本当は速度単位にnt(ノット)/hを使いたい所だけど、ただでさえ、テラ語で誤魔化してるんだから、「ノットって単位はどっから出てきた」って話になってややこしくなるので、作中の単位はメルダ法に統一します。
Km/hね。
海里とかも使わないんで、『海の勇者、ホーン何とか』みたいな海洋物の雰囲気出ないかもだけど、ご了承下さい。
〈幕間〉テラ語
古代王国期の英雄、女傑テラ・アキツシマは有名である。
彼女は戦場で武勇を誇っただけでは無く、様々な革新的な改革を行ったからである。
それは、まさにルネサンス(革新、もしくは温故知新)であった。
さて、諸君は今では平然と、この「ルネサンス」なる言葉を用いているが、これがテラ語、つまり、テラ本人が発明した言葉であるのをご存じだろうか?
彼女は一説によると、何処かから落ちて来たと自ら語った様に、どこか別の世界の住人であり、彼女の使うテラ語もその別世界の単語であると言う。
例えば、今や軍の標準装備として名高い弩砲。一般的にバリスタと呼ばれているが、実はこれもテラ語だ。
超古代語は勿論、古代語や古妖精語にも対応する単語が実はあるが、今はテラが広めた「バリスタ」が一般名詞になってしまっている。
それまで弩砲は「ビュンバ」と呼ばれていた。しかし、木製の弓を使ったその威力は弱く、連射もままならない代物で、砲座は固定され、しかも射撃後に長い装填時間を必要とする、戦場では殆ど役立たずな代物であった。
それをテラが鋼を用いて改良したのが、現在の弩砲だ。
従来の数倍の威力と射程。更に旋回砲架と巻上機を備えて、全周射界と連射が発揮出来る様に改良した結果だから、当然とも言えるのだが「バリスタ」の前に、「ビュンバ」は取って代わられてしまった。
以来、弩砲をビュンバと呼ぶ者は居なくなってしまったのだ。
テラとは何者か。本当に異世界人なのか。
長年の研究から、私はテラ語を他言語と比較して関連性を調べたが、ことごとく徒労に終わった。つまり単語に関連性が全くないのだ。全くの新語として出てくる事態に、言語学者である私は頭を抱えた。
テラなる名も彼女がやって来た世界の名である、との学説があるが、そうであるならば、言語学者としてテラ語の辞典が是非欲しい所である。
言語学者、ハッサン・ランマの日記より。
〈外伝〉実習航海3
空を飛ぶのは久しぶりだったが、何回か竜に乗っている内に感覚が戻って来た。
良く訓練されている、とビッチは感心していた。
何より素直だ。気難しい竜に当たると制御が難しいし、騎手に反する行動を良く取る。
ここら辺は馬も同じなのだが、騎手に自分に乗るだけの度量が無いと認めたなら、敢えて騎手を馬鹿にして反抗する竜は珍しくない。
亜竜の頃に比べれば危険度は低いが、それでも『主として認めない』事で事故が起きる事は多々ある。
「ヤスミーンでしたわね。非常に良い子です」
慌ただしい時間を割いての慣熟飛行。見よう見まねで海軍式の四点着陸法を練習したビッチは、着艦後、この草竜を手放しで褒めた。
まだ生まれてから一年経っていない若い竜だ。多分、経験も不足しているのだろうが、それでも基本は備わっており、今の所は問題は無い。
いざ空戦の際、どんな反応を示すのかは未知数(前の空戦では一方的に逃走したので、攻勢時の反応は不明)だが、今、それを考えていても仕方ないと割り切る。どの道、彼女にはこの竜しか無いのだから。
「艦載完了です」
「ご苦労様。水と餌はたっぷり与えて下さいな。あ、トイレも忘れないで」
「了解です」
甲板の一角に臨時の格納庫、帆布製の天幕が張られただけだが、そこへヤスミーンが移動され、胴体が太い綱で固定される。
