【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】   作:Pyromane

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かっこよさそうなサブタイにしたけど中身はあんまり期待しないで読んでくれたらいいです。
次の話を待ってくれてる人がいるから書き続ける。


第17話 コカビエル墜つ(上)

決戦の夜が来た。教会組、木場がまだいないが、それ以外の戦力は全て集まっていた。

グレモリー眷属、シトリー眷属のトップが言い争っている。部下の一部は間抜けな顔を晒しているが、側近(クイーン)2人はそれを窘めていた。

 

 

「それで、あなたはお兄様・・・サーゼクス様を呼んだのですか?」

 

「お兄様の力なんて借りなくても私たちだけで十分よ!それよりそんなことを言うってことはあなたはもちろんお姉さまを呼んだのよね?」

 

「敵戦力の分析をして最善の手を打つのは基本です。お姉さまに打診して指示も頂いてます」

 

「うっ・・・」

 

「安心してくださいませ。サーゼクス様にはすでに打診しておりますわ」

 

「朱乃ッ!?」

 

「リアス、シトリー様の言うとおり私たちだけでどうにかなる問題ではないのよ。堕天使の幹部級が、エクスカリバーという最強の聖剣を持っている。それだけで魔王様が・・・そうでなくても、最上級悪魔が2人ほどは派遣されてしかるべきなのよ」

 

 

 

リアスは不機嫌な顔で朱乃を見ていたが、朱乃はそれをイイ笑顔で躱していた。

一誠はリアスの不機嫌顔を見て興奮しており、小猫はそんな一誠を見て気持ち悪がっていた。

 

 

 

「兵藤、本当にわかってんだろうな?ここで負けたら少なくともこの街が滅ぶってことがよ」

 

「わかってるっての!ぜってえに負けねえよ!!」

 

「・・・この様子だと彼我の実力差を一切理解してないな」

 

 

 

匙は、一誠に油断しないことを遠回しに、絶対に負けてはいけない戦いであることを伝えた。それでも、実力を過信し、勝利できると考えている様子だった。このままではまずいと思いつつ、それでも一応ドラゴンの神器持ちなので、水を差して戦意を殺ぐと逆に負ける確率がドンと上がってしまう。精神の持ちようで性能が変わるのだ。気分は上がってるままの方がいいに決まっているのだ。

 

 

 

「はぁ・・・まあいい。少なくとも魔王様が応援に来るまでは絶対に負けないこと。それは最低条件だ」

 

「おうよ!まかせとけ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして宣言通りにコカビエルが駒王学園に転移してきたとき。すべての準備を終えた悪魔陣営がいた。・・・悪魔陣営とはいえ、グレモリー眷属‐1とシトリー眷属(サポートのみ)だけなのだが。

 

 

 

 

「まさか・・・まさかたったこれだけの戦力とはな・・・!舐められているのか?魔王を呼ぶとまで行かなくとも最上級悪魔の1人や2人程度は派遣されていると踏んでいたのだが。当てが外れたな」

 

「こっちを見なさい!!」

 

「やれやれ、この程度で俺にダメージを与えられると思っていたのか。忌々しい紅い髪を持つ小娘よ。その髪の色を見ただけで吐き気を催しそうだ。ところで君のお兄様の魔王なんかは呼ばなかったのかね?来ないのならば君たちを犯し、殺して魔王たちの怒りを買うのも有りだがな」

 

「いいえ、そんなことはできないわ!あなたはここで私たちに負けるのだもの!!」

 

「ほう?その程度の戦力で・・・いや、そこにいるのは」

 

「何ですか?」

 

 

コカビエルに視線を向けられ、あまつさえ見たことがあるといった反応をされた朱乃は殺気を出しながら問い返した。

 

 

「バラキエルの娘だな?」

 

「その名前を私の前で語るな!!」

 

 

 

