彼女がモテないのは性格がダメダメだからでしょう   作:ラゼ

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わたもての最新話見ました? やはり岡田ちゃんはぐう聖だった。クラスメイトがヤンキーに虐められていたら助ける女の子だと思ってたよ! 伊達におでこちゃんしてないね!


修学旅行 1

 私が天に立つ。

 

 ――などという調子に乗ったことを友人が心の中で思っていたらどうするか。それは勿論、友としてその鼻っ柱を叩き折る……じゃなかった、驕りを諫めてあげるのが友情というものだろう。しかしあまり可哀そうなことはできないし、いったいどうしたものだろうか。

 

 いや別にもこっちが調子に乗るのはいいんだ。私へのマウンティングもまあ許容してやろう。しかし彼女はなんというか、物凄く極端なんだよね。卑屈な時はとことん卑屈で、考え方が尊大な時はどこまでも尊大なのだ。しかも自覚してるようで全然自覚してないのが大問題。

 

 このままいくとナチュラルに他人を見下した発言が出始めるのは想像に難くない。せっかくできた友人を失っていくのを見るのは忍びないし、フォローにも限界がある。うーん……ようは自分が超リア充じゃないということを理解してもらえばいいんだよね。本物のリア充陽キャだったら連絡先が十件以下とかありえないし、フォロワーが一桁というのもありえないし、男とデートしたことがない訳もない。

 

 …これでなんで自分がリア充だと思ってんだろう…? まあそんな変なところが魅力的というのもあるけどね。どうしたものか、どうするべきか……傷つけずにプライドを砕くって無理じゃないか? いっそのこと自尊心という自尊心をへし折って私に依存させる方向で――ってなに考えてんだ私は。

 

 そうだ、清田に頼んで合コンでも開催してもらうかな。私が男を独り占めにしてもこっちを壁の花にする作戦で……ってどんなクズだそれは。もこっちの心にも私の精神にも甚大な被害がくるからやめるべきだな。振りとはいえ精神的ホモォはご免被る。

 

「なに難しい顔してんの?」

「へ? ああ、失礼しました。少し考え事を…」

「なになに、もしかして最近仲良いって噂の一年のことぉ?」

「なんですかその噂は。智貴君のことだったら、あれは黒木さんの弟だから仲良くしてるだけです。他意はありませんよ」

「ふーん……葵ってクロキチのことほんとお気にだよねー。なんか理由あんの?」

「それはもう――小心者なのに妙に自信家なところとか、隙あらばセクハラしてくるようなところとか、心の中でみんなに変なあだ名付けてるところとか、弱者に対しては強気……じゃなかった、面倒見がいいところとかいっぱいありますけど」

「それ嫌う要素じゃないの!? ていうか変なあだ名って……ちなみに私は?」

「パイナップルちゃん」

「…へぇ」

 

 おっと、そのあだ名は私の付けたやつだった。ごめんごめん――あ、行っちゃった。なんかトイレの方向から変な叫び声が聞こえた気がするけど、気のせいということにしておくか。それにもこっちが彼女の頭をパイナップルみたいだと思っていたのは事実だし……というかクラスの三分の一くらいは思ってるけど。でもパイナップルちゃんのおでこは間違いなく一級品だし、髪を下ろすと魅力も半減だから変えるのはやめていただきたい。あとおでこにキスしたい。

 

 …えーと、なに考えてたんだっけ。ああそうだ、もこっちが天に立った勘違いから藍に染まって完全詠唱の黒棺っちゃうのを止めるんだったな。そんな悲しいことが起きたら私も悲しいし、彼女が孤立して椅子から立ち上がれなくなって眼帯でもし始めたら見れたもんじゃない。月島さんでもいない限りどうにもならないよ。

 

 でもすぐにどうにかできるとは思えないし、とりあえず保留にしとくか。今重要なことは、次の時間に待ち受ける修学旅行の班決めだしな……つっても大方決まってるけど。ネモと岡田ちゃんは私がゲットしたし、もこっちも入れとかなきゃならん。そして愛しのヤンキーちゃんも入れるとなればそれで五人になっちゃうしね。クラスは三十三人で、全部で八班あるから一つだけ五人の班ができるのだ。

 

 というかもしぼっちの奴がいたら相当きつい状況だろこれ。余った一人を押し付け合うクラスメイト達……『そっちの班に入れたげなよー』『えー、あっちでよくない?』『私達はこれで決まっちゃってるしー』みたいな感じか? もし自分が当事者になったら死にたくなるな。ありえんけど。

 

 …にしても帰ってこないなあの二人。もこっちがアームロックでも食らっているとすれば、私の責任も万分の一くらいはあるかもしれないしちょっと様子を見に行くか。たぶんトイレだよね……ん?