やや遊びがあるが、動揺の際に滑らない様にがっちりと固縛され 、窮屈そうにしている彼女を、ビッチは撫でてやる。
「きゅーん」
「暫く我慢ですわ。貴女も栄光ある海軍竜なのですから、情けない顔をしてはなりませんわよ」
暫くして竜がいる側の舷側扉が開放された。ビッチはヤスミーンの頭をぽんぽんと叩いて、船縁へお尻を突き出す様に指示を与える。
のろのろと尻尾を含むお尻が突き出され、「ふんっ」と竜が力むと大きな流動音と共に竜が排泄を開始した。
ぼとぼとと大量の草色の塊が海に垂れ流される。匂いはそれ程でも無いのは草食だからだろう。軍医が、ふむふむと頷きながら記録を取って行く。
「色は良いね。下痢便じゃないし、健康そうだよ」
「量的に多めでしょうか?」
「いや、こんな物だろう。前の騎手が多少、甘やかして沢山食べさせていたと見るがね」
エロンホーフェンに固定の竜は居ないから、軍医は専門の竜医ではないものの、教官だけあって戦竜や軍馬を診た経験は豊富だ。見立ては間違っていないだろう。
「さっ、今度は御飯の時間ですわよ」
「がうっがうっ」
舷側の扉が閉められ、水桶と飼い葉桶が運ばれて来た。
キノコと干し草、野菜中心の御飯を、前肢を使いながら器用に口へと運ぶ。幸せそうな表情をしているのを診て、ビッチもほっこりと和む。
「班長。リーリナです。第14班は昼食終わりました。
13:00(ひとさんまるまる)で、第8班と交代準備の予定です」
「報告ご苦労ですわ」
報告に来た班員に敬礼で答える。
このリーリナは士族の令嬢。現在、臨時で副班長に就いている。
赤茶色の髪を後ろに纏め、おでこが目立つ髪型が特徴で、どう見ても軍人面は似合わない、田舎っぽくてのんびりした顔立ちをしている。
「竜だけでは無く、班長もお食事を済ませて下さい」
「副班長の様子は?」
問われるとリーリナが顔をしかめる。雰囲気はポワポワした感じのお嬢さんなのだが、見ているとかなり辛そうだ。
「私からは何とも…。まだ昏睡状態です。軍医にもう一度診せますか?」
「いえ、命に別状が無いとの判断ですから、まだ寝かしておきましょう」
「イエッサー」
駆け足で戻って行くリーリナの姿を見送った後、ビッチは竜の世話係となった水兵達に労いの言葉をかけて、食堂へと足を向けた。
出港直前に戻って来た副班長。ガリュートの様子が気がかりだった。
彼は多量の睡眠薬を投与されており、何とか船には辿り着いたものの、気力だけで身体を動かしていたのだろう、甲板に上がった途端、昏倒してずっと眠り続けている。
「報告書に何と書いたら良いのやら…」
既に出港二日目。敵との遭遇はまだない。
◆ ◆ ◆
「班長…」
ガリュートの意識が戻ったのは日が暮れてからだった。
「気が付きましたのね」
「寝台有難うございます」
救護室の簡易ベッドに寝かされているのは、ビッチなりの配慮である。彼は一般の候補生なので個室は無論、寝台も用意されていないからだ。
「礼は必要有りませんわ。ハンモックは使えませんしね」
水兵の寝床は普通、食堂等の共用スペースである。当然、就寝時間以外ではハンモックは片づけられてしまうので、傷病兵は倉庫へ追いやられる事も珍しくない。
「何があったか、お聞きなさるのでしょう?」
「当然。班長として義務ですわ。
でも、まだ語りたくないのであれば、体調が良くなってから語って下さいな」
しかし、大体、ビッチはルウの語った事から予想が付いた。
「済みません。明日、報告致します」
「今は身体を癒やしなさい。明日は甲板勤務ですわよ」
言い残すとその場から退出する。
恐らく彼は実家の者に捕まって、種族繁栄の為の人身御供にされた。或いはされかけられたのだろう。薬物すら使用する手法に怖気を感じる。
