エロエロンナ物語   作:ないしのかみ

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二ヶ月ぶりの本編です。
今回も『ネコミミ村』は休載です。ごめんなさい。


偽りの聖女16

〈エロエロンナ物語28〉

 

 転移は上手くいったな。

 私は辺りを見回してほっと息をつく。

 短距離空間転移。此処はあのアジトからは余り離れていないが、座標を確認して再セットする暇が無かったからだ。本当はエロコの母国辺りに転移したかったのだが、まぁ、仕方が無い。

 

「皆は無事か?」

「はい」

「大丈夫♪」

「何とか…」

 

 返事を聞きながら、まぁ、上出来だろうと自画自賛する。パラレルードの作動に敵が蓄えていたエネルギーをほぼ消費したから、敵はあれを再稼働しては追っては来ないだろう。

 

「ここは!」

「イブリン…いや、聖女フローレの居室だ。座標は此処に固定されていた」

 

 驚愕しているらしいイブリンに回答する。

 部屋全体は暗い。外からの星明かりのせいで暗黒では無いが。僅かに物がシルエットで判別出来る程度だ。しかし、イブリンは半妖精の血を引いているだけあって、こうした暗闇には強い様だ。

 

「明かりを付けても大丈夫かな♪」

「一応、鎧戸は閉めますね」

 

 黒根がばたんばたんと窓中を閉めると、辺りは暗黒になるが、ややあってユーリィの手で【幻光】の光が灯った。外から照明が灯ったのはこれで分からないだろうと思いたい。

 部屋の中は割合シンプルだ。

 金銀ぎらぎらの豪華絢爛と言う物では無く、絨毯やカーテンみたいな調度品は高級感があるが、その装飾や造りは簡素な物が多い。ただ、重厚さはあって、見る者が見れば、かなりのお金が掛かっているのが判る。

 天蓋付きベッドとか、士族のエロコですら縁遠い家具だからね。

 

「エリルラ、どうしてここに…」

「我々はベラドンナの追撃を逃れるために此処へ跳躍した。

 さっきも説明したが、パラレルード。次元門の座標が此処に設定されていたからだ。理由は知らない」

 

 明るく照らされた室内で、私はイブリンの問いに答えた。

 ユーリイが「奴らが追って来る可能性は、あるのかな♪」と問い質すが、私は肩をすくめて「蓄積された魔力の殆どを使ったから、再充填まで装置は使えないだろう」と述べる。

 もっとも「予備エネルギーでも用意していたら、この予想は外れる」とも付け足したけどね。

 

「ここは確かに私の居室です。しかし、これからどうしましょう…」

「まぁ、聖女様が、唐突に帰還じゃなぁ♪」

 

 首脳部にはイブリンが不在なのは、流石にばれているだろう。

 しかし、ここで再び姿を現す事も出来ない。

 お困りの様なので、私は「抜け道の一つも無いのか?」と問うた。

 

「抜け道。使った事はありませんけど…確か」

 

 イブリンがはっとした表情をして、壁際に儲けられた暖炉へと駆け寄る。

 古典的な隠し通路だな。

 

「言い伝えでは、この奥にあるとか…」

「えっ、使った事無いの♪」

 

 ユーリィの言葉に聖女は首を横に振る。

 曰く「そんな必要有りませんでしたし、話半分母上が語っていた物ですから」だそうな。

 

「通路らしき空間があるな」

「え」

「判るんだ♪」

 

 巫力を使ってそこを見てみると、暖炉の後ろに確かに空洞が広がっている。

 

「余り力は使いたくないから、何処へ繋がっているのかまでは、今は判らない」

 

 透視の技。本気を出せば判るのだろうが、エロコに対する負担を考えると差し控えるべきだろう。何故ならそろそろ、この身体も限界を迎えそうだからだ。

 

「と言う訳で、そろそろ私は眠りに就く。後は頼むぞ」

「ちょっ…、あーあ、行っちまったか♪」

 

