【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】   作:Pyromane

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はい、というわけで前話で天使と九尾が何を話してたかという話です
え?今回はアマテラスとの会談じゃないのかって?ハハッそんなわけ
そもそも吾輩は前話の後書きに水曜、金曜で上げるとしか言ってないんだぜ?つまりどのタイミングで上げるとは言ってない!(言い訳乙
まあそんなことはさておき、どんな話してたか気になるという方のために、今回は試験的に三人称視点でのお送りとなっております


第8.5話  乙女2人の会話in会談当日

八坂は天と玉藻が部屋を出て、ある程度部屋から離れたあたりでアーシアに話しかけた。

 

 

「そ、それであの・・・何をお話すればよいのでしょうか・・・?」

 

「楽にしてよい。お主に聞きたいことはいくつかあるのじゃが・・・」

 

「なんでも聞いてください。答えられることなら全て正直にお答えします」

 

「ほう、では聞かせてもらおうかの。まずお主と天殿はどこでどのように出会ったのじゃ?」

 

「ふぇ?あ、はい。天さんと初めて出会ったのは彼が住む町で言葉が通じず困っていた私に英語で話しかけてくれたことがきっかけです」

 

「ふむ、天殿に少し話は聞いておるが教会を追い出されたというのは本当かの?」

 

「はい、大怪我をして倒れていた方を神器で治して差し上げたところ、その方が悪魔だったらしく、破門され追い出されてしまいました。ですがそのことに後悔はありません。そのおかげで天さんという素敵な方に出会えたのですから」

 

 

玉藻はここまでのアーシアとの会話の中に、違和感は一切感じなかったが、天の話題に触れたときにアーシアの顔が緩んでいたり、少し強張っていたり、声色が違うことに気づいた。

 

 

「ふむ、アーシア殿は天殿のことが好きなのじゃな」

 

「そ、それは・・・あうぅ」

 

「まあそれはよいのじゃが。アーシア殿に一番聞かなくてはならないのはアマテラス様(我らの主)に害意があるかどうかじゃ。とはいえ妾だけでは100%とはいえんのでな。とある妖怪に協力を依頼しておるのだ。さとり、おるのじゃろう?入ってまいれ」

 

「やはりバレていましたか。そちらの彼女の本心を見ればいいわけですね?ああ、返事は結構です。ではもう一度改めて問いましょうか、あなたはアマテラス様に害意がありますか?」

 

 

さとりに問われたアーシアは何も答えない。答える必要がないといわれた事と本心を見る(・・・・・)という言い回しをさとり自身が使ったことでそのような力を持っているのだと考えたのだ。

 

 

「八坂さん、この子は白よ。何の問題もないわ。というか何かに対して攻撃とか絶対できないわよこの子」

 

「お主がそう言うのなら間違いないじゃろう。信頼しておるぞ?」

 

「ええ、信頼してくれて構わないわ。それで?さっきの男の子、紹介してくれるって本当なのね?」

 

「うむ、約束は必ず果たそう」

 

「ええ、信用してるわ」

 

 

 

それだけ言ってさとりはまたどこかへ行ってしまった。天のもとへ向かったのではなく、適当に時間をつぶしに行ったのだろうとアーシアは考えた。そもそもアーシアと天は日本の最高神(アマテラス)との会談が目的なのである。そのことを知っているさとりは会談が終わり、天に時間的余裕があればそのまま、ないのであればまた日を改めて八坂を通して接触を図るつもりなのであった。

 

 

 

              閑話休題(そんなことより)

 

 

アーシアに害意がないと分かったため、問いかける必要がなくなった八坂であったが、ふと、アーシアに悪戯をしようと考えた。八坂は彼女が天に恋心に近いものを抱いているのがさとりが来る前の会話で確信していた。しかし、それが恋心なのか、それとも憧れなのか、はたまた感謝から来る忠義にも似た感情なのか確認しようと思ったのだ。

 

 

「アーシア殿、不躾だとは思うのじゃが聞きたいことがあるのじゃが」

 

「なんですか?」

 

「天殿のことはどう思っておるのじゃ?」

 

「ふ」

 

「ふ?」

 

「ふえええええええええ!?」

 

「そんなに驚くことかのう?お主が天殿のことを語るときどことなくうれしそうな顔をしておったぞ?」

 

 

八坂に言われそんな顔をしていたのかと驚愕するのもつかの間、アーシアは驚愕を顔に出すことなく顔を真っ赤にしていた。むしろ体中真っ赤になっているのではないかと心配するくらいだ。

 

 

「え、えっと。わたし、そらさんのことは・・・あうぅ」

 

「とりあえず落ち着くのじゃ。ほら、深呼吸をせい」

 

「すぅ~~~はぁ~~~~」

 

 

 

アーシアは少しの間深呼吸をしていたが、呼吸が落ち着き、動揺も収まったあたりで素直に返した。

 