 

「なんで!? 一緒に組もうって言ってたじゃん!」

「ご、ごめん、南さん達に誘われて断れなくて…」

「今から断ってきてよ!」

「で、でも…」

 

 マコマコと百合……じゃなかった、ユリちゃんではないか。あの二人が喧嘩とは珍しい……ああ、修学旅行の班決めで裏切られたのか。南さんはイケイケだし、きっともう決まったことのように誘われたんだろう。もしくは『断るわけないよね』的な雰囲気だったのかな。マコマコは割と気が弱いから流されたんだろうね。

 

 あ、『もういい!』ってユリちゃんがトイレの方に行ってしまった。なんでみんな何かあったらトイレに行くんだ? 頻尿なの? まあそれはともかく、ほうっておけないし追いかけるか。マコマコよ、腕を伸ばして引き留めようとしたところで足を動かさないと意味はないぞ。本当に大事な友達なら、今すぐ追いかけてマッコマコにしてやるくらいの気概は見せるべきだ。そのままパコパコしても……いかん、最近もこっちのせいで下ネタが多くなってきてる気がする。私は内面も完璧な美少女、美少女――よし、とにかくユリちゃんを追いかけるか。

 

「…」

「田村さん」

「…っ。 …なに?」

「もうすぐチャイムが鳴りますよ。行きましょう」

「…後で行くから、先にどうぞ」

「そうですか。では私ももう少しここにいます」

「…そう」

 

 ユリちゃんは基本的に淡泊な女の子だけど、今はいつにも増して酷いな。まあ多感なお年頃の少女だし、さっきみたいなことがあった直後って考えると当然の反応か。むしろ泣いて喚き散らしてこないだけマシな方だろう。だけどそういう感情を溜めこむばかりってのは心に良くないんだぜ。スペシャリストの私がいうんだから間違いない。

 

「そうだ、田村さんは班決まってますか? よかったら私と一緒の班組みましょう」

 

 人生でたった一度きりの高校の修学旅行。暗い顔で京都を回る娘がクラスの中にいるなんて、お天道様が許しても葵ちゃんが認めやしないとも。別に触らなくても解るさ、平気な顔してても解るさ――『ユリちゃんの 心の中は 雨模様』(字余り) いや余ってないな。あと季語が足りん。うーん、じゃあ春雨模様にするか……美味しそうだし。

 

「別に気を使わなくてもいいよ。それにもう岡田さんとかと一緒でしょ」

「いえ、まだちゃんとは決まってませんでしたから。それに気を使ってるわけでもありませんよ」

「…いいって言ってるでしょ」

「あ…」

 

 ちょ、待ちやがれ――じゃなかった、待ってよ。お前ボッチ気味なんだから――じゃなかった、ユリちゃん友達少なめなんだから強情を張ってる場合じゃないぞ。もー、仕方ないな……葵ちゃんの四百八十の口説き技の一つ、“壁ドン”で落としてやろうじゃないか。オラァッ!

 

「…っ! ………さっきの見てたから同情してるんでしょ? 大して仲良くもないクラスメイト気遣って楽しめなくなるとか馬鹿みたいじゃん。私は余った班に入るからいい――」

「誘いを断られたのは初めてです」

「――へ?」

「私って意外とプライド高かったりするんですよ。是が非でもあなたに頷いてもらわないと、耐えられません」

「ちょ、ちょっと…!」

「田村さんと組みたいという言葉に噓偽りは一切ありませんよ。“私”が“あなた”と行きたいというだけの話です」

「え、あ、う…」

 

 壁ドンついでに、逃げられないよう足の隙間に膝を入れとこう。美少女の真剣な顔はさぞ効果的なことだろうし、私がここまでしたんだから否という返事など認めはせんぞ。それにしてもめっちゃ近い。あとユリちゃんって中々の美人……キムチでもいい? じゃなかった、キスしてもいい?

 

「いいですね? あなたは私の班ということで」

「わ、わかったから…!」(ど、どういう状況!? というか大谷さんってこんな人じゃなかった、よね…?)

「…こんな人だっけ、みたいな顔してますね」

「えっ!?」(な、なんで…!)

「普段はちょっぴり被ってますから。クラスのみんなには内緒ですよ?」

「う、うん…」(そ、そうなんだ…?)

