牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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お待たせしました!第8話になります!

そういえば、スパロボVがようやく発売しましたね。

僕もちょこちょこですが、プレイしています。

FF14とスパロボV。2つもやりたいゲームがあるため、執筆が全然進んでないですが、投稿の方は今のペースを崩さないようにとは思ってます。

さて、今回はオリジナル回となっていますが、いったいどのようになるのか?

それでは、第8話をどうぞ!




第8話 「愛憎」

……ここは秋葉原某所にあるごく普通の一軒家。

 

ここに住んでいる60代後半の男性は、ヘルメットのようなものを抱えて悲しんでいた。

 

男性が持っているヘルメットのようなものは、男性の息子が被っていたものである。

 

男性の息子は、紛争地帯の真実を取材する戦場カメラマンだったのだが、取材の最中に流れ弾が頭部に直撃してしまい、命を落としてしまったのだ。

 

その訃報が聞かされたのはおよそ2週間前であり、男性は息子と無言の対面を果たすことになってしまった。

 

その時に男性は息子の形見であるヘルメットを持ち帰り、現在もなおこのヘルメットを抱えて悲しみにくれていたのである。

 

「……雅也!!何でお前は死んでしまったんだ!!」

 

男性は息子の死を受け入れられないのか、このように叫んで涙を流していた。

 

男性の妻は息子が産まれて間もなく亡くなってしまい、男性は男手ひとつで息子を育て上げたのだ。

 

そして息子は戦場カメラマンとして紛争地帯へと赴き、亡くなってしまったのである。

 

男性には親戚も頼れる人もおらず、息子を失ってしまったら1人になってしまったのだ。

 

「……いや、息子は死んじゃいない!あれは偽者だ……!」

 

男性は息子の死などなかったものにしたかったのか、このような歪んだ考えを持つようになっていた。

 

「警察の奴らめ……!!俺に嘘を教えやがって……!許さんぞ!!」

 

このような歪んだ考えは、警察への逆恨みへと変わっていったのである。

 

その時だった。

 

__そうだ……。お前の息子はまだ死んじゃいない……!!

 

「っ!?だ、誰だ!!」

 

男性の脳裏に突如謎の声が聞こえてきたため、男性は周囲を見回すのだが、誰もいなかった。

 

__無能な警察はお前の息子が生きていることを隠している……。そんな奴らが許せるのか……?

 

「そんな訳はない!……そうだ!俺は警察に復讐してやる……!例え悪魔と契約をしてもな……!!」

 

歪んだ考えによる警察への逆恨みが、男性の思考をおかしなものに変貌させたのである。

 

__よく言った!ならば、我を受け入れよ!!

 

謎の声がこのように宣言すると、息子の形見であるヘルメットから、黒い帯のようなものが現れ、それは男性の中へと入っていった。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

男性はまるで獣のような断末魔をあげるのだが、黒い帯のようなものを受け入れていた。

 

こうして、息子のヘルメットがゲートとなり、男性はホラーに憑依されてしまったのである。

 

「……ふっ……。警察に……復讐してやる……!」

 

ホラーに憑依された男性は、怪しげな笑みを浮かべると、どこかへと姿を消していった。

 

 

 

 

 

その頃、秋葉原交番で勤務する警官が、自転車を走らせながら街の見回りを行っていた。

 

「……うん。今日は以上なし……かな」

 

今日は大きなトラブルもなく、早々に交番へ戻ってひと休みしようと考えていた。

 

その時、警官の目の前にホラーに憑依されてしまった男性が立ちはだかっていた。

 

「……あれ?あなたは確か縫製屋の……どうしたんですか?」

 

ホラーに憑依されてしまった男性は、近所で服に使う生地などを扱う縫製屋を細々と経営していた。

 

扱う生地のクオリティは高く、客もそれなりに来ているため、細々と経営してても、売り上げ的には赤字ではなく、黒字であった。

 

この警官は、男性の息子が亡くなった時も対応していたため、男性のことはよく覚えていたのである。

 

「……なぁ、俺の息子は……。息子はいったいどこに行ったんだ……」

 

「へ?何言ってるんですか?あなたの息子さんは紛争地帯で亡くなってしまったではないですか」

 

その事実は男性もよくわかっているハズなので、警官は面食らっていた。

 

「嘘をつくな!息子は……。息子はまだ死んじゃいねぇ!!答えろ!息子をいったいどこに隠したんだ!」

 

男性は警官の胸ぐらを掴むと、鋭い目付きで警官を睨みつけていた。

 

 

「ちょっと……。いい加減にしろよ!じゃないと、公務執行妨害で逮捕するぞ!」

 

男性に胸ぐらを掴まれて黙っている警官ではなく、強気な発言で、男性を牽制していた。

 

