チョウワン伝説 番外編開始   作:塔の跡
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データベースを見ていて思い付いた話です。
本当に思い付きなので好き勝手に書いています。


本編
なぜこのチョイス


 春・・・新生活がスタートするこの季節。俺は実家を離れ、バスに揺られていた。これから大学の近くにある学生寮に向かうところなのだ。
 憧れのキャンパスライフ。高校デビューをしくじって3年間ボッチだった俺・・・結条奏(ゆいじょうかなで)は、誰も俺を知らない遠くの大学に見事合格し、こうしてウキウキしながらこれからのことを想像していた。
(ずっと憧れていたキャンパスライフ・・・。高校デビューは盛大にしくじったが、大学デビューは成功させるぞ!まずサークルだよな~♪)
 パンフを見ながら思わずにやけていると、急にバスが停車した。
(ん?バス停までまだあるはずなんだけどな・・・。どうしたんだろう?)
 外を見てみると、バスは路側帯に停車していた。ここにはバス停はないはずだが・・・。
『大変申し訳ありません。エンジントラブルが発生しました。当バスはここで終点とさせていただきます。代金は無料とさせていただきます』
(ありゃりゃ・・・。トラブルに巻き込まれるなんてついてないなー・・・)
 まあ、文句を言っても仕方ない。次のバス停まで歩って行ける距離だ。次のバスに乗ることにしよう。
「大変申し訳ありませんでした」
 乗客ひとりひとりに謝罪をする運転手さんに軽く会釈をしつつ、バスを降りた。
(これから夢のキャンパスライフが控えてるってのに、幸先悪いなあ・・・)
 必要最低限の荷物を入れたリュックを背負い、バス停まで歩いていく。そんなに距離があるわけじゃないからそこは不幸中の幸いといったところだろうか。
(あ、もう学生寮に荷物届いてる時間だ。急いで行かないと、相部屋の人に迷惑かけちゃうな)
 そう思い、バス停まで駆け足で向かおうと思った・・・次の瞬間。
「危ない!」
「・・・?」
 振り向けば、そこにはエンジントラブルを起こしたバスが、目の前に。そう思ったのはわずか1秒・・・いや、一瞬だった。気がついたときには、俺の体は宙を舞っていた。そして、地面に叩きつけられた。そう思えたのも、わずか一瞬のこと・・・。
「きゃあああ!!」
「人が()かれたぞ!誰か救急車を!」
 意識が薄れる中、そんな声が、聞こえた気がした--------

(・・・・・・あれ?痛くない・・・俺はいったいどうなったんだ?)
 意識が戻ったときには、何も見えなかった。感覚もあやふやだ。生きている感じはするが、体がない。そんな不思議な感覚。
(ん・・・?なんか、構築されていく感覚が・・・)
 地面から出てきた(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。俺、爆誕(・ ・)・・・って・・・。
《なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?》
 思わず某刑事ばりに叫んでしまったが、聞こえてきたのは獣の咆哮(・ ・ ・ ・)
「うわっ!急に吠えたぞこのチョウワン!」
 そう・・・俺はチョウワンになってしまったのだ。そばには俺たちチョウワンの産みの親、イェン・ツィーさんが。そして目の前には、黒髪短髪、赤いヘッドホンをして右頬に絆創膏を貼った金色の瞳の子供っぽい青年が・・・って!
(なしてうちの子が!?それにギルとシエルとナナまで!?)
 ブラッドと呼ばれる特殊部隊、血の力と呼ばれる特殊能力を持った特別な部隊の隊長(もしくは副隊長)のうちの子、有郷シグレその人である。
「気をつけろ、副隊長!襲ってくるぞ!」
 これはダメだ死亡確定だ。シグレ君は引き継ぎプレイで俺TUEEEE状態だからあかん!補正カンストのフルカスタムクロガネ装備!こんなの相手にしてたら死んでまう!
(こういうときは・・・!)
 次々とシグレ君に向かっていく兄弟たちを盾にして・・・。
《逃げるんだよぉぉぉぉぉ!!》
 その場から脱兎のごとく逃げ出した。
「あのチョウワン逃げたぞ!?」
「まずは目の前に集中してください!囲まれてますよ!」
 そんな声が聞こえた気がした・・・。てか、やっぱり立ち回りド下手くそんなのね・・・残念な子なのね・・・。

 命からがら逃げ出すことに成功した俺は、こそこそと隠れていた。
 チョウワン・・・空色の羽毛を思わせる体毛に覆われた新人研修でお世話になるオウガテイルの神属感応種。イェン・ツィーと呼ばれるシユウの感応種バージョンの能力により生成される『不完全なコア(心臓みたいなもの)』で体を保っているため、機能停止するとすぐに塵と化すアラガミだ。故に倒されると捕食する間もなく灰塵に()すとっても脆いオラクル細胞・・・アラガミを構成している単細胞生物でできている。いわば出来損ないアラガミだ。そんなアラガミになぜかなっていた。
(どうせうちの子がいるならそっちにしてくれよ・・・)
 しかし、これで確信した。なぜか知らないが、俺はGOD EATER2 RAGE BURSTの世界に、チョウワンとして生まれ変わってしまった。よりにもよってチョウワンに。
《なぜにチョウワンチョイス!?この先どうやって生きていけってんだよ!せっかくのキャンパスライフがおくれないじゃないか!どうしてくれる!》
 そんなことを言ったところで誰も聞いちゃいないんだが。(はた)から見りゃただ遠吠えしてるだけだし。
《くっそー・・・こうなったら完全なアラガミになってやる・・・。完全なアラガミになってこのアラガミ生を謳歌してやるからな!》
 そう心に誓い、俺は夕日に向かって走っていった。・・・ちょっと憧れてたんだよ、夕日に向かって走るって。青春ぽいじゃん。



ついに親元を離れて独り立ちしたチョウワンを暖かい目で見守ってやってください。