 

「天さんのことは好き・・・なんだと思います」

 

「なぜ疑問形なのじゃ?」

 

「私は教会を追い出されるまで普通の友達が1人もいませんでした。追い出される以前は聖女と呼ばれ、1日のほとんどをケガや病気を治してほしいという方の治療に使っていました」

 

「ふむ」

 

「聖女に友人や恋人など必要ないという教会の理念があったので、私には感謝してくださる方はいても仲がいいと言える友人はいませんでした」

 

「教会を追い出されて日本に来て、天殿と出会い優しくされて友人になってもらったというわけじゃな?」

 

「はい、ですから私にはこの天さんに向ける感情が友愛からくるものなのか、恋愛感情からくるものなのかがわからないんです」

 

「なるほどの。では想像してほしいんじゃが、もしもお主以外の女子が天殿と結婚することになって天殿と距離御置かなくてはならなくなったr「いやです!そんなの・・・そんなのは嫌です・・・!」」

 

「それが答えじゃろう。お主はそれほどまでに天殿を好いておるということじゃよ」

 

「うぅ・・・!」

 

 

嵌められたアーシアは自分の感情を自覚して赤くなりつつも嵌めた張本人である八坂を睨み付けていた。まあ、裏の世界で抗争なんかを繰り広げたこともある八坂からすればアーシアが睨み付けてくることなど気に留めるようなことではないのだが。そもそもアーシアが睨み付けてもかわいいだけである。^^;

 

 

「アーシア殿、いいことを教えておこう。妖怪の中では一夫多妻が部分的に許されておるのじゃ。妾は娘である九重を嫁にするか妾自身が嫁になることで天殿を妖怪の、ひいては日本勢力の敵にしないようにと思っておる。その場合にアマテラス様に承認されるか妖怪のトップになることで一夫多妻が認められるのじゃ」

 

「つまり天さんの隣にいたければ日本勢力に付けということですか?」

 

「そもそもの話じゃが、アーシア殿は教会から追い出されたため寝床も何もないわけじゃろう?」

 

「はい・・・」

 

「そう落ち込まずともよい。日本神話につくということはお主の信じておった聖書の神や教会を裏切ることにもなろう。じゃが何もお主が信じておったものまで否定するつもりはない。聖書の神を信じ続けるのもよし、アマテラス様を信じるのもよしじゃ」

 

 

 

その言葉を聞いたアーシアは裏切ることになっても、自分を掬ってくれた()のそばにいたいと願った。それでも信じ続けてきた主はそのまま信じたいと。だが、アーシアは自分を利用していた教会に文句はなかった。一度は殺される寸前くらいまで行った。だがそれは堕天使に殺されかけたのだ。とはいえ計画を知っただけで天が完全に妨害してくれたおかげで死ぬことはなかった。だがどこの勢力にも所属しない宙ぶらりんの状態がどれだけ危険かをすでに身を持って体験してしまっているアーシアは日本勢力につくことを固く決めたのだった。

 

 




今回登場したさとり様と東方のさとり様はほぼ無関係です
着想はぬらりひょんの孫の妖怪『覚(悟だっけ?)』から、だってあの妖怪九尾の狐(羽衣狐)の配下なわけやん?だったら同じ九尾の狐である八坂さんにも同じような部下(もしくは友人)がいてもええやろ?そしてぬら孫そのままだとあれだから容姿は東方のさとり様を黒髪ロングにしたような容姿です。あと小五ロリでもないです。身長160㎝、3サイズは・・・うわ何をするやめろ!?
すいません自重します。でもこれだけは言っておく、スレンダーです。あとさとり様の能力は全ての生物(動物?)本心を見ることができるみたいな感じですがうちのさとりは自分より圧倒的に実力が上の者の本心はわかりません。そして実力の定義は能力や神器なしでの身体能力やその他武術などの腕です

Q.いつ八坂が落ちたのか?
A.自分の知らない未知の力を使ったというのもあるが、三大勢力が嫌いだということと何も知らなかったとはいえ、敵意の全くない人間(天)に敵意を向け、武器を向けたにもかかわらず、自分を一切悩むことなく許してくれるほどの器のでかさ、そして九重が無礼なことを言っても笑って許したことが大体決め手

Q.九重は天のことをどう思っているの?
A.珍しい人間の客人

Q.アーシアはどれくらい天のことが好きなの?
A.死が二人を分かつまでの誓いができるくらいには

俺に本格的な恋愛を描くのは無理なんや、許してくだされ。原作でも割とチョロインなこともあって正直チョロインになってしまうのもあるんや
なんて言い訳をしつつ、投票者の方々、コメントをくれる方、ここまでついてきてくれてる読者の皆様、お気に入り登録してくれた方、感謝いたします

ps.黒のアリスさん、誤字報告感謝します

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