男性は警官を突き飛ばす形で手を離すのだが、公務執行妨害と言われても、何故か男性は平然としている。

 

それが警官には不気味な光景だった。

 

「……わかった。もういい。真実を話してくれないなら用はない。……俺の餌にしてやる!」

 

「餌?おい、お前、何を言って……」

 

男性の放つあまりに不気味な言葉に警官は少し怯えていたのだが、男性の目が真っ白になると、人間の姿からホラーの姿へと変わっていった。

 

「……ひっ!?ば、化け物!?」

 

そのホラーは大きな剣を手にしており、肩の部分にはまるで鍛冶屋の人間が使うようなものが存在しており、その出で立ちはまるで鍛冶屋の巨人だった。

 

警官は突如現れた怪物を相手にしようにも、拳銃も警棒もないため、丸腰であった。

 

「く……来るな……!」

 

「くくく……。いただき……。ん?」

 

ホラーは警官を捕食しようとしたのだが、何かを感じ取り、それを辞めたのである。

 

ホラーの視線の向こうには、茶色のロングコートの少年……。奏夜が鋭い目付きで立っていた。

 

奏夜は街の見回りをしていたのだが、偶然にもキルバがホラーの気配を探知したため、ここへ急行したのである。

 

奏夜はすぐにでも魔戒剣を出そうとするが、助けようとしている相手が警官のため、迂闊に剣を出すことが出来なかった。

 

そのため、警官の前に移動すると、警官を守る体勢に入った。

 

「き……君は?」

 

「そんなことよりも早く逃げて下さい!こいつは普通じゃない!」

 

「で、でも!君はどうするんだ?」

 

警官は自分の立場上、自分だけ逃げるなど出来るわけがなく、奏夜にこう訪ねていた。

 

「俺だってすぐ逃げますよ!だから早く!」

 

「す、すまない!死ぬなよ!」

 

警官は今すぐにでも逃げ出したいと思っていたため、奏夜もすぐ逃げると聞いて安心したのか、自転車を回収すると、大慌てで逃げ出した。

 

奏夜は警官が逃げ出すのと同時に警官の背中に札のようなものを貼った。

 

これはホラーに襲われた人間のホラーに関する記憶を消し去るものなのだが、普段使っている札を使うとその場で意識を失ってしまうため、警官がホラーから逃げ切ったタイミングでその効果が発揮するよう細工したものを使用していた。

 

そんなことなど知る由もなく、警官は逃げ出すのだが、警官が逃げ切った頃には札の効果が発動し、何故自分が必死に逃げていたのかを忘れていたのである。

 

「……さて……。これで戦いに専念出来るな……」

 

警官がいなくなったことを確認すると、奏夜は魔戒剣を取り出した。

 

その魔戒剣を見たホラーは……。

 

「魔戒騎士か……!貴様も息子の居場所を隠しているのか!」

 

「息子?何のことだ?」

 

ホラーの発する意味不明な言葉に奏夜は面食らいながらも魔戒剣を抜いていた。

 

『奏夜!こいつはアルマー。あの鍛冶屋みたいな見た目の通り、武器を鍛えて攻撃力を上げる技を持っている!気を付けろ!』

 

「鍛冶屋ね……。わかった!」

 

奏夜は魔戒剣を構えると、鋭い目付きでアルマーを睨みつけていた。

 

すると……!

 

「……っ!」

 

素早い動きでアルマーが奏夜に迫り、予想以上の素早さに奏夜は息を飲んでいた。

 

「くっ……!こいつ……!早いうえに何て馬鹿力だよ……!」

 

アルマーは素早いだけではなく、力もかなりのものであり、奏夜は魔戒剣で受け止めるだけで精一杯だった。

 

「……このぉ!!」

 

そんな状態ではあったものの、奏夜は負けじと魔戒剣を力強く振るうと、アルマーを弾き飛ばすことに成功した。

 

そのまま奏夜は魔戒剣を一閃するのだが……。

 

「……くそっ!丈夫さもなかなか……!!」

 

アルマーの体はそれなりに硬いからか、奏夜の一撃はあっさりと受け止められてしまった。

 

反撃と言わんばかりにアルマーは大剣を振るうと、奏夜はそれを魔戒剣で受け止めるのだが、その剣圧の重さに吹き飛ばされてしまった。

 

「ぐぁっ!!」

 

そしてそのまま、近くに立っていた電柱に叩きつけられてしまった。

 

その衝撃はかなりのものであり、電柱には少しだけヒビが入ってしまい、その結果、その電柱周辺が一瞬だけ停電したのであった。

 

「こいつ……!」

 

奏夜はすぐに立ち上がり、体勢を立て直すのだが……。

 