「この実習航海中に解決すべきですわね」
ビッチはベクター男爵家へ行く意志を固めていた。
◆ ◆ ◆
敵艦は本土とこの南洋諸島の中間点に位置してる。と推測されていた。
数隻の船とすれ違う度、エロンホーフェンは互いの情報を交換しあっていたからだ。航海中の船はこの情報交換が大事である。
情報の交換方法は主に手旗信号だ。余程の事ではないと、互いの船を海上に停止させて人員を派遣する事はない。
「右舷に船影」
「船籍と所属を問え」
「グラン王国。チテーバー海運所属、商船『ハイザブン』と答えています。ドロイド湾のネンド目指して航行中との事」
ダニエルは望遠鏡でそれを確認後、手元に在る船籍名簿をめくり上げる。
これは艦船の人別帳みたいな物である。正規の艦船ならシルエットと共に登記されている分厚い本だ。半年に一度、更新される。
「『ハイザブン』か、間違いないな?」
ただ、船籍名簿は完璧ではない。
世の中にある船全部を把握する事は不可能だし、そも漁船を筆頭に勝手に建造される雑多な沿岸航行船は、数が多くて最初から把握不可能だ。
だから、登記された物は遠洋航海する規模の大きな船に限られるのだ。
「班長、何か違う気もしますね」
「カラット、何か気が付いたのか?」
「商船にしては吃水が深くありません。ありゃ、空荷ですよ」
第10班の中でも、この男、カラットは商船主の息子だ。本場の海に関してはダニエルよりも場数を踏んでいる。
ダニエルは迷う事無く、教官を呼ぶ。
「空荷だな。普通、商船は船倉を満載にする」
教官のブラッド少佐が呟く。
商船が航行するのなら、行きも帰りも空荷で動く事は殆どない。
それは経済的な理由だ。航海には費用が掛かる。特に最近は風術士を乗せる船が増えたが、その費用が運航費に加わるので、常に商品を積載しなければ赤字になりかねないケースが増えているのだ。
「では?」
「警戒しろ。第2級戦闘配備!」
ゆえに空荷で動くのは商船としてはかなり怪しいと見ざる得ない。
カンカンカン、と激しく船鐘が鳴る。ダニエル達は第10班はバタバタと動いて戦闘準備を整える。
一方、ビッチら第14班も配置に就く。
ガリュートはまだ本調子では無いが、それでも軍隊では待ったをかけてはくれない。
甲板にある弩砲の固定を解いて、ぎりぎりと弓を巻き上げる。巻上げ器(ウインドラス)の把柄にそれぞれ人が付き、槍の様な鋼の太矢を装填する。
「落ち着いて用意なさい。でも素早く、焦らずにですわ」
まだ第2級戦闘配備なので、弩砲を舷側から押し出してはいない。これを砲門から覗かせたら、完璧に敵対していますという印となるからだ。
但し、甲板上にある8門の弩砲は甲板下にある弩砲と違い、砲門を開けなくとも発射可能な状態にある。これは対空砲も兼ねているからだ。
「臨検を行おう。相手へ停船信号を送れ」
艦長が命令する。マストにいる信号手がヤード上に移ると手旗を振る。
だが、返答は無く、相手の行き足は止まらない。
「第1級戦闘配置!」
「「「「第1級戦闘配置!!」」」」
艦長命令が各所で復唱され、それと共に弩砲が押し出される。舷側に並んだ砲郭の蓋が跳ね上げられ、太矢を装填した砲門がずらりと出現した。
「距離800m、敵速16km」
「速いな、空船の上、風術士が乗っているぞ」
ダニエルが顔をしかめる。
第10班は移乗白兵戦に備えている。武器庫が解放され、弓や船槍(ポーティングスピア)が各自に配られて行く。
「敵船、距離500m」
「とりかーじ、300に入ったら、弩砲射撃開始せよ」
艦長命令が下る。エロンホーフェンはくぐっと左へ船体を回し始めた。
