12歳の悪役幼女に転生しましたが、菅原様を籠絡して助かります 作:ないしのかみ
やや改稿していますが、<1>と区切られてるのが元の第1話になります。
<1>
私の名はシェリー。帝国貴族たるテュエリ家の令嬢よ。
12歳のある日、園遊会であたしは前世の記憶を思い出したの。ここがラノベ&ゲーム『GATE』(げて)の世界である事を!
あたしの前世は日本の外交官で、ああ、海外で自爆テロで車ごと吹き飛ばされたんだった。
それにしてもシェリーって、え、この子、従姉妹や亜人を散々虐める、高慢で癇癪持ちの悪役令嬢じゃない。
確か、この園遊会でも無茶ぶりを発揮して菅原様に嫌われたあげく、ゾルザル殿下の叛乱に巻き込まれて、悪所で餓死をするんだったわね。
このままだと身の破滅だわ。
私は攻略目標である菅原様とのフラグを立てに、真珠のネックレスをおねだりする為、ピニャ殿下とお話し中の菅原様へ接近したの。
そう、真珠のネックレス。これが命綱なのよ。
両親に咎められても「やだ。真珠のネックレスを頂戴」「あたしの言う事が聞けないの」「命令よ。用意しなさい」と、我が儘放題で延々とゴネ続けるのはNG。
むしろ、頬を赤らめてロリコンであるこのおじさんを籠絡しなきゃ!
「菅原様、従姉妹が…」
さぁ、ここからが本番よ!
<2>
ラノベ『GATE(げて) 自衛隊、彼の地にてかくハーレムを築き上げり』
元々はWeb小説だったのが、出版社の目に留まって書籍化されたって良くある経緯の作品よ。ゲーム化や漫画・アニメ化もされてるわ。
銀座に突然、異次元からの門。コードネーム『GATE』(げて)が開き、やって来た異世界の軍勢を撃退して自衛隊が逆侵攻をする。
オタクの自衛官、伊丹って奴が主人公で、何故か、行く先々の女性を助けてハーレムを作りながら、英雄になって行くってのが大まかな筋書きよ。
ゲーム化した際は女だけでは無く、男も攻略目標になるんだけどね。同人じゃ「イタ×ヤナ」の薄い本とか一杯出てたわねぇ(遠い目)。
ま、まぁ、この私、悪役令嬢シェリー・テュエリは、まだこの主人公とは遭遇前。と言うか、正確にはゲーム本編後に発売された、ファンディスク『GATE2 自衛隊、彼の地にて(略)、今度は幼女♪』の追加シナリオで初めて出るのよね。
フォルマル伯爵家のミュイ様なんかと並ぶ攻略対象として。
あたしのこの世界がどのバージョンの『げて』だかは分からない。
だから、原作モードで堅実に菅原様をまず攻略しておくのよ。ペドモードルートに入っても耐性が出来る様に。
冗談じゃ無いけど、もしこれから伊丹と出会ったらどうなるか分からない。目を輝かせながら「伊丹様」とシナリオの強制力で言ってしまうのかも。ぶるぶる。あ、悪寒が!
やっぱり沢山の中の一人より、正妻の座を勝ち取った方が私的にまだ良いからね。子供の私では聖下やエルフ。導士様みたいなのを相手にしたって敵う訳ない。
だからこのペドルートは鬼門なのよ。絶対分岐しちゃいけないわ!
正確には『ゲート』ではなく『GATE』(げて)の世界です(笑)。