「……フン、今日のところはこの辺にしといてやる。俺にはやらなければいけないことがあるからな」

 

アルマーはそのまま奏夜に追撃をかけることはせず、ホラーの姿のまま、どこかへと姿を消したのであった。

 

「っ!待て!!」

 

奏夜は慌ててアルマーを追いかけようとするが、素早い動きで姿を消したアルマーの姿を捉えることは出来なかった。

 

「……くそっ!鎧を召還する前に逃げられるなんて……。今度は絶対に逃がさない!」

 

奏夜は今回の戦いでアルマーに一方的にやられてしまったので、悔しさを滲ませて、唇を噛んでいた。

 

『やれやれ……。奏夜、あんな奴にあっさりと逃げられてしまうとは、お前もまだまだだな』

 

「わかってるよ……」

 

ホラーに逃げられてしまったのは自分の未熟さ故ということは奏夜も自覚しているため、その言葉に唇を尖らせながら魔戒剣を緑の鞘に納めた。

 

『とりあえず番犬所への報告は明日するとして、今日は帰るぞ』

 

「そうだな……」

 

今日のところは体を休めるために家に帰ることにした奏夜は、明日の朝イチで番犬所を訪れることにした。

 

こうして家に到着した奏夜は、明日こそは取り逃がしたアルマーを討滅すると決意を固めて、眠りについたのである。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

翌日、朝イチで番犬所を訪れた奏夜は、ロデルに昨日、アルマーというホラーと遭遇したことや、そのアルマーに逃げられてしまったことを報告した。

 

「ふむ……。貴方がホラーを取り逃がしてしまうとは、そのアルマーとかいうホラーはかなり手強いみたいですね……」

 

『いや、奴は至って普通のホラーだ。奴を取り逃がしたのは、奏夜がまだまだ未熟だからだ』

 

「……」

 

キルバはかなり厳しい言葉を奏夜にぶつけたのだが、事実だったからか、奏夜は苛立ちながらも何も言わなかった。

 

「……今のところ犠牲者が出ていないというのが不幸中の幸いですね。ですが、速やかにホラーを殲滅しなければなりません。犠牲者を出す前に……」

 

奏夜がアルマーに襲われていた警官を救ったため、犠牲者は出ていないのだが、速やかにアルマーを討滅しなければ、ホラーによる犠牲者を出してしまう可能性がある。

 

「奏夜。次にそのアルマーと戦う時、大輝に応援を要請しますか?あなたと大輝。2人が力を合わせれば倒すのは容易なハズです」

 

ロデルの言っていた大輝というのは、この翡翠の番犬所に所属する魔戒騎士である桐島大輝(きりしまだいき)のことである。

 

大輝は魔戒騎士として称号を持っている訳ではないのだが、多くの経験を積んでいるベテラン魔戒騎士であり、その技量は、称号を持たない騎士の中では最強とも言われている。

 

大輝はかつて桜ヶ丘にある紅の番犬所所属だったのだが、3年前の夏にこの翡翠の番犬所へと転属になったのである。

 

3年前の夏、この年は魔戒騎士にとってはかけがえのないものである武闘大会サバックが行われた年なのであるが、その前にアスハと呼ばれる魔戒法師が起こした魔戒騎士狩りによって、魔戒騎士の数が激減してしまった。

 

奏夜はその頃から魔戒騎士として活躍し始めたのだが、アスハの事件に巻き込まれてしまい、自分が未熟だった故、先輩騎士を見殺しにしてしまったのである。

 

その魔戒騎士狩りは、奏夜にとっては苦い事件となってしまったのだが、その事件がきっかけで、大輝は翡翠の番犬所に配属となったのであった。

 

現在大輝は翡翠の番犬所が担当している土地にも慣れ、ベテラン魔戒騎士の名に恥じない活躍をしている。

 

「……いえ。あのホラーは俺1人の力で倒します」

 

『おい、奏夜!お前1人で大丈夫なのか?』

 

「大丈夫さ。今度は必ず……!」

 

「……わかりました。アルマーの討伐はあなたにお願いしましょう。ですが、あなた1人では無理と私が判断したら、大輝を応援に寄越します。それでよろしいですね?」

 

ロデルは奏夜の実力を信頼してはいるものの、奏夜を焚き付けるためにあえて突き放す発言をしていたのであった。

 

「……っ!任せて下さい!」

 

奏夜はロデルの厳しい言葉に息を飲むのだが、確実に仕事をこなす意思を示すと、番犬所を後にした。

 

「……頼みましたよ、奏夜……」

 

奏夜が番犬所からいなくなるのを確認すると、ロデルはこのようにボソッと呟いていた。

 

番犬所を後にした奏夜は、そのまま穂乃果たちが練習していると思われる神田明神へと向かった。

 

