灰の大狼は騎士と会う   作:鹿島修一

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うん、感想みて共感してしまう。
私のサブデータは良い人RPしていたんだけど、割り切る事が出来ずにシフの所で詰んでます。
本来のデータでも手が動かなくて一度シフにやられたんですけどね!


そんな私は今回シフの救済をする為に頑張ります!

章のタイトルは凄い適当に着けてます。候補とかこんな言葉があったら良いとか受け付けます。

関係ない話し。友人にtwitterなるもので呟けば?なんて言われました。アカウントは持ってるものの実は、殆どtwitterの使い方分かりません!
ぎぶみー、ぎぶみー、ぷりーず、ホアァ!ホアァ!!



未代特異点 闇の聖杯ー灰の大狼ー
第10話


目の前の彼女を見て気が付いた。

未来から過去へと干渉する事が出来る事に。

 

其処から私は、おかしくなったーーー。

 

 

 

手段を求め、寂しさに焦がれ、友さえもこの手にかけた。

念願の日は此処に叶う、先にある黄金の杯を持って私は願う。

 

過去への干渉をーーーー。

 

 

黄金の光、狼の望みとはまた違った結果へと行き着く。

 

過去では無く世界の外から人を招き、遥か未来からこの時代への穴を造る。

 

狼は分からない、自分が討伐される側に回った事を。

 

されど狼は笑う。

 

「ーーーーーアッハ、アハハハハハーーーー」

 

既に身体すら魂の半分に惹かれて変容している事にも気付かずに。

 

「遂に、遂にっ!私はーーーお前と会える!!」

 

瞳から黒い涙を零しながら墓場の前で月へと吠えた。

 

 

 

 

 

「ーーー何処なんだ此処は?」

「アルトリウス?」

「キアラン?」

 

二人は祭祀場で出会い。

 

「・・・・・・」

 

深淵を討伐した者は牢屋で目を覚ました。

 

 

 

 

 

最後の一人、舞台に上がる者は忙しなく廊下を駆ける。

後ろからは同じ様に盾を持った少女が追従している。

 

「新しい特異点が見つかったんですか!?」

 

 

 

最後のマスターは扉を開けはなち、遥か昔へと向かう。

 

 

ーーー敵は、狂気に飲まれた狼。

 

彼等はどんな想いを抱くのだろうか、定命の者は終わりなき者に何を思うのか。

さあ始まる、今やこの地は一人の狼の為の舞台であり救済場である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新しい特異点ですか?」

 

第六特異点を修正して休みをもらった時、藤丸立花は急に呼び出された。

新しい特異点が見つかった様なのだがロマンは妙に歯切れが悪い。

それにメソポタミアはもう少し調整が必要らしいのだが、まだ1日しか経っていなかった。これは些か早すぎるのでは無いだろうか?

 

「う、うん?なんと言えば良いのか、突然現れたんだ。急に揺らぎ始めたと思ったらその時代までの道程が既に完成されているし、罠という事もあるかも知れない」

 

確かに、急に出来た特異点に既に行けるなんて可笑しい。

何時もはスタッフさん達が頑張っているのを見るのだけど。

 

「それでDr.、新しい特異点とは何処なんでしょう?」

 

「今回現れた特異点は謎が多いんだ。時代は古代メソポタミアよりも遥か前、観測する事の出来ない程に前だね。それだけで一体どんな人外魔境なのか戦慄してしまうよ」

 

えーっと、古代メソポタミアが紀元前2600年前だからそれよりも前。マトモな人間はいるんですかドクター!?

 

「それは、先輩は大丈夫なんでしょうか?」

「さっき、ダ・ヴィンチちゃんから出来たと報告が来てたけど。それもこの時代になると何処まで安全なのかは分からない」

 

言ってしまえば賭けに近い。

特異点を放っておけばこのまま私達は人理を守る事が出来ずに焼却される、特異点に行ったらダ・ヴィンチちゃんの道具が効かなければそこでお終い。

 

「準備が出来たら行きましょう」

「良いのかい立花ちゃん?」

「はい。それにマシュとなら頑張れる!」

「先輩…」

 

それに放っておいたら何か大変な事になってしまう様な気がする。

胸を侵してくる不安が拭いきれない、私は今笑えているんだろうか?