バラキエル。その名を聞いた瞬間、普段の冷静な様相をかなぐり捨てて大声で叫んだ。

その取り乱し様にリアス以外が困惑した。バラキエル、一誠だけはその名前を知らなかったが、ほかのメンバーは全員が知っていた。

 

コカビエル:グリゴリの最古参の幹部。先の大戦を生き残った戦争狂。最上級悪魔のトップレベルと同等か、ともすれば魔王級の実力の持ち主。

 

バラキエル:グリゴリの幹部。先の大戦を生き延びた猛者。人間の女との間に子を作った。

 

 

その子が朱乃なのである。朱乃がバラキエルを嫌っている理由はまた別の話なので割愛するが、バラキエルの名前や出生の話をするだけで取り乱し、キレる。

 

 

 

「朱乃!落ち着きなさい!!」

 

「あああああああああ!!!」

 

「はぁ、その程度の実力か。せめて雷光を使えばもう少しマシになるというのに」

 

「うるさい!あんな男の力に頼らなくても私はやれる!!」

 

 

 

その朱乃の言葉に失望したようにコカビエルは言った。

 

 

 

「能力の大本がやつであったとしても今は貴様の力だろう。あまり俺を怒らせるな・・・いや、舐めているのか?堕天使としての力を封じたままでも俺に勝てると?」

 

「必ず貴様を倒す!!」

 

「興ざめだな。もういい、バルパー始めろ」

 

「了解した。今から始めるならば1時間ほどで完成する」

 

「なるほど。ではその間、俺は奴らの相手をしておいてやろう」

 

 

 

そんな会話をし、会話が終了した時点から術式が展開され始めた。バルパー・ガリレイの悲願の1つである、『エクスカリバー統合』のための術式だ。

 

 

「こんなことをして・・・三大勢力での戦争を再開させる気なの?!」

 

「ああ、そうだな。俺は納得してないのだ、忌まわしき紅い髪の娘よ。堕天使が最も優れているというのに、なぜ冷戦状態にもつれ込んだ?なぜアザゼルはもう戦争はしないなどとほざいた?」

 

 

 

不平不満があったのだろう。もしかしたら部下の敵討ちというのも理由にあるのかもしれない。戦争がしたいだけなのか、敵である堕天使以外を殲滅したいのかはわからない。だが、それでも譲れない部分がある。エクスカリバーの統合を未然に防がなければマズいと、本能的にわかるほどの魔力量。それが術式から漏れ出ているだけのエネルギーなのだ。

 

 

「それは・・・エクスカリバー?!」

 

「ああそうだ、エクスカリバーだ。天使どもは私を異端として追放した。人造聖剣使い計画やエクスカリバー統合のための術式を編み出せと命じたのは奴らなのに!!作り終えたら用済みだとでも言うように私を教会から追放したのだ!!!だから奪い去ってやった。エクスカリバーを過半数、もともと見つかっていない物を除くと6本は見つかっているのだ。そのうち教会から3本強奪し、わざわざエクスカリバーを持ってきた2人のうち片方の物を奪った。これで4本だ。この街を滅ぼすのに十分なエネルギーが統合時に放出されるのだよ!」

 

「なっ・・・?!」

 

「そんなことさせてたまるかよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがにそれは見過ごせないなぁ」

 

 

声がした。




何度言っても天を主人公にしてる読者様方。そろそろ怒ってもいいですかね?あくまで主人公は一誠。これは(どこぞの神父のように)世界を1周させても変わらない事実であり、真実です。
天をクズだと感じた方、それについては否定はしません。性格はフリード、言峰、作者自身を足したような感じなので。

まとめると『天≠主人公』『一誠=主人公』この2点(に見せかけた1点)だけ覚えておいていただければいいのです。ちなみに一誠視点だけだとどうなってるのか一切わからないから天側から書いています。一誠視点は7月のどこかから開始するかも・・・

そしてこの微妙な引き方。すまない、文才がないせいで変な終わりになってしまってすまない

不死蓬莱さん、誤字報告感謝します

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