奏夜が神社に続く階段を上がっていくと、練習が終わったのかゆっくりと体を休ませている穂乃果たちの姿を見つけた。

 

「……あっ、そーくんだ!」

 

「悪いな、みんな。遅くなっちまった」

 

「それは構わないのですが……。どこかへ行っていたのですか?」

 

「あぁ。今日は朝から番犬所に顔を出さなきゃいけない用事があってな」

 

「「「番犬所?」」」

 

聞き慣れない単語を聞いた穂乃果たちは、3人揃ってこう言うと、首を傾げていた。

 

「あぁ、番犬所っていうのは、魔戒騎士を総括する機関のことを言うんだよ」

 

「……ということは、奏夜はその番犬所というところに所属してホラーを狩っているという訳ですか?」

 

「あぁ、そういうことだ。俺の所属しているのは翡翠の番犬所って言うんだけど、秋葉原と神田と神保町あたりが管轄なんだよ」

 

「それって……。音ノ木坂の周辺ってことだよねぇ?」

 

「あぁ、穂乃果の言う通りだ」

 

「それで、その番犬所での用事とは何だったのですか?」

 

海未は、奏夜の言っていた番犬所での用事という言葉が気になっていた。

 

「実はな、昨日ホラーと遭遇したんだか、そのホラーに逃げられてしまってな……」

 

「え!?そうなの!?ということは、そーくん、ホラーにやられちゃったってこと?」

 

「……誠に遺憾だけど、その通りだよ」

 

ホラーの一撃を受けて吹き飛ばされてしまい、その後ホラーに逃げられたのは事実だったため、奏夜は悔しいと思いながらもことりの言葉を肯定していた。

 

「それで、怪我はないのですか!?」

 

「まぁ、勢いよく電柱に叩きつけられはしたけど、骨は折れてないし、大丈夫だよ」

 

「す、凄いね……」

 

奏夜が日頃から鍛えていることは聞いていたが、凄い勢いで電柱に叩きつけられても平気と聞くと、その凄まじさに穂乃果は苦笑いをしていた。

 

「ですが、奏夜ほどの実力を持っててもやられてしまうとは、そのホラーはかなりの実力者なのでしょうか?」

 

『いや、それは違うな。あいつを取り逃がしたのは、奏夜がまだまだ未熟だからだ』

 

「キルバ!そのようなことは……!」

 

海未はキルバの放った厳しい言葉に異議を唱えようとしたのだが……。

 

「海未、いいんだ。キルバは間違ったことは言ってないんだから」

 

「ですが……」

 

「……次に会った時は絶対に負けないさ。犠牲者を出す訳にはいかないからな……」

 

奏夜がアルマーを倒そうと決意したのは、リベンジを果たしたいからだけではなく、ホラーによる被害を食い止めるためである。

 

「そーくん。無理だけはしないでね!」

 

「そうだよ!私たちはそーくんのこと、心配してるんだからね!」

 

ホラーを倒すという奏夜の思いは立派だとは思っていても、穂乃果たちはやはり奏夜のことが心配であり、穂乃果とことりは奏夜を気遣う発言をしていた。

 

「あぁ……。ありがとな……」

 

穂乃果たちが心配してくれる。

 

そう考えるだけで、不思議と奏夜に力が湧いて来たのである。

 

今度アルマーと会ったら絶対に負けない。そう確信することが出来る程に……。

 

「……とりあえず、私たちは着替えてきますね。それが終わったら一緒に学校へ行きましょう」

 

「……あぁ、わかったよ」

 

穂乃果たちはジャージから制服へと着替えるために移動を開始すると、奏夜はその場で立ち、穂乃果たちの着替えが終わるのを待っていた。

 

そして、その着替えが終わると、奏夜は穂乃果たちと共に学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

学校へと到着した奏夜たちは普通に授業を受けていた。

 

そして、放課後、奏夜はキルバにホラーの気配を探るよう頼むと、ホラーが見つかるまでの間は練習に付き合うことにした。

 

μ'sの曲も出来上がっているため、歌の練習を行ったり、どのような振り付けにするかを話し合いながら実践をしたりしていた。

 

ある程度その練習が終わると、神田明神へ向かい、階段ダッシュを行った。

 

この時、まだホラーの気配は探知出来なかったため、奏夜は階段ダッシュの練習も付き合っていた。

 

キルバがホラーの気配を探知したのは、夕方となり、階段ダッシュの練習が終わった直後であった。

 

『……奏夜。ようやくホラーの気配を探知したぞ』

 

「わかった。……長いことホラーの探知をしてくれてありがとな、キルバ」

 

『気にするな。その代わり、今度はしっかりとホラーを仕留めろよ』

 