 私は身体の支配権をエロコへと戻し、床に横たわった。

 さて、これからどんな手を考えて実行するのか、そのお手並みを拝見させて貰うぞ。もう一人の、そして現世での巫女よ。

 

              ◆       ◆       ◆

  

「取り逃がしましたな」

 

 空虚になった室内でババップマンが呟く。

 研究室は酷い有様だったが、幸い、物理的損傷は少なそうであった。

 コンソールの一つに取り付いて座標を調べていたベラドンナは顔を上げ、「まだ手の内にはある」とその言葉を否定する。

 

「ほぅ?」

「転移先は聖都じゃ。今から追撃すれば、一両日中には追いつけよう」

 

 ロリ婆は口元をにやりと歪める。

 

「そなたの領域じゃろう。捕縛を期待しておるぞ」

「あれは本物の聖女殿か?」

 

 今まで黙っていた黒衣の将校が尋ねる。

 ベラドンナはチラリと彼を一瞥する。

 

「分からぬ。妾もその正体を掴みかねておる。出会いは突然で偶然だったからの」

「姿形だけの他人のそら似か、それとも影武者か」

「或いは本物ですな」

 

 三者三様の意見が述べられる。

 

「本物なら良し。偽者であっても使い道はあるだろうな」

 

 それだけ言うと、黒衣の将校が身を翻した。

 

「どちらへ?」

「そっちの事情には深入りしたくないのでな。

 私は別の計画の進行状況を確かめる為に来たに過ぎん」

 

 後は勝手にやってくれ、と言わんばかりにババップマンに答える。

 ベラドンナは「くくく」と低く笑って、「試作は終わっておるよ。基礎概念図は既に回したから、量産はそちらの責任じゃ」と釘を刺した。

 帝国が再現出来るのか、との皮肉も当然入っている。

 

「貴様だけが天才ではないよ。帝国にも錬金術師は山程居る」

「お手並み拝見と言う所ですな。さて、私はどう出るべきでしょうか。聖女のフェイクは近日中に用意は出来ないらしいとなると、転移したあの者を確保すべきか」

 

 黒衣の帝国将校が去った後、呟くババップマン。

 彼は今、この錬金術師の下に居る意味を失いかけていた。

 むしろ、聖都へ跳んだらしい聖女もどきを追うべきか。或いは…。

 

「そうだ。部下の一体をお譲り頂きたい」

「ホムンクルスをか。何に使う気なのじゃ」

 

 ババップマンの申し出にベラドンナは首を捻る。

 

「顔が聖女様そっくりならば、使い道は色々考えられるという話です」

「影武者か。しかし、基本、ホムンクルスは喋らんし、演技も出来ぬただの人形だぞ」

「物言わなくとも、病床の寝台に寝せているだけでも価値はありますぞ」

 

 口にこそ出さないが、いざと言う時の死体役にもなってくれようとの目論見もある。

 ベラドンナは「ふむ」と暫し沈黙し、「よかろう」と決断を下した。

 

「顔だけで良いのなら、人形の中でも出来損ないを下げ渡そう」

「おお」

「基本、生きているだけで能動的な行動は取れん。

 そしてシリンダーから出したら生存は一月程度じゃ。それでも構わぬな?」

 

 ロリ婆が確かめる様に尋ねる。

 ババップマンが了承すると、彼女は部屋の隅へと移動し、壁の計器類を操作する。

 やがて壁面が開き、中にシリンダーの群れが現れた。

 胎児から成長途中。そして成人となったホムンクルスの予備軍が、ゆらゆらと液体の中で揺れている。

 

「こいつは失敗作じゃ。知性が発生せず、生きているだけの木偶じゃが…」

 

 シリンダーが開かれる。

 透明な筒が上昇し、中の培養液がざばざばと床へとぶちまけられる。

 

「一ヶ月しか生きないのは?」

「なに、培養液の中に居る間は問題は無いのじゃが、外に出せば栄養の補給手段がないのよ」

 