 

 目を丸くして頷く女の子は可愛いのう。まあ私がやれば可愛いじゃすまされないレベルになることは間違いないんだけどね。さて、それはともかく岡田ちゃん達との約束が守れなくなってしまった。私の一存で誰かを弾いてユリちゃんを入れるなんて、流石にそこまで恥知らずなことはできないし自分が抜けるべきだろう。

 

 あと誰か決まってなさそうなやついたっけな…

 

「…大谷さん」

「葵で結構ですよ」

「…葵、ありがとね」

「はい、どう致しまして」

 

 おお、ようやく笑顔が戻ったようで何よりだ。ん? お礼を受け取ったらさっきのやりとりは結局同情でしかなくなるじゃないかって? ふふん、『なにが?』なんて白々しい言葉はいらないんだよ。彼女は私にありがとうと言った。だから私はそれを笑って受け取るべきで、知らんぷりなんてのはそれこそ失礼なのさ。

 

 さて、そろそろ授業も始まるし帰るぞユリちゃんよ。

 

「さ、そろそろ戻りましょうか――ひぃっ!?」

「ど、どうしたの?」

「い、いま――あれ? …いえ、すいません見間違い、でした…?」

 

 今なんかトイレの入り口からうっちーの顔が飛び出ていたような……いや、見間違いだよな……なんか歯ぎしりしてたような気もするけど、気のせいだよね?

 

 …気のせいだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、特に揉めることもなく班決めは終わった。岡田ちゃんを筆頭とする仲の良いグループでグッパ決めしたわけなんだが、謎にうっちーが食い込んできたのはいったいどういうことなんだろうか。いやまあ、いつもつるんでるグループの人数が合わなかったから仕方ないというのはわかるんだけどさ。

 

 『ネモ、岡田ちゃん、ヤンキーちゃん、加藤さん』の四人と『私、もこっち、ユリちゃん、うっちー』というよくわからないことになってしまったぜ。もこっちが(絵文字とぼっちが一緒か…)などと調子こいたことを考えていたので、後頭部に輪ゴム鉄砲をお見舞いしておいてあげた。ファインプレーというやつだろう。

 

 ま、一緒に行動する約束してるから班分けに大した意味はないけどね。精々部屋が違ってくる程度だけど、どうせ就寝時間ギリギリまでウノかトランプでもしてるだろうし。できれば夜中にこっそりヤンキーちゃんの布団に潜り込んで『寝ぼけて間違えちゃった、テヘペロー』とかやりたかったけど、流石に部屋が違うと無理がありすぎるか……どっちにしても夜中はやることがあるからできないけど。

 

 さて、そんなこんなで修学旅行の当日。新幹線に乗りながら風景を楽しみつつ、友人達と姦しくお喋りに興じるというのは新鮮だね。前の高校の時は飛行機で沖縄だったからこういうのは初めてだ。そういえばダイビングスーツを着てカヤックだったかカヌーだったかに乗った覚えがあるけど、あんまり楽しくなかったなぁ。食事は何故かジンギスカンだったし、実は北海道と間違えてたりしてなかったか?

 

 おっと、どうでもいいことだったな。新幹線の中、何故か通路に一人ぼっちでいたこみーくらいにどうでもいいことだった。放置するのは心が痛んだが、いくらなんでも他のクラスのことまでどうにかするのは無理だ。無理というか、それをされた側の気持ちになって考えれば何もしないのが一番だろう。

 

 『なんでこみちゃんを一人ぼっちにするんですか!』とかいって他の車両に乗り込んでいったら、こみーが羞恥のあまりそのまま飛び降り自殺しかねない。他人の世話を焼くのは嫌いじゃないけど、余計なお節介はするのもされるのも大嫌いだ。だからぼっちでも頑張れこみー! …いやまあ、彼女は普通に友達いるけどね。少ないけど。

 

 しっかし新幹線て速いなー。もう京都駅に着いちゃった……うーん、相も変わらず風情の無い街並みだ。“京都”ってイメージとはだいぶ違うよね。メインの観光地は“the京都”って感じだけど、それ以外は近代化に飲まれて東京なんかと大して変わらない。テレビで紹介されるような都を想像していくとがっかりすることうけあいだろう。

 

 すぐに駅バスで奈良へと直行し、鹿と戯れる時間が始まった。カワイー! ……とでもいうと思ったか獣め。自分の魅力を自覚して餌をねだっているようだが、残念だったな。貴様らの魅力を“百シカ”だとすれば、私は“千五百シカ”を超えている事実に気付いているか? この圧倒的な戦力差に慄くがいいとも。それを理解し、傅くならば煎餅を与えてやろうではないか!