「わかってるって」

 

奏夜はホラーが見つかったとのことなので、キルバのナビゲーションを頼りにホラーの捜索を始めようとしたのだが……。

 

「……奏夜。ホラーと戦いに行くのですね?」

 

「あぁ。昨日はホラーにやられたが、今回は負けないさ」

 

これは決して気休めなんかではなく、本気で負けないと奏夜は思っていたのである。

 

「奏夜、無茶だけはしないで下さいね!」

 

「私たち、そーくんのこと、応援しているからね!」

 

「そーくん、ファイトだよっ!」

 

海未、ことり、穂乃果の3人が奏夜にエールを送る言葉を送っており、それを聞いた奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。

 

「みんな、ありがとな……!それじゃあ、行ってくる!!」

 

奏夜は穂乃果たちに別れを告げると、キルバのナビゲーションを頼りに、ホラーの捜索を開始した。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

奏夜がホラー、アルマーを捜索し始めてからおよそ30分後、アルマーに憑依された男性は、自らが経営している縫製屋にいた。

 

男性は今でも警察に逆恨みしており、すぐにでも警察へと殴り込もうと考えていたが、予想以上に客が来ていたため、警察への殴り込みは店が閉まってから行おうと考えていた。

 

「さて……。そろそろ店じまいか……」

 

後30分ほどで閉店時間となるので、男性は店を閉める準備をしようとしていた。

 

その時である。

 

「あのぉ……。すいません……」

 

音ノ木坂学院の制服を着たグレーの長髪の少女……ことりが、この店を訪れていた。

 

「おや、音ノ木坂のお嬢さんか。何かお探しかな?」

 

「はい。いくらか布を買いたいと思ったんですけど……」

 

どうやらことりはスクールアイドルの衣装を作るために、この店で布を買おうとしていたのである。

 

「あぁ。ゆっくり選んでいきな」

 

「それでは、遠慮なく〜」

 

ことりは真剣な表情で、どの布を買おうか吟味をしていた。

 

(……この女……。物を選ぶのに時間がかかりそうだな。俺は早く店を閉めて出たいというのに……)

 

男性はことりが来なければ閉店の準備を始めて早々に店を閉めようと考えていた。

 

しかし、来店したことりは真剣に商品を吟味しているため、買い物にどれだけ時間がかかるかはわからなかった。

 

(こうなったら……。この女を食っちまうか?若い女を喰うなど、俺の趣味ではないが……)

 

どうやら男性が憑依したアルマーは、女性を喰らうのを良しとしないようだった。

 

そんなアルマーが、本気でことりを喰らおうかと考えていたその時だった。

 

「……まだ、ここはやってるかな?」

 

茶色のロングコートを羽織った少年がこの店を訪れるのだが、その少年を見た瞬間、男性の表情が一瞬だけ歪んでいた。

 

「……あ、あれ?そーくん?」

 

先ほどホラーを探すと別れたハズの奏夜と会えるとは思っていなかったのか、ことりは目を大きく見開いて驚いていた。

 

「こ、ことりか……?こんなところで会うとは奇遇だな」

 

「う、うん。そうだね……」

 

「ことりはもしかして、衣装に使う布を買いに?」

 

「うん。ここの布は質が良いって評判だったから……」

 

ことりがここを訪れたのも、質が良い布を買えるからという評判を聞いたからこそである。

 

「ほぉ、そいつは光栄だね」

 

ことりのような少女に褒められるとは思っていなかったのか、男性は満更でもなかった。

 

「そ、そーくんがここに来たってことは、もしかして……」

 

「そういうことだ、ことり。悪いけど、衣装に使う布は違う所で買ってもらうことになるな」

 

「はぁ?おい、お前。いったい何を言って……」

 

男性は自分の正体がバレないよう奏夜に迫ろうとしたのだが、その前に奏夜は男性に近付いていた。

 

そして……。

 

魔導ライターを取り出すと、魔導火を放ち、男性の瞳を照らしていた。

 

すると、男性の瞳から不気味な文字のようなものが浮かび上がり、この男性がホラーだということが確認出来た。

 

「……俺がこの店を訪れた時、あんたが一瞬ピクッと反応したこと……。俺が見逃したとでも思ったのか?」

 

奏夜はキルバのナビゲーションにより、この店にいる男性がホラーだということはわかっていたのだが、店に入った瞬間、男性がピクッと反応したのを見ると、それは確信へと変わっていた。

 

「……くっ、くそっ!!」

 

男性は奏夜を殴り飛ばすと、そのまま店を飛び出し、どこかへと逃げ出した。

 

「……あいつ……!逃がすかよ!!」

 

殴り飛ばされた奏夜はすぐさま男性の追跡を開始し、その場にはことりだけが残されていた。

 