 ベラドンナは顔を歪め、「口を動かして食べる事も出来ぬからのぉ。もっとも、こやつの内蔵では、普通の食べ物を消化出来るとも思えぬが」と付け加える。

 シリンダーは完璧に開かれ、床には流れ出した液体と一緒にホムンクルスの裸体が転がっている。

 咳き込んで「けはっ」と液体を吐き出しているのは、空気呼吸に移行するためであろうか。

 

「聖都では逃げた連中を追うのであろう?」

「そのつもりでありますぞ」

「とっ捕まえたら、こちらへと送って欲しいのじゃ。研究材料として貴重なのでの」

 

              ◆       ◆       ◆

 

 真っ暗けな空間に、あたしとユーリィ様の作った【幻光】だけが青く輝いている。

 煉瓦造りの暖炉の後ろにあった抜け穴よ。

 身体を返されて間もなく、この狭っ苦しい場所にずりずりと這いながら進んでいるのよ。

 

「何か見えますか?」

 

 最後尾から黒根さんの声。

 穴は人一人が這って進める程度の大きさしかないので、前が全く見えないのよね。

 あたしは「変化無しよ」と答えてあげる。

 つーか、正直、あたしも前を這ってるイブリンのお尻しか見えないんだけどさ。

 

「ユーリィ様。先には何が?」

 

 先頭の子爵令嬢に声を掛けるのはイブリン。

 

「ずっと通路だね。ああ、罠感知やってるから、急かさないで欲しいな♪」

「脱出用の抜け穴に、ですか?」

 

 とイブリン。しかし、ユーリィ様曰く「それを逆利用して、刺客が入り込んだりもするんだよね♪」と返す。そう言う視点もあるのね。

 その為に、罠を仕掛けておく事はままあるらしい。

 

「本来なら、罠を停止させる何かキーワードなりが施してあるんだけど、何か聞いていないの。聖女様♪」

「知りません。母なら知ってるかもですけど」

「なら、地道に調べながら進むしか無いねぇ♪」

 

 ユーリィ様の言葉によると、ここはかなり旧い造りだそうだ。

 造られてから一度も使われてないんじゃ無いか、とも言っていた。お陰で機械的な罠の幾つかは、作動前に朽ちていて役に立たない状態であったらしく、助かったらしい。

 問題は魔法的な罠で、そっちの方は【解呪】が必要になる為、苦労しているらしい。

 

「エロコ様。身体の方は大事ないですか?」

「大丈夫。疲れは残ってるけど、酷使してくれたわね。あいつ」

 

 何度目かの同じ問いに、あたしはイブリンに答えた。

 心配してくれるのは嬉しいけどね。

 エリルラのあいつ、本当の名は知らないけどが、身体を使うと疲労がどっとやって来るのは分かったわ。

 特に巫力。とか言う物を使うとね。

 今まではあたしと交替する時、あたし自身は意識を失ってたから分からなかったけど、今回は半覚醒状態だったから、奴が行った全ての事に対しての記憶が残ってるのよ。

 

 フワフワと何も無い空間に漂いながら、それでも意識だけがちゃんと覚醒してる。

 向こうが見聞きした事。五感が全て感じられるのよね。

 でも、こっちからは何も出来なくて、叫ぼうが何しようが干渉も出来ない。手足も口も封じられて、観客席に座らされて演劇を見てる感じ。が最も近い感覚かしら?

 

 困ったのは目も閉じられないのよ。

 身体が無いから当たり前なんだけどさ、観客席に居てその劇が詰まらなかったら、最悪、寝て過ごしちゃえば良いんだけど、それも出来ないのには困ったわ。

 

「巫力ですか」

「あいつ曰く、巫女の力らしいけどね」

 

 それが具体的にどう言う物かは、あたしにも判らない。

 しかし、使うと身体が酷使される事は判明したわ。半覚醒時でも力が抜ける感覚があるのよ。例えれば、アンデットに触れられて、悪寒と共に精神を盗まれる様な。

 だから、もしかしたら、巫力って精神をパワーソースにしているのかも知れないわね。

 