 

「おっまたせ!」

 

ババーンと可笑しなテンションで私達の後ろから現れたダ・ヴィンチちゃんが手に持っている赤いマフラーを振り回しながら私の首に巻きつける。

 

「ふふふ! 今の私に怖いものなんてない!機能拡張の為に無断で倉庫から素材を使っちゃったよっ!」

 

その言葉に私の動きが止まる。

 

「な、何を使ったんですか?」

「歯車に心臓、逆鱗後はーーー。でも、君の命を思うなら仕方ないと諦めてくれたまえよ」

 

中々衝撃的な物から無くなっていたけど、確かに私の命と考えると比べるまでも無かった。

マフラーにしては長く、首の所で二重に巻かなくては下に引きずってしまう。

 

「効果はこの間のマスクの魔改造版って言うのが分かりやすいね」

 

「それじゃあ、準備はいいかい?」

 

一度息を整えて、マシュと視線が合う。

 

「はい。行きますーーー!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

レイシフトが成功したと思えば鼻から入ってくるのは腐った様な血生臭い、空気が物凄く悪い。

 

「ーーーこっ、此処は」

 

四方を塞がれた壁、目の前には鉄格子。

隣にマシュが居てくれて本当に良かった!

 

「って、牢屋じゃないですかー!?」

「いきなりですか!?」

 

マシュと二人してレイシフトした瞬間に牢屋の中に閉じ込められているなんて思わなかった為に叫んでしまう。

 

「いや、えっ?ロマンー!?」

『ご、ごめんよ。レイシフト先が其処にしか設定出来なかったんだ、でもマシュの盾ならその鉄格子も壊せるはずだよ!』

 

そ、そうだよ。デミ・サーヴァントのマシュならこんな鉄格子くらい一撃で壊せる。

 

「マシュ、お願い」

「了解です、マスター!」

 

やああぁぁぁ!気合いと共に放たれたマシュの一撃は、なんと鉄格子を歪ませる事も出来なかった。

もう一度と殴っても鉄格子はビクともせず、逆にこっちが固まってしまう。

 

「なんなんですかこの鉄格子!?」

「お、落ち着いてマシュ。こういう時は落ち着いて牢屋の外を見よう、もしかしたら何かあるかもーーー」

「そ、そうですね」

 

二人して牢屋の外を覗き込んで、直ぐに隠れる様にして戻る。

 

「な、何あれ?」

「すいません先輩、分からないです」

 

牢屋の外、廊下と鉄格子を超えて更に先にはかなり大きい化け物が歩いていた。

手には棍棒の様な物も持っていて、気付かれたらペシャンコ確実だ。

 

「…兎に角一回座ろうーーー辞めとこうか」

「はい」

 

一度落ち着く為に座ろうと思って、床には掌サイズの虫が行列を作っているのを見て立っていようと心に決めた。

 

 

それにしても、まさかこんな始めから何もさせて貰えないと言うのは初めての事だ。

マシュの盾で壊れない鉄格子なんて嘘だよ、心で愚痴りながらどうしようかと悩んでいると天井の一部がカタリと揺れた。

 

もしや誰か他に人が?

ま、まさかだけどこのまま殺されたりなんて?