 

「なにしてんの? 葵ちゃん」

「いえ、可愛いなーと思いまして」

「どうせまた変なことでも考えてたんだろ」

「む……鹿に避けられているからといって私に八つ当たりはやめてください。そういう攻撃的な気配を放つから動物も寄ってこないんですよ」

「ああ!? べ、別に関係ねぇだろーが! 鹿とか興味ねえよ!」

「もしくはクマさんパンツを履いてるのを鹿に察知されてるんぐぶふぅっ!」

「テメエ! 殴るぞ!」

 

 もう殴ってんじゃねーかコラ……いくら私の腹筋が強靭だといっても限度があるんだから勘弁してよね。別にいいじゃんクマさんパンツ。何が悪いんだクマさんパンツ。可愛いクマさんも脱いだら凄いんですよってか、処女のヤンキーちゃんめ。

 

 あ、そういえば鹿の肉って食べたことないなー。美味しいのかな? 馬刺しは結構好きだし、似たような味なら一回食べてみたいもんだ……なんて思っていたら鹿が一斉に逃げていった。うん、野生の勘というやつも中々侮れんものがあるな。さ、次はお寺だお寺。

 

 おお、でっかいなー……あれがかの有名な奈良の大仏か。確かガンツで主人公にぶっ殺されたやつだよね? 実物を見ると結構な迫力だし、みんなもスマホでパシャパシャ撮影してるな。もこっちも珍しく感心したような顔つきだ。何考えてんだろ。どれどれ…

 

「…」(確かガンツで主人公にぶっ殺された大仏だな…)

 

 うぐ、思考レベルが同じだった……超ショック。仕方ない、柱の穴でもくぐって邪気を祓おう。鬼門に穴をあけることによって穢れを逃し、無病息災に効果があるんだっけ? 信心なんて欠片もないけど、鰯の頭もそれからっていうしね。失礼しまーす、新進気鋭の女神ですがちょっと通りますね。後世ではあなたより崇められているかもしれませんが、ご勘弁を。なんつって。

 

 …あれ? うぬ…! むぐぐ……ぬ、抜けない!? なんで!? ちょ、調子こいたから!? ごめんなさい仏様! 謝るから助けてくれえ!

 

「ぶはっ…!」

「くっ……ぶふっ…!」

「な、なにやってんの葵…! く、ぷふっ!」

 

 笑ってる暇があるんなら助けやがれー! なんで私がこんな無様を晒さなきゃならんのだ! うう、お尻の方に物凄く視線を感じる。男子共、気付かないとでも思っているのかよ。金払えちくしょう。

 

 まったく、とんだ恥を掻いた。よくぞ助けてくれたな清田よ。ほっぺにチューくらいはしてやってもよいくらいの働きであったぞ、絶対しないけど。とりあえず助けてくれなかった薄情者達にそれぞれ制裁をくだし、留飲を下げておこう。ちなみにもこっちは『悶絶! 東大寺の柱の穴の穴! ~堕ちた美少女~』とかいうふざけたAVタイトルを妄想していたので、思いっきり頬を両端に引っ張っておいた。

 

 まあこれも良い思い出か……いやそれはない。それはない。この恨み、地獄へ流し――じゃなかった。この恨み、晴らさでおくべきか。今日の夜あたりになにかイタズラしてやるとしよう。

 

 さて、観光も終わってようやく旅館に到着だ。修学旅行の何が楽しいって、観光なんかじゃなくて沢山の友達と泊りで遊べるってのが楽しいんだよね。もっというと、学校では下着姿までが限界だがここには温泉があるということだ。あとはわかるな?

 

 ま、お楽しみはとっておくとしてとりあえず着替えるか。黒いロンティーに白黒ボーダーのスパッツ、白いパーカーでパンダ耳のフード、可愛い系のコーデでキメっと。動きやすく、かつ私の美しさを可愛さ方面に自然に変化させた素晴らしい家着だ。こういうとこで女の子の格が決まるといってもいいのさ。

 

 …うん。だから、もこっち。ここで学校のジャージを着てるようなやつは絶対にリア充じゃないから、ね? いくらなんでも、おま、それはないだろ。ご飯食べるのとかは男子も一緒だぞ? つーかヤンキーも全身真っ黒! 純真無垢な中身とは正反対だね、ぷくく。

 

 まったくまったく、お前らネモを見習えよ。もこもこふわふわでネコミミのフードとか、もうこれヤバいだろ。お嬢ちゃん、ちょっとあっちでいいことしようぜ。大丈夫なにもしないからさ。食事の後にどこか休憩できるとこでも……え? ああ、そういえばここ旅館だったな。なんと、衆人プレイがお好みでござったか。

 

 …という妄想が捗るな。ままま、とにかくご飯の後はお楽しみってこったね。うぇーい。




 そろそろ一番書きたかったところあたりに突入ですねー。次は『覚妖怪の四方山話』を更新して、その次に放置気味の『オーバーロード forget daily life 』の更新になると思います。

 たぶんこの話の次話は七日後くらいかと。

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