「あのヘンテコな機械を操作する際、彼女は巫力を用いていたわ」

「次元門。だったっけ? 似た様な装置を知ってるけど、ここまで正確に座標を取れるのは大したもんだね♪」

 

 ユーリィ様が会話に加わった。

 

「似た様な装置?」

「こっちは古代遺跡からの発掘品。でも、座標は大雑把だった♪」

「キロ単位でずれましたから」

 

 黒根が補足する。

 多分、その装置であのアジト付近まで跳んできたのか、と推測したわ。

 

「そんな装置は聖教会にもありますよ。門外不出の秘宝ですけど」

「ま、各国にあるらしいけど、使うのにえらく手間暇が掛かって、そして魔石を馬鹿食いするらしい♪」

 

 あたしは絶句した。 

 魔石って豆粒大で、小さな家が一軒買える値段だわね。

 しかも魔力灯を灯す程度なら、半永久的に魔力が続く様な代物だから、それを一瞬で消費し尽くして馬鹿食いって、そんなの有り?

 

「だから秘宝なんですよ」

「ま、原理も分からないし、現代で再現も不可能だからね。よっと、突き当たりだ♪」

 

 イブリンのお尻の隙間から、僅かながらに前方が見える。

 ユーリィ様の姿は下半身しか見えず、立ち上がっているのだろう。

 この先の空間は立ち上がれる程の高さが存在するのか。

 

「丁字路だ。左右どちらかへ曲がる必要があるね♪」

「でも、這い回るよりはマシですね」

 

 イブリンも抜けて、更にあたし達もその空間へと出た。

 やはり煉瓦造りの閉鎖通路だ。

 今までの抜け道が支道だとすれば、こちらは明らかに本道だわね。

 もしかして表側の道に出たのかを尋ねてみるが、イブリンはそれを否定する。

 見た事の無い道らしい。

 今までの道同様に荒れているし、掃除もなされていないが、支道と違って積もった埃は薄そうだ。「誰かが利用しているね。そう、頻繁じゃ無いにしろ♪」と、ユーリイ様。

 

「じゃあ、誰かと鉢合わせする危険も…」

「無いとは言い切れない♪」

 

 黒根の不安な声に彼女は応えて、左右を見回す。

 どちらも同じ様な通路が続く光景だ。先の通路は勾配が感じられなかったから、少なくても上下の階へ移動したとは思えない。此処は地理に不案内なので、私達はイブリンの答えを待つ。

 

「上級聖職者階ですから、どちらへ行っても誰かの部屋に当たると思います」

「なら、決めて♪」

「コインを投げて表が右。裏が左で」

 

 ピンとユーリィ手中のコインが跳ね上げられる。

 銅貨はくるくると回転し、手の甲の上に落下。ばしっと重ねられた手が除けられる。

 緑青の噴いたコインは数字の方を向いていた。

 

「左♪」

 

 彼女はコインを仕舞い込むとさっさと歩き出してしまう。

 あたし達は慌てて追ったわ。

 

「見な。道のあちこちに穴がある。これも全部、一見すると抜け道の穴だね♪」

 

 そう解説しながら、時々呪文を唱えて慎重に歩いて行く。

 時々、止まりながら左右にある穴を指さして、「ダミーも混じってるね。これに入ったら上が崩れて圧死するよ♪」とおっかない説明もしてくれる。

 

「全部が全部、抜け穴じゃないと言う事ですか?」

「五割は偽物の罠。四割は何処にも通じてないただの穴。本物は一割程度じゃないかな♪」

 

 こうした偽装は珍しくないらしい。

 暇人なのか、偏執狂なのかは別にして、王国内でもこの手の設計にやたら凝る職人が居るとの話だが、どんな人がやってるのだろうか。設計技師としては後学の為に知っておきたい気もするのよね。

 

「エロコが設計するのかな?」

「建築も学んでるから、もしかしたらですけど…」

「キミが設計したら、とんでもない物が完成しそうだな♪

 おっと、行き止まりだ♪」

 