砲郭に配備されてる全24門の弩砲を有効に使うには、相手へ船腹を晒す必要があるのだ。
弩砲の性能から距離300はやや近いが、敵船はどうやら弩砲を搭載してないから、この程度で射撃しても問題なかろう。
「距離400…380…350…」
ビッチの弩砲も敵船へ照準を合わせる。
リーリナが照準器の中心点へ目標を合わせていると、ガリュートの声が飛んだ。
「どこを狙ってる。敵船は移動してるんだ。
こっちもそれに合わせて見越し射撃をしないと当たらないぞ。それと弩砲は遠くへ撃つと、やや後落するのを忘れるな!」
「はっ、はい」
叱責されて照準を心持ち上へ、敵船の前方へと修正する。
流石に実戦慣れしてるとビッチは感心する。あのまま撃ってれば、射撃はずっと後方に逸れ、しかも手前に海没してただろう。
「距離300mっ」
「撃てっ!」
片舷12門の弩砲が放たれた。だが、弾道はバラバラで上手く命中する物もあれば、明後日の方向に行く物もあって効果的では無い。
殆どが初実戦の士官候補生が砲手なのだから、まぁ、予想はしていたが。
通常の太矢なので命中しても敵船に突き刺さるだけだ。もっとも、その船板の背後に人が居た場合、確実に人員を殺傷するだけの威力は持っている。
「再装填急げ。魔導弾頭の使用を許可する!」
「指導教官。まぁ、最初はこんな物か?」
「半数が当たったのは高評価ですよ。艦長」
ダニエルの耳に、エッケナー大佐と指導教官のルーゲンス教官の会話が聞こえてくる。
こりゃ実戦であると同時に、俺達の実力を測る試験なんだなとの認識を新たにする。
「魔導弾頭か」
「使うのは初めてですわ。どんな物なのですか、副班長?」
「俺も本物を使うのは初めてです。
ただ、装着すると重くなるから、それに気を付けて照準を意識しろ。リーリナ」
「り、了解。マルカ、ゼオ、装填急いで」
第14班の残る二人、マルカとゼオがウインドラスを巻き上げている。
最初は軽いが、弓にテンションが張られて次第に重くなって行くのはお約束である。親の仇の様に二人がかりで回しても、なかなか弓がセットされない。
武器庫から魔導弾頭付きの太矢が到着する。
ばらけた状態で野積みされる普通の矢と違い、一本毎に木製のケースに保管してあり、箱書きが記されている。
「手順、覚えてますよね?」
「大丈夫ですわ。ええと、これは『光よ、あまねく敵を打ち破れ』ですか」
箱書きに書いてある魔法文字を読み上げる。本番では弾頭に手を添えて、この言葉を読み上げる必要がある。
「敵、200m」
「装填よしっ」
ケースから取り出された魔導弾頭が弩砲にセットされる。
太矢の先に一回り膨らんだ形で弾頭が取り付けられており、弾頭はクリスタル状で箱書きと同じ文字が刻まれている。
ビッチが手を触れ、「『光よ、あまねく敵を打ち破れ』」と唱えると弾頭がほのかに輝きを増した。これで準備は完了した筈だ。
「班長は下がって下さい!」
リーリナが警告する。このまま撃つと弓の弦がビッチを巻き込んでしまう。弩砲のそれに巻き込まれたら大怪我である。
「距離100mっ」
「この距離なら直接照準で行ける。リーリナ、ぶっ放せ!」
「発射っ!」
がこん。
矢が飛び出す。そのまま敵の船首に吸い込まれて行き、命中と同時に超高熱の白光を展開する。それはたちまち船体舐め尽くし、引火物全てを炎上させた。
続いて、別の矢が飛来。こっちは命中と同時に凍結の効果を発揮し、敵船の表面を氷塊で覆い尽くした。それは良いのだが、こっちの炎上の効果まで奪い去る。
「あー?!」
「誰だよ。うちの攻撃、台無しにしやがったのは」
マルカとゼオが叫んだ。
魔導弾頭とは、元々、冒険者が遺跡から回収した魔法的な罠(別名、魔導地雷)をリサイクルした兵器であり、大体の効果は判るが威力の幅が大きい。