「あ、アハハ……。私1人になっちゃった……」

 

まさか自分が訪れた店の店主がホラーだとは思わず、ことりは苦笑いをしていた。

 

「……そーくんはああ言ってたけど、せっかくだから……」

 

ことりは既に買うべき布を決めていたようであり、布の代金をしっかりとレジの前に置いてから店を後にして、奏夜を追いかけていった。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

奏夜によって自分がホラーだとバレてしまった男性は、奏夜から逃れるために必死に逃げていた。

 

しかし、奏夜はキルバのナビゲーションによってホラーの進もうとしているルートに先回りをしたことにより、すぐさまホラーを追い詰めることに成功した。

 

「……今度こそ逃がさないぞ、ホラー!」

 

奏夜は魔戒剣を取り出し、それを抜くと、鋭い目付きで男性を睨みつけていた。

 

「貴様……!昨日の小僧か……!!昨日だけじゃなくて今日も俺の邪魔をしやがって……!!」

 

男性はさらに逃げようと考えもしたのだが、昨日だけではなく今日も自分に立ちはだかった奏夜を許すことは出来ず、ここで奏夜を始末しようと決めていたのである。

 

「……俺の息子は死んじゃいないんだ……。どいつもこいつもデタラメばかり言いやがって……!」

 

男性がアルマーに憑依されたのも、自分の息子の死を受け入れられないからであり、男性は自分の息子は死んだと告げた警察に逆恨みをしていたのである。

 

「あれからあんたのことは調べさせてもらった……。あんたの息子はもう死んだんだ!現実を受け入れろ!」

 

奏夜はこの店を訪れる前に、男性の家を訪れていた。

 

キルバは、アルマーの存在を探知する前に、アルマーが出現したゲートから放たれた微かに残る邪気を探知したからである。

 

男性の家で奏夜が見たものは、リビングに無残に置かれたヘルメットのようなものだった。

 

そのヘルメットにはまるで銃弾で貫かれたような大きな穴が開いており、何の事情も知らない奏夜であっても、このヘルメットを被っていた人物は既に命を落としていることを察することが出来た。

 

それだけではなく、奏夜は1枚の写真を見つけたのだが、そこにはアルマーに憑依された男性と、その息子と思われる青年が写っていた。

 

この写真を見た瞬間、奏夜は男性の言っていた息子は死んでいないという言葉を思い出していた。

 

そして、息子の死を受け入れられないという気持ちが陰我となり、アルマーに憑依されたのだと推測することは容易だったのである。

 

奏夜がことりよりも後に男性のいる縫製屋に到着したのは、男性の家に行っていたからであった。

 

奏夜は男性の事情を理解した上で、現実を受け入れられない男性にこう訴えかけるのだが……。

 

「うるさい!……うるさい!うるさい!うるさい!!」

 

奏夜が男性に向かって投げかけた言葉は、男性をなだめさせるどころか、かえって男性を激昂させてしまった。

 

「息子は死んでなんかいない!息子は生きているんだ!デタラメなことを言うな!!」

 

激昂してしまった男性は、奏夜の話に聞く耳など持ち合わせてはいなかったのである。

 

「どいつもこいつもデタラメばかり……。もういい……。警察だけじゃない……。みんなまとめてこの俺が喰らってやる……!」

 

警察へ逆恨みをしていた男性であったが、激昂したことでさらに歪んだ考え方をするようになり、見境なく人を喰らおうとしていた。

 

歪んだ考えでおかしくなってしまった男性は、そのままアルマーの姿へと変わっていった。

 

「何を言っても無駄みたいだな……。お前を倒して、そんな馬鹿なことを止めてみせる!」

 

奏夜は魔戒剣を構えると、鋭い目付きでアルマーを睨みつけていた。

 

すると、昨日と同じように、アルマーは素早い動きで奏夜に迫ると、手にしていた大剣を振り下ろした。

 

昨日はその大剣を受け止めた奏夜であったが、今回はその攻撃をかわし、魔戒剣を叩き込んだ。

 

しかし、昨日同様に、魔戒剣による一撃では、アルマーにダメージを与えることは出来なかった。

 

昨日と違って今日はこう来ることを奏夜は予想しており、アルマーは剣を手にしていない方の手で奏夜を殴り飛ばそうとするのだが、その攻撃もかわしていた。

 

奏夜は再び魔戒剣を一閃するのだが、その一撃はアルマーの大剣によって受け止められてしまった。

 

「くっ……。こいつ……やはりなかなか……」

 

思うようにアルマーにダメージを与えることは出来ず、奏夜は焦りの色を見せていた。

 

焦りは奏夜にとって隙を作ってしまい、アルマーは大剣を大きく振り降ろすと、そのまま奏夜を吹き飛ばした。

 