 角を曲がって100mは行かなかったが、廊下は終点になった。

 突き当たりはスライド式の石扉だ。

 

「さて、聖女様。開ける?」

「鬼が出るか、蛇が出るか…ですね」

「やっぱり暖炉の裏なのかしら?」

 

 一人黙り込むのはイブリン。

 決断を待つのに数分かかったが、こくりと頷く。

 そのあいだにあたしとユーリィ様は探知魔法をかけ終えていた。

 罠は感知されず。だが、当然、その精度は低い。もしかしたらの危険性もある。

 

「進みましょう。女神のお導きを信じて!」

「じゃ、行くよ♪」

 

 石壁がゴロゴロと思い音を立てて、ゆっくりと開いて行く。

 それと同時に、白い煙が辺り一面を覆った。

 いや、煙じゃ無いわね。これって水蒸気?

 

「浴場だ♪」

「あ、ここって…、こんな所に通じていたのか」

 

 そこは湯気に包まれた、お風呂場だったのよ! 

 

              ◆       ◆       ◆

 

 グレタ教会から会談場所は移されている。

 教会の娘達にはお馴染みの、ゲンハン男爵の屋敷だ。

 

「まさか教会の大物が尋ねて来ようとはな」

 

 男爵がため息交じりで呟くとローレルが苦笑する。

 グレスコ司教らを此処へ案内したのは彼である。具体的な相談をする場所としては、あの教会は不適当だと判断したからだ。

 ローレルが突然出現したのも分かる通り、どんなに素人が警戒しているとしても、本格的な間者から見れば、その防備は穴だらけであるからだ。

 教会の娘達には言ってはいないが、あそこは常に間者によって監視されている。

 

 ユーリィに語った〝人手不足〟はある意味、嘘である。エロコに張り付けられるだけの人員が枯渇しているのは確かであったが、それは彼女の重要度が低い為だ。

 聖女の方には士官学校にも監視要員が回されていたのを、ユーリィは知らない。

 もっとも、エロコがエリルラであったとの事実を知った後は、重要度は変動してるのであるが…。 

 

「グレスコに語った内容を知りたい所ではあるが…」

「場所提供者としては当然の権利ですね」

 

 政府関係者。主に『闇』だが、がやって来て教会の聖女探索隊と語り合ったのだが、その会談は男爵が立ち会えなかったのだ。

 まぁ、男爵はやって来た要人の顔を見て仰天したのであるが、まぁ、これは脇に置いておこう。

 ローレルは肩をすくめて、「お伝え出来る範囲内なら、無論、他言は無用ですよ」と伝える。

 

「構わん。テーオがやって来た時点で、とんでもない案件であるのは承知している」

「聖女ですね。実は本物が我が国に居たんですよ」

「な…に?」

 

 ローレルはその経緯を男爵に説明する。

 それが済むと、ゲルハン男爵はため息をついた。

 

「ではあの侍女が本物であったのか」

「男爵には偽情報を流して混乱させてしまいました」

「少年だったからな。てっきり、聖女の影武者か何かだと思っていたが」

 

 ゲルハンはテーブルの上にある酒をゴブレットに注いで、一気に煽る。

 ワインが何となく苦くて不味かった。

 

「では、グレスコ司教は聖女とエロコ嬢の後を追う事になるのか」

「そうなりますね。こちらとの合同チームを組んで調査に当たります」

「その為に派遣されるのが、彼女か…。リーリィまで繰り出すのは予想外だったぞ」

 

 意外そうな顔をする男爵に、ローレルは「エリルラが関わってきましたから」と口を濁す。

 正体を表したエロコの存在は、それだけ衝撃的な物であったらしい。

 

「ルローラ家とは?」

「接触しています。ただ、返答はまだですが…」

「下手をすれば命取りになる。エロコ嬢の扱いは慎重にな」

 

〈続く〉




お風呂。
「プルプル」と叫びながら、幼女が走り回るイメージが浮かぶのは何故だろう(笑)。


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