 

ガタンと天井の一部が外れて陽の光が外から射し込み、上から誰かが顔を覗かせる。

逆光で今一分からないけど、鎧を着込んだ騎士みたいだ。

 

獲物は片手剣と盾、スタンダードな騎士だろう。

何処かキャメロットにいた粛清騎士達を思い出す。

 

「ーーー君たち人間?」

 

ーーー見れば分かるでしょうとは突っ込まない。何やらその騎士は私達の事を怪しそうな見ながら、唸っている。

 

「えっと、私は丸藤立花。人間です」

「マシュ・キリエライトです。先輩のデミ・サーヴァントをしています」

 

「う、うーん?そのデミ・サーヴァントが何なのかは分からないけど、なんで人間の君がこんな所に幽閉されてるの?」

「ーーー此処は不死人の幽閉場だよ?」

 

不死人?

 

「えっと、不死人ってなんですか?」

「ーーー私を馬鹿にしているのかな?」

 

ま、まずいー!

何か琴線に触れてしまったのだろうか、何故か声が険しくなっている。

でも不死人なんて知らないし。

 

「あの、私達はカルデアっていう所から来ました。その不死人も初めて聞く言葉なんです」

「…嘘じゃなさそうだ」

 

少しだけ其処どいてと言われ、端に避けると上から彼女は牢屋に降りて来て鍵を開ける。

 

「私も此処に戻された意味が分からない、兎に角落ち着ける所まで進もうか」

「えっ、でも外には化け物が歩いていますよ?」

「あー、デーモンね。あのデーモンは縄張りに入らないと襲って来ないから安心して」

「は、はぁ…」

 

あれがデーモン?

それなら私達が見て来た小さいデーモンは何なのだろうか?

もしや、アレの子供が私達の知るデーモンなのかと思うと。あのデーモンからは心臓が取れるのかと思ってしまう。

 

「デーモンを見てどうしたの?」

「あのデーモンの心臓が欲しいなと」

「…えっ?」

 

ドン引きされてしまった。

そうだよね、普通はデーモンの心臓が欲しいなんて思わないよね!?

 

「げ、元気出して下さい先輩!心臓求めて駆け巡る先輩もステキですから!」

 

「ごめん、君達少しだけ私から離れてくれないかな?」

 

解せぬーーー!

 

 

 

 

 

 

その騎士はまるで来た事がある様にこの収容所の中を歩き回った。途中で倒れている腰蓑を着けたゾンビの様な赤い死体が転がっていたけど、そんな物には構わずに歩いた。

 

そして開かれた門の手前にポツンと置かれた不思議な薪の前に座ると、私達も同じ様に座る。

不思議な事に焚き火の炎は優しく、私達を暖めてくれていた。

 

 

「それじゃあ、質問なんだけど。なんであの牢屋にいたの?」

「その前にカルデアの事から話さないといけないんだけど、良い?」

「時間は無駄にあるからね、本当に無駄に。良いよ」

 

少しだけ目の前の騎士の言葉に首を傾げながら、自分達の目的とカルデアの事について話して行く内に。騎士の雰囲気が悪くなっていく。

 

ついでにカルデアと連絡が取れなくなっている事に気が付いたのだけど、何時も通りだと気にはしない。

 

 

「ーーーつまり、君達はこの時代の特異点となる物を回収しに来たんだね」

「はい。概ねその通りです。えっと…」

「ああ、私の名前は…ちょっと待ってね」

 

彼女が掌を開くと其処には白い粒子の様な物が集まって形を作っていく。それはペンダントだった、ペンダントの裏側を見ると彼女は口を開いた。

 

「ーーーリンクス。私の名前はリンクス、うん」

 

確かめる様に話したリンクスさんはペンダントを握り締めると、形をして崩して彼女の身体のなかに消えていった。

 

「あの、リンクスさんは自分の名前を……」

「そうか。君達は不死人を知らないんだよね。先ずは其処から話そうか」

 

不死人、不死の人だろうか?

 

「不死人は呼んで字の如く、不死なんだ」

「つまり死なないの?」

「ちょっと違うね。私達不死人は老いは無くなっているけど死ぬ事は出来る。そして死んだら、其処から復活する」

 

リンクスさんの指差す所、捻れた剣の刺さった不思議な薪。復活する、此処から?

