つける事ができ、すれ違わずに済んだのはよかった。
そして果南達が待ている場所に戻るとまだこの事件は解決していなかった。というか、新たな事件発生?俺達が戻ると、本来そこで待っているはずの果南とマリーが見当たらないのだ。場所を間違えたかと思い果南に電話をしてみることにした。
「あ、果南?今どこにいるんだ?なんか俺達戻る場所を間違えたみたいで、今何口に居るか教えてもらえないか?」
「悠君ごめ~ん!!さっきまではそこにいたんだけど、鞠莉がなにか面白いもの見つけたみたいでシャイニー☆とか言ってどこかに向かってるんだよ~。」
「は?なんだそれ!?」
「とにかく今追いかけてるからそこで待ってて~」
果南はそう言うと電話を切ってしまった。
「どうしたんですの?」
「なんかマリーが暴走してるみたい?」
「またあの方は・・・」
そんなこんなで、俺達が合流したのはさらに1時間後だった。マリー話を聞くと紅茶専門店の看板が目に入り体が勝手に動いたとのこと・・・。子供じゃないんだから少しくらい大人しく待ってろよ・・・。
こんな珍事件のせいで予定していた東京観光は出来ず、俺らは予約していた宿へと向かった。宿に着いてからは特に目立った事はなく、明日は本番と言う事もあり皆早目の就寝となった。ダイヤ達の今のパフォーマンスがどこまで通じるのか不安もあるけど、いつも通りやればきっといい結果がついてくるよな?なんてったて俺の大好きな彼女がいるんだし♪
そう思いながら俺も隣の部屋で夢の世界に旅立ったのだった。言っておくがお風呂を覗きに行ったり夜這いをかけにいたりはしてないからね?したい気持ちはあっても今日の俺は保護者の立場だからちゃんと我慢したのであしからず・・・。まぁ、したくてもヘタレなんで出来ないと思うけど・・・。
いかがだったでしょうか?
本当は覗き回とかにしたかったけどなぜか迷子回になってしまった・・・・なぜだ!?
さて、次回はいよいよ東京のイベント本番です。鞠莉をどうやって怪我させるか、果南の心情をどうするかなど悩みどころですが次回もよかったら読んでください。