【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】   作:Pyromane

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月曜に書いて出そうと思ってたら月曜書くの忘れるっていう・・・
金曜には多分次上げると思います

今回は三人称視点(英雄派)です。英雄派の視点だけど個人の視点ではないのでこんな感じになりました


第10話  龍神、再び

曹操は困っていた。自分たちの首魁であるオーフィスが、またどこかへ行ってしまったのだ。行先にはある程度見当がついている。だが、そこで何かトラブルを引き寄せている可能性が高かった。なので、ジャンヌやジークフリートについてくるように、ゲオルクには、何かあったときのサポートを命じてオーフィスがいるであろう場所に向かった。

 

 

「はぁ・・・。オーフィスには困ったものだな」

 

「そうね、オーフィスがいないと私たちのどの目的も達成できないから、どこかに行く時は最低でも1人監視をつけるか、どこに行くかを伝えてるようにっていつも言ってるのにね」

 

「まあ、今の容姿はアレだが・・・。あれでも世界最強の一角だ。奴が出張ってこない限り死ぬことはない」

 

 

 

転移できるのが人目につかない場所に限られるため、山に転移してから走っているのだが、全員が6㎞の道のりを時速30㎞程度で走っている、その中でこのように話をしているのだ。すれ違った人々は異様なものを見るような目でTwitterだったりLINEグループだったりに教えているのだが、それがどう評価されたかは完全に余談である。

 

 

 

「それで、どうしたら我を手伝ってくれる?」

 

「いやまあ、手伝えって言われてもなぁ・・・」

 

「・・・」

 

「そんな目で見られても・・・」

 

「まあ、グレートレッドさん?って方を倒してほしいってことですよね?その方はどれくらい強いのですか?」

 

「この世界で最強。我では少なくとも勝てなかった」

 

「そんな存在に普通とは言えないけど人間が勝てると思うか?いや、確かにドラゴン退治とかは古来から人間がやってたらしいが・・・」

 

「我とお前ならいける。お前から我と同じ無限の力を感じる」

 

 

 

オーフィスと話している少年と少女。少年についてはジャンヌと曹操は会話もしたことがある。裏側に通じているかはわからないが少なくとも自分たちでは彼が特殊な力を持っているなどということはわからなかった。つまり、神器を持っているわけではないのだろう。とはいえ、オーフィスが『自分と同じ力を持っている』と言っているのだ。曹操もジャンヌもその力について知りたいという欲求がある。

 

 

「その話、少し詳しく聞かせてくれないかな?」

 

「また会ったわね、日本人の少年」

 

「初めまして、僕の名はジークフリートだよ。君たちの名を教えてもらえないかい?」

 

「ああ、ジャンヌと曹操か。久しぶりだな。あとジークフリートさんだな?初めまして、名前は前回そっちの2人に会った時に伝え忘れてたからちょうどいい。俺は月海天だ、それでこっちの金髪美少女がアーシアだ」

 

「ちょっと、惚気ないでくれるかしら?」

 

「そんなつもりはないんだが・・・そもそも俺はアーシアと付き合っているわけでもないからな」

 

 

 

平然とそう言い払った天と、天の言葉の前半で顔を赤くし、後半を聞いて落ち込んだ様子のアーシアが対照的だと思いつつも、曹操はもう一度問いかけた。

 

 

「それで、今オーフィスが言っていたオーフィスと同じ力を持っているってどういうことだ?」

 

「あー・・・。とりあえず何を話せばいいんだか」

 

「話したくないことは話さなくてもいい。だが一つだけ確認させてくれないか?」

 

「何を確認したいんだ?」

 

「君は神器というものを持っているのか?」

 

「いや、あいにくそんなもんとは縁もゆかりもないね」

 

 

その答えを聞いて、曹操は英雄派に取り込むのは難しそうだと考える。そもそも天が特殊な力(スキル)を持っていると知っているのはこの場ではアーシアだけである。差別されたりいじめられたりなどという過去を持っていないため取り込むのは不可能に近い。だが、それは日本神話と繋がりがあると知らないからできる考察だ。日本神話から保護を受けているという状態で、テロ集団に加担することはないだろう。

