チョウワン伝説   作:塔の跡
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中型アラガミを喰ってたらブラッドに見つかったようです。
見た目の変化は今のところまだ虫野郎の角(鞘刃バージョン)が頭についてるくらいです。


発見されました、チョウワン改(仮)です

 チョウワン生活7日目。鎮魂の廃寺からおはよう。あの後結局初恋ジュースは見つからず、アラガミも見つからなかったので移動してきた。回収物?初恋ジュース探しに夢中で喰ってない。今思えば喰っときゃよかったわ。
 壊れた寺の中で寝ていた俺は、回収物には目もくれずに外に出た。アラガミ喰いたいです。できれば中型。エテ公は断る。
 餌(コア)を求めてうろうろしていると、またもや雪に埋もれた初恋ジュースを発見した。
《むむ?こんなところにも初恋ジュースが刺さってるな・・・。誰だよこんなとこに置いてったやつは》
 こんなとこに放置するなんて・・・俺に飲めって言ってるようなものではないか!
《殺人ジュースを放置は危ないな。俺が処理しよう》
[バクッ・・・メキメキ・・・ブシュッ]
《ん~幸せだなぁ♪》
 まさか初恋ジュースにハマるとは思わなんだ・・・。サカキのおっちゃん、とんでもないものを作りよったな・・・。
《さて、喉も潤ったことだし・・・アラガミ探すか》
 できればエテ公以外でお願いしたい。コアは美味いんだけど引きずり出すの大変なんだよ。
 またうろうろしていると、遠くから鳴き声が聞こえてきた。
〔ボギァァァ〕
 ちっ・・・エテ公の鳴き声かよ。まあ、中型にはかわりないし、コア引きずり出して喰ってやろう。

〔ボギァァァ・・・〕
 針飛ばし連発、トドメにエアーバズーカをくらわしてやった。ふっ・・・エテ公ごとき、俺の敵ではないわ!
《さっそくコアを・・・》
[メキメキ・・・メリッ・・・ミシミシ・・・ブチッ]
 取り出すのも一苦労だ。外側が硬くてうまくひっぺがすことができない。
《ふいー・・・やっとこさひっぺがせた。さて、コアを・・・》
「副隊長、非討伐対象を発見しました・・・え?チョウワン・・・!?」
 やばっ!シエルに見つかった!そっかもう血の力に目覚めてんのか!ブラッドだけが持つ不思議な能力・・・彼女は『直覚』という、アラガミの状態や場所を探る、いわば探知能力に目覚めているのだ。
(さっさとずらからねば!)
 急いでエテ公のコアを口に詰め込んでその場から逃走・・・しようと思ったのだが。
「うわっマジだ!・・・って・・・え?」
 バッドなタイミングでシグレ君登場。なんてこったい。
「角!角生えてるぞこのチョウワン!」
 ぬわー!やっぱりこの子変なところでおこちゃまだー!目をキラキラさせるでないよ!目の前にアラガミいるんだからそんな無防備にしてちゃダメでしょ!俺は襲わないけど!
「そんなこと言ってる場合か!さっさと片付けるぞ!」
 ギルが代わりにツッコミしてくれたけど片付けないで!いーやー!
「逃げんなよー!」
 そんな声が聞こえた気がしないでもないが、とにかくその場から逃走することに成功したのだった。

-シグレサイド-
 珍しいチョウワンが逃げていった。ちぇー・・・貴重なコアが手に入ると思ったのに・・・。
「チョウワンってあんな速く走れたか・・・?」
「いえ・・・あんなに速くはなかったはずですけど・・・」
 なんて会話をギルとシエルがしているけど、俺にとってはそんなのは重要じゃない。
「なーなー!あのチョウワン、黒い角生えてたぜ!俺のクロガネと似たようなの!」
「え、ええ・・・確かに、そうでしたね」
「なんだったんだ?今のチョウワン・・・」
「そーいやさー、あのとき逃げ出したチョウワン、まだ生きてるんだよな?それってさっき逃げたやつじゃね?」
「つーことは・・・確実に進化してやがるな」
「とりあえず、討伐対象のアラガミを倒しましょう。その後、サカキ博士に報告を」
 あ、サカキ博士で思い出した。初恋ジュース冷やしてたんだった。
「あれー?おかしいなー・・・」
「今度はどうした?」
「また冷やしてた初恋ジュースなくなってる」
「・・・またやってたのか」
「だって任務が終わってからの方がいいじゃん。腹たぷたぷになって動き鈍るのやだし」
「ま、それもそうか・・・。とにかく、今日は諦めろ」
「それもそうだな。よっし、やるぞー!」
 しっかし・・・ほんと誰が持ってったんだ?