使用の際には後付けで施した封印を解く必要があり、先程の様に手で直接触れながら、魔法文字で書かれた呪文を唱える必要がある。
弾着時に魔法の効果が現れるのだが、炎の魔法が封じられてるのは判っても、それが地獄の大火を生み出すのか、火口に点火するだけの物なのかは、使ってみないと分からないと言うランダムさがある。
まぁ、元々、触れれば作動する魔法罠を解呪してクエスターギルドに持ち込んだ屑アイテムを、なんかの役に立てられるかと工夫した再生兵器。
マジックアイテム的には安価な方だし、もし玉石混淆の玉に当たったらラッキーだと思うべきで、文句を言ったらバチが当たる。
「でも、効いてるぞ」
「しかし、次射は無理ですわね。近すぎますわ」
「普通の太矢に切り替えろ」
ビッチの言う通り、距離はもう30を切っている。ランダム効果のある魔導弾頭では危険な距離だ。
敵船は面舵を取りつつ、こちらに併走を開始すると同時に敵の甲板から火の玉が飛んで来る。しかし、ローリングが激しくて頭を飛び越して、遙か彼方に水柱を上げた。
長距離魔導が届く圏内に入ったのだ。
「敵の魔導士だ。【炎弾】だぞ」
「魔導士官、どこだ、魔導士官。こっちも撃ち返せ!」
ダニエルが吼えるが、肝心な魔導士官。又は魔導士官候補生は見当たらない。ビッチを筆頭に各班の指揮に就いてるからだと気が付く。
舌打ちしつつ、彼は第10班に弓術戦を命令する。
「手数で攻めろ。とにかく甲板上の敵兵をなぎ払え!」
正確さよりも数に物を言わせて、敵を釘付けにするのが今は正解だ。
乱射とも言える矢の雨が敵船へと降り注ぐ。敵甲板上の数人が倒れ、残りが慌て遮蔽物へと身を隠す。魔導士を倒せなかったのは残念だが、この調子なら魔法は使えまい。
「敵はどうやら、例の私掠船ではありませんな」
「うむ、弩砲を備えていないのが証拠だろう。だから、別口と見るべきか。竜も積んでは居なさそうだからな」
後方の操舵甲板で大佐と指導教官が言葉を交わす。
「多分、あれは途中で鹵獲した商船ですな。荷はとっくに処分して分配済み、と言った所でしょうが」
「本艦に勝てると思っているのか?」
「さて、海賊の考えは分かりかねますが…」
ルーゲンス指導教官はそこで口ごもるが、やがて意見を述べる。
「これは私見でありますが、海軍士官候補生が乗るひよっこ艦なら、奇襲を生かせば、充分勝てると判断してもおかしくはありますまい」
「甘く見られても仕方なし、か」
がこんっ、と弩砲が再び唸る。
この至近距離だが砲手のリーリナは容赦がなかった。太矢は敵甲板に並べられていた樽を貫いて、その後ろに隠れていた魔導士を串刺しにする。
魔導士は樽ごと貫かれ、しかも甲板からそのまま後ろの海へとすっ飛んでいった。ドップラー効果を伴って、魔導士の悲鳴が尾を引いて消える。
「口から血反吐を吐いて…ありゃ、助からないな」
「オーバーキルですが、良くやりましたわ。リーリナ」
この一撃で敵の士気が崩壊したのかは定かでは無いが、抵抗は次第に弱まり、移乗戦闘へ移行。やがて敵マストへ白旗が揚がる。
死闘、約半時間。
味方の負傷者は約15名だが、死者は無し。
こうしてビッチ達士官候補生は、最初の実戦を終えたのだった。
〈続く〉
本邦初公開。ヤスミーンちゃんのお花摘み。
いや、騎竜の出る作品多々あれど、食事の光景はあるけどあっちの描写やった人が居ないなぁと…。
家畜と考えれば本当は大切です。お馬さんの健康管理なんかと同じく。
ともあれ、やっと海戦です。
でも、今回は白兵戦の描写をさらりと流しました。それは前座では無く、本番でと言う事で勘弁して下さい。