【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】   作:Pyromane

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嘘はついてない。ほんとだよ?
あと、ちょっと遅くなったのに内容薄いわ短くなってるわでほんとすまん


第8話 会談当日です

 快晴の日曜日、最高のピクニック日和だろう。現在6時前なので太陽が昇ってきたくらいで、そもそも彼は日本神話のトップと会談するからそんな予定も暇もないのだが。

 アーシアは起きていない。夜、なかなか眠れなかったのだろう。自分の運命を決めてしまうかもしれない会談なのだ。まあ、もともと約束の時間は9時だ。準備する時間も含めて8時に起きてくれば十分だろう。俺は十分寝ていたので、2度寝もできず、ネットで日本神話のおさらいをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天さん、起きていらっしゃいますかぁ~?」

 

「起きている。軽く準備をしていたからな。アーシアは準備できたのか?」

 

「はうっ!まだできていないんですぅ」

 

「まだ7時30分か・・・時間はあるからちゃんと準備してきな」

 

「はい!わかりました!」

 

 

 

 

 

 彼が起きてから30分くらいたったくらいに、アーシアがまた彼に扉越しに声をかけてきた。準備ができたらしい。

 

 

 

「準備ができたのか。じゃあ早速行くか?」

 

「はい。先方を待たせてしまうわけにもいきませんし」

 

「わかった」

 

 

 

 彼はそう言った後、アリバイブロックで八坂の屋敷の前に転移した。中に転移すると土足になってしまうから、考慮した結果だ。ちなみに家族が警察沙汰にしてしまうと面倒だったため、彼は夜までは確実に帰らないことを置き書きしてテーブルの上に置いた。

 

 

「ふわぁ・・・もしかして昨日もこのスキル?を使っていたんですか?」

 

「ああ、起きて・・・はなかったな。だがどうしてわかったんだ?」

 

「いえ、顔色の悪いシスターを抱えて運ぶとなると問題があるかと思ったので」

 

「なるほどな。確かに世間体とかその辺がまずいな」

 

 

 

 彼がそう言うとアーシアは苦笑した。彼は気づいてなかったことが不思議なのかと思ったが、問題視してなかったことに苦笑していたようだった。(後日談)

 

 

 

「あの・・・そろそろ良いですかな?」

 

「ん?ああ、悪かったな。あんたが今日の案内係か?」

 

「はい、わたくしはこの城で客人や重要な会談をする際に案内やその他諸々を任されております。種族は天狐、名は玉藻と言います」

 

「アマテラスさんはいつごろ到着予定なんだ?」

 

「・・・ハァ。気づいておいででしたか」

 

「そりゃな。わからねえわけねえだろ」

 

 

 

 そう、おそらく・・・いや、ほぼ確実と言っていいレベルで彼は確信していた。自分たちのトップに、彼が同伴させるとはいえ、人間性などが全く分からない者を会わせることなどできないだろう。つまりアーシアのことを調査はおそらくしているだろうが人間性は本性かどうかを自分で確認するということなのだろう。

 

 

 

「俺が同じ立場なら必ず自分でそいつの人間性なんかを確認するからな」

 

「暗殺の可能性はないにしてもよく知らない者をトップの前にそのまま立たせるわけにはいきませんので」

 

「あんたから見ても彼女アーシアが暗殺とか実力行使はできないと思うか」

 

「あれで暗殺ができるというなら天性の殺し屋か詐欺師のどちらかだと思いますよ」

 

「そりゃそうだ」

 

 

 

 そう、初対面の天狐、つまり平均以上の実力を持っているであろう妖怪、それも狐や狸は騙すことに長けた動物であり、それが妖怪となっているというのだから、さらに凶悪になっているということだと彼は推測した。

 下っ端を寄越さなかったのはそれだけアーシアを警戒しているということだろう。そもそも、アーシアが実働部隊なら自分を回復させつつ敵に特攻をかけるという凶悪なことができるであろう。それこそ、即死でなければ。

 

 

 

「そもそもアーシアの神器ってやつが自身にも有効なんなら、受けた傷やダメージを回復しつつ突貫するなんて荒業で敵部隊を1人で壊滅させることもできるだろう」

 

「そ、それは・・・考えただけでも恐ろしいですね・・・」

 

「だろう?」

 

 

 

 彼らはそんな会話をしていたが、その問答が終わったあたりで八坂たちのいる部屋についた。

 

 

「八坂様、九重様、お客人をお連れ致しました」

 

「大儀である、下がってよいぞ」

 

「ハッ」

 

「よう、久しぶりだな。八坂、九重」

 

「久しぶりなのじゃ!天殿!!」

 

「うむ、久しいのう。天殿」

 

「それで?アーシアのことを確認したくて早めの時間を俺に伝えたんだろう?今から2人きりになって尋問・・・いや、会話でもするか?」

 

「それもそうじゃのう。早めの時間に来てもらったわけじゃが、それほど時間があるというわけでもないからの。それでは早速始めさせてもらおうかの」

 

 

 

 アーシアに八坂からの質問に噓偽り無く答えることを伝えて俺は部屋を出た。

 それからアーシアと八坂の間にどのような会話があったのかは知らないが、アーシアと八坂の間に良好な関係が築かれているようだった。何か共通の話題でもあったのか・・・それともほかに理由があるのか。

 

 

 

「ふむ、この娘は信用に値するのう。これで私が欺かれているのなら大したものだと素直に褒めるものじゃ。アマテラス様に害をなしたならば三大勢力のみならず、妾たち日本勢力も敵に回るがの」

 

「まあ、圧政を敷いているとかってことじゃないのならそうなるわな」

 

「・・・そうじゃな」

 

 

 何かあったのだろうが、そんなのは本人に聞けばわかることだから問題はないだろうと考えた。

 聞くべきことも聞かれるだろうこともほぼ想定済みだ。どんな質問、揺さぶりが来ても彼は焦ることはないと思った。




会談したなんてどこにも書いてない?ハハッ、タイトルには会談当日としか書いてないんだぜ?まあ、たぶん会談は水曜、金曜で上げると思うよ

黒のアリスさん、ほんと毎回誤字報告ありがとうございます

―2017/3/25追記―
粉雪吹雪さん、誤字報告感謝いたします

2017/07/18 18:44 3人称に書き換え+ところどころ内容を変更

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