-チョウワンサイド-
 まさかブラッドに見つかるとは・・・。面倒なんだよなー・・・敵に回すと。
[モゴモゴ・・・バキッゴリゴリゴリ・・・]
《ふー・・・危うく丸飲みするところだった・・・》
 また見つかったりする前に移動するか・・・。
〔クルルァ・・・〕
《この鳴き声は・・・サリエル!》
 この辺にいたのか!ぜひとも喰いたい!
〔クルルァ!〕
 おっと、見つかったようだ。お供のコバンザメ・・・もとい、ザイゴートまでいるな。しかも大量に。
《まあ、いいや。先にザイゴートを殺っちゃうか。毒針発射ー!》
[ドスッパァン!]
 ザイゴート消滅。コアは後で喰おう。
《サリエル、貴様のコアをよこせーい!》
 闇針発射ー!
[ドス!ドドドドドドドドドド!]
〔クルルァァ!〕
 殺られる前に殺る!エアーバズーカ!
[ボンッボンッ]
〔クルルァ!?〕
 トドメ、針飛ばし!
[ドドドドドドドドドド!]
〔クルルルルル・・・〕
 エクセレント!やったぜ!
《ではさっそく、まずは細胞から・・・》
[メリッ・・・ブチブチブチ・・・バリバリバリ]
 眼のところ喰ってやったが・・・案の定不味かった。なんとも言えない・・・なんかこう・・・もったりした感じが・・・。
《まあ、お目当てはコアだし。不味くてもいいんだけどさ。美味い方がいいけど》
 ではさっそくひっぺがし作業をば。
[メリッ・・・メリメリ・・・ブチブチブチ・・・ブチッ]
 サリエルはどこぞのエテ公よりも柔らかいからひっぺがしやすいな。
《お、コア発見!さっそく、いただきまーす・・・と、言いたいのだが》
 なんかさっきから気配を感じる。どうも一部始終を見られてるような感じだ。まあ、別に見られたところで、逃げ足速い俺には関係ない話だ!たぶん!
《なくなる前に喰っちまおう》
[バキッゴリゴリゴリ・・・]
《ハチミツ味だったなぁ・・・。やっぱ蝶のイメージだからか?》
 さて、小物のコアもさっさと喰ってずらかるとしよう。
[バキッゴリゴリゴリ・・・]
 卵って食べすぎるとよろしくないって聞いたことあるんだが・・・卵じゃないし、卵だとしても俺はアラガミだし。大丈夫だ、問題ない。
《けふっ・・・喰いすぎた・・・》
 まあいいや。とりあえず移動しよう。なるべく遠くに。

-シグレサイド-
 あの後アバドンが出てきて、つい癖で逃げていったアバドンを追っかけてたら、とんでもないものを見てしまった・・・。
「めっちゃ強いじゃん、あのチョウワン・・・」
 思わず特効しそうになったけど、やめといて正解だったかも・・・。あーでも、コア取りたかったなー・・・。しかもアバドン仕留め損なったし・・・。
【副隊長、どうした?アバドン、倒せたのか?】
「ギル、ギル!聞いてくれよ!」
【お、おう・・・どうした?】
「めっちゃすげーの見た!逃げてったチョウワンがザイゴートを溶かしたり、サリエルにすげー攻撃しかけて倒したり!」
【は?】
【確かに、先程までチョウワン、ザイゴート、サリエルの気配を感じていたのですが・・・サリエルとザイゴートは殲滅(せんめつ)されています・・・チョウワンの気配はありません・・・。でも、チョウワンがサリエルを倒すなんて・・・】
【とりあえず、帰った方がいいな・・・。すぐに報告しよう】
「おう!今からそっち戻るぜ!」
 あのチョウワン、また会えるといいなー。



またもやチョウワンが初恋ジュースを盗りました。
シグレはアホの子なので同じことやっちゃいます。そして変なところでおこちゃまです。