その輝く君に永遠を誓う   作:ヨーソローはやて

15 / 49
第14話 ~優しすぎです~

「おぉ!!久し振りにセイウチ見たけどやっぱりでかいなぁ!!」

 

 俺とダイヤは今セイウチのご飯タイムをみている。ここ三津シーに着いた時間が丁度セイウチのご飯タイムのショーの時間だったのだ。

 

「本当ですわね!でも、あんなに大きいのにとても愛嬌があって可愛いですわ~♪」

 

 確かに。餌をおねだりするところなんかとても可愛い。しかし、こんなに楽しそうなダイヤが見れて本当ここに来れてよかったなぁ。マリーに言われなかったら今日この笑顔を見ることはできなかっただろし感謝しないとな。

 

「しかし、うまそうに食うなぁ。なんだか魚が食いたくなってくるなぁ・・・。」

 

「悠さんったらけっこう食いしん坊なんですね♪」

 

「まぁ、まだまだ育ち盛りだからな♪」

 

「でも、男性はいっぱい食べる方がいいですわね。その方が作りがいがありますし♪それに、おいしいおいしい、と食べてくれたら嬉しいですしね♪」

 

「そうか?まぁダイヤの作ってくれるご飯は美味しいからそれは任せろ♪特に和食系は絶品だ!!ついつい食べ過ぎちゃうんだよなぁ。」

 

「褒めても何も出ませんよ♪?」

 

「そんなんじゃないって。でも今度魚の煮つけ作って♪」

 

「そのくらいでしたらいつでも♪」

 

 なんて会話をしていたらあっと言う間にセイウチのお食事タイムは終わってしまった。

 

「さて、今度は俺らの食事タイムと行こうか?」

 

「そうですわね。本当ならお弁当を用意したかったのですが・・・」

 

 くそ~ダイヤの弁当食べたかった~!!昨日のうちにちゃんと誘っとけばよかった・・・。俺のバカバカっ!!

 

「それは仕方ないさ。急に誘った俺が悪いんだし、ダイヤの特製弁当はまた次のお楽しみにってことで♪」

 

「そう言ってもらえると助かります。次は必ず作るので楽しみにしていてくださいね♪」

 

「おう♪それじゃ、今日はここの軽食コーナーでお昼にしようか。」

 

 俺らは昼食をとるため軽食コーナーへと向かった。休日のお昼時と言う事もありかなりの人でにぎわっていた。このままではダイヤとはぐれてしまいそうだし手をつないだ方がいいかな?

 

「凄い人出だな。このままだとはぐれそうだし手でもつなごうかダイヤ。」

 

「・・・・・」

 

「大丈夫かダ・・・イヤ!?」

 

 俺が呼びかけても返事がなくダイヤの方を振り返るとそこにダイヤの姿はなく、あたりを見渡すとなんとダイヤが人の波にさらわれてはるか遠くに流されていた。

 

「うお!?あんなところに流されてる!?」

 

「ぴぎゃ~~~~~~~~~~~~~!!!」

 

「ちょ!!落ち着けダイヤ!!今行くから!!」

 

 俺はどうにか人の荒波をかき分けてダイヤの元へ辿り着くと何とかダイヤの手をとって俺の方へと抱き寄せた。抱き寄せたダイヤを見ると半泣き状態で俺は驚いた。

 

「大丈夫かダイヤ!?誰かに踏まれたりしたのか?」

 

「うぅ・・・・・」

 

 ダイヤは泣きながら首をフルフルと横に振り不定した。

 

「ならどうしたんだ?」

 

「いえ、ちょっと昔の事を思い出してしまって・・・・それで少し怖くなってしまって・・・その・・・」

 

 あぁ・・・昔うちの家族と黒澤家で東京に行った時の事を思い出したのか・・・。

 あれは確かダイヤがまだ小学校に上がってすぐくらいだったかな?うちお袋とダイヤのお袋さんの同級生が東京で結婚式をするって言うんで家族で招待され東京に行ったのだが、あまりの人ごみにダイヤは人に波に押されつないでいた手が離れてしまいそのまま流されてしまったのだ。はじめて来る土地でしかも東京駅というとてつもなくでかい駅で一人になってしまったダイヤはもう二度と家族と再開できないと思ったと言っていたが、確かにあのときは俺ももうダイヤに逢えないのではないかと思ったもなぁ・・・おばさん達もみんな青い顔をして血相を変えてダイヤを探し回ったのをよく覚えている。