「ぐぁっ……!っとと……」

 

吹き飛ばされた奏夜はすぐに着地をして、体勢を立て直すのだが……。

 

「……!そ、そーくん!?大丈夫なの?」

 

ようやく奏夜に追いついたことりの近くに奏夜は吹き飛ばされたようであり、ことりはホラー相手に苦戦している奏夜を気遣っていた。

 

「……ことりか。俺は大丈夫だ。……お前は俺が守るから、下がってろ」

 

ホラーとの戦いにわざわざ首を突っ込んできたことりにあまり感心は出来なかったものの、来てしまった以上はことりを絶対に守る。

 

そんな気持ちが奏夜を突き動かしていた。

 

「う、うん……。そーくん、無理だけはしないでね……」

 

奏夜の力強い発言にことりはドキッとしたのか頬を赤らめると、素直に奏夜の言うことを聞き、少し離れたところへ移動して、奏夜の戦いを見守っていた。

 

「……フン、餌がわざわざやって来たか。こちらとしては都合が良い」

 

アルマーはことりも捕食しようとしていたため、ことりが現れたのはとても都合が良かった。

 

「……そんなこと……させるかよ!」

 

奏夜はことりにホラーの返り血を浴びさせないために、アルマーへと突撃していった。

 

「フン、闇雲に突っ込んで、俺を倒せるかよ!!」

 

奏夜は策もなく突っ込んで来たとアルマーは思っていたのか、大剣を大きく振り下ろした。

 

奏夜は冷静に状況を見極めていたようであり、奏夜はアルマーの攻撃をかわすと、アルマーの脛に2度、3度と魔戒剣を叩き込んだ。

 

「ぐっ……!」

 

直接的なダメージはなくても、脛を狙った攻撃は効いているようであり、アルマーは痛みのあまり膝をついていた。

 

その様子を見ていた奏夜は、後方に大きくジャンプをすると、アルマーと距離をとった。

 

「お、おのれ……!魔戒騎士の小僧が……!!」

 

奏夜の一撃によって膝をついていたアルマーは、ゆっくりとであるが、立ち上がった。

 

「ホラー、アルマー!!貴様のあまりに歪んだ陰我……俺が断ち切る!!」

 

奏夜はアルマーに向かってこう宣言をすると、魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。

 

その部分だけ空間が変化すると、奏夜はそこから放たれた光に包まれた。

 

すると、奏夜は変化した空間から出現した黄金の輝きを放つ鎧を身に纏った。

 

こうして、奏夜は陽光騎士輝狼の鎧を身に纏った。

 

「おのれ……こうなったら……」

 

奏夜が鎧を召還したのを見ていたアルマーは、大剣を肩の部分につけられた鍛冶屋が使いそうな装備にセットすると、それが起動し、その場で大剣を強化していた。

 

『奏夜。奴の大剣は相当鍛えられてるぞ。その一撃に注意しろ!』

 

「あぁ、わかってる!」

 

奏夜は魔戒剣が変化した陽光剣を構えると、アルマーの攻撃に備えていた。

 

武器の強化を終えたアルマーは、素早い動きで奏夜に接近すると、鍛えたばかりの大剣を振るった。

 

奏夜はその攻撃を受け止めることはせず、無駄のない動きでかわしていた。

 

「おのれ……!これならどうだ!」

 

アルマーは力任せに大剣を何度も振るうのだが、そのような力任せの攻撃は奏夜には通用せず、全ての攻撃がことごとく奏夜にかわされてしまった。

 

「……どうした?もう終わりか?」

 

「小僧が……!調子に乗るな!」

 

奏夜の悠々とした態度が気に入らなかったのか、アルマーは渾身の力を込めて大剣を振るうのだが、奏夜は大きくジャンプして、その一撃をかわした。

 

そして、奏夜は降下の勢いで陽光剣を振り降ろすと、アルマーではなく、アルマーの手にしている大剣を狙っていた。

 

奏夜の放った一撃で、アルマーの手にしていた大剣を真っ二つに斬り裂いた。

 

「なっ……!何だと!?」

 

自分の力によって鍛えられた大剣があっさりと折られるとは思っていなかったからか、アルマーは驚きを隠せずにいた。

 

「この剣はソウルメタルで出来てるんだ。お前がどんだけ剣を鍛えようと、負けるはずはない!」

 

「おのれ……!」

 

奏夜の一撃によって武器を失ってしまったアルマーであったが、まだ奏夜を倒すことを諦めておらず、渾身の力を込めて奏夜を殴ろうとしたのだが、その前に奏夜はアルマーを殴り飛ばしていた。

 

「くそっ!あのガキ、昨日より強くなってやがる……!この力……いったいどこから?」

 