 

 

「とりあえず悪魔だとか、堕天使だとか、神だとかが実在するってことは知っている」

 

「本当かい!?それなら話は早い!僕たちの仲間になって三大勢力の討伐を手伝ってくれないかい?!」

 

「まあ待てジーク、天君に聞かなければならないことがあるといっただろうが」

 

「俺のスキル()のことだな。オーフィスが言っている『無限』ってのは俺の持っているスキルの1つのことだな」

 

「持っているスキルの1つ・・・?」

 

 

 

スキルの1つという部分に反応したのはジャンヌだけではないが、曹操は声に出さず何かを考えている。ジークは興奮していて何も考えていない。オーフィスは興味津々といった様子で話を聞いている。天はというとさらっと入れたヒントに気づいたジャンヌと曹操は頭がいい、オーフィスは普通の子供と変わらない、ジークフリートはただの馬鹿。そう位置付けた。そう考え、天は日本神話に教えているスキルの内の一部だけを教えることにした。

 

 

 

「ああ、俺にはあといくつかスキルがある。例えば感覚を乱すスキルだったり、転移のスキルだったりな」

 

「俺からも頼む、俺たちの仲間になってもらえないだろうか?」

 

「無理だな」

 

「ッ!なぜだ?俺たちの仲間になるデメリットは特にないはずだが」

 

「メリットもねえからな。それに俺は日本神話、妖怪勢力の下に入っている。まあ、ギブアンドテイクのようなもんだけど裏切るつもりも理由もないんでな」

 

 

 

そういう天にオーフィスは不満そうな顔をしていた。そして何かを思いついたような顔に変わる。それを見た曹操は嫌な予感がするもオーフィスが何を言うかを待った。

 

 

 

「なら日本勢力を消せば天は我に協力してくれるのか?」

 

「ねえな、そんなことをしても無駄だぞ。保護が必要だったんじゃねえ。保護されてるという事実だけが必要だっただけだ。どこかの勢力に保護を求めて三大勢力に宣戦布告するための理由を作っておきたっただけだ」

 

「君は・・・なぜそんなにも三大勢力に敵意を?」

 

「敵意ってかなぁ・・・。日本神話なんかに許可を取らず領地を盗んで管理していると言ってはぐれを放置している。気づいてないのか上司なんかから依頼を出されない限り討伐もしねえ。そのせいで死んだ人は親兄弟友人全てから記憶を抹消している。そんな奴らをどうやって好きになれる?」

 

 

 

曹操は自分の思い違いを恥じた。同時に確かにそうだとも思った。駒王の管理者と名乗っていながら日本勢力に許可を取らず不法に占拠していることも調べがついている。日本勢力に保護を受けているのだから、そのくらいは教えられているのだろうという程度の考えだった。・・・日本勢力の保護下に入る前に三大勢力のことを知っていたなどと、スキルをほとんど教えてないのにわかる人間がどれほどいようか。

 

 

 

「では、三大勢力とは敵対するがそれ以外とは敵対する気はないと?」

 

「あー、どちらかというと敵対されなきゃ自発的に敵対はしないだろうな」

 

 

 

それを聞いて満足した曹操は、オーフィスを言いくるめて、ジャンヌやジークフリートとともに帰って行った。アーシアが空気になっていたが、彼女はオーフィスのことを心配していた。

 

クラスメイトに見られていたようですこしの間、天がロリコンだとか、金髪の美少女の彼女がいるとか噂されてしまうことになったのだが、完全に余談である。




思い付きで書いているため一切予約投稿せず、書き終わり次第投稿しています。
なのでときどき不定期になると思います。あと、友人に原作を借りたので一誠サイドを書く前にある程度読んでいると思います
活動報告に一誠サイドを書いてほしいか否かのアンケ出してるから参加してくれると嬉しいです。強制はしませんけどね。あと、1つ。私は原作を暗記できるほど読み込んでも中途半端な知識であると考えています。原作者の考えをすべて理解できるわけではないこと、そしてなにより自分以外の読者及びSSの作者様方の感じ方などわからないこと。なので原作を読み込んでも自分が持っているのは中途半端な知識であると言い続けます

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