 普通なら迷子案内で放送がかかるもんなんだろうけど、当時のダイヤはルビィ並みに内気で人見知りも激しかったので、手を差し伸べてくれる大人から逃げ回っていたせいで保護される事もなくさらに迷子になると言う悪循環に陥っていたせいで全然見つけられなかった。え?ならどうやって見つけたかって?それは切符売り場の上にある路線図を見てあまりに複雑さにパニックを起こしたダイヤが超音波がごとく、ピギャーーー!!、と泣き叫んだため少し離れてところを探していた俺が気付くことができ何とか無事に再会できたのだ。そのトラウマからしばらくは人混みを嫌がり買い物に行くのも苦労したと聞く。それを今人に流され思い出してしまったらしい。

 

「よしよし。ダイヤがどこにいても俺が必ず迎えに行くから大丈夫だ。あの時もそうだっただろ?」

 

「えぇ・・・・ぐすっ」

 

「だからもう泣くな。初デートなんだし楽しもうぜ♪それから、もうはぐれないように・・・こうすれば安心だろ?」

 

 俺はそう言って安心させようとダイヤの手を少し強く握ると少し落ち着いたのか、まだ涙目だが笑顔を見せてくれた。

 

「ありがとうございます♪なんだかみっともないところを見せてしまい申し訳ありません・・・。」

 

「気にすんなって♪」

 

「それとその///」

 

「ん?」

 

「こうして抱きしめていただけるのはとても嬉しいのですが、そろそろ離していただけると助かるのですが///」

 

「へ?」

 

 ダイヤがとても恥ずかしそうにするので、ふと周りを見渡すと俺達を中心に囲むように人だかりができていた。どうやら周りから好奇の目で見られているらしい。そりゃそうか///女の子が泣いていてそれを人目もはばからず、手を握り締めながら抱きあっているカップルがいるんだもんなぁ、そりゃ注目の的にもなるよな///俺も同じ状況に出くわしたら見守ってしまうかもしれない。しかも周りからは『若いっていいわね~』『あのお兄ちゃん達ラブラブだ~』『Wow!これはいいものが見れたワ☆』『付き合うってここまでするんだ///』『良かったね、お姉ちゃん///』などの声がちらほら聞こえてきた。後半なんか聞きなれた声が聞こえてきた気もするが今の俺は恥ずかしすぎてそれどころではなかった。

 

「わ・悪い!!」

 

「い・いえ///」

 

「と・とりあえず、飯買いに行こうか?」

 

「そうですわね///」

 

 俺とダイヤは昼食を買うまで間、周りから温かい目で見守られていた。針のむしろと言ったところだろうか?穴があったら入りたいと言った方がいいのかな?とにかく恥ずかしい事極まりなかった。

 注文した品を受けとるや俺とダイヤはそそくさとテラスの方へ逃げるように向かった。しかしそこはお昼時、すべての席が埋まっていた。まぁ、今日は天気もよく温かいから気持ちのいいテラスで食べようと思うのはみんな同じだよなぁ・・・。そう思いながらもあたりを見回していると丁度一組の家族が食べ終わったようで席を立とうとしていたので、その家族に確認をとり席を確保できた。ちなみに今日の昼食は俺が、さばのトマトスパゲッティ、でダイヤが和風おろしツナスパゲッティである。

 

「いやぁ、しかしさっきはほんとまいったよ///」

 

「本当ですわ///私が原因なのは否定しませんが、あれはとても恥ずかしかったです///」

 

「次からはちゃんと周りを見るようにするからさ。」

 

「でも、とても嬉しかったですわ///」

 

「あはは///あ、パスタが冷めちゃう前に早く食おうぜ?」

 

「そうですね///」

 

 そのあと俺達は少し恥ずかしさが残る中お互いのパスタを食べ比べたりしながら楽しい時間を過ごした。お互い完食して海を見ながら一服していると潮風が心地肌を撫でて来る。

 

「なんかこういうのいいなぁ・・・」

 

「急にどうしたんですの?」

 

「いやなんかさ、好きな子とこうしてデートして過ごす休日って凄く満たされてるって言うか、今まで智也とかとバカやって遊んだりしてたけど、それはそれでもちろん楽しいんだけどさ、こうしてダイヤと一緒にいるととても落ち着くっていうか幸せだなぁって思えて、こんな時間がいつまでも続いたらいいなぁって・・・」

