【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】   作:Pyromane

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(コメントに対して)月に1話は投稿するといったな、ありゃ嘘だ。正確には『本編』は月に1話投稿するデス。つまるところ番外編や記念回は何回でも投稿するのデス!(ペテ公感


第15話 エクスカリバー?ああ、アーサー王伝説に出てくる剣のことだろ?

アーシアの転入から1か月ほどが過ぎた。天もアーシアも転入直後ほど質問攻めや大人数(の男子)に囲まれることもなくなった。

だがそれは男子のアーシアへの興味がなくなったとか、ほかに魅力的な転校生が来たとかといった話ではない。単に互いに牽制しあって動くに動けないだけなのだ。女子からするなら玉砕覚悟で突撃するしかないだろうと呆れているのだが。

 

 

「ところで最近妙な噂があるの知ってるか?」

 

「え?なになに?」

 

「いやな、俺も聞いただけで本当なのかどうか知らないんだけどさ」

 

 

その女子生徒(・・・・)の話では

曰く、おもちゃのような剣を振り回している神父がいる

曰く、羽の生えた人間のようなものを見た者がいる

曰く、何もないはずなのに血の匂いがする

曰く、悪魔を呼び出した者がいる

曰く、学園の王子様の雰囲気がいつの日からか急変した

etc.etc.(などなど)気のせいだと思うようなものからUFOを見たという報告同様信用できないもの。実際に身近なこと、そして神父のコスした中二病か何かだと言いたくなるような噂だった。信用に値する情報などないに等しい。

 

 

 

「ふむ・・・あいつの噂話は悪魔とか知る前だったら絶対に信じなかっただろうな」

 

「そうですね。神父様のことについては少しだけですが聞いたことがありますけど。羽根を隠すのを忘れるほど不用心な方が悪魔様や堕天使様、天使様にいるでしょうか・・・?」

 

「さあな、大方噂を撒いて不安の種を蒔いてここら一帯を支配してる気でいる悪魔を疲弊させようとしているのか、もしくはただ戦いたいだけかのどちらかだろうな。あと、悪魔である木場の雰囲気が柔和なものから急変したってのはおそらく因縁の相手がこの町に来たんだろう」

 

 

 

天の予想は当たらずとも遠からずであった。天は木場の様子が急変した前後、特に欲視力を使っていなかった。そのため木場に何があったのかを知らない。まあ、知る必要もないから放っておいてるというのも事実ではあるのだが。

 

 

 

それはそれとして(閑話休題)

 

 

 

「まあ、俺たちにかかわるようなことはないだろう。街1つ滅ぶような戦いとかトラップとかあってもおかしくないとは思うけどな」

 

「そんなことになっては困りますね・・・」

 

「ああ、だがこの学園にいる悪魔なんかがどうにかするだろう」

 

 

 

天もアーシアもそれ以降はそこまで気にすることもなく、出会っ()たことのない者に対しては、欲視力を使えないという欠点から、思考を見ることもできないため、どうあがいても後手に回るしかないのが現状であった。そして管理者などと嘯く悪魔が命を張ってでも街の崩壊を食い止めるだろうという考えだったのだ。そのため、情報収集をほとんどしていない。どこぞの王様の様に慢心してしまっているのだ。

 

 

 

「でも、あの方たちで対処できるのでしょうか?不用心とはいえ挑発のために噂を流しているのだとしたら少なくとも戦争や戦闘が大好きな方ですよね?ということは実力はかなり高いはずです。そのような方をあの方たちは打倒できないように思います」

 

「いつになく辛口だな・・・確かにあいつら自分の領地(と言い張っている土地)に敵が入り込んでても気づかない無能の集まりだけど」

 

 

 

アーシアも天も、悪魔の気付いていないはぐれ悪魔、神父、堕天使を何度も見たのだ。悪魔になっているらしい妖怪。無理やり転生させられたらしい神器持ちの人間。無理やり配下にさせられた下級悪魔など。

いずれも主に反発、主を殺害して眷属をやめた者ばかりだったが、人間に悪意を向けない者もいた。特に元人間だったものや無理やり眷属にさせられたものなどが多かった。そういったものに話を聞いて情報をある程度集めていた。つまり、ここの支配者(仮)は無能であると。力、戦闘力や権力によって問題を解決しているのだと。

そのような奴らに命を預けることほど危険なことはないと考えている。だが、最近は平和であったため、気が抜けていたのだ。

最悪の場合は、そこそこ仲のいい友人たちが死ぬ、自分の親が死ぬ、自分も死ぬかもしれない(あのスキルのことを忘れている)。そのような状況で無能に自分の命を預けたいとは、天も思っていないだろう。

 

 

 

「そろそろスキルによる情報収集をするか・・・。わざわざ自分から危険に飛び込む必要もないだろうが、むしろ放っておいた方が危険になるなら仕方ない」

 

 

 

そういうとアーシアは(なぜか)顔を輝かせていた。その顔を見て天は苦笑いしていた。

ギャルゲーやエロゲ、ストーリーゲーなどで選択肢をミスったような顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして情報収集や現状の理解をするのに1週間ほどが過ぎたある日。変な格好をした女が2人、駒王に現れた。俗に言う犯罪者か痴女だろう。ローブを被っていて顔はわからないが体型までは隠せず、女性らしい曲線が見て取れた。

 

 

 

「ちょうどいい、あいつらは(おそらく)教会関係者だろう。ならば剣を振り回している神父についても何か情報を持ってるだろう。記憶を覗くか」

 

 

 

そうして覗いた記憶には有用な情報があった。今回の敵の名前や容姿。目的。そして何より痴女が何者か、どういう立場の人間なのかというのが分かった。そして布にまかれた妙にデカい物も何か分かった。布にまかれているものはエクスカリバー、その欠片を再利用したものだという。それは(・・・)おかしい(・・・・)。なぜならエクスカリバーはアーサー王が死の間際に湖の精霊に返したという逸話がある。ならば天使が持っているのはおかしいのだ。湖の精霊から奪い取ったのか、もしくはエクスカリバーを模したレプリカだろう。アヴァロンが常に所有者の魔力を消費してエクスカリバー()を修復しているとかなんかいうのをwikiとかで見たことがあるな。なら剣だけ作ったレプリカだという線が濃いか?

 

 

 

「ふむ・・・つまりあいつらは教会の人間で間違いなく、ここに根を張っている悪魔たちに邪魔をしないよう忠告しに来たのか。この街の人間が、自分の組織が原因で死ぬかどうかって時に協力を許容できないようじゃ天使とやらも格が知れるってもんだな」

 

「私・・・そんな組織にいたと思うと少し悲しいです。全員が全員責任逃れをしようとしてるなんて」

 

「まあ、幹部とは言え堕天使に厳重に保管してた聖剣を奪われたから焦ってるんだろうよ。そもそもあんなのを2人だけ送り込んでる時点で教会も天使も底なしの馬鹿か戦力差を理解してないかのどちらかだろう。最悪のケースとして天使と堕天使が手を組んで悪魔を潰しに来たってパターンだが・・・」

 

「悪魔、天使、堕天使は三すくみなのでおそらくないと思われます。それに堕天使総督はその、エッチな方ですが戦争する意思はないと聞いたことがあります」

 

「ふむ、なら最悪堕天使総督が戦争を防ぐために何かするだろう」

 




終わり方が微妙ですまない。
それはそうと、とある動画見てたらモードレット狂の転生者がアルトリアに転生してやばいくらいかわいがる作品書きたくなった(小並感

ps.
不死蓬莱さん、誤字報告感謝いたします

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