 

「記憶の事も関わるんだ。不死人はね、死ねば死ぬ程に記憶が抜けていく。そして何も思い出す事の出来ない程に人間性が消えると、道中に見かけた死体が私達不死人の末路。他人の人間性を求める唯の肉塊に成り果てる」

 

衝撃だ、では目の前のリンクスさんも死ぬ事を続けるとゾンビの様になってしまうと言うのだろうか。

でも、未来に不死人がいないって事はあのゾンビで死んだら蘇らないと言う事なのでは無いのか。

 

「あの死体達はもう動かないんですよね?」

「ーーー不死人は死ねないんだよ?時間が経てば勝手に立ち上がって、また私達の様に理性ある者を襲い始める。だから私達は此処に閉じ込められているんだ」

「それはーーー」

 

なんて救われないんだろう。

死にたくても死ねず、死に続けた末路があの姿なんて。

 

「リンクスさん。不死人はどうやって生まれるんですか?」

 

そうだ。不死人が生まれるきっかけが無くなればもしかしたらーーー。

なんて淡い事を思ってしまう、そんな事はこの時代の人間が考えない筈が無いのに。

 

「ーーー始まりの炎が陰る時、それは呪いになって身を襲う」

「えっと、どういう意味?」

「不死人になるのに前兆なんて無いの。ある日ダークリングと呼ばれる呪いが身体に出て来て、気が付いた時には不死人に変わってる」

 

絶句とは正にこの事だ。対処法が無い、不死に慣れるなんてポジティブめいた考えは浮かばない。不死人と分かれば直ぐに此処に連れて来られ、永遠に放置されるなんて考えたくも無い。

 

心が折れた人が、どうなったかなんて考えたくも無かった。

 

 

 

 

「兎に角、お互いの情報を交換した事だし。先に進もうか。ついて来て」

「はい!」

 

リンクスさんが立ち上がるのに続いて、その扉の向こうに行くと真っ直ぐでは無くて端の方を歩く。

 

「真っ直ぐいかないの?」

 

それを不思議に思った私が聞いて見ると、クスリと小さく彼女は笑った。

 

「念の為ね。下のデーモンの所に落ちたいんだったら真ん中を歩きなよ?」

「遠慮します!」

 

なんて事をサラリと言ってのけるのだろうか。

誰が好き好んであんな化け物デーモンと戦うのか、確かに心臓欲しかったりするけど。

そんな事であんな訳の分からない化け物デーモンとは戦いたくない。

 

「いや、でも心臓…」

「先輩、やめましょう」

「ご、ごめん」

 

マシュからのストップが入って私はもうあのデーモンの事を考えるのをやめた。辞めたのだ。

大事な事なので2回いった。

 

 

リンクスは部屋の奥にある小高い丘まで歩く。

 

「凄い…」

 

其処から見える景色は、なんの混じり気も無い大自然の姿。

山が連なって森があり、雲の隙間から見える太陽の光を山の雪が反射させて輝く。

不自然に重なった異常な自然では無くて、そのままの姿をに見惚れる。

 

でもーーー。

 

「これ、行き止まりだよね?」

 

まさかとは思うがこの崖から飛び降りろなんて言わないですよね?

 

「先に言っておくね。何があっても振りほどいたら駄目だよ?」

「えっ、あ、うん?」

「先輩、私とても不安な気分になって来ました」

 

奇遇だねマシュ、私もとても不安だよ。

 

 

ほら、なんか翼で羽ばたく音がーーー翼?

 

 

バサリと大きな音と共に視界が黒く染まって、驚く私は次の瞬間。

 

 

「なんーーーぎゃあああぁぉぁぁぁああぁぁぁぁぁあ!?!!」

 

 

それは乙女があげるには到底思えない様な、絶叫が辺りを包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まず一言。

ほのぼのしたい(切実)
でも大丈夫、ちゃんとほのぼのさせて行くから!

但しシフは除く。

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