 

「悠さん///・・・そうですわね。こんな何気ない時間がなによりも尊いものなのかもしれませんわね・・・」

 

「そうかもしれないな・・・」

 

 俺とダイヤは今と言うかけがえのない時間をかみしめながら海を眺めていると視界の片隅で誰か近ずいてくるのが見えたかと思うと俺達の座っているテーブルの前で止まったかと思うと・・・。

 

「あなた達はどこの熟年夫婦よ!!」

 

「え!?」

 

「はい!?・・・ってマリー!!と・・・果南とルビィ!?」

 

 突然の突っ込みに俺とダイヤは驚き振り向くとそこにはなぜかご立腹のマリーと、マリーを追うように走ってくる果南とルビィがそこにいた。

 

「なんでマリー達がここにいるんだ?」

 

「それはそのぉ・・・」

 

「お姉ちゃんごめんなさい!!ルビィ・・・」

 

「そんなことはどうでもいいの!!それより何さっきの会話はっ!?」

 

「何?と言われましても・・・・?」

 

「さっきは抱き合って甘いセリフを言ってたかと思ったら今度は縁側でお茶を飲む老夫婦みたいな会話はなに!?もっと若者らしくシャイニーな会話はできないの!?」

 

 ん?今何って言った?抱き合っているところを見たですとっ!?

 

「おい、ちょっと待てマリー、今何て言った!?」

 

「え?だから老夫婦みたいな・・・」

 

「それはそれで遺憾だが・・・じゃなくてその前だ!!その前!!」

 

「抱き合って甘いセ・・・リフを・・・あ!・・・」

 

 マリーはやっと今自分がしている事を理解したのか、しまった、的な顔をした。後ろを見てみると果南は、あちゃ~、といった表情で頭を押さえ、ルビィはどうしていいか分からずあたりをキョロキョロ見渡してアタフタしていた。

 

「これは一体どういうことですの?三人ともちゃんと説明してくださいますわよね?」

 

「えっと・・・」

 

「うゆうゆ・・・」

 

「し、シャイニー!!」

 

 涙目になり顔を真っ赤にしたダイヤに問い詰められた三人は、果南はバツの悪そうに顔を逸らし、ルビィは泣きそうになり、マリーは海に向かってシャイニーとか叫びだした。

 

「ちゃんと答えなさ~~~いっ!!」

 

「oh!!」「あうっ!」「ピギャ!!」

 

 そんな三人をダイヤが一喝すると三人ともシュンと項垂れてしまった・・・というか三人とも若干震えていた。あまりの恥ずかしさにテンパっているんだろうが今のダイヤは物凄く怖かった・・・。正直俺が怒られているわけではないのに一緒に謝ってしまいそうなほど迫力があった。

 まぁ、それはさておき、ダイヤに怒られた三人は可哀想なことにこのテラスで正座させられダイヤから尋問を受けていた。

 

「それで、これは一体どういうことなんですか?納得がいく説明をしてください。」

 

「それはデスネ・・・あぁ!!そんなことより、今日のダイヤはとっても素敵なFashionね☆初デートで頑張ったのかしら?☆」

 

「えぇまぁ///って話をはぐらかさないでくださいな!!」

 

「はぐらかしてないって☆こんな可愛いダイヤが見れてユウも惚れなおしたんじゃない?ねぇユウ?」

 

「え?あ・あぁ。確かによく似合ってて可愛いと思うよ♪」

 

「悠さん////・・・・ってそうじゃないでしょ!!」

 

 危うくマリーの誘導に引っ掛かりそうになったダイヤだがすぐに持ち直しテーブルをバンっ!と叩いていた。痛そうだなぁと思っているとやはり痛かったのか、先ほどとは別の意味で涙目になりながら手をヒラヒラさせていた。ほんと俺の彼女はやることが可愛いなぁ♪

 そしてそんなダイヤを見てマリーと果南は笑っていたがダイヤに睨まれて慌てて怯んでいた。

 

「ったく、あなた達は今は笑っていられる立場ではないでしょ?いい加減はぐらさないでちゃんと話してください!」

 

