覚醒幻神・オーディンにクロスオンしたタマゾーが、エースめがけて吹き飛ばしたガルムットに、大灼熱・クレナイゴウカミのソウルアーマーの力を借りて一撃を叩き込んだエースは、警戒を解かないまますぐさま辺りを見回す。
「他にモンスターは?」
「……もう、いないたま」
タマゾーが、そう言って近寄ってくる。
それと同時に、背後で起こっていたドロップ・インパクトも、消えていく。
完全に消えたのを、『目』で見てはいるが、自分よりドロップの流れを認識することに長けたタマゾーに、確認する。
「……。タマゾー、ドロップの乱れは?」
その言葉に、目を閉じ、流れを読んでいたタマゾーは、目を開けると、にこっと笑った。
「だいじょうぶたま。乱れがなくなったたま」
「ってことは、」
エースの言葉に、タマゾーは笑ったまま頷いた。
「ドロップ・インパクト、しゅうそくたまね。おつかれさまたま、エース!!」
「…………、…………終わった…………!!」
へたっ、とその場にエースが座り込むと、慌てて盟友<モンスター>たちが駆け寄ってくる。
大灼熱・クレナイゴウカミ、ハリケーンボルケーノドラゴン、獄炎龍・インフェルノたちは近づいてきて、巨大な身体を屈めて、心配そうな声を漏らす。
タマゾーと紅蓮華の女傑・エキドナは、それぞれ心配そうな眼差しをエースに向ける。
「だ、大丈夫、ちょっと気が抜けただけ……と、お腹すいて動けないだけ……」
その言葉に、盟友<モンスター>は思い思いの反応をする。
クレナイゴウカミ、ハリケーンボルケーノドラゴン、インフェルノは安堵したような雰囲気に変わり、ほうっ、と息をついて胸を押さえるエキドナに、タマゾーはクロスオンを解除して、いつもの姿に戻る。
エースもD-ギアにセットしたアーマードロップをはずし、いつもの格好に戻る。
「エースくん!! タマゾーくん!!」
「シンクさん、エクレールさん」
シンクがエースとタマゾーの名を呼んで駆け寄ってきて、エクレールはその後に続いて駆け寄ってくる。
「大丈夫!? どこか、怪我したの!?」
「あ、ちょっと気が抜けただけです。怪我はありません。大丈夫です、盟友<モンスター>たちが、一緒でしたし」
慌てるシンクに、エースはそう返す。
「急に座り込むから、怪我したんじゃないかと心配で……気が抜けただけなら良かった」
そういったシンクに。
「……心配ついでですみませんが、手を貸してもらえますか?」
「どうかしたのか?」
そうエースが言うと、エクレールが不思議そうに首を傾げる。
しかしエースは、ちょっと恥ずかしそうに言いよどんだ後。
「……えーと、実はお昼ごはんまだ食べてなくて、……お腹すいて、下手に動くとお腹が鳴りそうで……」
そういった直後、くぅ、とエースのお腹の音が聞こえて、エースは顔を真っ赤にし、シンクとエクレールはきょとん、とした後、ほっとしたように、笑うのであった。