奏夜は昨日戦った時よりも強くなっていると実感しており、それは鎧を召還したというだけの理由ではなさそうだった。

 

「……俺には守りたい奴がいるからな!守りし者として、その存在が俺を強くするんだ!」

 

実際に奏夜はことりを守る。そう考えるだけで不思議なことに力がみなぎってきたのである。

 

大切な者がいるからこそ強くなる。それこそ守りし者であると、奏夜は確信していたのだった。

 

「ほざけ!!」

 

息子の死を受け入れられない男性に憑依したアルマーは、そんな奏夜の思いを受け入れる訳はなく、疎ましいものであった。

 

「……この一撃で決めてやる!」

 

奏夜は再び陽光剣を構えてアルマーを睨みつけると、アルマーにトドメの一撃を叩き込むために接近した。

 

簡単にやられる訳にはいかないアルマーは最後の抵抗なのか渾身の力を込めて拳を奏夜に叩き込もうとした。

 

しかし、奏夜はアルマーの一撃をかわすと、そのまま渾身の力を込めて陽光剣を一閃した。

 

その一撃によってアルマーの体は真っ二つに斬り裂かれ、アルマーが消滅するのを待たずに奏夜は鎧を解除した。

 

奏夜の一撃によって斬り裂かれたアルマーは、ホラー態から人間の姿に戻ると、その場に倒れ込んだ。

 

「ま……雅也……!」

 

男性は手を伸ばしながら自分の愛した息子の名前を呼んでいた。

 

そして、男性の体は徐々に消滅していき、その体は陰我と共に消え去ったのである。

 

「……あの世で息子さんが待ってるハズだぜ。……しっかり親孝行をしてもらいな……」

 

ホラーに憑依した男性にこのようなメッセージを送った奏夜は、沈痛な面持ちのまま、魔戒剣を緑の鞘に納めた。

 

ホラーが消滅したことを確認したことりは、奏夜に駆け寄っていた。

 

「そーくん……大丈夫?」

 

「あぁ、俺は大丈夫だ。ことりこそ、大丈夫か?」

 

「う、うん。そーくんが守ってくれたから、大丈夫だよ」

 

「そっか……。それは良かった……」

 

大切な友達を守ることが出来た。

 

そう実感した奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべるのだが、そんな奏夜の笑顔を見たことりはドキッとしたのか、頬を赤らめていた。

 

そんな中、奏夜はことりを見て、あることに気付いたのであった。

 

それは……。

 

「……ことり、お前の手にしている布ってもしかして……」

 

ことりは何枚か布を抱えていたのだが、奏夜はその布に見覚えがあったのである。

 

「うん!あそこのお店の布だよ!質が良いから買っちゃった♪」

 

「やれやれ……。あの状況だったのにちゃっかりしてるな……」

 

「あ、でも、ちゃんとお金は支払ったし、問題はないよ!」

 

きちんとレジのところにお金は置いてきたため、買い物は成立しているとことりは主張していた。

 

「やれやれ……。まぁ、別にいいんだけどさ……」

 

一応は買い物は成立しているため、奏夜はこれ以上追求することはせず、苦笑いをしていた。

 

「……まぁ、とりあえず帰ろうぜ。送るからさ」

 

「うん♪そーくん、お願いね♪」

 

こうして、ホラー、アルマーをどうにか討滅した奏夜は、ことりを家に送り届けてから自分の家に戻った。

 

キルバは先ほどの奏夜の戦いにはまだまだ課題点があると厳しい指摘をしており、奏夜はそれを真摯に受け止めていた。

 

自分はまだまだ未熟である。

 

それを自覚している奏夜は、一人前の魔戒騎士になるために、これからも精進を続けることを決意し、この日は眠りについたのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『もうすぐ初ライブだな。どうやら準備は順調なようだな……。次回、「準備」。まぁ、問題も少なからずあるみたいだがな』

 

 




今回の話ですが、「牙狼 makaisenki」および「牙狼 炎の刻印」第6話を足して2で割ったような内容となっています。

今回登場したホラーは、「炎の刻印」第6話に登場したアルマーで、ホラーに憑依された男性の息子が戦場カメラマンだというのは、「makaisenki」第6話に登場した老夫婦の息子と同じ職業です。

色々と取り入れているため、オリジナルじゃないじゃん!こう言われば何も言えませんが(笑)

それにしても、奏夜とホラーが戦う中、無人になった店で買い物をすることりのちゃっかりさ(笑)

それだけそこの店の商品の質が良かったってことですかね。

さて、次回からはようやくラブライブ!の第3話に突入します。

初ライブを目前に控える中、奏夜たちを待っているものはいったい何なのか?

それでは、次回をお楽しみに!


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