 マリー達はというか、マリーはもうごまかせないと分かったのかここに至るまでの説明をさらっと始めた。

 まぁ、予想通りちゃ予想通りの回答だったが、早い話が俺とダイヤが付き合えたのはマリー達のおかげだしここまで面倒みたからには初デートまで見届けなくてはと・・・そう言うことらしい。絶対に面白そうだから以外ないと思うんだけどまぁ、この際それはいいだろう。

 ではなぜ果南とルビィまで居るかと言うと、果南は最初は反対していたらしいのだが、そこは年頃の女の子、恋愛事に対する好奇心が女子高で近くに男子がいない環境と言う事もあり押さえきれなかったらしい。ルビィにいたっては不憫としか言いようがなかった。俺とダイヤが出かけてすぐ近くのコンビニに買い物に行こうとしたところ、俺達の後をつけるマリーと果南を発見してしまい口封じのため共犯にすべく拉致られたそうな・・・。

 

「まったく二人とも何を考えているんですか!!まぁ、親友の恋愛事情に興味があるのは分からないでもありませんが私の可愛いルビィまで巻き込むなんて!!」

 

「まぁまぁ、少し落ち着けって。」

 

「ですが・・・」

 

「まぁ、確かにルビィを巻き込んだ事はやり過ぎだけど、マリーも果南も興味本意ではあるもののダイヤの事が心配だったんだろから後をつけてきたんだろうし、今日のところはこれで許してやったら?」

 

「はぁ・・・・悠さんは優しすぎです・・・。ですが、そうですわね、お二方が心配してくれたのはなんとなくわかりますし今日は許してあげます。」

 

「ダイヤァ☆」

 

「ありがとうダイヤ♪」

 

「ですが折角のデートなんですから尾行なんてこれっきりにしてくださいね?それとルビィも!仕方ないとはいえ、もう少し嫌な事はちゃんと断るようにしないといけませんよ?」

 

「「「はぁい。」」」

 

「さて、話もまとまったようだし、ここからはみんなで回るか♪」

 

「ちょ、悠さん!?」

 

「折角入園料払ってるのにこのまま帰れってのも可哀想だし、かと言って園内にいるの分かってて別行動ってのもあれだしさ、この際みんなで楽しまないか?二人っきりのデートはまた改めてってことでさ?」

 

「いいのお兄ちゃん?」

 

「そうだよ、折角のデートなのに・・・」

 

「俺は構わないよ?それとも高い入園料払ってこれで帰る?」

 

「それはそのぉ・・・」

 

「しかし悠さん・・・」

 

「それにさほっといたらマリーの事だ、またこそり後付けて来るかもだぞ?」

 

「(ぎくっ!!)」

 

 今マリーが一瞬反応したような気がするがまぁ、見なかったことにしておいてやるか。まぁダイヤには悪いけど、またこっそり覗かれたるするくらいなら目の届くところにいてくれた方が楽しめるし、この埋め合わせは帰りにお土産でも買って許してもらおう。

 

「まったく、悠さんは甘いですわ!・・・しかしそこが悠さんのいいところでもありますし、仕方ありませんわね。私もまたこっそり後をつけられるくらいなら皆さんと楽しんだ方がましですし、今日のところは大目に見ましょう。」

 

「ありがとうダイヤ。流石俺の彼女♪」

 

「ただし、この埋め合わせはしっかりしてもらいませからね!!」

 

「あはは~。了解で~す。」

 

 ダイヤがジト目でズイっと寄ってきた。こりゃ完全に主導権をダイヤに握られたなぁ・・・。

 

「さて、そうと決まればだいぶ時間を無駄にしてしまいましたし、さっそくみんなで見て回りましょうか♪」

 

「「「「お~っ!!」」」」

 

 こうして俺達は4人で楽しく見て回ったのだった。とんだ初デートなってしまったけど、これはこれでいい思い出になるのかな?きっと数年後とかに今日を振り返って4人で笑う日が来たりするんだろうなぁ。

 ちなみに三津シーを回っているときに、うちっちーと出会えたのでしっかり記念撮影してきた♪その後にダイヤにねだられて結構大きい、うちっちーのぬいぐるみを買わされたためお財布が薄くなっって焦ったのは内緒の話。




前回イチャラブ回と行ったけどあまりイチャラブさせられなかったw

まぁ、この回は2年後への伏線回ってことでw

ここから先は少しづつ解散へ向けてシリアスが多くなってきますが良かったらまた読んでやってください♪

ではまた♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。